JPS5847477B2 - ステンレス鋼の表面処理方法 - Google Patents
ステンレス鋼の表面処理方法Info
- Publication number
- JPS5847477B2 JPS5847477B2 JP10155580A JP10155580A JPS5847477B2 JP S5847477 B2 JPS5847477 B2 JP S5847477B2 JP 10155580 A JP10155580 A JP 10155580A JP 10155580 A JP10155580 A JP 10155580A JP S5847477 B2 JPS5847477 B2 JP S5847477B2
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- JP
- Japan
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- stainless steel
- treatment
- film
- corrosion
- surface treatment
- Prior art date
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- Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、ステンレス鋼を陰極として電気化学的処理を
おこない、その表面に耐食性の皮膜を形成するステンレ
ス鋼の表面処理方法の改良に関する。
おこない、その表面に耐食性の皮膜を形成するステンレ
ス鋼の表面処理方法の改良に関する。
従来この種の表面処理方法には、クロムメッキ法がある
。
。
このクロムメッキ法は電気メッキ法の一種で、ステンレ
ス鋼表面に金属クロムを電析させることにより、純クロ
ムの表面皮膜を形成するものである。
ス鋼表面に金属クロムを電析させることにより、純クロ
ムの表面皮膜を形成するものである。
この表面皮膜は、耐食性を有するとともに光沢も優れて
いる利点を有しており、安価であるが、耐食性の十分で
ないステンレス鋼例えばJIS規格のSUS430など
の処理に利用されている。
いる利点を有しており、安価であるが、耐食性の十分で
ないステンレス鋼例えばJIS規格のSUS430など
の処理に利用されている。
しかしこのクロムメッキ法は、処理液として硫酸と高濃
度のクロム酸との混液を使用しており、このため廃液処
理においてこの中に含まれる多量のクロム酸の処理が大
変であり、廃液処理コストが高くなるとともに、公害上
の問題が大きい。
度のクロム酸との混液を使用しており、このため廃液処
理においてこの中に含まれる多量のクロム酸の処理が大
変であり、廃液処理コストが高くなるとともに、公害上
の問題が大きい。
またクロムメッキ法では、数アンペア/dm2以上の大
きな電流が必要であり、しかも処理時間が長く、このた
め消費電力が多く、処理コストが高くなる欠点がある。
きな電流が必要であり、しかも処理時間が長く、このた
め消費電力が多く、処理コストが高くなる欠点がある。
このようなことからクロムメッキ法に代わる方法として
ステンレス鋼を陰極として電気化学的処理をおこない、
その表面に耐食性皮膜を形成する方法が提案されている
。
ステンレス鋼を陰極として電気化学的処理をおこない、
その表面に耐食性皮膜を形成する方法が提案されている
。
例えばクロム酸、重クロム酸等とリン酸等との混液を処
理液としてステンレス鋼の電気化学的処理をおこなう方
法が提案されている。
理液としてステンレス鋼の電気化学的処理をおこなう方
法が提案されている。
この方法によれば、処理液のクロム酸濃度が少なく、廃
液処理が容易であるとともに、通電時間、電流密度が小
さくともクロムメッキ法と同等の耐食性を有している利
点がある。
液処理が容易であるとともに、通電時間、電流密度が小
さくともクロムメッキ法と同等の耐食性を有している利
点がある。
しかし、この方法では、自動車用ステンレス鋼において
、必要な耐亜硫酸性が悪いとともにステンレス鋼表面の
光沢は悪く、クロムメッキ法のものに比して商品価値が
低下してしまう欠点がある。
、必要な耐亜硫酸性が悪いとともにステンレス鋼表面の
光沢は悪く、クロムメッキ法のものに比して商品価値が
低下してしまう欠点がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところは処理液を改良することにより、耐亜硫酸
性を高め、更に光沢も優れたステンレス鋼の表面処理方
法を得んとするものである。
とするところは処理液を改良することにより、耐亜硫酸
性を高め、更に光沢も優れたステンレス鋼の表面処理方
法を得んとするものである。
以下本発明につき詳細に説明する。
本発明は光輝焼なまし皮膜(以下BA皮膜と略称する)
又は化学的処理等で得られる不働態皮膜を有するステン
レス鋼を以下に示す処理液中で、電気密度5A/di以
下、液温10〜90′Gの処理条件下で陰極処理する方
法である。
又は化学的処理等で得られる不働態皮膜を有するステン
レス鋼を以下に示す処理液中で、電気密度5A/di以
下、液温10〜90′Gの処理条件下で陰極処理する方
法である。
ここでこの方法は、JIS規格のSUS430,BUS
434 ,SUS 304等各種ステンレス鋼に適用
できるが、とくに安価であるが耐食性のひくいSUS4
30,420等の耐食性を高める処理として好適である
。
434 ,SUS 304等各種ステンレス鋼に適用
できるが、とくに安価であるが耐食性のひくいSUS4
30,420等の耐食性を高める処理として好適である
。
まず本発明では、ステンレス鋼の表面に予じめBA皮膜
又は不働態皮膜を形成しておく必要がある。
又は不働態皮膜を形成しておく必要がある。
BA皮膜及び不働態皮膜はいずれも表面を不活性とする
皮膜の一種であり、BA皮膜は光輝焼なまし(ブライト
アニーリング)を行なうことにより得られるC r 2
0 3又はFeCr204を主戒分とする厚み数百λ
程度の耐食性皮膜である。
皮膜の一種であり、BA皮膜は光輝焼なまし(ブライト
アニーリング)を行なうことにより得られるC r 2
0 3又はFeCr204を主戒分とする厚み数百λ
程度の耐食性皮膜である。
なおこのBA皮膜は、不働態皮膜とは異なるものである
。
。
又不働態皮膜は大気中に放置あるいは硝酸20%(容量
)を含む水溶液に、常温で30分間、もしくは65゜C
で10分間くらい浸漬をおこなうことにより得られる。
)を含む水溶液に、常温で30分間、もしくは65゜C
で10分間くらい浸漬をおこなうことにより得られる。
本発明において予じめBA皮膜、不働態皮膜を形或する
のは、この皮膜を形成しておかないと後におこなう陰極
処理をおこなっても耐食性の向上という本願の効果を発
輝できないためである。
のは、この皮膜を形成しておかないと後におこなう陰極
処理をおこなっても耐食性の向上という本願の効果を発
輝できないためである。
このことは後述する実験(実施例1に記載)により認め
られたもので、理論的解明は十分になされていない。
られたもので、理論的解明は十分になされていない。
次に本発明においては、皮膜を形成したステンレス鋼を
リン酸、モリブデン酸塩を含む処理液中で陰極処理又は
浸漬処理する。
リン酸、モリブデン酸塩を含む処理液中で陰極処理又は
浸漬処理する。
この処理液中のリン酸はステンレス鋼の表面に耐食性の
皮膜を形成するために必要な戒分である。
皮膜を形成するために必要な戒分である。
ここでリン酸を0.1重量φ以上としたのは、これ未満
では防食効果が得られず又50重量饅以下としたのは、
これを越えるとステンレス鋼表面の光沢が消失し又廃液
損失が太きいためである。
では防食効果が得られず又50重量饅以下としたのは、
これを越えるとステンレス鋼表面の光沢が消失し又廃液
損失が太きいためである。
またモリブデン酸塩はステンレス鋼の表面の耐食性皮膜
の耐亜硫酸性を高めるとともに光沢を良好に維持する成
分で、例えばモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸
ナトリウム等がある。
の耐亜硫酸性を高めるとともに光沢を良好に維持する成
分で、例えばモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸
ナトリウム等がある。
ここでモリブデン酸塩の範囲を限定した理由は、0.1
重量φ未満ではこの効果が発揮されず又10.0重量係
を越えると表面光沢が得られないためである。
重量φ未満ではこの効果が発揮されず又10.0重量係
を越えると表面光沢が得られないためである。
この処理液中で陰極処理するための処理条件は、電流密
度5Mm”以下、液温10〜90℃である。
度5Mm”以下、液温10〜90℃である。
電流密度を5A/di以下としたのは、5 A/ d
rri’以上では光沢表面が得られないとともに経済的
に不利であるためである。
rri’以上では光沢表面が得られないとともに経済的
に不利であるためである。
また液温を10〜900Cとしたのは、10°C未満で
は処理時間がかかるとともに処理液の温度保持が難かし
く、又90℃を越えると処理液が劣化するためである。
は処理時間がかかるとともに処理液の温度保持が難かし
く、又90℃を越えると処理液が劣化するためである。
本発明では処理液の温度が高くなれば処理時間の短縮、
消費電力の減少を図ることができ、とくに70〜90℃
では電流密度O(電流を流さずに単に浸漬するだけ)と
してもその表面に耐食性の皮膜を形成することができる
。
消費電力の減少を図ることができ、とくに70〜90℃
では電流密度O(電流を流さずに単に浸漬するだけ)と
してもその表面に耐食性の皮膜を形成することができる
。
ここでの処理時間は、液温か高温で電流密度が太きけれ
ば短時間でよく、又その逆であれば長時間必要であるが
、本発明に係る処理液、処理条件では通常10秒〜10
分の処理時間で耐食性の皮膜を形成することができる。
ば短時間でよく、又その逆であれば長時間必要であるが
、本発明に係る処理液、処理条件では通常10秒〜10
分の処理時間で耐食性の皮膜を形成することができる。
しかして本発明によれば、ステンレス鋼の表面に加工後
においても劣化せず又耐亜硫酸性が優れた耐食性の皮膜
を形成し、しかもその皮膜が光沢を維持しており、この
ため耐食性の十分でないステンレス鋼の耐食性を高め、
しかもその商品価値を高いものとすることができる。
においても劣化せず又耐亜硫酸性が優れた耐食性の皮膜
を形成し、しかもその皮膜が光沢を維持しており、この
ため耐食性の十分でないステンレス鋼の耐食性を高め、
しかもその商品価値を高いものとすることができる。
このことは以下の実施例により認められた。
実施例 1
ステンレス鋼素材としてJIS規格のSUS 4 3
0 ,SUS434 ,SUS420J2を光輝焼鈍し
てBA皮膜を形成したもの及びSUS 3 0 4をヘ
ヤーライン処理したもの(不働態皮膜が形威されている
)を用いた。
0 ,SUS434 ,SUS420J2を光輝焼鈍し
てBA皮膜を形成したもの及びSUS 3 0 4をヘ
ヤーライン処理したもの(不働態皮膜が形威されている
)を用いた。
又処理液としてリン酸937重量φ、モリブデン酸ナト
IJウム1.34重量咎を含むものを用いた。
IJウム1.34重量咎を含むものを用いた。
この処理液中で上記ステンレス鋼を電流密度1.OA/
dm”、液温20℃、処理時間3分で陰極処理した(5
処理1)。
dm”、液温20℃、処理時間3分で陰極処理した(5
処理1)。
またこのステンレス鋼を電流密度1.OA/am、液温
50℃、処理時間30秒で陰極処理した(処理2)。
50℃、処理時間30秒で陰極処理した(処理2)。
このように表面処理したステンレス鋼を第1表に示す試
験方法で耐食性試験をおこない、その試験結果を第2表
に示す。
験方法で耐食性試験をおこない、その試験結果を第2表
に示す。
更に本発明方法と比較するためにBA皮膜付きのステン
レス鋼素材についても耐食性試験をおこない、その結果
を第2表に併記する。
レス鋼素材についても耐食性試験をおこない、その結果
を第2表に併記する。
またBA皮膜及び不働態皮膜のいずれも付けていないス
テンレス鋼素材について上記実施例と同条件で陰極処理
をおこなった。
テンレス鋼素材について上記実施例と同条件で陰極処理
をおこなった。
その耐食性試験結果を第2表に併記する。
また上記実施例において、処理液としてリン酸は含有す
るがモリブデン酸塩は含有しないものを用いて同様の表
面処理をおこない、この処理で得られたステンレス鋼の
耐食性試験結果を第2表に併記する。
るがモリブデン酸塩は含有しないものを用いて同様の表
面処理をおこない、この処理で得られたステンレス鋼の
耐食性試験結果を第2表に併記する。
実施例 2
次に上記実施例1で得られたステンレス鋼(SUS43
0)表面の光沢を、BA皮膜を形成したステンレス鋼素
材の光沢と比較して光沢の有無を判定した。
0)表面の光沢を、BA皮膜を形成したステンレス鋼素
材の光沢と比較して光沢の有無を判定した。
その結果を第3表に示す。またこれと比較するためにリ
ン酸、モリブデン酸塩がいずれも本発明の範囲から外れ
ているもの又は電流密度が本発明の範囲から外れている
ものについて同様に光沢の有無を判定した。
ン酸、モリブデン酸塩がいずれも本発明の範囲から外れ
ているもの又は電流密度が本発明の範囲から外れている
ものについて同様に光沢の有無を判定した。
その結果を第3表に併記する。
これら実施例から明らかなように、本発明によれば耐食
性とくに耐亜硫酸性が優れるとともに光沢も良好に維持
でき、自動車用ステンレス鋼の表面処理としてきわめて
有効である。
性とくに耐亜硫酸性が優れるとともに光沢も良好に維持
でき、自動車用ステンレス鋼の表面処理としてきわめて
有効である。
Claims (1)
- 1 光輝焼なまし皮膜又は不働態皮膜を有するステンレ
ス鋼をリン酸0.1〜50重量係、モリブデン酸塩0.
1〜10.0重量φを含む処理液に浸漬し、この処理液
中で電流密度5A/d77+″以下、液温10〜90℃
の処理条件下で陰極処理することを特徴とするステンレ
ス鋼の表面処理方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10155580A JPS5847477B2 (ja) | 1980-07-24 | 1980-07-24 | ステンレス鋼の表面処理方法 |
DE8181105614T DE3172671D1 (en) | 1980-07-24 | 1981-07-17 | Process for surface treatment of stainless steel sheet |
EP81105614A EP0045017B1 (en) | 1980-07-24 | 1981-07-17 | Process for surface treatment of stainless steel sheet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10155580A JPS5847477B2 (ja) | 1980-07-24 | 1980-07-24 | ステンレス鋼の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5726196A JPS5726196A (en) | 1982-02-12 |
JPS5847477B2 true JPS5847477B2 (ja) | 1983-10-22 |
Family
ID=14303660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10155580A Expired JPS5847477B2 (ja) | 1980-07-24 | 1980-07-24 | ステンレス鋼の表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5847477B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59169737A (ja) * | 1983-03-15 | 1984-09-25 | Kawasaki Steel Corp | 溶接装置 |
CN102762769B (zh) * | 2010-03-12 | 2014-10-29 | 丸井镀金工业株式会社 | 不锈钢的钝化方法 |
-
1980
- 1980-07-24 JP JP10155580A patent/JPS5847477B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5726196A (en) | 1982-02-12 |
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