JPS584665B2 - 自転車用外装変速装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自転車の多段変速用の外装変速装置に関するも
のである。

自転車の後車軸に歯数の異なる数枚のスプロケットホイ
ルを設け、駆動用チェンを任意のスプロケットホイルに
掛け換えられるようにした従来の外装変速装置において
は、チェン掛け換え時のチエンの案内を主目的とする案
内輪と、チェンに張力を保たせるための緊張輪とが一体
の掛換枠に一定の軸間距離をおいそ保持されている。

したがって案内輪と緊張輪とは掛換枠を介して一体に回
動するため、この掛換枠の軸を中心とする案内輪と緊張
輪の動きは共に円弧を軌跡とする作動であり、かつ同一
回動角であることから、チエンの弛みを吸収しつつスプ
ロケットホイルの半径差に比例して案内輪を完全に等差
変位させることはできない。

したがって案内輪の歯先とスプロケットホイルの歯先と
の間隔を何れのスプロケットホイルにおいても近接した
距離に一定に保たせるということは困難なことであった
。

このため本出願人は先きに「自転車の後車軸の軸方向に
移動する変速切換機構の遊端部に軸を突設し、チェンの
案内輪および緊張輪をそれぞれ回転自在に枢支する２個
の掛換枠の基部をそれぞれ前記軸に回動自在に枢支し、
前記案内輪をばねにより後車軸のスプロケットホイルに
近接するように付勢すると共に案内輪と緊張輪とが互に
引き寄せられるようにばねにより付勢してなる自転車用
外装変速装置。

」〔特願昭５２−１１３２６５号特公昭５６−３２３２
号公報〕を出願したが、この装置では２個のばねを必要
としている。

本発明はこの２個のばねを１個にすることにより更に自
転車用外装変速装置の機能向上を計ることを目的とする
ものである。

以下図面につき本発明実施の一例態様を説明する。

図中１は自転車の後車軸、２は後車軸１に嵌装した変速
用の多段スプロケットホイル、２ａ〜２ｅはその各スプ
ロケットホイル、３はチェン、４はチェン３の案内輪、
５は緊張輪、６は自転車フレームに固定した取付金具、
７は取付金具６に接続した腕金具、８はこの腕金具７に
連結した横移動機構である平行リンク、９は平行リンク
８の遊端部に連結した腕金具である。

本発明においては、自転車の後車軸１の軸方向に移動す
る変速切換機構の遊端部の腕金具９に軸１０を後車軸１
と平行に突設し、案内輪４を軸１１により回転自在に枢
支する掛換枠１２の基部を前記軸１０により回動自在に
枢支すると共に、緊張輪５を軸１３により回転自在に枢
支する掛換枠１４の基部を前記軸１０により回動自在に
枢支し、またこの掛換枠１４の基部近くにレバー１６を
ピン１７によって回動自在に枢支し、このレバー１６の
一端部１６ａにローラー１８をピン１９により枢支し、
コイルばね１５を前記軸１０に嵌装し、このばね１５の
一端１５ａを前記腕金具９に掛止すると共に、５他方の
延長端部１５ｂをローラー１８に係合し、他方、掛換枠
１２にローラー２０をピン２１により枢支し、このロー
ラー２０にレバー１６の他端部１６ｂを係合させること
により、掛換枠１４に枢支した緊張輪５を自転車の後方
へ回動させるようにすると共に、案内輪４も後車軸１の
スプロケットホイル２に近接するように付勢する。

なお軸１０は案内輪４より自転車の前方に位置せるのが
よく、チェン３は図に示すように、緊張輪５の下後方か
ら案内輪４の前上方に巻き掛け、さらにスプロケットホ
イル２に掛け渡すようにする。

つぎに上述の如く構成した本発明装置の作用を説明する
。

第２図はチェン３が最小径のスプロケットホイル２ａに
かかった状態であり、第３図は最大径のスプロケット２
ｅにチェン３がかかった状態を示すものである。

第２図で示すようにチェン３が最小径のスプロケツトホ
イル２ａにかかつている場合は、チェン３の弛みは最大
となるから、この時緊張輪５はばね１５がローラー１８
に矢印Ａ方向に作用することによりレバー１６を介して
矢印Ｂ方向に押されて最後位に回動し、チェン３の弛み
を吸収する。

そしてレバー１６のピン１７とローラー１８間の寸法を
ａ、ピン１７とローラー２０間の寸法をｂとすると、ば
ね１５によりローラー１８に作用した力のａ／ｂ倍の力
がローラー２０に対して矢印Ｃ方向に作用し、掛換枠１
２が軸１０に対して時計方向一回動するように付勢され
ることから案内輪４はスプロケットホイル２ａに近接す
るよう矢印Ｄ方向に付勢されチエン３の張力と釣合う位
置迄回動することになる。

つぎにこの小径スプロケットホイル２ａにチェン３が掛
け渡されている休態から、第３図で示す大径スプロケッ
トホイル２ｅにチェン３が掛け換えられると、チェン３
の弛みが少なくなるから、緊張輪５は軸１０の下方にお
いて前方に回動する。

するとレバー１６のピン１７とローラー２０間の寸法ｂ
はｂ＋ｃに増大することから、ばね１５によりレバー１
６を介してローラー２０に作用する力はａ／ｂ倍からａ
／（ｂ＋ｃ）倍に減少し、そのため案内輪４の矢印Ｄ方
向への付勢力は弱まりチェン３の張力と釣合う位置迄案
内輪４は矢印Ｄとは逆の反時計方向に回動することにな
る。

このためレバー１６の形状、ローラー１８，２０の位置
等を適切な寸法に設定することによって、本発明装置に
おいては常にスプロケットホイル２と案内輪４の歯先間
隔を近接したある一定の範囲内に収めることができる 以上のように本発明装置は案内輪４および緊張輪５がそ
れぞれ独立して回動できる機構でありながら、１個のば
ね１５で足りるようになった。

これに対し先願（特願昭５２−１１３２６５号）の２個
のばねを使用するものでは、２個のばねの釣合いによっ
てスプロケットホイルと案内輪の歯先間隔をある一定の
範囲内に収めるよう構成し、これによってチェンの掛け
換え特性を一段と向上させることができたのであるが、
ばねは量産するとある程度ばね力にばらつきを生じ、製
品毎に釣合う位置が若干ずれや結果、スプロケットホイ
ルと案内輪の歯先間隔にもばらつきを生じる欠点があっ
た。

その点本発明装置ではばね１５にばらつきがあって緊張
輪５の付勢力が変動しチェン３の張力が増減しても、レ
バー１６のてこ作用により案内輪４の付勢力も比例して
増減するため、スプロケットホイル２と案内輪４との歯
先間隔が安定することにより、製造が容易になると共に
、製品の均一性を高める上に、チェン３の掛け換え特性
を更に向上させることができるというすぐれた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明装置の側面図、第２図および第３図はそ
の作動説明図である。 １・・・自転車の後車軸、２・・・多段スプロケットホ
イル、３・・・チエン、４・・・案内輪、５・・・緊張
輪、６・・・取付金具、７・・・腕金具、８・・・平行
リング、９・・・腕金具、１０・・・軸、１２，１４・
・・掛換枠、１５・・・ばね、１６・・・レバー、１６
ａ・・・一端部、１６ｂ・・・他端部、１７・・・ピン
、１８・・・ローラー、１９・・・ピン、２０・・・ロ
ーラー、２１・・・ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自転車の後車軸１の軸方向に移動する変速切換機構
   の遊端部に軸１０を突設し、チェン３の案内輪４および
   緊張輪５をそれぞれ回転自在に枢支する２個の掛換枠１
   ２，１４の基部をそれぞれ前記軸１０に回動自在に枢支
   し、掛換枠１４上に回動自在に枢支したレバー１６の一
   端部１６ａにばね１５を作用させて掛換枠１４の遊端部
   に枢支した緊張輪５を自転車の後方へ付勢すると共に、
   レバー１６の他端部１６ｂを掛換枠１２の定点に係合さ
   せることにより掛換枠１２の遊端部に枢支した案内輪４
   を後車軸１のスプロケットホイル２に近接するように付
   勢してなる自転車用外装変速装置。