JPS5847425Y2 - 交流電気機器特性試験装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はモータ等の交流電気機器の特性試験において、
入力、出力の各データを完全に同期して測定することの
できる特性試験装置に関するものである。

例えばモータ特性試験では電圧、電流、電力トルス回転
数などの関係を測定する。

この測定を人間が計測器を用いて目視で行なう場合は、
測定器の応答時間と、計測器指示値を順次読取るための
読取りに要する時間の間モータの運転条件を一定に保持
する必要がある。

しかし、高速応答性を持つ計測器を用いて各データを同
時点でサンプリングすればモータの運転条件を一定に保
持する必要はなくなり、連続的に測定条件を変化させる
ことが可能となる。

その結果測定時間を短縮することが可能となる。

歪波交流の実効値や平均値を短時間に求める場合は、実
効値や平均値の平均化区間は波形の１周期が基本となる
。

ただし応答時間が長くてよい場合は１００波長以上の長
区間平均をとるのが普通である。

高速応答を必要とする場合で交流波形周期の長さを測定
区間つまりサンプリング幅に設定する場合、サンプリン
グ幅信号を形成する方法には、第１の方法として、クロ
ック信号を用いて所定の時間幅を形成する方法がある。

この場合クロック信号の周波数は被測定信号周波数に比
べて充分高くしかつ安定性を良くすることが精度上望ま
しい。

この方法では波形と関係なく任意のタイミングでサンプ
リングできるが、被測定周波数（例えば５０．６０Ｈｚ
）に合せてその都度サンプリング幅を設定するという操
作が必要となる。

第２のサンプリング幅設定法は被測定波形自身をパルス
整形して、この信号を基準とする方法でありサンプリン
グ幅は自動的に設定できる。

この方法では交流波形を零交点検出によりパルス化する
のが一般的であり、したがってサンプリング幅の始点、
終点の夕イミノジは波形から決定される。

この方法によりサンプリング幅を決める場合、誘導モー
タでは電圧、電流間には通常位相差があり、また電力の
周波数は電圧の２倍となるため、電圧、電流、電力など
の測定タイミングをそれぞれの波形を基準にして決める
と同期して測定することが困難となる。

連続的に変化している運転条件における各テ゛−タの相
互関係を測定するときは、完全に同期して測定すること
がデータ処理上好都合であるが、上記のように各データ
の波形や位相が異なるときは測定のタイミングがずれて
しまう。

本考案の目的は、上記問題点を解決し、モータ等の電気
機器特性試験における電圧、電流、電力、その他のデー
タを、交流電源波形の周期に基づくサンプリング幅で完
全に同期して測定することの可能な交流電気機器特性試
験装置を提供するにある。

モータ等の特性試験における過渡状態での測定すべき各
データを完全に同期して測定するために、本考案は、電
源電圧の波形からサンプリング幅や測定タイミングを決
め、これにより各データ検出器を同期して制御するよう
に構成している。

本考案の具体例をモータ特性試験を例にとり図面を参照
して説明する。

第１図は同期速度から停止に至るまでの検出される各デ
ータの例を示している。

モータ特性としてはこれらの入カテ゛−夕だけでは不充
分であり、入力データから計算で求めるテ゛−夕もある
。

すなわち出力、効率、力率などである。

そのため、各入力データは第１図ｔ１におけるＶ、、Ｔ
、、Ｎ、、Ｐ、、１．のように同期して測定されている
ことがデータを計算処理する」−で好ましい。

また、交流の実効値を検出する必要から前記したように
波形１周期分をサンプリングするのが好都合である。

これを実現するための本考案の構成例を第２図に示す。

被試験モータ１にはトルク検出器５、回転数検出器６負
荷装置７を結合している。

モータ１の電源電圧や電流は変成器２、変流器３を介し
て変換器８，９．１０に接続される。

なお変換器８．９は区間実効値を、変換器１０は区間平
均値を検出変換できる機能を持つものである。

また、変成器２、変流器３は他の検出法例えば抵抗器と
絶縁増幅器などに置換えてもよいことは当然である。

電圧波形信号は制御回路４によりパルス化され、この信
号により各検出変換器８，９，１０，１１．１２は検出
タイミングおよびサンプリング幅などを制御される。

第３図は各データの波形とサンプリング幅およびタイミ
ングの関係を示したものである。

すなわち、電圧■の波形における１波長区間ｔ８〜ｔｂ
をサンプリング幅として、この区間の実効値あるいは平
均値等を測定するものである。

このとき電圧、電流間に位相差φがあると、電流は電流
波形の零交点からずれた区間を測定することになるが、
その区間は波形の一周期と一致している。

ただし、トルクや回転数については、その検出器５，６
が瞬時値を検出できる方式であれば、ｔｏにおける瞬時
値を測定してもよい。

なお第３図では電圧波形の零交点が測定区間の区切り点
と一致しているが、これは必ずしも一致する必要はなく
、一定時間の遅れがあっても差支えなく、波形の一周期
と測定区間が一致していればよいこと勿論である。

また、多相交流を用いる装置の場合は、いずれか１相の
電圧波形をタイミング基準として用いればよい。

以上説明したごとく本考案によれば、モータ特性試１＠
装置において各データのサンプリング幅と測定タイミン
グをモータ電源電圧波形により決め、完全に同期して全
入カテ゛−夕を測定するように構成したことにより、過
渡状態におけるテ゛−タの計算処理および相関の測定が
容易となった。

また、これは過渡状態で急激に変動する複数のテ゛−タ
測定における誤差を低減することになる。

また入カテ゛−夕の急激な変動を許すということは測定
条件を短時間に変化させることが可能となり測定時間が
短縮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はモータ特性試験の入力データ例、第２図は本発
明の構成を示すブロック図、第３図は本発明により入カ
テ゛−夕のサンプリング幅を示す信号波形図。 １・・・・・・被試験モータ、２・・・・・・変成器、
３・・・・・・変流器、４・・・・・・制御回路、５・
・・・・・トルク検出器、６・・・・・・回転数検出器
、７・・・・・・負荷装置、８，９，１０，１１．１２
・・・・・・変換器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被試験交流電気機器に供給する電源の電圧波形と電流波
   形とをそれぞれ検出する第１の検出手段及び第２の検出
   手段と、上記第１の検出手段による検出周期に関連して
   上記波形のサンプリング区間を決定するとともにこれを
   出力する制御手段と、該制御手段の出力が共通に入力さ
   れてサンプリング区間が制御され実効値あるいは平均値
   が検出変換される第１、第２及び第３の変換手段であっ
   て上記第１の検出手段の出力から区間実効値を変換出力
   する第１の変換手段・上記第２の検出手段の出力から区
   間実効値を変換出力する第２の変換手段及び上記第１及
   び第２の検出手段の出力から区間平均値を変換出力する
   第３の変換手段とを少なくとも備えてなる交流電気機器
   特性試験装置。