JPS5843992B2 - リニアサイリスタモ−タ用電磁レ−ルおよびその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は超高速鉄道および低公害鉄道などの交通機関に
実用化が検討されているリニアサイリヌタモータのうち
、特に多相化された波形電機子コイルにより構成される
リニアサイリヌタモータ用電磁レールの構造および製造
方法に関するものである。

リニアサイリヌタモータは軌道上に敷設された電磁レー
ルの電機子コイルに流れる電流をサイリヌタにより順次
転流していくことにより進行磁界を作成し、この電磁レ
ールを跨ぐような恰好で装備された車上電磁石に、推進
力と浮上刃を与えるものである。

リニアサイリヌタモータ用電磁レールは軌道全長にわた
り敷設されるものであるため、構造が簡単で、安価であ
ること、また車上電磁石の重量を軽減するために、電磁
レールの導体占積率を上げ電磁レールをコンパクトな構
造にすることが要望されていた。

第１図は現在実用化を検討しているリニアサイリヌタモ
ータの地上側設備の構成を示したものであり、地上側設
備は電磁レール１００および１１０、サイリスタ転流回
路２００むよび電源回路３００より構成されている。

電磁レール１００お−よび１１０は波形電機子コイル６
相Ｌ ２，３，４゜５．６で構成されている場合を示し
たものであり、１和から６相１でそれぞれコイルピッチ
Ｐの１／６の位相差をもって配置されている。

第１相の電機子コイル１と第４相の電機子コイル４、第
２相と第５相、第３相と第６相はそれぞれ電気的位相差
が１８０°であり、幾何学的にも１／２コイルピツチだ
けずれた位置関係にあり、車上界磁の進行に対応してこ
れらの対の通電電流を１方から他方へ転流を行なうこと
により、進行磁界が発生し、推進力を生み出す。

車上界磁には電機子コイルの垂直辺を流れる垂直方向電
流により推進力、水平辺を流れる水平方向電流により浮
上刃の両者の力が、一つの電磁レールにより作用する。

電磁レール１００，１１０はそれぞれ軌道上の車輛の両
側位置に敷設され、二本のレールとなる。

第２図は従来用いられてきた電磁レールの構造図を示し
たものであり、第２図イは電機子コイル６相で構成され
た電磁レール断面を示している。

また、第２図口は電機子コイル１相分の導体形状を示し
たものであり、水平辺導体と、コイルピッチＰの１／２
ごとに垂直辺導体を有した矩形波形状をしている。

この電機子コイル１１〜１６を各相ごとに所定のピッチ
ずらせて６和分を横６列に配列したのち、絶縁物１０１
などにより一体化し、電磁レールを構成していた。

しかし、このような構造では第２図イの断面図に示され
るように１１’、 １２’、 １３’、 １４’、
１５’。

１６′の点線で示される部分では、導体の存在しない空
間部が存在するために、電磁レールの導体占積率が悪い
こと、絶縁物を余分に必要とするためにコスト高となる
こと、また車上電磁石が大きくなり、車体重量が重くな
ることなどが、従来より問題となってむり、改良が車重
れでいた。

本発明はか哀る問題を解決するためになされたものであ
り、電磁レールの導体占積率が高く、かつ製造が容易な
量産化に適した電磁レールの構造お・よび製造方法を提
供することを目的とするものである。

第３図は本発明による電磁レールの電機子コイル１相分
の構成を示す説明図であり、第３図イは電機子コイル水
平辺導体４０、第３図口は垂直辺導体５０、第３図ハは
これらを相合せて製作された電機子コイル１相分の構造
を示している。

第３図イに示す水平辺導体４０は電機子コイル半ピツチ
（Ｐ／２）の長さを有する導体板で製作され、図の斜線
部分４３には絶縁処理が施されている。

その両端部では垂直辺導体５０と接続可能なようにミミ
４１がつけられてち・す、その接続端部にはあらかじめ
接続が容易に行なえるように取付穴４２加工がなされて
釦り、また電気的接続を確実に行なうため銀メッキなど
の処理が施されている。

第３図口は垂直辺導体５０であり、同相の水平上側導体
と水平下側導体を電気的に接続するために用いられる。

第３図口の斜線部５３は第３図イの水平辺導体４０と同
じく絶縁処理が施されてお一す、上下の取付端部５１は
取付穴５２加工およびメッキなどの表面処理がなされて
いる。

なお、垂直辺導体５０相互間の距離は大きいので必ずし
も絶縁処理は必要ではない。

第３図ハは水平辺導体４０と垂直辺導体５０を接続した
後の電機子コイル１相分の構造を示したものであり、電
機子コイル半ピッチごとに水平辺導体４０は上側導体か
ら下側導体に、下側導体から上側導体に垂直辺導体５０
を介して位置を変える。

この水平辺導体４０を流力る電流により浮上刃を、垂直
辺導体５０を流れる電、流により推進力を発生させるこ
とができる。

第４図は本発明にもとすいて製作された電、根子コイル
６和で構成された電磁レールの構造を示したものであり
、第４図イはある位置にち・ける横断面図、口は側面よ
り見たコイル構成を示す説明口である。

電機子コイル２１〜２６は各相所定のピッチだけずらし
た状態で、水平辺の上側導体６相は上側縦３列に、下側
導体６相分も同様に下側縦３列に収めることができる。

なお、垂直辺導体は水平辺導体の両側面位置に配置され
る。

垂直辺導体を配置するために必要とする面積の横断面に
おける占有率は電機子コイルの相数が多くなる程小さく
なる。

従って本発明は超高速鉄道などの高速走行に適する多相
化された電磁レールに対して特に有効な構造となる。

次に本発明にもとづく電磁レールの製造方法について説
明する。

第３図イに示したような電機子コイル半ピッチ長の絶縁
された長方形の板状導体を各相ごとに所定のピッチでず
らして配置し、所要相数分の上側板状導体むよび下側板
状導体を重ね合せる。

その後にその水平導体層の両側面に耘いて、第３図口に
示したような平行四辺形状のあらかじめ成形された垂直
辺導体を用いて、各相ごとに上側導体と下側導体を電気
的に接続してい〈。

このようにして電磁レールの多相化された波形電機子コ
イル部分が形成される。

しかる後にこの電機子コイル部と保護用外皮を組合せる
こと、あるいはこれに必要に応じて浮上刃を増すための
誘導コイル３０を付加させて組合せること、あるいはこ
れらをモールド用樹脂により一体成形し、それに支持用
金具１０２を取付けて電磁レールを構成する。

以上述べたように本発明のりニアモータ用電磁レールは
、従来の電磁レールに比べ電磁レール断面における電機
子コイル導体断面占有率を上げることが出来るので、電
磁レールをコンパクトにすることができ、従って絶縁物
の量が少なく電磁レールのコストを下げることができる
。

資た、これにともたって車上に塔載される電磁石も小形
化できるので、車体重量が軽減でき、所要電力も低減す
ることができる。

昔た、電磁レールの製造法としてもあらかじめ部品とし
て製作された導体層を組合せて製作すればよく、量産化
が容易に行えるので、この面でも製造コストを下げるこ
とができるなど、多くの特徴を有して訃り、本発明の意
義はきわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はリニアサイリヌタモータの地上側設備の構成図
、第２図は従来の波形電磁レールの構成図であり、イは
断面図、口はその中の電機子コイル１相分の形状を示す
側面図である。 第３図は本発明による電磁レールの電機子コイルの一実
施例の要部を示す説明図であり、イは水平辺導体、口は
垂直辺導体の形状を示し、ハは水平辺導体と垂直辺導体
を組合せた電機子コイル１相分の形状を示したものであ
る。 第４図は、本発明による多相化された波形電機子コイル
による電磁レールの一実施例を示したものであり、イは
６相の場合の断面図、口はその側面図である。 ２１．２２，２３，２４，２５，２６・・・組立てられ
た電機子コイル、３０・・・誘導コイル、４０・・・水
平辺導体、５０・・・垂直辺導体、１０１・・・絶縁物
、１０２・・・支持金具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 多相化された波形電機子コイルにより構成されるリ
   ニアサイリヌタモータ用電磁レールにむいて、波形電機
   子コイルの水平辺導体が電機子コイル半ピッチ長の絶縁
   された板状導体で構成されて釦す、この水平辺導体を各
   相ごとに所定ピッチずらした状態で、所要相数分の上側
   水平辺導体釦よび下側水平辺導体がそれぞれ重ね合せら
   れており、各相ごとに上側水平辺導体と下側水平辺導体
   が電機子コイル半ピツチごとにその側面に釦いて予め成
   形された垂直辺導体によって電気的に接続されているこ
   とを特徴とするリニアサイリヌタモータ用電磁レール。 ２ リニアサイリヌタモータ用電磁レールの製造方法に
   むいて、絶縁された板状導体を各相ごとに所定ピッチず
   らして重ね合せ波形電機子コイルの上側水平辺導体むよ
   び下側水平辺導体を構成し、上側水平辺導体と下側水平
   辺導体とを各相ごとに電機子コイル半ピツチの間隔でそ
   の側面において予め成形された垂直辺導体によって電気
   的に接続し、該多相化された波形電機子コイルを絶縁被
   覆することを特徴とするリニアサイリヌタモータ用電磁
   レールの製造方法。