JPS5843848Y2 - 靴の中敷 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、風通し良く、ムレ難く、良路圧感がありかつ
吸放湿状態を目視できる靴の中敷に関する。

靴を履くと、足からの発汗、又は不感蒸製によって、ム
レ、蒸し暑さという不快感と良路圧感の低下が訴えられ
る。

そのため、靴の中敷を入れて履くことが多い。

そこで靴の中敷にはそれ自体が水分を吸うもの、もしく
は中敷を通して靴底に水分を落とす素材又は構造が選ば
れる。

しかし、従来の靴の中敷では、この発汗、水分に対する
靴の中敷の吸収効果を使用者が十分に知ること、又、継
続して使用する場合、靴の中敷が十分乾燥しているか、
水分を吸収する機能を発揮する状態にあるか否かを知る
ことは困難である。

この困難さを解決する方法に公開実用昭４８１０３２５
０号公報に記されている水分吸収により変色する２価の
コバルトイオンを吸着させたシリカゲルなどの乾燥剤を
つけた靴しきが提案されているが、この構造では、乾燥
剤を本体圧縮紙とサンドイッチ状にしたり、しみこませ
たり、混入したりして、本体圧縮紙につける方法を用い
る為、吸水時に踏圧感が悪くなり、著しくはベタつきを
感じる様になり靴の中敷として使用できなくなる欠点が
あり、また、一度、吸水したシリカゲルは容易に放湿し
ない欠点がある。

吸湿した中敷を乾燥させるには、かなりの高熱を必要と
し、乾燥に手間がかかる難点もあるし、一度吸湿した中
敷を乾燥させても元の良路圧感のある状態にはもどらな
い欠点がある。

本考案はかかる欠点を全て解決したもので上面に透明又
は半透明の通気性を有する表面シート３、該表面シート
３の下層に吸放湿時に可逆変色する物質を介在させた通
気性不織布２、該下布２の下層にクッション性を有し、
通気性の編織物及び又は不織布１、該編織物及び又は不
織布１の下層に通気性の裏面シート４が配置され、該表
面シート３の端部と該裏面シート４との端部周側封着部
５を設けてなる靴の中敷に関するものである。

この考案を図面によって説明する。

例えば第１図と第２図に示すように、靴の中敷の芯材１
は通気性がありクッション性にすぐれた編織物、不織布
、又はこれ等のシート状物などが普通に選ばれる。

２は中敷の土踏まずの個所に、発汗水分を吸収して発色
又は変色し、及びその脱水によって元の色に戻る、いわ
ゆる吸放湿時に可逆変色する物質を繊維糸内部に介在さ
せた通気性不織布で芯材１の上面に接合しである。

不織布の繊維糸内部に可逆変色物質を介在させる方法は
、溶融混合方法、浸漬含浸方法によってもよい。

３は中敷の外観を良いものとしかつ透視できるシートで
、足裏に快適な感触を付与するためと、発色又は変色物
を介在させた素材をカバーする別の多孔質の表面シート
である。

この多孔質シートは透明又は半透明のフィルム状か、ま
たは多数の孔を有し通気性を有する半透明の編織したシ
ート状のものであり、芯材１に取付けた発色又は変色素
材の着色状態を外部から視覚で知ることが出来るように
しである。

４は裏面シートで、通気性のシートであればよいが粗目
の網組織のシートであれば通気性、踏圧感、摩もう性等
に優れてより好ましい。

このシートは前記の芯材１と一体にして、これらの端部
周側を例えば溶着して、端部周側封着部５を設けて、靴
の中敷に仕上げられる。

この考案に用いる可逆変色する物には、タンニン酸と硫
酸第二鉄アンモニウムとの組合せで水分を吸収して黒色
、脱水により無色になるもの、サリチル酸ナトリウムと
硫酸第二鉄アンモニウムとの組合せで赤色から無色に戻
るもの、フェロシアン化ナトリウム（黄血塩）と硫酸第
二鉄アンモニウムとの組合せで水分を吸収して青色に発
色し、脱水により無色に戻るものその他で、さらに又、
可逆変色する液晶物質などがある。

これらのものはいずれも液媒体とともに不織布などに含
浸し、乾燥してその不織布繊維内部に介在させ、発色素
材として用いる。

第１図及び第２図に示すように中敷の内部に縫製・接着
又は周側を溶融着して取付けるのである。

さらに、これらの発色又は変色物質を熱可塑性樹脂に練
り込んで繊維、フィルム又はシート状として直接発色素
材として中敷に用いることもできる。

この場合は、靴の中敷の不織布２として内部に介在させ
てもよいが、更に表面シート３又は裏面シート４に直接
線り込んで靴の中敷として、仕上げれば表裏面からの着
色状態の判別が容易である。

さらに又、水と光屈折率が類似している多孔質フィルム
、例えば、アクリル系のフィルムは吸水して透明となり
、乾燥すると白色となる性質があるのでこれも発色素材
として中敷に用いることができる。

この考案に係る靴の中敷は、全て、通気性物質で構成さ
れているので、長期間ベタつきもなく、通風性がよいし
、乾燥し易い。

芯材の中間層１にクッション性の繊維材料を用いる為長
期間良好な踏圧感が変らない利点があるし、表面シート
３が透明又は半透明シートを用いるため、中間層２の可
逆変色物質の吸放湿塵が目視し易いばかりでなく、直接
、裸足裏に、可逆変色物質が接触することがなく衛生的
であり、変色も濡れの変色でなく、湿気変色を目視でき
る利点がある。

また、可逆変色物質が繊維系内に介在する為、可逆変色
物質の吸湿によるベタつきを起さず、長期間使用可能で
ある利点がある。

さらに、表面シート３と裏面シート４が端面で溶着され
封着部５が設けられているので、中間層の使用中に於け
るズレもなく、かつ、中敷としての強度も向上する利点
がある。

本考案にかかる靴の中敷は産業上実用価値の高いもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の靴の中敷を示す部分切截平面図であ
って、第２図は第１図のＡ−Ａ’線における全中敷の断
面図である。 １・・・・・・芯材、２・・・・・・発色物を介在させ
た不織布、３・・・・・・表面シート、４・・・・・・
裏面シート、５・・・・・・周側の溶着部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に透明又は半透明の通気性を有する表面シート３、
   該表面シート３の下層に吸放湿時に可逆変色する物質を
   介在させた通気性不織布２、該不織布２の下層にクッシ
   ョン性を有し、通気性の編織物及び又は不織布１、該編
   織物及び又は不織布１の下層に通気性の裏面シート４が
   配置され、該表面シート３の端部と、該裏面シート４と
   の端部周側封着部５を設けてなる靴の中敷。