JPS5838826Y2 - 補強有孔梁構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は鉄筋コンクリート構造の梁に空調ダクト給水
、給湯、ガス管等を挿入するために貫通孔を設けたいわ
ゆる有孔梁の補強構造に関するものである。

従来の鉄筋コンクリート構造の有孔梁は断面欠損を補い
かつ貫通孔を補強するために梁配筋に加えて鉄筋、横筋
あるいはワイヤメツシュ等の補強鉄筋を配筋しているが
、その施工は非常に煩雑であり、しかも耐力的にみて補
強の効果に問題があり、また組み立てに時間がかかりコ
スト高になる場合が多い。

そこで先に出願人は貫通孔を中心としてその周囲にユニ
ット化された角筒を斜十字形に配した補強有孔梁構造を
開発出願している（実開昭５３７４９２２号）。

この考案は前記考案をさらに改良したもので、より施工
性の優れた補強有孔梁構造を提供することを目的として
いる。

以下、図示した実施例に基いて説明する。

第１図は貫通孔Ｃのせん断補強筋としての角筒１を示し
たもので、鉄筋の曲げ加工により得られ、ユニット化さ
れる。

′この角筒１は図に示すようにほぼ長方形形状に形成さ
れており、端部のオーバーラツプ部分には所定間隔の余
裕をもたせである（以下、案内溝２と呼ぶ）。

この案内溝２により、鉄筋を組む際スターラップ４をか
わしながら容易に渠内へ挿入することができ、またこの
案内溝２を利用して角筒１をスターラップ４に掛止させ
る。

第２図はこの補強有孔梁構造における梁方向の縦断面図
を示している。

前述のように角筒１はスターラップ４に掛止されており
、貫通孔Ｃを中心としてその周囲に二本の角筒１が直交
して斜十字形に配置され斜張力筒として機能する。

なお、角筒１をスターラップ３に掛止させることにより
角筒１の位置保持がなされ、角筒１の下端を左右に調整
することにより、高さの調整も行なわれる。

第３図は第２図の矢線で示した部分を表わしたもので、
角筒１をスターラップ４の外側に出すことによりスター
ラップのツメ５が施工の妨げとならない。

第４図は具体的な配筋例を示したもので、必要に応じ、
せん断補強筋６を加えてさらに補強したり、あるいは貫
通孔Ｃのまわりにスパイラル筋を設けることも考えられ
る。

また第５図はこのときの角筒１の貫通孔Ｃ方向の配筋を
表わしたものである。

この考案は以上の構成からなり、貫通孔を中心としてそ
の周囲に斜張力筒としての角筒が二段に直交して配筋さ
れているため、貫通孔周辺のひび割れ幅が拡大するのを
有効に拘束できる。

また予め成型されユニット化された角筒に案内溝が設け
られているため、配筋の際、梁中に挿入するのが容易で
、またスターラップに掛止させて位置保持ができる他、
主筋の外側へ出ることで定着長も長くなる。

さらに角筒の成形についてもオーバーラツプ部分に案内
溝としての余裕があるため、余裕を設けないものに比べ
加工が容易であるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示したもので、第１図は角筒
の正面図、第２図、第３図、第４図および第５図は有孔
梁の要部断面図である。 Ａ・・・・・・梁、Ｂ・・・・・・柱、Ｃ・・・・・・
貫通孔、１・・・・・・角筒、２・・・・・・案内溝、
３・・・・・・主筋、３′・・・・・・主筋（直交方向
）、４・・・・・・スターラップ、５・・・・・・スタ
ーラップのツメ、６・・・・・・せん断補強筋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄筋の曲げ加工により、端部のオーバーラツプ部分に所
   定間隔の案内溝をつけてほぼ長方形状に形成した角筒を
   、スターラップに掛止させて、貫通孔を中心としてその
   周囲に斜十字形に配してなることを特徴とする補強有孔
   梁構造。