JPS5847223Y2 - 直接噴射式内燃機関の吸気ポ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は直接噴射式内燃機関の吸気ポートに関する。

内燃機関の吸気ポートは機関の馬力などに直接影響する
ものであり、その設計にあたっては、スワール（旋回流
）の発生効率および流量効率の向上について特に考慮さ
れねばならなＬ・。

第１図は従来一般の直接噴射式機関用（ダイレクト形式
）の吸気ポートを示すものであり、吸気路入口部１の土
壁面２および下壁面３の曲率半径Ｒ１、Ｒ２を適当に選
択し、上壁面２を弁ガイド４の下流側上壁面５に適当な
曲率半径Ｒ３でほぼ円滑に接続させ、図示のＡ−Ａ断面
部を最小通路部として気流の集束を計り、比較的小さな
流入角で弁座部の戻入口側より流入させてスワールを発
生させている。

ところが、４弁式高過給機関などのインサート式の吸気
弁座では、インサート高さおよび下壁面側の裏肉厚など
を確保せねばならない。

そのため、それに上記一般の吸気路構造をそのまま適用
した場合には、集束された気流ａが下流側上壁面５下端
のインサート側部に当たり、したがって気流ａは吸気弁
１４の前後より燃焼室に流入することとなり、スワール
の発生がな（なり、また流量効率が低下すると言う欠点
がある。

即ち、第１図の吸気ポートの模式的な平面説明図である
第２図に示すように、上壁面２の各部位の壁面２ａ、２
ｂ。

２ｃ、２ｄは、はぼ同一形状に形成されており、吸気路
入口部１から流入した気流ａは、第１図に示すように斜
め下方に向けられているだけのため、吸気弁１４の弁傘
上でもどる気流ａ′が生じ、これにより気流ａによる賃
ワールＳとは逆方向のスワールＳ′が生じて両者がぶつ
かるため、シリンダ１５内のスワール発生力が著しく低
下する。

本考案はこのようなインサート式の吸気弁座を備えた吸
気ポートにおける欠点を解消せんとするものであり、ス
ワール効率および流量効率の良好なダイレクト形式の吸
気ポートを提供することを目的とする。

即ち、本考案は、インサート式吸気弁座の弁座開口部上
方に位置する、吸気路上壁面に、吸気路に向かって隆起
した隆起部を設け、その隆起部に吸気路を流れる一様流
をほとんど衝突させ、それにより気流を集束し、この集
束流をインサートの側部に当てずに直接燃焼室に流入さ
せるようにした点に特徴がある。

以下、図面に示す本考案の実施例について説明する。

第３図は本考案の吸気ポートの側視断面説明図、第４図
は第３図の吸気ポートの模式的な平面説明図、第５図は
第３図のＡ−Ａ視断面説明図である。

第３図において６は吸気路で、７はその上壁面、８は弁
ガイド９の入口側に隣接して形成した吸気路６に向って
隆起した隆起部、１０は弁ガイド下端面の弁開口と平行
なフラット部、１１はインサート、１２は層内部であり
、吸気路６は弁孔に略直線的に結合されている。

そして、インサート１１の高さはｈｌ、裏向部１２の高
さはｈ２で、ｈｌ〈ｈ２の関係にある。

吸気路６の上壁面７０入ロ側の曲率半径Ｒ１、下壁面１
３の曲率半径Ｒ２、上壁面の隆起部８の曲率半径Ｒ４お
よびフラット部１０の下流側と弁座部を接続する壁面の
曲率半径Ｒ３は適当に選択して、隆起部８により気流が
下方へ集束され、Ａ−Ａ断面部の最小通路部を経て比較
的小さな流入角で弁座部の戻入口側より流入してスワー
ルを有効に発生するように構成する。

上記曲率半径Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３，Ｒ４の選択に当たって
は、Ａ−Ａ断面部からの集束気流がインサート１１０側
部に当たらずに、直接燃焼室に流入するようにすること
が大切である。

それにより、隆起部８により集束された気流は、弁ガイ
ド下部では壁面を離れ、空中を横切って戻入口側弁座部
より直接燃焼室に流入することになる。

即ち、第３図における上壁面７の各部位における壁面７
ａ 、７ｂ 、７ｃ 、７ｄ 、７ｅは、第４図に示す
ように、吸気路６０入ロ側から弁ガイド下部に向って変
化しており、弁ガイド９０入口側に隣接した部位で壁面
７ｃ 、７ｄ 、７ｅのように吸気路６内に隆起して隆
起部８を形成している。

そして、第３図のＡ −Ａ断面部の最小通路部の断面は
第５図のようになっている。

そして、この隆起部８は、半径Ｒ４の曲率に形成されて
いるため、気流ａを溜め、これを第４図のように隆起部
８の両側へ分配して、戻入口側弁座部より直接燃焼室に
流入することになる。

従って、弁座部の入口側において戻入口側に流入した気
流と逆方向の気流（第１．２図の気流ａ′）の発生が防
止され、シリンダ１５内にスワールＳを有効に発生させ
ることができる。

なお、図において、１６は吸気孔、１７は排気孔である
。

上述のように、本考案によれば、インサート式吸気弁座
の弁座開口部上方に位置する、吸気路上壁面に、吸気路
に向かって隆起した隆起部を設け、その隆起部に吸気路
を流れる一様流をほとんど衝突させ、それにより気流を
集束し、弁座部の戻入口側に指向せしめる構成としたた
め、インサート式吸気弁座を有し、かつ吸気路と弁孔と
が略直線的に結合された機関においてスワールを有効に
発生させることができ、しかも、上記集束流をインサー
ト１１の側部に当てずに直接燃焼室に流入させるように
したため、流量効率を大幅に向上させることができる。

さらに、弁座部の入口側において戻入口側に流入した気
流と逆方向の気流の発生を防止することができる。

なお、本考案は吸、排気２弁式および４弁式機関のみな
らず、電気着火式機関の吸気ポートなどに適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来一般のダイレクト形式の吸気ポートの側視
断面説明図、第２図はその吸気ポートの模式的な平面説
明図、第３図は本考案の吸気ポートの側視断面説明図、
第４図はその吸気ポートの模式的な平面説明図、第５図
は第３図のＡ−Ａ視断面説明図である。 １・・・・・・吸気路入口部、２・・・・・・上壁面、
３・・・・・・下壁面、４・・・・・・弁ガイド、５・
・・・・・下流側上壁面、６・・・・・・吸気路、７・
・・・・・上壁面、８・・・・・・隆起部、９・・・・
・・弁ガイド、１０・・・・・・フラット部、１１ ・
、−・・インサート、１２・・・・・・裏向部、１４・
・・・・・吸気弁、１５・・・・・・シリンダ、１６・
・・・・・吸気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インサート式吸気弁座の弁座開口部上方に位置する、吸
   気路土壁面に、吸気路に向かって隆起した隆起部を設け
   、その隆起部に吸気路を流れる一様流をほとんど衝突さ
   せ、それにより気流を集束し、この集束流をインサート
   の側部に当てずに直接燃焼室に流入させるようにした弁
   孔と吸気路がほぼ直線的に結合された直接噴射式内燃機
   関の吸気ポート。