JPS5841029Y2 - 電子ビ−ム溶接機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子ビーム溶接機のうち、特に溶接室の排気
待ち時間をなくシ、複数個の被加工物に対し連続的に溶
接が行なわれる電子ビーム溶接機に関する。

従来のこのような溶接機としては、第１図に示すような
回転テーブル式の溶接機が提案されている。

第１図において、１は電子ビーム発生装置であり、ここ
で電子ビームの発生、加速、集速、偏向などが行なわれ
る。

主軸２に対し軸受３を介して回転する回転テーブル４が
あり、この回転テーブル４には加工物１０を取付ける２
個以上の加工物収容室５−１．〜５− ｎが円周上に沿
って設けられており、正確な割出しを行なう割出機構（
図示せず）により間欠的に回転が行なわれる。

この回転テーブル４の上面に収容室５を横方向にはさむ
ように円周長を異にする２個のＯリング６ ａ ｔ６ｂ
がエンドレスに取付けられている。

さらにこの上に、固定の上蓋７が回り止め８により取付
けられている。

しかして、回転テーブル４は、上蓋７との間にあるＯリ
ング６ａ 、６ｂと接触しながら間欠的にスライド回転
する。

この場合、ローラ９により予じめ上蓋１と回転テーブル
４と間にある０ １Ｊングのつぶししろを得ている。

上蓋７には、回転テーブル４の加工物収容室５と合致す
る円周に沿って加工物１０の取付口１４、取出口１５、
排気管群１１ａ、１１ｂ、１２ａ、１２ｂおよび電子ビ
ーム発生装置１が設けられている。

この溶接機においては、加工物１０−１は、取付口１４
の位置にある収容室５−１に取付けられ、回転テーブル
４の回転とともに排気管群１１ａ。

１２ａのところに割出され、電子ビーム発生装置１の真
下において、第２図に示すように、ギヤ円周部１６と中
心バブ１７との間の溶接部分に電子ビーム１ａが照射さ
れ、ビームを偏向回転させるか、または加工物１０を回
転させることにより円形溶接部分の溶接が行なわれ、そ
れから排気管群１１ｂ、１２ａの下を通り、取出口１５
において外部に取出される。

この溶接機においては、１個の加工物が溶接されている
間に、他の加工物の取付、排気、リーク取出しなどが同
時に並行して行なわれ、次から次へ能率よく多数の加工
物の加工が連続的に行なわれるのである。

しかしながら、この従来の溶接機では、−加工物の溶接
部分が、第２図に示すように、ギヤ円周部１６とその中
心バブ１Ｔとの継ぎ目のように、平面円周に沿うもので
ある場合は問題はなかった。

しかし、例えば第３図に示すような、環状内側ギヤ１８
の一端面側から軸受中心孔を有するフランジ蓋１９が冠
せられ、側面円周に沿って溶接する場合には、前記従来
装置では、狭い加工物収容室の中で、第３図に示すよう
に、水平軸の周わりに回転させながら、真上から固定ビ
ームを照射することになる。

このように真空の狭い収容室内にある加工物を個々の収
容室毎に水平軸の周わりに回転させるための機構を備え
ることは、甚しい設備費の高騰を招き実用的ではない。

本考案の目的は、円筒体側面溶接を容易にした多数の加
工物の連続溶接のできる電子ビーム溶接機を提供するに
ある。

つぎに図面により本考案を詳細に説明する。

本考案の一実施例の要部を示す第４図において、４は第
１図と同じように、主軸を軸として回転する回転テーブ
ルであり、５は回転テーブルの周辺部に設けられた加工
物１０を収容する複数の加工物収容物のうちの１個の収
容室である。

この第４図において、第１図と特に変わった点は電子ビ
ーム装置２０にあり、すなわち電子ビーム装置２０は、
溶接室２１を有し、かつ、ビーム発生部２２で発生され
たビーム１ａは、回転テーブルの加工物収容室５から移
動された加工物１０に対し、横方向から照射される。

加工物１０は、元々は回転テーブルの収容室５における
移動台２３の取付台２４に取付は収納されているのであ
るが、回転テーブル４の間欠回転により電子ビーム装置
２０の溶接室２１の下に割出されると、モータ２６およ
びモータ２６にベルト連結のブー９２７を含む、移動台
の上下駆動回転装置２５が、そのエアーシリンダ２８に
よりばね３１を圧縮させながら上昇し、プーリ２７の軸
の結合子２９ｂが収容室５の底辺中央部を気密に貫通し
ている移動台シャフト３２の下端の結合子２９ａと結合
し、さらに上昇して取付台２４に取付けられた加工物１
０が、正規のビーム照射を受ける位置まで押し上げられ
る。

しかして、ビーム１ａの照射とともにモータ２６の回転
により回転し、加工物１０の側面溶接部が全周にわたり
溶接される。

溶接が終ればもち論、移動台２３は下降し、回転テーブ
ル４の一ステップの回転とともに次の収容室の加工物の
溶接が行なわれる。

上述のとおり一１本考案装置では、電子ビームを横方向
から照射するようにしであるので、従来困難であった加
工物の側面全周溶接も、従来の平面円周溶接と同じよう
に、加工物を垂直軸の周わりに回転させる簡単な構造で
容易に実施することができ、良品質の側面溶接加工物が
能率よく製造できる。

更に溶接が回転テーブルのＱ ＩＪソング付面より上方
にて行なわれるため、Ｏリング取付面に溶接時に発生す
るスパッタ等の進入を防ぐことができるのでＯＩＪソン
グ損傷が軽減され、交換寿命を長くすることができるな
ど、その実用的効果は犬なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の連続式電子ビーム溶接機の一部切裁斜視
図、第２図は平面円周溶接の説明図、第３図は側面円周
溶接の説明図、第４図は本考案実施例の要部を示す断面
図である。 ４・・・・・・回転テーブル、５・・・・・・加工物収
容室、６ａ 、 ６ｂ・・・・′・・０リング、Ｔ・・
・・・・固定上蓋、１０・・・・・・加工物、１１ａ、
ｂおよび１２ａ 、 ｂ・・・・・・排気管、１４・・
・・・・加工物取付口、１５・・・・・・加工物取出口
、２０・・・・・・電子ビーム装置、２１・・・・・・
溶接室、２２・・・・・・ビーム発生部、２３・・・・
・・移動台、２５・・・・・・移動台上下駆動回転装置
、２６・・・・・・モータ、２Ｔ・・・・・・プーリ、
２８・・・・・・エアシリンダ、２９ａ。 ２９ｂ・・・・・・結合子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加工物を収容する複数個の加工物収容室が同一円周に沿
   って設けられておりそして間欠的に回転送りされる回転
   テーブルと、この回転ケーブルの上面に円周長を異にし
   て前記収容室の上部開口をはさむように同心的におかれ
   た２個のシール材と、このシール材を介して前記回転テ
   ーブルの上に重ね合わされた固定の上蓋と、前記シール
   材にはさまれた部分に対応する前記上蓋の上面環状部に
   沿って設けられた排気管群およびこの排気管群の中間に
   位置され前記加工物に照射するための電子ビームを放出
   する電子ビーム装置とを備えた電子ビーム溶接機におい
   て、前記収容室のそれぞれには加工物が固定されかつ上
   下に移動される移動台と、この移動台が前記電子ビーム
   装置の溶接室の下に割出されたとき、該移動台にとりつ
   けられた加工物を、該溶接室内の、前記上蓋のほぼ面方
   向に沿って照射される前記電子ビームの照射位置に移動
   させかつ回転を与える上下駆動回転装置とを備え、前記
   移動台には加工物の中心軸を位置出しする部材が設けら
   れ、この部材は溶接時に溶接室の天井に設けられた突出
   部の凹部に嵌合して中心軸のずれを防止するようにされ
   ていることを特徴とする電子ビーム溶接機。