JPS5844733Y2 - 緊張材緊張定着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ブレストレストコンクリート工事に用いられ
る緊張材緊張定着装置の改良に関する。

一般に、ストランド等の緊張材を使用したプレストレス
トコンクリートが広く使用されており、その緊張材の端
部定着は複数の緊張材をそれぞれ挿通する緊張材挿通孔
を有するコーンを使用し、そのコーンの緊張材挿通孔に
それぞれ挿通した緊張材を引張した後、緊張材挿通孔の
外方端部に形成したテーパー状の楔嵌入部内に楔を喰い
込ませてコーンに対して各緊張材を定着するものが既に
知られているところである。

しかるに、この種の装置にあってジヤツキをもって二次
的な緊張定着作業を行うに際しては、従来よりジヤツキ
と支圧板との間に緊張材貫通孔を有し、且つ楔の挟持を
緩めろよう楔を移動可能ならしめた空隙部を有するジャ
ッキチェアを介在させて、ジヤツキにより緊張材を引張
せしめる緊張方法がとられていた。

しかしながら、かかる緊張材貫通孔と空隙部を有するジ
ャッキチェアを用いた緊張方法では、コーンによってそ
の寸法及び緊張材挿通孔の数や口径が異なり、楔の太き
さもそれぞれ相違するためジャッキチェアの緊張材貫通
孔の数及び空隙部の深さも各種コーンに対応させたもの
が必要となるので、一種類のコーンにしか利用できず数
箇所で各種のコーンに定着された緊張材の二次的な緊張
定着作業を行う際にはそれぞれのコーンに対応したジャ
ッキチェアを用意し、ジャッキチェアの取換作業をしな
ければならず緊張作業能率のきわめて悪いものであった
。

そこで本考案にあっては、この種の緊張材端部定着方法
にあって、ジヤツキをもって二次的に緊張作業を行う際
に各種のコーン及び楔にもジャッキチェアを取換えるこ
となく利用できるようにして緊張工事の作業時間の短縮
が図れ、しかも楔を均一に出入させ、緊張材の緊張時に
、及び緊張後の緊張材の戻り時に各楔の楔片をそれぞれ
正常な位置に位置決めされろように移動させ、二次緊張
作業の完全な定着が行われるようにした緊張材緊張定着
装置を提供せんとしたものである。

以下本考案の実施例について図面に基づき詳細に説明す
る。

図中１はコンクリート構造体であり、２はコンクリート
構造体１の端部に埋設された支圧板である。

その支圧板２の挿通孔３内には緊張材４が所要数挿通さ
れ、その各緊張材４が円柱状のコーン５に形成された緊
張材挿通孔６，６・・・・・・にそれぞれ挿通されてい
る。

そのコーン５の外周にはねじ山７が刻設され、そのねじ
山７には緊張材４の一次的緊張作業後に定着ナツト８が
定着されろようにしている。

その緊張材挿通孔６，６・・・・・・の外方端部には、
外方に向けて拡開したテーパー状の楔嵌入部６ａ 、
６ａ・・・・・・が形成されている。

その各楔嵌入部６ａには外面が円錐状をなした筒体を半
割にした断面が略半円弧状の楔片８ａｔ８ｂが嵌合され
、内方に押し込まれろことによって緊張材４を挾持する
ようにしている。

前記コーン５の端面にはジャッキチェア９が配置されて
いる。

そのジャッキチェア９は円筒体の一端側に大径のコーン
装着筒部９ａを形成し、そのコーン装着筒部９ａに第一
の段部９ｂを設けて、コーン装着筒部９ａより稍口径の
小さい中径のプレート収納筒部９ｃを形成し、更にその
プレート収納筒部９ｃに第２の段部９ｄを設けて小径の
緊張材貫通筒部９ｅを設けて形成されている。

そのジャッキチェア９のプレート収納筒部９ｃ内には環
状の押えプｌ／−ＮＯが移動自在に備えられている。

その押工フレーＮＯにはコーン５の各緊張材挿通孔６に
対応する位置に緊張材貫通孔１１が形成されている。

コーン５の外方端部の外周に配置されるジャッキチェア
９には公知のジヤツキ１２が装着されている。

このジヤツキ１２の可動部分（図示せス）にはアンカー
ヘッド１３が装着されている。

このアンカーヘッド１３はコーン５と同じ構成のもので
あり、楔１４によって定着が行われろ。

このように、ジャッキチェア９、押えプレート１０、ジ
ヤツキ１２により構成される緊張材緊張定着装置はコー
ン５の各緊張材挿通孔６に挿通した緊張材４を緊張した
後、コーン５に螺合された定着ナツト８を螺回して支圧
板２に当接せしめ、楔片８ａ 、ｓｂを楔嵌入部６ａ内
に挿入して緊張材の一次緊張の定着作業終了後に行われ
ろ二次緊張作業に利用されるもので、その二次緊張作業
は、まず一次緊張された各緊張材４の端部な押えプレー
ト１０の緊張材貫通孔１１にそれぞれ挿入し、ついでジ
ャッキチェア９に挿通し、その緊張材貫通筒部９ｄを貫
通させる。

そしてジャッキチェア９のコーン装着部９ ａの第一の
段ｍ９ｂをコーン５の外方端部の端面に当接させて、コ
ーン５の夕１周にジャッキチェア９を配置する。

このとき、押えプレート１０はジャッキチェア９のプレ
ート収納筒部９ｃ内に移動自在に備えられている。

次に、ジャッキチェア９の外側端部に装着されたジヤツ
キ１２のアンカーヘッド１３に緊張材４を挿通し、つい
で楔１４によって緊張材４を定着する。

この状態でジヤツキ１２により緊張材４の二次的緊張を
行うと、緊張材４がコーン５の楔片８ａ ＋ ｓｂによ
る挟持力を緩める方向に移動し、それに伴いコーン５の
楔嵌入部６ａ内の各楔片８ａ、８ｂも緊張材４の移動方
向に移動して押えプレート１０に押し当り、押えプレー
ト１０の移動に対応して各楔□入部６ａ内の楔片８ａ
、 ８ｂがそれぞれ均一に移動することになる。

このようにして所定圧のプレストレストを緊張材４に付
与した後にジヤツキ１２による緊張材４の緊張を解除す
ると、緊張材４は自らの弾性により前述とは逆の方向に
移動するので、それに伴い各楔片８ａ 、ｓｂもコーン
５内に引き込み、再び楔片８ａ 、ａｂによる緊張材４
の挟着がなされ、二次緊張の定着作業が終了する。

本考案のプレストレストコンクリートの緊張材緊張定着
装置は上述のように構成され、コーンの外周に配置され
るジャッキチェアはコーン装着筒部と、該コーン装着筒
部より段部をそれぞれ設けて、順次小径とするプレート
収納筒部及び緊張材貫通筒部を有して形成され、該コー
ン装着筒部の段部を前記コーンの外方端部の端面に当接
させて前記ジャッキチェアを前記コーンの外周に配置し
、前記プレート収納筒部内に前記コーンの緊張材挿通孔
に対応する緊張材貫通孔を有する押えプレートを移動自
在に備えるようにしているので、数箇所で各種のコーン
に定着された緊張材の二次的な緊張作業を行う際に、そ
れぞれのコーンに対応した数の緊張材挿通孔と厚みと口
径を有する押えプレートを各種用意する。

よって複雑な構成のジャッキチェアを数種用意して取換
えることなく、簡易で単純な構成の押えプレートを取換
えるだけで各種のコーンに対応した緊張材の二次緊張作
業が行えるため、緊張工事の作業時間の短縮が図れ、し
かもジヤツキによる二次緊張の際、緊張材を挿通させた
押えプレートがジャッキチェアのプレート収納筒部内を
平行移動するので、コーンの各楔嵌入部から楔片を均一
に出入させ、緊張材の緊張時と緊張後の戻り時に各楔の
楔片を正常な位置にそれぞれ位置決めされるように移動
させ、二次緊張作業の完全な定着が行われるようにして
いるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はプレスト
レストコンクリートの緊張材緊張定着装置の分解状態を
示す斜視図、第２図は楔の斜視図、第３図は二次緊張前
の状態を示す一部縦断面図、第４図は二次緊張中の状態
を示す部分拡大縦断面図、第５図は二次緊張後の状態を
示す一部縦断面図である。 １・・・・・・コンクリート構造体、２・・・・・・支
圧板、４・・・・・・緊張材、５・・・・・・コーン、
６・・・・・・緊張材挿通孔、６ａ・・・・・・楔嵌入
部、８ａ、８ｂ・・・・・・楔片、９・・・・・・ジャ
ッキチェア、９ａ・・・・・・コーン装着ｍ部、９ｂ・
・・・・・段部、９ｃ・・・・・・プレート収納筒部、
９ｅ・・・・・・緊張材貫通筒部、１０・・・・・・押
えプレート、１１・・・・・・緊張材貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート構造体内に挿通した複数の緊張材が挿通さ
   れ、一端に形成したテーパ状の楔嵌入部に緊張材を挾持
   する弧状の楔を嵌入した定着用コーンの端面に、そのコ
   ーンの端部に装着可能なコーン装着筒部と、そのコーン
   装着筒部より稍口径が小さく、前記楔が抜出自在にかつ
   緊張材が貫通自在に形成されるとともに前記楔に当接自
   在な抑圧プレートを移動自在に備えたプレート収容筒部
   と、そのプレート収容筒部より稍口径が小さく、緊張材
   が貫通可能な緊張材貫通筒部とを同心的かつ段階的に形
   成したジャッキチェアを配置させ、そのジャッキチェア
   には緊張材を引張するジヤツキを装着してなる緊張材緊
   張定着装置。