JPS58461B2 - イオンコウカンセイセンジヨウブツノセイゾウホウ - Google Patents

イオンコウカンセイセンジヨウブツノセイゾウホウ

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JPS58461B2
JPS58461B2 JP50095893A JP9589375A JPS58461B2 JP S58461 B2 JPS58461 B2 JP S58461B2 JP 50095893 A JP50095893 A JP 50095893A JP 9589375 A JP9589375 A JP 9589375A JP S58461 B2 JPS58461 B2 JP S58461B2
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divinylbenzene
fiber
monomer mixture
styrene
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宮松徳久
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なイオン交換性繊条物の製造法に関スる。
粒状のスチレン−ジビニルベンゼン共重合物を原料物質
とするイオン交換樹脂は交換基の種類も多く、また性能
も優れ、イオン交換樹脂の主流をなすものとして広く賞
月されている。
これらイオン交換樹脂について種々の改良研究も盛んに
行われているが、粒状物では達成できない限界がある。
この限界を除き、より早い反応速度、より簡易な操作性
等の性能を得るために、該樹脂を繊維形態とすることも
有力な方法である。
このようなイオン交換性繊条物の製法としては、(1)
均一度の高い繊維形状を付与できること、(2)架橋度
が広範に、容易にかつ再現性よくコントロール可能なこ
とが要求され、更に大きな比表面積を有せしめるために
多孔構造とすることが望ましい。
そして多孔構造を有せしめる場合には、(3)多孔度の
コントロールが容易であることが基本的に要求される。
すなわち前記(1)、(2)及び(3)で要望される事
項はそれぞれイオン交換樹脂の基本的性質を決定づける
粒度、架橋度及び多孔度に対応するものであす、ポリス
チレン−ジビニルベンゼン粒状物と同様に繊条物の場合
においても当然要求されることである。
しかるに現状ではこれらの点を満足すべき方法がない。
この最も大きな理由は、ポリスチレン−ジビニルベンゼ
ン粒状物のように直接ニモノマーから成形物特に繊条物
とすることが至難であるためと考えられる。
スチレン成分を利用して繊維状イオン交換体を得る方法
としては(1)ポリスチレン又はスチレン共重合体を紡
糸したのち何らかの手段で架橋反応を行う方L (2)
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の微細粉末を繊維
形成性良好なポリマーと混合して紡糸する方法、(3)
本発明者らが先に提案したスチレン及びジビニルベンゼ
ンよりなるモノマー混合物を該混合物で膨潤する原料繊
維に吸収せしめた状態で重合せしめる方法に大別される
が、第1の方法は架橋結合の導入反応が繁雑で架橋度の
可変幅及びそのコン下ロール性において問題があり、第
2及び第3の方法はスチレン成分以外のポリャーが共存
することによる不利益たとえば共存ポリマーによる膨潤
度への影響、溶解性の懸念、イオン交換体等に用いる場
合においては交換容量の低下等の不利がある。
本発明者らはこれらの欠点を除くため鋭意研究を重ねた
結果本発明に到達するに到った。
すなわち本発明は、本質的にジビニルベンゼン、スチレ
ンもしくはビニルベンジルクロライド及び重合開始剤よ
りなり、全モノマー量に対するジビニルベンゼンの量が
0.3〜40%であるモノマー混合物を、該混合物に対
し少なくともその重合温度で膨潤するが溶解することの
ない原料繊維に対して繊維の膨潤率が30容量%となる
ように繊維内に吸収せしめた状態で重合せしめ、次いで
原料繊維構成成分を分解又は溶解し、除去して得られる
ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)又はポリ(ビニル
ヘンシルクロライド−ジビニルベンゼン)繊条物にイオ
ン交換基の導入を行うことを特徴とする多孔質イオン交
換性繊状物の製造法である。
本発明の方法によれば、得られる繊条物は、(イ)構成
成分が本質的にジビニルベンゼンにより架橋されたポリ
スチレン又はポリビニルベンジルクロライドより成り、
原料繊維成分を含まない。
ただしその特性を妨げない限り、他のモノマーを加えて
三元以上の共重合体となしうろことは当然である。
(ロ)用いる原料繊維の形態により繊度、繊維断面形状
及び繊維長等を変えることができる。
(ハ) 架橋度はジビニルベンゼンの含有率により容易
に調整できる。
に)原料繊維に対するモノマー成分付与率により多孔度
を制御することができる。
等の特性を備えている。
従って本発明により従来広く使用されているスチレン系
イオン交換樹脂の特性の全てを備えた繊条物が始めて製
造可能となった。
本発明に用いられるモノマーの組合せは、本質的にスチ
レン−ジビニルベンゼン又はビニルベンジルクロライド
−ジビニルベンゼンであるが特殊な目的のために有効な
モノマー(たとえば製品に若干の親水性を付与する場合
におけるアクリル酸等の親水性モノマー)を少量併用し
て用いてもよい。
全モノマーに占めるジビニルベンゼン使用率は製品の架
橋度を決定する上で重要である。
すなわちジビニルベンゼン使用率により製品の膨潤度及
びイオン交換特性が決定される。
一般にジビニルベンゼンの使用量は、用途により異なる
が全モノマー量に対し0.3〜40%である。
本発明に用いられる重合開始剤は、上記モノマー混合物
に可溶性であって、活性化温度が50〜130℃である
ものが好ましく、その例としてはベンゾイルパーオキサ
イド、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、クメンヒド
ロキシパーオキサイド、三級ブチルヒドロキシルパーオ
キサイド、アゾビスイソブチロニトリル等があげられ、
これらは単独で又は二種以上組合せて用いることができ
る。
その使用量はモノマー重量の数%以下が適当である。
前記の各成分の原料繊維内への浸透を効果的にするため
、これらの混合物に可溶性の繊維容剤を原料繊維が溶解
しない程度の量で併用することができる。
以上の各成分の混合物を以下モノマー混合物と略称する
本発明に用いられる原料繊維は、第一にモノマー混合物
に対し少なくともその重合温度で膨潤するが溶解しない
繊維であり、第二にはモノマー混合物を原料繊維内で重
合せしめたのち分解又は溶解して除去できる繊維である
ことを必要とする。
第一の条件としてより具体的には、その重合温度(特に
スチレンの場合はその沸点を考慮して50〜130℃の
範囲に設定することが望ましい)でモノマー混合物によ
り30容量%以上膨潤せしめることのできる繊維を原料
繊維として用いる必要がある。
この場合繊維の膨潤率が30容量%以下である場合には
、モノマー混合物を付与したのちその吸収が不十分であ
り、繊維外での重合が起きやすい上、繊維内で形成され
る重合体の分布も不均一になる傾向があり、本発明の目
的を達することができない。
また膨潤率が高過ぎる場合には原料繊維が各層状態に近
くなり、近接する繊維間に強固な接着が生じ、重合後と
の接着を除くことが不可能となる。
従って膨潤率としては50〜400容量%の範囲になる
モノマー混合物組成ならびに原料繊維の組合せを選定す
ることが好ましい。
膨潤率は短く切断した原料繊維を大過剰のモノマー混合
物中に投入し、その重合温度下で重合後原料繊維の体積
増加率を顕微鏡観察により求めることができる。
第一の条件を満足する可能性のある繊維としては、たと
えばアクリル系繊維(モダクリル繊維を含む)、ポリエ
チレンテレフタレ−ト繊維、ナイロン6、ナイロン66
、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、後酢化レー
ヨン、ポリウレタン繊維(スパンデックス)等があげら
れる。
第二の条件としては、優れた溶剤のある原料繊維又は薬
品により比較的容易に分解できる繊維を用いることが必
要である。
一般的には薬品による分解除去の方が溶剤による抽出除
去法に比べて除去を完全に行うことが容易である。
このような観点から原料繊維としては、エステル、ウレ
タン、尿素、アミド結合等の分解されやすい基を介して
主鎖が形成された重合体より得られた繊維が好ましい。
このような性質を有する繊維のうちジアセテート繊維及
びトリアセテート繊維はモノマー混合物に対しよく膨潤
する性質を有し、該混合物を繊維重量に対し100〜1
50%もの多量吸収しても繊維長の変化がほとんどない
かきわめてわずかであり、従ってモノマー混合物の吸収
ならびに重合操作が容易であって、重合後発解法又は溶
解法による原料繊維の除去も簡単である等の利点がある
ので、原料繊維として特に好ましい。
モノマー混合物の原料繊維への付与から重合までの工程
は原料繊維をモノマー混合物中に浸漬することにより十
分に膨潤せしめたのち、繊維外に付着する余剰モノマー
混合物を拭い去り、次いで重合可能な温度雰囲気下で重
合せしめる方法と、原料繊維が吸収し得る範囲内のモノ
マー混合物を繊維に付与し、次いで加温雰囲気中でモノ
マー混合物の吸収を完全ならしめたのち又は吸収とほと
んど同時に重合を開始せしめる方法とに大別できる。
第一の方法の場合、原料繊維浸漬時のモノマー混合物は
、活性化温度の比較的高い重合開始剤を用い、実質的に
重合が起こらない範囲でかつ膨潤が容易になるよう加温
された状態で用いる必要がある。
一般にこの方法は原料繊維としてモノフィラメント又は
細繊度のフィラメント束を用いる場合に適している。
第二の方法ではモノマー混合物に対してよく膨潤する繊
維を用い、かつモノマー混合物の付与を低温で速やかに
行うことにより、付与時に繊維の膨潤を押え気味にする
ことが好ましい。
特にトウ、布、糸等の繊維集合体を用いる場合には、か
さばるものを避け、繊維間隙の小なるものを用いるか、
あるいは緊張又は圧縮して繊維間隙を縮めた状態でモノ
マー混合物の吸収及び重合を行うことが好ましい。
前記両方法において加温雰囲気としては、モノマー混合
物の沸点以下でかつモノマー混合物の蒸発又は拡散が起
こらない熱媒中がよく、具体的には加温水又は無機塩類
を含有する加温水中が最もよいが、ガラス容器中に入れ
て周囲より間接的に加熱してもよい。
またモノマー混合物の吸収により著しく収縮を伴う原料
繊維を用いる場合には、原料繊維を一定率以上好ましく
は原拠に対し50%以上収縮させることのない緊張状態
に保ちなからモノマー混合物の吸収ならびに重合を行う
必要がある。
このようにしてモノマー混合物を原料繊維内で重合せし
めた時点で、繊維が相互に接着している場合には、分解
又は溶解工程に先立ち接着を除去しておくことが必要で
ある。
接着の除去は原料繊維として布帛、マルチフィラメント
糸、紡績糸、トウなどを用いた場合には、たとえば圧力
のかかったローラ対間を必要回数通す等の手段で、また
トウ、フィラメント束、紡績糸束等を用い最終的に短繊
維として用いる場合には、数mm以下に切断したのちミ
キサー又はパルプ用の叩解機等にかけることにより、接
着を除去する。
溶解法による原料繊維構成成分の除去は、該繊維の溶剤
を用い、ソックスレー抽出器等を用いて行なうことがで
きる。
溶解法が適当な原料繊維及び繊維溶剤の組合せの例とし
ては、アクリル系繊維の場合はジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド又はジメチルスルフォキサイド、
モダクリル繊維の場合はジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルフォキサイド又はアセト
ン、ジアセテート繊維の場合はアセトン、トリアセテー
ト繊維の場合は塩化メチレン又は1・2−ジクロルエタ
ン、ポリウレタンの場合はジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド又はジメチルスルフォキサイドがあげ
られる。
分解法による原料繊維構成成分の除去はポリエチレンテ
レフタレート繊維、ジアセテート繊維、トリアセテート
繊維、後酢化レーヨン、ポリウレタン繊維等に適用でき
、一般に鉱酸特に硫酸又は硫酸水溶液を用いることによ
り行なうことができる。
硫酸を用いる場合には室温で浸漬する程度でも容易に行
い得るが、一般には20〜90%硫酸水溶液を用い、好
ましくは60〜100℃に加温された状態で処理するこ
とにより容易に目的を達することができる。
ポリウレタン繊維又はポリエチレンテレフタレート繊維
の場合は水酸化ナトリウム水溶液を用いて分解を行うこ
とも可能であるが、硫酸又は硫酸水溶液を用いた場合の
方が処理時間、経済面においてより好ましい。
分解法の場合は必要に応じ分解生成物(たとえば硫酸法
によるポリエチレンテレフタレート繊維の場合における
テレフタール酸)の除去のため、アルカリ水溶液、水、
又は溶剤で洗浄して精製する。
こうして得られるジビニルベンゼンにより架橋された多
孔質のポリスチレン又はポリビニルベンジルクロライト
憲維は、その架橋度、多孔度、繊維形態等を任意に変更
することが可能で、イオン交換基を導入することにより
きわめて有利なイオン交換体とすることができる。
モノマー成分としてビニルベンジルクロライド−ジビニ
ルベンゼンを用いたものは、スチレン−ジビニルベンゼ
ンを用いた後クロルメチル化したものと全く同様にイオ
ン交換基の導入を行うことができるので、以下のイオン
交換基導入に関する記載はスチレン−ジビニルベンゼン
共重合体繊維について示す。
イオン交換基の導入はスチレン−ジビニルベンゼン共重
合体ビーズよりイオン交換樹脂を得る方法がそのまま適
用できる。
導入できる代表的かつ比較的有利な交換基としては、ス
ルホン酸基、第四級アンモニウム基、−〜三級のアミノ
基及びイミノジ酢酸基等があり、これらの基を導入する
ことにより、それぞれ強酸性カチオン交換繊条物、強塩
基性アニオン交換繊条物、弱塩基性アニオン交換繊条物
及び重金属に高い選択性を有するキレート繊条物とする
ことができる。
スルホン酸基の導入は、ポリスチレン−ジビニルベンゼ
ン繊条物を濃硫酸、クロルスルホン酸及び発煙硫酸のい
ずれかを用いてスルホン化することにより達せられる。
工業的には硫酸を用いて約70〜120℃で処理する。
クロルスルホン酸、無水硫酸などはより反応性が高いた
め50〜60℃以下で処理することが好ましい。
これらスルホン化反応の際にスチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体を膨潤させる溶剤(たとえば四塩化炭素)を
用いると反応が円滑に進み、より温和な条件でスルホン
化できることと相まって着色の少ない目的物を得ること
ができる。
得られる強酸性カチオン交換性繊条物は4.5〜5.0
meq / gの交換容量を有する。
次いでポリスチレン−ジビニルベンゼン繊条物をクロル
メチル化したのち三級アミンと反応させることにより四
級アンモニウム基を導入できる。
クロルメチル化は塩化亜硬、四塩化スズ、塩化アルミニ
ウム等のルイス酸触媒を用いて、クロルメチルエーテル
を作用させることにより行われる。
塩化亜鉛を触媒とする場合は反応温度は40〜60℃で
よいが、塩化アルミニウムニウムは活性が強く架橋が起
き易いので、塩化亜鉛を用いる場合より低温で反応せし
めるか、あるいはジビニルベンゼン含有量の少ない共重
合体繊維を用いるととが望ましい。
四塩化スズは塩化亜鉛と塩化アルミの中間的活性度を示
す。
このクロルメチル化に際しては四塩化炭素、塩化メチレ
ン等の不活性溶剤を併用し、クロルメチルエーテルを希
釈して用いることが好ましい。
クロルメチル化したポリスチレン−ジビニルベンゼン繊
条物及びポリビニルベンジルクロライド−ジビニルベン
ゼン繊条物を以下クロルメチル基含有繊条物と略称する
このクロルメチル基含有繊条物を、トリメチルアミン、
ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエ
タノールアミン等の三級アミンの水溶液又はガスと約6
0〜70℃以下の温度で接触させることにより容易に四
級アンモニウム基を導入することができる。
またアンモニア、一級アミン(メチルアミン、エチルア
ミン等)、二級アノミン(ジメチルアミン、ジエチルア
ミン等)及び一般式NH2(CH2CH2NH)nH(
ただしnは2〜6の整数)で表されるポリアミン等の単
独又は混合物あるいはこれらの水又は溶剤溶液と接触さ
せることにより、三級以下のアミン基を交換基として有
する弱塩基性アニオン交換性繊条物が得られる。
ただしアンモニア及び一級アミンの場合は、二個以上の
クロムメチル基と反応して架橋するなど反応は複雑とな
る傾向にある。
更にクロルメチル基含有繊維にイミノジ酢酸、フアスパ
ラギン酸、メルカプト酢酸、メルカプトコハク酸、亜硫
酸ナトリウム等を作用させることにより、種々の交換基
を有する繊条物が得られる。
これらの反応に際しクロルメチル基含有繊維は親水性に
乏しいため、あらかじめ少量の親水性基(たとえば0.
2〜1.5meq/g程度の四級アンモニウム基)を導
入したのち、残りのクロルメチル基に上記試薬を作用せ
しめると反応が円滑に進行する場合がある。
下記実施例中の部は重量部を意味する。
実施例 1 原料繊維として単繊維繊度3.3デニール、全繊度45
000デニールのジアセテート繊維のトウを用い、これ
をスチレン98.8部、ジビニルベンゼン(純度58%
、以下同様)2,5部及びベンゾイルパーオキサイド1
.2部よりなる28℃のモノマー混合物中に浸漬し、ス
ポンジロールにより余剰モノマー混合物を搾成し、90
℃に調節された熱水の入ったJ−ボックス中に連続的に
振り込み、該ボックス中に2時間保持したのち他端より
引き出した。
この間の操作はすべて連続的に行われ、モノマー混合物
の消費量は原料繊維重量の2.01倍であった。
取り出されたトウ状中間体はやや乱れた状態を呈しては
いるが、繊維間に軽い接着があるため意外に取り扱い易
く、緊張処理ののち連続的にギロチンカッターにかけて
平均3mmに切断した。
このものをディスク型リファイナー(パルプ用叩解機、
熊谷機械KK)にかけることにより繊維間接着を物理的
に除去し、次いで50重量%硫酸中70℃で4時間処理
することによりジアセテート成分を分解し、水洗乾燥す
ると、ジビニルベンゼンにより架橋されたポリスチレン
繊条物が得られた。
このものを繊条物Aとする。この繊条物A100gを7
5℃の98%硫酸800m1の入ったフラスコ中に投入
すると反応熱により内容物は87℃にまで昇温した。
以後85〜90℃に保って4時間処理したのち内容物を
4℃に冷やした50%硫酸中に投入し、更に冷水にて希
釈後縁条物を80メツシユのステンレス製金網を用いて
捕集した。
得られた繊条物は褐色で5.0meq/gのNaOH中
和能力と4.8meq/gのNaC1分解能力を有して
いた。
実施例 2 繊条物A20Pを四塩化炭素500 mlと共にフラス
コ中に投入し、内容物を攪拌状態に保ちつつクロルスル
ホン酸20m1を2時間かかつて滴下混合せしめ、更に
10時間放置した。
この間の内容物温度は30〜40℃であった。
次いで内容物から繊条物を戸別し、四塩化炭素、メタノ
ール、水の順で洗浄すると、4.8meq / gの苛
性ソーダ中和能力及び4.7meq/gのNaC1分解
能力を有する強酸性カチオン交換性繊条物が得られた。
このものの色は淡黄褐色であった。
実施例 3 実施例1で用いたモノマー混合物に重量で等量のトルエ
ンを加えることにより倍に希釈したモノマー混合物を用
い、その他は実施例1と同様に操作した。
ただしモノマー混合物の消費量(トルエンを含む)は原
料繊維重量の1.05倍であり、重合後の乾燥重量(メ
タノール洗浄後80℃で減圧乾燥した)は原料繊維重量
の1.46倍であった。
実施例1と同様にして接着を除去し、次いで原料繊維を
分解除去し、水洗乾燥すると、多孔質のジビニルベンゼ
ンにより架橋されたポリスチレン繊条物が得られた。
このものを繊条物Bとする。この繊条物BをBET法に
よる窒素吸着法により表面積を測定したところ、109
.7 m3/gであり、一方前記繊条物Aは13.2m
2/gであった。
この繊条物Bを98%硫酸にて実施例1と同一条件で処
理すると、5.1 m eq/gのNaOH中和能力と
4.8meq/gのNaC1分解能力を有する強酸性カ
チオン交換性繊条物が得られた。
実施例 4 スチレン70部、ジビニルベンゼン30部、ジー(t−
ブチルパーオキサイド)0.8部及び1・1・2・2−
テトラクロルエタン50部よりなる15℃のモノマー混
合物中に単繊維繊度3デニール、周長180cm、捲き
量190gのポリエチレンテレフタレート繊維のカセを
浸漬し、これをスポンジロールにより搾成し、該カセに
該混合物を223g付着させたものを、100℃の飽和
食塩水800m1と共に内容積1200m1のスチレン
製耐圧容器中に入れ、120℃に4時間保った。
次いで内容物を取り出しくモノマー混合物は繊維内に吸
収され重合している)、ギロチンカッターで3mmに切
断し、ディスク型リファイナーで繊維間接着を除去した
のち、80重量%の硫酸中60℃で48時間浸漬処理す
ることによりポリエチレンテレフタレート成分を分解し
た。
次いで四塩化炭素、メタノール、■規定苛性ソーダ、水
の順で洗浄スると、乾燥重量155gのジビニルベンゼ
ンにより架橋されたポリスチレンよりなる多孔質繊条物
が得られた。
このものを実施例1と同様にしてスルホン化すると、4
.5meq/gのNaOH中和能力と4.3meq/g
のNaC1分解能力を有す乞強酸性カチオン交換性繊条
物が得られた。
実施例 5 還流コンデンサー及び攪拌機を備えた反応容器に繊条物
B20部及びクロルメチルエーテル1000部とからな
る混合物を入れた。
膨潤した微細繊維のスラリーに無水亜鉛40部を加え、
2時間還流下に反応せしめたのち、クロルメチル化され
た繊維を分離し、メタノールで次いで四塩化炭素でよく
洗浄した。
得られた線条物は12当り5、9 m molのクロル
メチル基を有することが塩素分析の結果判った。
このものを繊条物Cとする。この繊条物C300P及び
30%トリメチルアミン水溶液2000m1を31のプ
ラスチック製びんに入れ、時々振とうしながら48時間
30〜45℃の温度下で反応させると、繊条物Cは四級
化されて著しく膨潤した。
トリメチルアミンを戸別したのち得られた繊条物を2N
塩酸で中和し、水洗し、さらに2N−NaOH及び脱イ
オン水で順に洗浄すると、OH型の強塩基性アニオン交
換性繊条物が得られた。
このものは乾燥重量当り4、3m eq/gのMC1中
和能力と3.9meq/gのNaC1分解能力を有して
いた。
実施例 6 実施例5のトリメチルアミン水溶液の代りに30%ジメ
チルエタノールアミンを用い、その他は全く同様にして
繊条物Cを反応せしめたところ、3.8meq/gのM
C1中和能力と3.3meq/gのNaC1分解能力を
有する強塩基性アニオン交換性繊条物が得られた。
実施例 7 ジビニルベンジルクロライド(オルト及びパラ混合物)
80部、ジビニルベンゼン15部、スチレン5部、アゾ
ビスイソブチロニトリル1.0部及びベンゾイルパーオ
キサイド0.5部よりなる20℃のモノマー混合物21
02を単繊維繊度が10.2デニールのトリアセテート
フィラメント糸よりなる周長180cm、巻き量200
gのカセに均一に付着せしめ、70℃の水中に2時間、
次いで90℃の水中に4時間浸漬することにより、モノ
マー混合物を繊維内に吸収せしめた状態で重合し、以下
実施例1と同様にして繊維の切断、接着の除去及び原料
繊維の除去を行うと、ジビニルベンゼンにより架橋され
たポリビニルベンジルクロライドよりなる多孔性繊条物
195gが得られた。
この繊条物の全量にベンゼン50グを加えて膨潤せしめ
たのち、内径5cmのパイプ中に詰め込み、トリメチル
アミンガスを除々に吹き込んで反応させた。
この間内容物の温度は40〜45℃であり、ガスとの接
触時間は6.5時間であった。
次いでこれをIN塩酸でアミンを中和したのち、水及び
メタノールで洗浄すると、強塩基性アニオン交換性繊条
物が得られた。
このものは乾燥OH型1g当り4.4meqのNaOH
中和能力と、3.9meqのNaC1分解能力を有する
実施例 8 還流コンデンサー及び攪拌器付きの11フラスコ中に繊
条物C20g、ペンタエチレンへキサミン500g及び
キシレン100gを入れ、6時間還流下に反応させたの
ち繊状物を戸別し、以下実施例6と同様に処理すると、
乾燥重量1g当り6.8meqのMC1中和能力を有す
る弱塩基性アニオン交換性繊状物が得られた。
このものは2.3meq/gの銅イオン吸着能をも有し
ていた。
実施例 9 実施例5で得られた繊条物C15部と塩化メチレン57
0部を還流コンデンサー付きのフラスコ内に入れ、5℃
に冷却したのち繊条物Cのクロルメチル基に対し15モ
ル%のジメチルアミノエタノールを加え、5℃で2時間
及び15℃で1時間保持し、さらに反応を完結させるた
め1時間還流加熱した。
混合物の冷却後、繊条物を濾別し、メタノールで洗浄す
ると、部分的に四級化された繊条物が得られた。
このものを繊状物りとする。繊条物りは4.7mmol
/gの残存クロルメチル基を有する。
次にこの繊条物D100gと300m1のエタノールを
入れたフラスコ中にイミノジ酢酸水和物200gを含む
400m1の熱水を加え還流下に4時間攪拌し、冷却後
繊条物を戸別し水洗すると、イミノジ酢酸型繊条物が得
られた。
このものの乾燥重量12当り2.1mmolの2価の銅
イオンを吸着する能力を有する。
実施例 10 繊条物D100gにpH7の亜硫酸ソーダの20重量%
水溶液2000m1を加え、高圧容器中で150℃で7
時間加熱処理し、冷却後2規定塩酸にてよく洗浄し、さ
らに脱イオン水で洗浄液にクロルイオンがなくなるまで
洗浄すると、3.2meq/gのHC1中和能力を有す
る強酸性カチオン交換性繊条物が得られた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 本質的にジビニルベンゼン、スチレンもしくはビニ
    ルベンジルクロライド及び重合開始剤よりナリ、全モノ
    マー量に対するジビニルベンゼンの量が0.3〜40%
    であるモノマー混合物を、該混合物に対し少なくともそ
    の重合温度で膨潤するが溶解することのない原料繊維に
    対して繊維の膨潤率が30容量%以上となるように繊維
    内に吸収せしめた状態で重合せしめ、次いで原料繊維構
    成成分を分解又は溶解して除去し、得られるポリ(スチ
    レン−ジビニルベンゼン)又はポリ(シヒニルヘンシル
    クロライドージビニルベンゼン)繊条物。 にイオン交換基の導入を行うことを特徴とする、多孔質
    イオン交換性繊条物の製造法。
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