JPS5843540Y2 - 罐天板に於ける開口部の中蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は罐開口部、特に内容物を罐から注出する場合に
使用される開口部に於て施設される中蓋の改良に関する
ものである。

従未罐体から充填されている内容物を注出する為の開口
部には通常中蓋、例えばポリ栓等を嵌着した構成が採ら
れている。

また充填内容物が液体、気体、さらには揮発性等物性上
注出口に於ける水密、気密性が要求される場合には商品
の管理、取り扱い上、必要不可欠である。

しかるに、こうした錐体自体の製造には当然のことなが
ら罐体とは別体に中蓋を製造しなければならず、加えて
これを開口部に嵌着する作業が要求されるものであるこ
とから、ポリ栓等の製作費の節減をはじめとする経済性
並びに作業の簡素化、省力化等の作業性についての検討
が業界に於て切望されてきた。

因て、本考案者もか・る業界からの要望に応じ得るこの
種中蓋の改良について研究の結果、キャップを嵌着する
口金部の開口部を閉鎖する天壁を張設し、この天壁によ
って中蓋の効能を発揮せしめる一方、これの使用時に於
ける除去を、単にこの天壁を内容物を注出するに足る範
囲内の部分を押圧することにより落し込むことにより開
口し得るように構成せしめ、上記従来のポリ栓等の中蓋
を不要ならしめこの種線の開口構成の作業性、経済性を
大いに向上することに成功したものである。

以下、本考案の実施例を図面とともに具体的に説明する
。

１は罐本体２の天板で、この天板で、この天板１は円錐
体３状にプレス成形するとともにこの円錐体３の頂部に
天壁４を備える円柱状部を一体にプレス成形することに
より口金部５を設け、さらに円錐体３の周縁には罐本体
２の上端縁部に設けたカシメ部２ａとのカシメ部６を設
けるとともにこのカシメ部６を罐本体２のカシメ部２ａ
にカシメ部２ａにカシメることにより、罐本体２に取付
けである。

また、上記口金部５の周壁５ａにはキャップたるネジ蓋
（図示せず）を螺着するための螺子部７を設けである。

さらに、口金部５の天壁４には、その周縁部に対向する
２個所の接続片８，９を残存せしめて環状の破断用溝１
０を設けるとともにこの破断用溝１０に沿って環状四部
１１を設け、この環状凹部１１中にライニング材１２を
流し込んで固着し、がつ天壁４の中央部には開蓋用凸部
１３を設けることにより構威しである。

さて、上記構成中、天板１に対して口金部５をプレスに
て一体に成形した場合の実施例を示したが、口金部５０
を天板１００とは別体にプレス成形し、これを天板１０
０に開口した開口縁部とカシメ５することにより構成す
る実施例（第３図ａ参照）、また、口金部５自体の構成
中天壁４０を周壁５０ ａの開口部にその周縁を溶接４
１することにより構成する実施例（第３図す参照）、さ
らには上記環状凹部１１を設けず、単に接続片８０．９
０を残存せしめつつ環状の破断用溝１１０を設けるとと
もに中央部に開蓋用凸部１３０を設け、かつ破断用溝１
１０に沿ってライニング材１２０を固着することにより
口金部５０を構成する実施例（第４図ａ参照）、天壁４
２に於ける接続片８１．９１を設ける上記実施例に加え
てさらに接続片８２ 、９２を設けた２以上の複数の接
続片を設ける実施例（第４図す参照）、そしてまた、破
断用溝についてもミシン状の破断用溝１１１（第５図ａ
参照）あるいは単なる切込み溝から成る破断用溝１１２
や、段差状の切込みをプレス成形した破断用溝１１３を
設けることにより構成する等の実施例（第５図す、Ｃ参
照）、天壁４５を周壁５２に一体にプレス成形する実施
例に於て中央部を単に凹設し、周縁部に沿って環状の切
込み溝から成る破断用溝１１４を設けるとともにライニ
ング材１２１を固着した構成から戒る実施例（第６図参
照）を挙げることができる。

しかして、以上のような構成から成る本考案の中蓋によ
れば、口金部の天壁中央部を押圧することにより破断用
溝を介して開口することができるとともに、か・る中蓋
の構成により従来要求されたポリ栓の如き口金部とは別
体に形成していた中蓋を一切不要ならしめることができ
ることに加えて、ポリ栓の如き中蓋を口金部の開口部に
嵌着するような煩雑な作業をも省略することができ、特
に本考案の中蓋の構成は天板に於てプレスにより一体に
成形することの可能なる加工性からして従来のこの種中
蓋の構成を簡素化することができるので上記作業性の向
上に加えて経済性をも大いに向上することができるもの
である。

また、口金部の開口操作は上述した如く単に中央部を押
圧するのみの簡単な操作のみにて足り、口金部に嵌着さ
れた中蓋を取り外すことにより遂行するような従来の面
倒な操作を簡易迅速化することに加えて、本考案の場合
、天壁中央部を押圧して一旦開口してしまうと再度、こ
れをもとの状態に復帰することができないことから、そ
れ自体の構成にて封緘作用を発揮し得る利点を備え、口
金部にポ、り栓の如き中蓋を嵌着した構成の従来の中蓋
の如く他に封緘作用を発揮すべき構成を別に備えなけれ
ばならないような点を解消でき、罐体内の充填物の抜き
取り抜き換え等を確実に防止することができる。

さらに、ライニング材を天壁に固着することによって破
断用溝に於ける気密、水密性を担保することができるこ
とに加えてこれを外側に固着することにより天壁の内側
に固着し、た場合のライニング材の罐体内に充填の内容
物に落下して混入、融は込んだりする欠点や、充填内容
物に溶融してライニング材の気密、水蜜性が損われる欠
点等を解避することの利点を発揮し得る。

尚、上述した本考案の実施例中、開蓋用凸部を設けた場
合には天壁中央部を押圧しての開口操作をより簡単、確
実に実施することができるとともに破断用溝に沿う環状
凹部を設けた場合にはライニング材の固着作業を、ライ
ニング材の流れ出しを防止しつつ実施し得る作業上の利
点や、ライニング材の固着を堅固に維持し得る利点を得
られ、さらに、少なくとも対向する２個所の接続片を設
けることにより、天壁中央部の不必要な開口を防止する
ことができる等の利点を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案中蓋の実施例を示す天板の斜視図、第
１図すは第１図ａの天板を罐本体に取付けた場合の一部
を省略した斜視図、第２図ａは第１図ａに於ける口金部
の拡大平面図、第２図すは第２図ａｃｒ）Ａ−Ａ線断面
図、第２図Ｃは第２図ａのＢ−Ｂ線断面図、第３〜６図
は第１図とは別の実施例を示し、第３図ａは天板とは別
体にプレス成形した口金部を天板開口部にカシメること
により構成した場合の一部を省略した斜視図、第３図す
は口金部を一体成形せず天壁を周壁開口縁に溶接して構
成した場合を示す断面図、第４図ａは破断用溝に沿う環
状凹溝を設けない場合の実施例を示す口金部の断面図、
第４図すは４個の接続片を設けた場合の実施例を示す口
金部の平面図、第５図ａはミシン状の切込みから成る破
断用溝の実施例を示す口金部の平面図、第５図すはＶ字
状の切込みから戊る破断用溝の実施例を示す口金部の断
面図、第５図Ｃは段差状の切込みから成る破断用溝の実
施例を示す口金部の断面図、第６図は天壁の中央部に開
蓋用凸部を設けない場合の実施例を示す口金部の断面図
である。 １は天板、２は罐本体、４は天壁、５は口金部、６はカ
シメ部、５ａは周壁、７は螺子部、８，９は接続片、１
０は破断用溝、１１は環状凹部、１２はライニング材、
１３は開蓋用凸部。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）天板の開口部の設置個所に位置せしめてキャップ
   を嵌着することのできる口金部を立設するとともに当該
   口金部の周壁に天壁を一体的に張設して開口部を閉鎖し
   、かつ当該口金部の天壁の周縁部に接続片を残存せしめ
   て環黙の破断用溝を設けるとともに破断用溝に沿ってラ
   イニング材を固着することにより構成したことを特徴と
   する罐天板に於ける開口部の中蓋。
2. （２）天板の所要位置に天壁を備える筒状部をプレス成
   形することにより天板に一体に口金部を構成したことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の罐天板
   に於ける開口部ρ中蓋。
3. （３）口金部の天壁中央部に開蓋用凸部を設けたことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の罐天板
   に於ける開口部の中蓋。
4. （４）口金部の天壁の周縁部に対向する２個所の接続片
   あるいはこれらの接続片に加えた２個所以上の接続片を
   残存せしめて環状の破断用溝を設けたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の罐天板に於ける開
   口部の中蓋。
5. （５）環状の破断用溝に沿ってライニング材固定用の凹
   溝を設け、この凹溝中にライニング材を固着することに
   より構成したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の罐天板に於ける開口部の中蓋。