JPS5843735Y2 - 液圧縮防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は圧縮機の保護を目的とした液圧縮防止装置に関す
るものである。

一般に圧縮機を使用する冷凍サイクルでは、蒸発器の軽
負荷運転時、液冷媒が圧縮機に吸込まれて液圧縮状態と
なり、圧縮機が損傷する虞れがある。

この為、従来は蒸発器と圧縮機の間にアキュームレータ
を設け、軽負荷運転時に蒸発器で十分蒸発しきれなかっ
た液ガス混合冷媒をアキュームレータで気液分離し、ガ
ス冷媒だけを圧縮機に吸入させていた。

しかしながら異常軽負荷運転時においては、液ガス混合
冷媒が異常に増加し、液冷媒量がアキュームレータの容
量を越えて、アキュームレータ内が液冷媒で充満し、液
冷媒がそのまま圧縮機に吸入する虞れがあった。

一方、実開昭５０−１１３９５２号公報では冷凍能力の
向上を目的に蒸発器から流出された冷媒ガスの一部を常
時圧縮機をバイパスさせて直接凝縮機に導入させること
が提案されていた。

従って異常軽負荷運転時、蒸発器からガス冷媒よりも液
冷媒が多く流出した場合、この液冷媒の一部は圧縮器を
バイパスして凝縮器へ導入されるものの、液冷媒が圧縮
機に流入するおそれは免れなかった。

斬かる点に鑑み、本案は異常軽負荷運転時、アキューム
レータ内に液冷媒を貯溜させて、この液冷媒を圧縮機の
吐出側へ一部バイパスさせることにより液圧縮を確実に
防止しようとするものである。

以下本案の一実施例について図面に基づき説明すると、
１は圧縮機、２は凝縮器、３は減圧素子、４は蒸発器、
５はアキュームレータでこれらを環状に接続して冷凍サ
イクルを構成している。

而して前記アキュームレータ５は蒸発器４から低圧管６
を介して流入する液ガス混合冷媒を気液分離し、ガス冷
媒のみを圧縮機１の吸入管７に流入させるものである。

又、８は前記吸入管７内の流入冷媒温度を検出する感温
部で、前記吸入管７の外壁に熱接触状態に設けてあり、
９はアキュームレータ５の液面下部１０と吐出管１１内
のエゼクタ１２とに通運している導管１３の途中に設け
た制御弁で、前記感温度８と連動して開閉するようにな
っている。

本案は以上の如く構成されており、次に動作を説明する
。

異常軽負荷運転時、蒸発器４よりの液ガス混合冷媒が異
常に増加して、アキュームレータ５内の冷媒液面が上昇
し、定常量以上の液冷媒が、前記吸入管７内へ流れ始め
ると、その液冷媒による吸入管７の温度低下を前記感温
部８で検出して、制御弁９が開かれる。

一方、圧縮機１から吐出された冷媒ガスは、エゼクタ１
２のノズル１４から噴出されているので、Ａ点箇所は負
圧領域となっている。

従って前記制御弁９の開放により、アキュームレータ５
内の液冷媒は、導管１３を介してＡ点箇所に誘引され、
噴流となった吐出冷媒ガスと混合して、凝縮器２に送り
込まれるようになるので、圧縮機１に多量の液冷媒が戻
るのを防止することが出来る。

尚、感温部８の代りに他実施例として、図面中の一点鎖
線で示したようにアキュームレータ５内にフローＩ・１
５を設け、圧縮機１へ定常全以上液冷媒が戻る状態を液
面で検出しても良い。

以上の如く、本案は圧縮機に戻るアキュームレータ内の
液冷媒の状態を検出し、定常全以上液冷媒が圧縮機に戻
ろうとする異常負荷運転時には、アキュームレータから
、直接圧縮機の高圧吐出管内にエゼクタ作用により、自
動的に液冷媒を誘引導入させるようにしためで、定常量
以上の液冷媒が圧縮機に流入するおそれはなく、圧縮機
の液圧縮の防止を確実に行なうことが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本案装置を備えた冷媒回路図である。 １・・・・・・圧縮機、２・・・・・・凝縮器、３・・
・・・・減圧素子、４・・・・・・蒸発器、５・・・・
・・アキュームレータ、８・・・・・・感温部、９・・
・・・・制御弁、１２・・・・・・エゼクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧縮機、凝縮機、減圧素子、蒸発器、アキュームレータ
   を環状に接続した冷凍サイクルに於いて、前記圧縮機の
   高圧吐出管にエゼクタを設けると共に、前記アキューム
   レータの液面下部と前記エゼクタを接続する導管と、こ
   のアキュームレータがら圧縮機への定常量以上の液冷媒
   の戻りを検出する検出手段と、前記導管に配設され前記
   検出手段の作動で開放しアキュームレータ内の液冷媒を
   圧縮機の高圧吐出管へバイパスさせる制御弁とを備えた
   ことを特徴とする液圧縮防止装置。