JPS5845596B2 - 往復動内燃機に対する噴射弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は往復動内燃機に対する噴射弁にして、シリンダ
の燃焼室内に突出する弁胴を有し、該弁胴がその内部に
弁座と共働する針弁と、その周囲にわたって配分された
複数のノズル孔とを有し、該ノズル孔を通る燃料が周期
的に前記針弁を弁座から持上げて前記燃焼室内に流入す
るようになっている噴射弁に関する。

噴射弁は一般に、内燃機の全負荷時において好適な燃料
の噴射を行い、したがってシリンダの燃焼室内にすぐれ
た無煙燃焼が生じるように設計される。

設計を行う場合には比較的直径の大きなノズルを１列に
配置し、また比較的直径の小さなノズル孔を２列に配置
することが行われる。

したがって内燃機が部分負荷で運転される場合には噴射
も燃焼も最適の状態では行われず、しかもこれは在来甘
受されてきた。

本発明の目的は前述の型の噴射弁において、あらゆる負
荷に対して同数のノズル孔を使用し、部分負荷で運転さ
れる場合においても燃料の噴射および燃焼がそこなわれ
ることのないような噴射弁を供することである。

本発明によれば前記目的は、前記内燃機が部分負荷によ
って運転される時に前記すべてのノズル孔の一部分を開
き、かつ全負荷運転が行われる時には前記すべてのノズ
ル孔の全断面を開くようになった装置（前記針弁から分
離した）を有する噴射弁を供することによって達成され
る。

このような装置によれば内燃機の部分負荷運転時におい
てもすべてのノズル孔を小さくシ、それによって燃料の
噴射、したがって燃焼を好適な状態に保持することがで
きる。

内燃機の全負荷においては前記装置はノズル孔の全断面
が開かれるように作動する。

次に添付図面によって本発明の二つの実症例を説明する
。

第１図１こ示される如く噴射弁は弁胴１を有し、該弁胴
は上方部材２および下方部材３よりなり、これら部材は
袋ナツト４によって相互に保持されている。

前記弁胴１はそのフランジ５によってシリンダヘッド６
上に触座し、このシリンダヘッドは往復動内燃機のシリ
ンダの燃焼室を上方から閉鎖している。

前記弁胴はシリンダヘッド６を通って突出し、複数のノ
ズル孔７を有する部材３の下端が燃焼室８内に位置する
ようになっている。

弁胴１は燃料を送給するために管路１０を有し、該管路
は先ずフランジ５を通って半径方向に延び、次に部材２
，３を通って実質的に弁胴の縦方向に延び、部材３の下
端区域に達している。

この管路１０は前記下端区域の環状空間１１で終ってい
る。

弁胴１の中心には軸線方向に移動し得る針弁１２が設け
られ、該針弁の上端はばね座金１３を介して圧縮ばね１
４に対して支持されている。

前記針弁１２はその下端に円錐形座面１５を有し、該座
面はブツシュ１６の対応する円錐形座面と共働し、前記
ブツシュは針弁１２を囲繞すると共に、弁胴１の部材３
内において軸線方向に移動し得るように軸持されている
。

前記ブツシュ１６は環状空間１１の区域において複数の
孔１７を有し、この孔によって燃料は前記環状空間１１
から、前記フッシュ１６と針弁１２の部分１８との間に
形成された環状空間１９の中に流入することができる。

前記環状空間１９の下端は座面１５によって画定されて
いる。

前記ブツシュ１６は孔１７の下方に円錐形の弁座面２０
を有し、この弁座面は弁胴１の部材３の対応する座面と
共働する。

前記ブツシュ１６は弁座面２０．１５の下方に円筒形の
突出部分２１を備え、該突出部分の下端には制（財）角
部２２が形成され、この角部はノズル孔７と共働し、か
つ該ノズル孔の断面積を変えるようになっている。

ブツシュ１６の上端はピストン状中間部材２５の上に支
持され、該中間部材は弁胴１の部材２のシリンダ孔の中
を摺動し、かつその上端は別のブツシュ２６に対して触
座している。

前記ピストン状中間部材２５および別のブツシュ２６は
共に針弁１２を囲繞している。

前記ブツシュ２６はさらにばね座金２７を介して圧縮ば
ね２８に対して支持され、該圧縮ばねの上端はばね座金
２９に触座し、このばね座金は弁胴１内において圧縮ば
ね１４のばね座金１３の下に配置されている。

前記ばね座金２９は隔置ブツシュ３０と前記フランジ５
内に螺着された中空ねじ３１とによって弁胴１に固定さ
れている。

前記中空ねじ３１は圧縮ばね１４の上端を囲繞し、この
圧縮ばねは中空ねじ３１の中に螺着されたねじ３２に対
して触座している。

前記ピストン状中間部材２５を受入れる円筒形空間の中
には管路３６が開口し、該管路は弁胴１の中を実質的に
縦方向に延び、かつその上端はフランジ５内を半径方向
に延びている。

前記管路３６は圧力媒体供給源（図示せず）に連結され
、該供給源は弁を介してフランジ５に連結される。

前記円筒形空間の上方限界面３５は前記中間部材２５の
運動に対する衝当部材を形成し、該衝当部材は必要に応
じ調整自在に形成され、この場合調整は機械的または液
圧的に行うことができる。

前記噴射弁は次の如き態様で作動する。

内燃機の全負荷時においては管路３６を通る圧力媒体の
送給が遮断され、ブツシュ１６は圧縮ばね２８だけの作
用を受けるようになる。

周期的に管路１０を通して送給される高圧の燃料は孔１
７を通って環状空間１９に流入し、針弁１２をばね１４
の作用に従って持上げる。

したがって弁座面１５はブツシュ１６内の対応する座面
から持上げられ、かつ燃料は孔７の前の空間に達する。

ブツシュ１６の受ける力はばね２８の圧力だけであるか
ら該ブツシュは燃料の圧力によって上昇し、その制（財
）角部２２はノズル孔７を開き、かつ燃料は制御角部に
よって妨げられることなく絞孔７の全断面を通ってシリ
ンダの燃焼室８に達する（第３図）。

次に燃料の圧力が低下するためにブツシュ１６および針
弁１２は再び第１図に示された位置に戻る。

内燃機を部分負荷で運転すべき場合には、管路３６を通
して圧力媒体が送給され、ブツシュ１６にはばね２８の
圧力の他に圧力媒体の圧力がピストン状中間部材２５を
通して加えられ、かつ該ブツシュ１６はその下方位置に
おいて閉塞される。

管路１０を通して送給された燃料は環状空間１１に達し
、かつ孔１７を通って環状空間１９に流入し、ここで燃
料は針弁１２をばね１４の力に逆って上方に移動せしめ
、ノズル孔７の前の空間に進むようになっている。

この空間から出た燃料はノズル孔７を通ってシリンダの
燃焼室８に入るが、この時すべての孔７の断面は前の場
合よりも小さくなる。

その理由は前記ブツシュ１６の制御角部２２がノズル孔
７の入口断面の一部分を被うからである（第２図）。

、前述の如く前記衝当面２５を調整し得る場合には、燃
料の噴射を行う時に前記側（財）角部２２はその中間位
置を取ることができ、したがってノズル孔の断面の変化
を第２図に示されたよりわずかに犬となすことができる
。

第４図および第５図に示された実施例においては前記針
弁は中空の針５２として形成され、ノズル孔の断面を変
える前記ブツシュ１６（第１図）の機能は中空針５２の
中に軸持された棒５６によって行われる。

この中空針５２はその下端に円錐形の座面５５を有し、
該座面は下方部材３内の対応する円錐面と共働する。

前記中空針５２は第１図に示されたブツシュ１６と同様
にばね１４により前記座面に対し下向きに押圧されてい
る。

燃料管路１０はこの時も環状空間１１内に開口している
が、この空間は中空針５２を直接囲繞している。

前記枠５６はノズル孔７の下方にフランジ５７を有し、
該フランジの上方限界はすべてのノズル孔の断面を変え
るための制御□□１角部２２を形成している。

前記枠は突出部材５８を介して弁胴１の底部に対して支
持されている。

前記枠５６はさらに前記フランジ５７の上方に縮径部分
５６トを備え、該部分はその全長にわたって軸線方向の
溝５３を有し、この溝は前記枠５６の環状溝５４に達し
ている。

第１図に示された針弁１２の場合と同様に、前記枠５６
の上端はばね座金１３を介して圧縮ばね２８によって支
持され、該ばねの上端はねじ３２に対して触座している
。

このねじ３２を通ってさらにねじ６０が延び、このねじ
の下端はばね座金１３に触座し、かつこのねじによって
棒５６の行程を制限し得るようになっている。

第４図に示された棒５６の位置においては内燃機は全負
荷によって運転される。

その理由はねじ６０が棒５６をその最低位置に押圧し、
この位置においては前記フランジ５７の制（財）角部２
２がすべてのノズル孔７の全断面を開放するからである
。

部分負荷で運転すべき場合にはねじ６０を上方に向って
回転せしめ、該ねじ６０とばね座金１３との間に、棒５
６の所要の行程に対応する一定の間隔が生じるようにす
る。

中空針弁５２が座面から持上げられる度びに燃料は溝５
３を通り、中空針５２内の環状溝５４を囲繞する空間に
流入し、溝５６はその部分５６′の上方に位置する大直
径部分に作用する燃料の圧力によってねじ６０に衝当す
るまで持上げられる。

したがってフランジ５７の制（財）角部２２は第５図に
示される如くすべてのノズル孔７の断面を小さくする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による噴射弁の軸線方向断面図である。 第２図および第３図はノズル孔の区域を第１図より拡大
して示した断面図である。 第４図は変型噴射弁の軸線方向断面図である。 第５図はノズル孔の区域を第４図より拡大して示した断
面図である。 図において１は弁胴、２は上方部材、３は下方部材、４
は袋ナツト、５はフランジ、６はシリンダヘッド、７は
ノズル孔、８は燃焼室、１０は管路、１１は環状空間、
１２は針弁、１３はばね座金、１４は圧縮ばね、１５は
座面、１６はブツシュ、１７は孔、１８は針弁の部分、
１９は環状空間、之０は弁座面、２１は突出部分、２２
は制御角部、２５は中間部材、２６はブツシュ、２７は
ばね座金、２８は圧縮ばね、２９はばね座金、３０は隔
置ブツシュ、３１は中空ねじ、３２はねじ、３５は管路
、５２は中空針、５３は棒、５４は環状溝、５５は座面
、５６は棒、５６′は縮径部・分、５７はフランジ、５
８は突出部材、６０はねじである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 往復動内燃機に対する噴射弁にして、シリンダの燃
   焼室内に突出する弁胴を有し、該弁胴がその内部に弁座
   と共働する針弁と、その周囲にわたって配分された複数
   のノズル孔とを有し、該ノズル孔を通る燃料が周期的に
   前記針弁を弁座から持上げて前記燃焼室内に流入するよ
   うになっている噴射弁において、 前記内燃機の部分負荷運転時においても、また全負荷運
   転時においても同一のノズル孔を通して燃料を流してお
   り、かつ部分負荷運転時にはすべてのノズル孔の一部分
   を開き、全負荷運転時にはすべてのノズル孔の全断面を
   開くようにしている、前記針弁から独立した装置を有し
   ていることを特徴とする噴射弁。 ２、特許請求の範囲第１項記載の弁において、前記装置
   が弁胴内に軸線方向に移動し得るように配置され、かつ
   前記ノズル孔の断面をその入口側において変えるように
   なった制（財）角部を有している弁。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の弁において、前記装置
   が針弁を囲繞しかつ該針弁に対して軸線方向に移動し得
   るブツシュとして形成されている弁。 ４ 特許請求の範囲第３項記載の弁において、前記ブツ
   シュがその内部に前記針弁と共働する弁座を有し、かつ
   前記弁座の上流に燃料に対する排出開口を有し、該開口
   が前記ブツシュと前記針弁の縮径部分との間に形成され
   ている弁。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の弁において、前記ブツ
   シュがその外部に円錐形の座面を有し、該座面が前記弁
   胴内の対応する弁座と共働するようになっている弁。 ６ 特許請求の範囲第５項記載の弁において、圧縮ばね
   を有し、該圧縮ばねが前記ブツシュの外方座面を前記弁
   胴内の座面に対して押圧している弁。 ７ 特許請求の範囲第６項記載の弁において、前記圧縮
   ばねとは別に、前記ブツシュを前記弁胴内の座面に対し
   て押圧する手段が設けられている弁。 ８ 特許請求の範囲第７項記載の弁において、前記手段
   が前記ブツシュと接触し、かつ前記弁胴内を移動するピ
   ストンと、該ピストンに対して作用する切換自在の圧力
   媒体供給源とよりなっている弁。 ９ 特許請求の範囲第２項から第８項までのいずれか一
   つに記載された弁において、前記装置の軸線方向運動が
   負荷に関連して調整し得る衝当部材によって制限される
   ようになっている弁。