JPS5846673B2 - 機関点火装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は機関用無接点点火装置、特に機関点火時期を
任意に制御するものに関する。

従来この種の機関点火装置において機関点火時期に発生
する点火信号により、サイリスタやトランジスタの如き
開閉素子を動作させて点火コイルの１次電流を制御する
ことにより２次側に点火電圧を発生させている。

然るに、このものは機関回転に同期して信号発電コイル
に発生する点火信号電圧をそのまま点火信号として上記
開閉素子に供給しているため、該点火信号の出力波形に
よって点火時期の進角特性が決定し、本来内燃機関に必
要とされる進角特性に応じきれない欠点があった。

本発明は上記欠点に鑑み機関点火時期の進角特性を任意
に制御して機関の要求する進角特性を満足するようにし
た機関点火装置を提供するものである。

以下、第１図に示す実施例について説明する。

第１図において、１は図示しない機関によって駆動され
る交流磁石発電機に内蔵され、機関の回転数に同期して
交流出力電圧を発生する発電コイル、２はこの発電コイ
ル１の交流出力を整流するダイオード、３はこの整流出
力により充電されるコンデンサ、４は点火コイル、５は
点火プラグ、６は開閉素子であるサイリスクで、コンデ
ンサ３に充電された電荷を上記点火コイル４の１次コイ
ルに放出すべく放電回路を構成している。

７は本発明の要部を構成する信号整形回路である。

即ち、８は機関によって駆動され、機関回転数の増減に
伴ない値が増減する交流出力電圧を発生する信号発電機
、９は信号発電機８の交流出力のうちサイリスタ６のゲ
ートに点弧信号に与える極性（第１図ａ方向）の出力を
通過させるダイオード、信号発電機８の交流出力はダイ
オード９及びコンデンサ１０と抵抗１１の並列回路を介
してサイリスタ６のゲートに供給されるよう構成されて
いる。

１２は信号発電機８の交流出力の他方の半波（第１図す
方向）を通過させるべくサイリスタ６のゲートとカソー
ド間に接続されたダイオードである。

１５はダイオード９に抵抗１３とダイオード１６を介し
て並列接続されたトランジスタ１５で、これら抵抗１３
、トランジスタ１５、ダイオード１６で直列回路が構成
され、この回路が本請求範囲の回路手段に相当する。

１４はトランジスタ１５のベースに接続された電圧検出
素子であるゼナーダイオードで信号発電機８の負方向の
出力（第１図す方向）が所定値に達するとトランジスタ
１５にベース電流を供給する。

次に、このように構成された装置の動作を、第２図の動
作波形図、及び第３図の特性曲線図を参照して説明する
。

先ず、機関の回転によって磁石発電機の発電コイル１に
発生した交流出力はダイオード２により整流されコンデ
ンサ３を充電する。

そこで機関の点火時期になると信号発電機８に発生する
点火信号電圧はダイオード９により整流されコンデンサ
１０抵抗１１の並列回路を介してサイリスタ６のゲート
に供給される。

而して、サイリスタ６が導通しコンデンサ３の充電電荷
が点火コイル４の１次コイルに放出されるため２次コイ
ルには点火電圧が発生しこの点火電圧を受けて、点火プ
ラグ５には火花放電が行なわれる。

次に、上記サイリスタ６のゲートに点火信号が与えられ
る様子を詳細に述べる。

第２図イは信号発電機８の交流出力電圧■。

の波形を示すもので、同図においてｎｌ ＋ ｎ２ ＋
０３ （ｎｌ＜ｎ２＜ｎ３）は機関の回転数を示しこ
の出力波形の正及び負半波がそれぞれ第１図に示すａ方
向、ｂ方向の出力に相当する。

信号発電機８の交流出力の正半波（第１図ａ方向）はダ
イオード９で整流されコンデンサ１０を第１図の図示極
性に充電する。

この充電電圧は抵抗１１を介してコンデンサ１０、抵抗
１１で決まる時定数で放電する。

第２図口はコンデンサ１０の充電電圧Ｖｃを示すもので
ある。

今、機関の回転数りがｎｌからｎ２まで上昇すると信号
発電機８の交流出力もそれに伴って増加するがコンデン
サ１０の放電時定数が一定であるためコンデンサ１０の
放電量が小さくなる。

従って、次期点火信号の発生時期におけるコンデンサ１
０の充電電圧値が増加するためサイリスタ６のゲートへ
の点火信号（第２図ハのＶｇ）の供給時期はｔ４時期に
ほぼ一定に保たれる。

即ち、機関の回転数が上昇しても点火時期が一定に保持
されるのである。

次に機関の回転数がさらに上昇してｎ３になり信号発電
機８の負半波（第１図す方向）の出力電圧がゼナーダイ
オード１４のゼナー電圧Ｖｚ以上になると第２図に示す
ように信号発電機８の負半波のｔｌからｔ２時期の期間
トランジスタ１５にベース電流がゼナーダイオード１４
、ダイオード１６を介して通電される。

その結果、トランジスタ１５は導通しコンデンサ１０の
充電電荷はダイオード９、抵抗１３、トランジスタ１５
、ダイオード１６を介して放出されるので次期点火信号
の発生時期におけるコンデンサ１０の充電電圧値が減少
しく第２図口のｎ３）サイリスタ６のゲートに供給され
る点火信号Ｖｇの供給時期がｔ３時期となり機関の点火
時期が進角される。

以上のようにゼナーダイオード１４が導通するまでは機
関の回転数の上昇に伴ない点火時期がほぼ一定（第３図
Ｘに保持され、ゼナーダイオード１４の導通後は回転数
上昇に伴ないコンデンサ１０の充電電荷の放電量が除々
に増大するため点火時期が除々に進角（第３図Ｙ）され
、遂には一定、（第３図Ｚ）となる。

第３図は本発明装置と従来装置との機関回転数ｎに対す
る点火時期の進角特性θを比較したもので、同図におい
て曲線Ｉは従来を示し、曲線■は本発明により得られる
特性を示している。

以上のように、信号整形回路７を設けると、種々の進角
特性を得ることができ、コンデンサ１０の容量、抵抗１
１．１３の値、信号発電機９の回転数との電圧特性、及
びゼナーダイオード１４のゼナー電圧を適当に変更する
ことにより進角開始時期、その勾配、及び全進角度を変
更することができ、機関の必要とする進角特性に応じる
ことができるものである。

次に第４図から第８図を参照して信号整形回路の種々の
変更例を説明する。

即ち、第４図は第１の他の実施例を示すもので、信号発
電機８の負半波の電圧を検出するゼナーダイオード１４
のゼナー電圧を抵抗１７．１８により分圧したもので、
抵抗１７．１８の値を変えることにより進角開始時期を
広範囲に調整することができるものである。

第５図は第２の他の実施例でゼナーダイオード１４をス
イッチング特性を有するもの例えばサイダック１９を接
続したものである。

第６図は第３の他の実施例でコンデンサ１０の充電回路
に直列に抵抗２０を接続したものでコンデンサ１０の充
電電流を制限して高速回転における点火時期の遅れを防
止することができる。

第７図第４の他の実施例でトランジスタ１５をスイッチ
ング特性を有する制御素子例えばサイリスタ２１に変更
したものである。

第８図は第５の他の実施例でサイリスタ６のゲート、カ
ソード間に抵抗１３を接続し、ダイオード１２．１６を
取り除いたもので、サイリスタ６のゲート逆耐圧、及び
トランジスタ１５の逆耐圧の保証範囲内では使用できる
ものである。

以上はコンデンサ充放電式点火装置に適用したものであ
るが、制御信号により動作する他の点火装置例えばトラ
ンジスタ等を用いた電流遮断形の点火装置に適用するこ
とができる。

以上のように本発明によれば簡単な回路を付加するだけ
で機関点火時期として折れ線形の進角特性を得ることが
でき機関が必要とする種々の進角特性に対応できる優れ
た効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電気回路図、第２図は
第１図装置の動作を説明するための波形図、第３図は第
１図装置の動作を説明するための特性曲線図、第４図、
第５図、第６図、第７図、第８図はそれぞれこの発明の
他の実施例を示す電気回路図である。 図中、１は発電コイル、２，９，１２．１６はダイオー
ド、３，１０はコンデンサ、４は点火コイル、５は点火
プラグ、６，２１はサイリスク、７は信号整形回路、８
は信号発電機、１３はゼナーダイオード、１１．１３．
１７，１８．２０は抵抗、１９はサイダックである。 尚、各図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機関の回転に同期し、該回転数の増減に伴ない値が
   増減する正負二方向の交流出力を発生する信号発電機、
   点火コイルの通電電流を制御して点火電圧を発生させる
   開閉素子、この開閉素子の制御入力端に対する上記交流
   出力のうちの一方向出力の給電路に接続された抵抗とコ
   ンデンサからなる並列回路、上記信号発電機の交流出力
   のうちの他方向出力を検出する電圧検出手段、及び上記
   検出手段の電圧が所定値に達すると上記コンデンサの放
   電電荷量を制御して上記開閉素子の作動時期を変化させ
   る回路手段を備えた機関点火装置。