JPS5846395Y2 - フアイバ−固定用治具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金属製支持部とセラミック製支持部とからな
る取付具によって金属製炉壁に無機ファイバ一層を支持
する無機ファイバー固定用治具に関する。

従来、無機ファイバー、例えばロックウール、スラグウ
ール、セラミックファイバー及びアルミナ繊維等の耐熱
性および断熱性にすぐれた無機ファイバーを層状とし、
これを高温用炉材の内張りとして用いている。

一般的に、これらの無機ファイバ一層を炉壁等に支持す
る場合、例えば、炉壁ケーシングに金属製締具、いわゆ
るスタッドボルトおよびナツトが用いているが、このス
タッドボルトおよびナツトを用いると炉内温度が１００
０℃以上では、金属製締具の酸化腐蝕が著しく進行して
寿命が短く、最終的にはその取付具が折損、溶融などし
て無機ファイバ一層が剥離、脱落して炉壁を崩壊させる
などの問題があった。

またこれを改良する方法として炉壁低温側に金属製支持
部を高温側にセラミック製支持部を用いる取付具が提案
されている（特公昭４８−３９２９１号）。

これは、金属製支持部とセラミック製支持部とを螺合す
ることが特徴であり、特に炉壁高温側のセラミック支持
部は無機ファイバ一層の耐熱性とほぼ同程度の耐熱性を
有している。

しかしながら、金属製支持部とセラミック製支持部との
膨張率が相違することや、形状が複雑でネジ切り加工精
度が相違するため、螺合部が緊密性を欠き接合剤を併用
する作業が加わり繁雑で手間がかかる。

さらに、従来のセラミック製支持部は、ナツトに代わる
べき止め具が先端部に一体となっているため、無機ファ
イバ一層をセラミック製支持部に突き差すには抵抗があ
ってかなりの労力を要す欠点があった。

本考案は、かかる欠点を解決したものであって、金属製
支持部とセラミック製支持部との螺合部をピンで接合し
て、膨張率の相違を吸収しやすく、かつ、作業性を良好
とし、さらにセラミック製支持部の先端を尖頭状として
無機ファイバ一層に容易に突さし、これを支持するよう
にし、さらにこれを止め具で無機ファイバ一層表面を圧
接してセラミック製支持部戻り止め突出部で９０°回路
して固定することにより、無機ファイバ一層の層剥離、
脱落のないファイバー固定用治具を提供するもので゛あ
る。

すなわち、本考案は、高温炉の鉄皮に固定した金属製支
持部と棒状のセラミック製支持部とをピンを介して一体
とし、これに無機ファイバ一層を貫通させて取り付け、
回転可能な止め具で固定するファイバー固定用治具であ
って、前記セラミック製支持部は、金属製支持部と接合
する側の端部が、前記金属製支持部と接合可能な凹部又
は凸部を有し、文化の端部が尖頭状で、かつ戻り止め突
出部を具えたものからなり、また、前記止め具は、前記
セラミック製支持部の尖頭状及び戻り止め突出部が挿通
可能な貫通孔を具えた板状体であることを特徴とする。

以下、図面により本考案をさらに説明する。

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図、第
２図は、本考案のファイバー固定用治具を用いた断熱パ
ネルの断面図、第３図は、ピンの斜視図、第４図は、セ
ラミック製支持部の斜視図、第５図は止め具の斜視図で
あり、符号１は金属製板材、２は金属製支持部、３はセ
ラミック製支持部、４はピン、５は止め具、６は戻り止
め突出部、７は無機ファイバ一層を表わす。

まず第１図に示すように本考案の治具は金属製板材１に
溶接されたスタットポル１〜状の金属製支持部２の先端
部分にセラミック製支持部３を嵌入し、嵌入部をピン４
で固定するかまたは、第２図に示すように、金属製板材
１に溶接された管材状の金属製支持部２にセラミック製
支持部３を管内に嵌入してピン４で固定する。

次いで、それらに無機ファイバ一層７をセラミック製支
持部２の先端から差し込み、その後で止め具５を挿入し
て固定し支持する。

さらに、本考案は、金属製板材に金属製支持部を固定し
、無機ファイバーを金属製支持部の長さ部分まで積層し
、その後セラミック製支持部を金属製支持部に挿入して
ワンタッチでピン止めした後、無機ファイバーをさらに
積層することにより、戻り止め突出部によるセラミック
ファイバーの損傷が少なく断熱効果が大きい利点がある
。

第３図に示すピンは金属製またはセラミック製のいずれ
でもよいが、形状は鋲状または楔状の円柱体または角柱
体から構成されたものであり、第４図は、セラミック製
支持部３の斜視図で第２図の実施例に用いたものである
。

嵌入部分には予めピンの挿入孔を穿っておき、嵌置した
ときは金属製支持部２の挿入孔と孔が一致するように両
者の嵌入位置を決める突起またはへこみを設けておく。

セラミック製支持部３は先端が尖頭状で戻り止め突出部
６を有し、嵌入部は対応する金属製支持部２によって凹
凸部を形成した棒状成形体である。

第５図に示すように、鍔状の止め具５の斜視図である。

第４図のセラミック製支持部３の戻り止め突出部６に対
応する溝と挿入孔を有し、止め具５を差し込んで９０°
回転すれば戻りが止められる。

この場合にも止め具５に戻り止めの突起またはへこみを
つけることにすればよい。

金属製支持部２とセラミック製支持部３の嵌入部の寸法
を適当な長さとすれば、両者の嵌入間隙による振動を防
ぐことができ、単にピンを挿入するだけで゛固定で゛き
る。

以上説明した通り、本考案は、金属製支持部とセラミッ
ク製支持部をピンで接合し、かつ、止め具を用いること
により、無機ファイバ一層を金属製板材に固定すること
が出来、高温に於ける剥離、脱離のない断熱パネルが出
来る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、本考案の固定用治具を用いた断熱パ
ネルの断面図、第３図はピンの斜視図、第４図はセラミ
ック製支持部の斜視図、第５図は止め具の斜視図を表わ
す。 符号 １・・・・・・金属製板材、２・・・・・・金属
製支持部、３・・・・・・セラミック製支持部、４・・
・・・・ピン、５・・・・・・止め具、６・・・・・・
戻り止め突出部、７・・・・・・無機ファイバ一層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高温炉の鉄皮に固定した金属製支持部と棒状のセラミッ
   ク製支持部とをピンを介して一体とし、これに無機ファ
   イバ一層を貫通させて取り付け、回転可能な止め具で固
   定するファイバー固定用治具であって、前記セラミック
   製支持部は、金属製支持部と接合する側の端部が、前記
   金属製支持部と接合可能な凹部又は凸部を有し、文化の
   端部が尖頭状で、かつ戻り止め突出部を具えたものから
   なり、また、前記止め具は、前記セラミック製支持部の
   尖頭状及び戻り止め突出部が挿通可能な貫通孔を具えた
   板状体であることを特徴とするファイバー固定用治具。