JPS5845400Y2 - 建築用下地材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建築用下地材、特にその上に化粧セメントモル
タル、しつくいなどの化粧塗材を直接塗布形成するため
の建築用下地材に関するものである。

最近この種の建築用下地材として合板を基板としその表
面に非加硫ゴム液に骨材を添加混合したものをロービン
グ状凹凸粗面となるように塗布乾燥したものあるいはセ
メントに骨材と木炭、合成樹脂エマルジョンなどを混合
し、合板などの基板表面にユズ肌ステップル状の凹凸粗
面になるように塗布乾乾したものなどが提案されている
。

しかし前者は骨材の表面が非加流ゴムの被膜で覆われて
いるためモルタルとの耐着性が悪く厚塗り施工が行えず
また主体をなすゴム層が劣化し易くそのゴム層の劣化に
よる化粧塗材が剥落するなど欠点があった。

また後者はユズ肌ステップル状の凹凸粗面の表面とする
ことで、化粧塗材との耐着面積を増大させて、その接着
効果を、向上させたものであるが、凹凸面のセメント混
合物に混合される木炭、ＭＣなどが、保水性物質である
ため、透水性が低下し、化粧塗材中の水分が、基板中に
透過し、セメント混合物との界面での水分量が低下し、
硬化不良となり、密着力が低下したり透過水分による基
板の腐朽、吸水膨張による基板の変形（反り、踊り）な
どが発生し、化粧塗材に割れ、剥落が発生するなどの、
欠点か゛あった。

本考案は上記に示した如〈従来の問題点を解決すること
を目的とするものである。

本考案は、無機質あるいは有機質の基板１の上に発泡体
板状物２を接着剤３を介して張着し、その表面にゴムラ
テックスを塗布して接着層４を形成し、さらにその表面
にゴムラテックスを添加したセメントモルタル層５を形
成してなる建築用下地材に係るものである。

以下添付図に記載された本考案の実施例に基づいて説明
する。

基板１としては合板、繊維板、石膏板、セメント板、木
片板など無機質あるいは有機質または無機質、有機質の
混合体からなる板状体である。

基板１は必要に応じてその木口面の二辺あるいは四辺に
合法り加工、本実加工などの実加工を施し建築用下地材
の施工の際木口面の密着を良くする。

基板１の表面にゴム系、酢酸ビニール系、樹脂系、エポ
キシ樹脂系などの接着剤３を全面に塗布する。

接着剤３はその上に張着される発泡体板状物２の種類性
状に合せて適宜選択して、用いる。

接着剤３を塗布された基板１の表面に発泡体板状物２を
張着する。

発泡体板状物２としては合成樹脂たとえば塩化ビニール
樹脂およびその共重合樹脂、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂またはフェノール
樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹
脂、更に必要に応じてこれらに添加剤を加えて任意の方
法で発泡させたものを用いる。

発泡体板状物２は好ましくは独立気泡構造からなるフオ
ームであれば良く前記した発泡体に限らず何等限定され
るものではない。

しかし連続気泡構造からなるスポンジを用いる場合は発
泡体板状物２の表面に塗布されるゴムラテックスあるい
は合成樹脂が吸い込まれ易く表面に被膜の形成が難しく
塗布されるものが限られたり、必要以上に多く塗布した
りしなくてはならず作業性の低下するなどのためその使
用に際しては注意しなくてはならない点が多い。

発泡体板状物２を張着することは下地材の断熱性を向上
する目的を伴なう。

基板１の表面に接着剤３を介して張着された発泡体板状
物２の木目二辺あるいは四辺の上縁を必要に応じて該板
状物２の表面に対して任意の角度（好ましくは４５°程
度）で面取を施してもよい。

発泡体板状物２の表全面にＮ、Ｂ、Ｒ，Ｓ、Ｂ、Ｒ。

Ｍ、Ｂ、Ｒなどのゴムラテックスを塗布し、接着層４を
形成する。

接着層４表面にはゴムラテックスあるいは合成樹脂を添
加したセメントモルタル層５を形成する。

接着層４は発泡体板状物２の表面の浅くて小さい小孔６
を全面的に埋め、深くて大きい大孔７を小さく浅くシ、
残された大孔７部分を残して発泡体板状物２表面をほぼ
平滑面とするとともに残された大孔７の内壁面もほぼ平
滑面となる。

接着層４とゴムラテックスを添加したセメントモルタル
層５との密着作用を以下説明する。

■ 接着層４を形成する合成樹脂は発泡体板状物２表面
の大孔７内壁面を平滑にするとともに、小孔６を埋める
ので、発泡体板状物２表面にはセメントモルタル５の入
り込めないような小さな凹所は無くなり、従来発泡体板
状物２とセメントモルタル５の界面に発生した空気溜り
は発生しなくなる。

このためセメントモルタル５と発泡体板状物２とセメン
トモルタル５の実質的な接着面積は増大し、両者の密着
は完全になる。

■ 接着層４の合成樹脂とセメントモルタル５に添加さ
れたゴムラテックスとは互いに分子間引力が作用し、セ
メントモルタル５は接着層４を介して発泡体板状ｖ０２
に強固に密着する。

■ 接着層４はセメントモルタル５中のアルカリ水によ
り膨潤し、接着層４の被膜はセメントモルタル５との界
面においてセメントモルタル５と混合状態となるため、
その接着界面が密になる。

この接着界面が密になった状態において■に述べた分子
間引力が作用するためこの分子間引力はより有効にセメ
ントモルタル５と発泡体板状物２とを密着させることに
なる。

■ ０〜■に述べた密着効果に残された孔８にセメント
モルタル５が投錨的に食い込むので、セメントモルタル
５の密着効果は相乗的に増大される。

なお接着層４セメントモルタル層５に使用されるゴムラ
テックスはセメントとの混和性、耐アルカリ性、耐久性
などを考慮して選択される。

またセメントモルタル層５は表面を平滑にしても凹凸状
にしてもよい。

（本考案の作用効果） 本出願人はこの種下地材の別考案として、化粧塗材の下
地層として発泡体板状物の表面にゴムラテックスを用い
た接着剤層を形成したもの、（前者）（実開昭５５−７
１２４２号）ゴムラテックスを添加したセメントモルタ
ル層を形成したもの、（後者）（実願昭５３−１３５５
０４号）を提案している。

しかしながら、前者は接着剤層のみに化粧塗材の固着を
依存するため、重い化粧塗材の固定には支持力の不足す
る場合がある。

また後者の場合は、ゴムラテックスを添加したセメント
モルタル層を発泡体板状物表面の気孔に食い込ませて結
合するものであるが、セメントモルタルの本来の性状か
らみて必ずしもその結合が強固でない。

本考案では、上記のように化粧塗材はゴムラテックスを
添加したセメントモルタル層５と最終的には一体となっ
て塗布されるのと、ゴムラテックスを添加したセメント
モルタル層５は発泡体板状物２と接着層４で強固に結合
されているので、化粧塗材は確実に固着される。

また、発泡体板状物２の緩衝性もそのま・保持されるの
で、化粧塗材の割れ、剥離も発生しない。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案下地材の一部断面図である。 １・・・・・・基板、２・・・・・・発泡体板状物、３
・・・・・・接着剤、４・・・・・・接着層、５・・・
・・・セメントモルタル層、６・・・・・・小孔、７・
・・・・・大孔、８・・・・・・孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 無機質あるいは有機質の基板１の上に発泡体板状物２を
   接着剤３を介して張着し、その表面にゴムラテックスを
   塗布して接着層４を設け、さらにその表面にゴムラテッ
   クスを添加したセメントモルタル層５を形成した、 ことを特徴とする建築用下地材。