JPS5844268Y2 - 空調気流の風速可変型吹出し口 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気調和用空気流の風速可変型吹出し口、特に
吹出し空気流の風速および吹出し方向の範囲を所望に応
じて変更可能な吹出し口に関する。

従来の空気調和用空気吹出し口は着脱型ルーバー等の利
用を含め、一般に固定的であり、ひとたび設定すれば、
吹出し方向および風量、風速の調節に関する機能はそれ
自身有していない。

四季を通じ、必要な空調用の風量は、夏季に多く冬季に
少ない。

固定型の吹き出し口で風量を調節した場合、風速は夏に
速く、冬に遅くなる。

しかし、冬季に、広い空間を温風で暖房する場合、必然
的に天井面附近の温度が高くなり、実際に暖房を必要と
する居住域を適切に暖房するためには吹出し風速を増し
て室内の空気を攪拌する必要があり、上述の条件と相反
する要求となり有効な空調効果が得られなかった。

本考案は、夏季の冷房及び冬期の暖房において、それぞ
れ空気流の最も効率のよい吹き出し方向および風速を同
一の吹き出し口を用いて簡単に得られる機能を有する装
置を提供することを目的とする。

本考案の装置を装備することにより上述の如き広い対象
空間の場合はもとより例えば熱発生源をもつ作業空間に
おける冷暖房等の好適な空気調和効果を得ることができ
る。

以下、図面を参照しつつ本考案に係る空調用空気流の風
速可変型吹出し口を説明する。

第１図および第２図は本考案による空気流風速可変吹出
し口の概略構造で低速吹出しおよび高速吹出しの両モー
ドにあるそれぞれの状態を示す縦断面図である。

空調設備（図示せず）よりの送風空気流を流通させる円
筒状の送風ダクト１は、その先端部に縮流ｊング２が設
けられた開口部３を有している。

縮流リング２は流路内に絞り部分が突出しているがら、
この部分で流通断面が絞られて縮流される。

送風ダクト１の開口部２の近傍に枠体４が適宜な結合手
段を用いて固締され、該枠体４は上板５と、下板６およ
び円周方向適当個所に配設された上板および下板を連結
して枠体外周部を構成するステー７とから成り、枠体外
周部にはパンチングメタル８等にて形成された籠状の低
速吹出し口が構成されている。

さらに、枠体４の下流端には円錐状の末広形スカート部
分９を有する高速吹出し口が形成されている。

前記開口部２と前記高速吹出し口との間の空間は送風気
流が流通可能な多数のスリット１０をもって国威され、
このスリット１０を通過して送風が流出可能な前記低速
吹出し口の開口断面積は、ダクト開口部２よりも大きく
計画されている。

前記スカート部分９と対向して、これとほぼ相似形の円
錐部分１１およびプレート部分１２をもって構成された
円錐ダンパ１３がダクト１の軸線方向に選択的に移動可
能に配設されて、高速吹出し口の開、閉（第２図および
第１図）制御を行なう。

本考案による吹出し口の構造の要旨は上記のとおりであ
り。

その動作について述べれば、まず第１図のモードにおい
て、即ち例えば夏季冷房時のような場合、低速の吹出し
速度によって熱発生源よりの熱気流を攪拌せずに静穏に
冷気を床面付近に滞留させて冷房効果を向上するために
低速の吹出し送風が要求される。

第１図においては、円錐ダンパ１３は矢印Ａの方向に移
動して高速吹出し口を閉鎖した状態にあり、ダクト１内
の送風は円錐ダンパ１３のプレート１２と衝当し偏向さ
れ、スリット１０を通ってステー７およびパンチングメ
タル８で形成され送風ダクト１より大きい流通断面積を
もつ籠状低速吹出し口から送風速度よりも低速で冷気を
流出する。

次に冬季暖房時、円錐ダンパ１３が矢印■方向に移動し
た開状態（第２図）において、送風ダクト１から送られ
る暖気は、開口部２の縮流リング３によって絞られ、枠
体４の外周よりスリット１０を通して大気を吸い込みつ
つ、スカート部分９と円錐ダンパ１３のプレート１２と
によって形成されるスリット部１４から高速で吹出す。

このように吹出した暖気は、例えば熱発生源がら生ずる
熱気流を攪拌して熱気流が外へ逃げるのを防ぎ、所望の
床面付近の温度を上昇させる。

この高速吹出し流の流速および吹出し方向は、前記スリ
ット部１４の開度によって顕著に左右され、従って任意
所望に応じて制御でき、即ち、前記スリット部１４を徐
々に広げるにつれて、プレート１２とスカート部分９と
の間に形成される気流の満作用によって吹出し方向は下
方（第２図の◎方向）から上方（第２図の■方向）に次
第に移動する。

この高速吹出しの場合、実験によって、吹出し方向を上
下方向にα＝１００°程度まで変化させることが判明し
た。

また低速および高速吹出し口を適切に活用することによ
って同一の風量条件の下においても、吹出し速度を１〜
２０ｍ／ｓ程度の範囲に亙って変動できることが明らが
である。

以上述べた如く、本考案に係る空気調和用の気流の風速
可変型吹出し口によれば冷暖房時に、吹出し口を切換え
ることにより、同一風量条件の下においても吹出し風速
を大幅に変更できると共に、高速時においてその吹出し
方向を上、下方向へ広範囲に任意に変化させることがで
き、夏季冷房および冬季暖房においてそれぞれ最も効率
のよい吹出し方向および風速を所望に応じて極めて容易
に得られ、空調設備の運転効率を向上させる。

なお本実施例においては、送風ダクトの開口面が床面に
対向する上下方向の配置を示したが、吹出し口の切換え
によって吹出し風速の変更が可能である限り、開口面の
臨む方向に応じて種々の対応が可能である。

なお円錐ダンパの変位手段は、手動、遠隔管制、或は感
温装置との組合わせによる自動調定機構等、容易に選択
採用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案に係る空調用空気流風速可
変型吹出し口の概略構造で低速吹出しおよび高速吹出し
の両モードにあるそれぞれの状態を示す縦断面図である
。 １・・・・・・送風ダクト、２・・・・・・縮流リング
、３・・・・・・開口部、４・・・・・・枠体、５・・
・・・・上板、６・・・・・・下板、７・・・・・・ス
テー、８・・・・・・パンチングメタル、９・・・・・
・スカート部分、１０・・・・・・スリット、１１・・
・・・・円錐部分、１２・・・・・・プレート部分、１
３・・・・・・円錐ダンパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空調設備における縮流リングを末端とする送風ダクトの
   開口部と、送風ダクトを前記開口部付近にて取り囲む枠
   体と、前記開口部に対向して、前記枠体に設けられかつ
   その下流端に円錐状の末広形スカート部分を有する高速
   吹出し口と、前記開口部と前記高速吹出し口との間の空
   間を覆いかつ前記開口部からの送風が流通可能な多数の
   スリットと、前記枠体の外周に設けられかつ前記スリッ
   トからの送風が流出可能な前記開口部より大きい開口断
   面積を有する低速吹出し口と、前記スカート部分と対向
   しかつこれとほぼ相似形の円錐部分およびプレート部分
   から戊る前記高速吹出し口の開閉を行う円錐ダンパとを
   含む空調気流の風速可変型吹出し口。