JPS5840035Y2 - 合成樹脂製容器

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【考案の詳細な説明】本考案は相互に積み重ねられるようにした合成樹脂製容
器に係り、外径寸法の異なる容器を混ぜて相互に積み重
ねられるようにした合成樹脂製容器に関する。

一般に、合成樹脂製容器は滑り易いので、相互に積み重
ねても崩れ落ちないように容器底部に側壁よりも内側に
わずかにずらして下向きに突設したスタック部を形成し
、このスタック部を下段容器の上部開口部に嵌合させる
構造の容器は知られている。

このような構造の容器は形、寸法が同一の容器相互間で
は積み重ねることはできても、外径寸法が異なると当然
底部スタックの寸法も異なり、異なる寸法の大小の容器
を混ぜて積み重ねることはできなくなる。

一方近年飲料水、ビール等においても商品の種類が増え
るとこれを運搬する容器も当然増えることになる。

しかしながら、上記のように底部スタック部を突設し積
み重ねられるようにした容器では外径寸法が異なると相
互に積み重ねて輸送保管等ができない。

そのために広い保管場所を必要とし、輸送効率が悪く不
経済であるばかりでなく、作業能率も悪い等の問題があ
った。

本考案はかかる現況に鑑みなされたもので、上記問題を
解消し、外径寸法が異なる容器相互間でも自由に混ぜて
積み重ねることができるとともに側壁下部と底部との接
続部分の強度を減じることのない合成樹脂製容器を提供
することを目的とするものである。

本考案は前記目的を遠戚するため、容器の上部開口部に
はより小さい寸法の容器を混ぜて積み重ねることができ
るように四隅の支柱部内面より側壁上縁内面を外方に形
成して側壁上縁の内側を凹部とするとともに、前記凹部
の範囲で側壁を上方に向って外方に傾斜させる構成とし
たものである。

以下、図示する実施態様に基づき説明する。

第１図は平面図、第２図は一部縦断面図で四周の側壁５
は四隅の支柱部４で連結されており側壁５の上部には窓
１０を設け、上縁を断面コ字状の把手部６としている。

容器の下縁には容器上縁に載置されている下部水平フラ
ンジ部１１が設けられ、底部２には下向きに突出したス
タック部３が形成されており、スタック部３は相互に積
み重ねたとき上部開口部１に嵌合するように側壁下部内
面５ａよりわずかに内側にずらして突設されている。

さらに詳述すると側壁上縁の把手部６の内面に段部７を
設けて支柱部４の内面より外方に形成して、把手部６の
内面に凹部８を形成し、この凹部８の範囲で側壁５及び
把手部６を上方に向って外方に傾斜した傾斜面とする。

側壁５の下部内面５ａは支柱部内面４ａと同一面に形成
されているから、凹部８内の側壁傾斜面と側壁５の内面
５ａとの垂線によって構成される形状は略くさび状を呈
することになる。

側壁内面を前記構成としたので支柱部４の内面相互間距
離Ｘは把手部６の内面相互間距離Ｙよりも小さい。

即ち、支柱部４は把手部６より斜線部分９だけ内方に形
成されることになって、この斜線部分に外径寸法がより
小さい構成に係る容器の下部水平フランジ部を載置する
ことになる。

尚、段部７は実施態様に示すように内方に拡がる斜面と
することなく、側壁内面と直角に形成してもよい。

また窓１０の大きさは任意に形成することができ、把手
の大きさく長さ）は窓の大きさによって制限される。

この考案は上記構成としたので、他のより外径寸法の小
さい容器でも支柱部及び側壁上縁に載置し、相互に混ぜ
て積み重ねられ、輸送、保管の際に広い場所を必要とせ
ず有利であり、輸送効率と作業効率とを向上させること
ができる。

また、把手部内面を凹部としたから握り幅が必要以上に
広くならず、持ち運びの際にも持ち易い。

さらに、この考案では凹部の範囲で側壁を傾斜させ側壁
下部においては内面を支柱壁内面と同一面としたから底
部スタック部を側壁との間に大きな間隙を持たせ、内側
に突設する必要がないから側壁と底部との接続部におけ
る強度を低下させることもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すもので、第１図は平面図
、第２図は第１図Ａ−Ａ線における一部縦断面図である
。２・・・・・・底部、３・・・・・・スタック部、４・
・・・・・支柱部、５・・・・・・側壁、８・・・・・
・凹部、１１・・・・・・下部水平フランジ部。

【実用新案登録請求の範囲】