JPS5838400Y2 - 匣鉢の自動積み重ね装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、タイル等の陶磁器製品を焼成する際に、製品
の素地を収容した匣鉢を、焼成炉へ搬入するために、多
数個積み重ねる装置に関し、さらに詳細には、完全に自
動化され、しかも、整然と積み重ねることができる装置
に関する。

タイル等の陶磁器製品を焼成する際には、素地を収容し
た多数の匣鉢を柱状に積み重ね、数本の匣鉢体を台車に
載置して焼成炉に搬入する方法が行なわれているが、一
本の匣鉢柱は数十個の匣鉢を１ｍ以上の高さに積み重ね
るのが通常であって、極めて多大の労力を要するため、
近年、匣鉢の自動積み重ね装置が普及し、省力化が図ら
れているが、多数の匣鉢を順次に積み重ねると、上下の
匣鉢の間でずれを生じ、これが累積して匣鉢柱が曲った
り傾いたりして、僅かな振動で倒壊し、若しくは上の匣
鉢が下の匣鉢に収容された素地を踏みつけて損傷させる
などの不具合が起ることがある。

このため、作動上は完全に自動化された積み重ね装置で
あっても、作業者が匣鉢の積み重ね状態を監視し、ずれ
を生じた場合には、運転を停止して手作業により修正す
る必要があって、完全な無人化を遠戚し得ない欠点があ
った。

本考案は、かかる欠点を除去した新規な構造の自動積み
重ね装置を提供することを目的とするものである。

以下、本考案の一実施例を示す添付図面に基づいて詳細
に説明する。

図において、１はフレームであって、基台１１の前端（
第２図の右方）と後端（同図の左方）に左右一対ずつの
縦枠１２，１２及び１３．１３が立設され、前後の縦枠
１２，１３の上端に左右一対の側枠１４，１４が差し渡
されており、前後方向の少し前方寄りに幅の広い左右一
対の支柱１５，１５が側枠１４，１４の上方へ突出して
立設されている。

側枠１４，１４の内側には、その前端部と後端部に左右
一対のスプロケット２１．２１及び２２．２２が軸支さ
れており、該各スプロケットと基台１１に装置された緊
張用スプロケット２３．２３及び前側の縦枠１２，１２
に軸支されたガイドスプロケット２４．２４に左右一対
のチェーンコンベア２５．２５が循環して掛は渡されて
いるとともに、基台１１の前端部に取付けられたブレー
キ付モータ２６の出力軸に固定された駆動スプロケット
２７と前記スプロケット対２１．２１の支持軸に固定さ
れた従動スプロケット２８に駆動チェーン２９が掛は渡
され、ブレーキ付モータ２６の回転によって一対のチェ
ーンコンベア２５．２５が第１図に矢線で示す方向へ循
環走行するように構成されている。

チェーンコンベア対２５の側枠１４，１４の内側の直線
走行部の下面には図示しない数個のガイドローラが軸転
していて、その上に、匣鉢を後方から前方（第１図の左
方から右方）へ搬送する搬送経過Ａが構成されている。

支柱１５．１５の前後における側枠１４，１４の下面に
は横板３１．３１が差し渡され、この横板３１．３１の
上面に固定された取付板３２の下面中央には第１シリン
ダ３３が上向きに固定されているとともに、その前後両
側に上下方向の摺動案内３５．３５が固定されていて、
取付板３２の上面へ突出した第１シリンダ３３のピスト
ンロッド３４の上端と、摺動案内３５ 、３５に上下摺
動自由に支持されたロッド３６．３６の上端に、左右の
チェーンコンベア２５ 、２５の間を通って昇降する昇
降板３８が固定されていて、この昇降板３８の設置位置
が匣鉢の積み重ね位置Ｂとなる。

支柱１５．１５の前後両側面には夫々上下一対ずつのブ
ラケツ）４１．４１が固定され、このブラケットに回転
自由に支持された四本の縦軸４２の下端部が左右の側枠
１４，１４の側下方へ突出している。

前後の縦枠対１２．１３には左右方向の固定板４３．４
３が差し渡され、前側の固定板４３には第２シリンダ４
４が、後側の固定板４３には第３シリンダ４５が夫々フ
レーム１の中央に向かって水平に固定されており、各シ
リンダ４４．４５のピストンロッド４４ ａ 、４５
ａの先端には左右方向の腕杆４６．４６が固定され、前
記各縦軸４２の下端に固定されたレバー４８と各腕杆４
６の端部とがリンク４７によって回転自由に連結されて
いて、第２、第３シリンダ４４．４５のピストンロッド
の伸縮によって、各縦軸４２が９０°回転するように構
成されている。

また、前後の縦軸４２には夫々内向きに屈曲した平面鉤
形の前面押圧部材４９ ａと後面押圧部材４９ ｂが固
定され、各縦軸４２の９０°回転によって、前記搬送経
路Ａの外側方へ退避した位置と、搬送経路Ａ内にチェー
ンコンベア対２５．２５と直角に進出する位置の二位置
を揺動するように構成されている。

左右の支柱１５．１５の側枠１４，１４の上方へ突出し
た部分の外面には夫々上下一対ずつの第４シリンダが５
１．５１が水平に固定され、各第４シリンダ５１のピス
トンロッド５２が支柱１５を貫いて内側へ突出し、上下
のピストンロッド５２．５２の先端に、下縁がチェーン
コンベア対２５ 、２５に近接した方形板状の左右一対
の側面押圧部材５３．５３が固定されている。

各側面押圧部材５３の外面中央には、第３図に示すよう
に、支柱１５を貫いて外面へ突出する植込みボルト５４
が螺着され、その突出部に支柱１５の外面に当接するス
リーブ５５が遊嵌されているとともに、さらにその外端
に、スリーブ５５の端面に当接可能に対応するダブルナ
ラＩ・５６が螺着されており、第４シリンダ５１のピス
トンロッド５２が伸出したときにダブルナツト５６がス
リーブ５５に当接して側面押圧部材５３の進出位置を規
制するように構成されている。

搬送経路Ａの右側（第１図の下方）の支柱１５の上端部
外面には前後一対の第５シリンダ６１が、左側の支柱１
５の上端部外面には前記一対の第５シノンダ６１より小
径の前後一対の第６シリンダ６２が夫々水平に取付けら
れ、第５シリンダ６１．６１及び゛第６シリンダ６２
、６２のピストンロッド６１ａ、６１ａ及び６２ ａ
、６２ ａは夫々支柱１５．１５を貫ぬいて内面へ突出
し、ピストンロッド６１ａ、６１ａ及び６２ａ、６２ａ
の先端には夫々前記側面押圧部材５３．５３の上方で対
応する挟持板６３．６４が固定されている。

また、右側の挟持板６３の外面中央には植込みボルト６
５が支柱１５を貫ぬいて植設され、この植込みボルト６
５には支柱１５の外面に当接するスリーブ６６が遊嵌さ
れているとともに、さらにその端部にはスリーブ６６の
外端面に当接可能に対応するダブルナツト６７が螺着さ
れていて、挟着板６３の進出位置を規制するように構成
されている。

さらに、左側の支柱１５の側部には、第３図に示すよう
に、ポール６８が立設され、その先端に反射式の充電検
知子６９が積み上げ位置Ｂに向けて取付けられている。

その他、７１．７２はチェーンコンベア対２５．２５の
前後に設けられた搬入コンベアと搬出コンベアである。

次に、本実施例の作動を説明する。

まず、タイルの素地すの収容された匣鉢ａが数枚約２０
〜３０ｃｍの高さに積み重ねられて、搬入コンベア７１
からチェーンコンベア対２５ 、２５上に搬入されると
、ブレーキ付モータ２６が起動してチェーンコンベア対
２５．２５が第２図の矢線方向に循環走行し、数枚の匣
鉢ａは搬送経路Ａを通って積み重ねイ装置Ｂに運ばれる
。

このとき、第１図及び第２図に実線で示すように、後面
押圧部材４９ ｂは搬送経路Ａの両側へ退避し、前面押
圧部材４９ ａは搬送経路Ａ上に直角に進出しており、
また、左右の側面押圧部材５３．５３及びその上方の挟
持板６３．６４は各ピストンロッドの収縮によって互い
に離間した位置に後退している。

数枚の匣鉢ａが積み重ね位置Ｂに搬入されて前面押圧部
材４９ ａ 、４９ ａに当接すると、チェーンコンベ
ア対２５．２５が停止し、第１図に鎖線で示すように、
後面押圧部材４９ ｂ 、４９ ｂが９０°回転して搬
送経路Ａ上に進出し、さらに、左右の側面押圧部材５３
．５３が対応間隔を狭める方向へ進出して前記数枚の匣
鉢ａを前後及び左右から押圧し、上下の匣鉢３間にずれ
があるときには、これを修正して上下方向に真直に整列
させる。

このとき、前面押圧部材４９ ａ及び後面押圧部材４９
ｂは夫々図示しないストッパに当接し、両側の側面押
圧部材５３．５３は夫々スリーブ５５の先端にダブルナ
ツト５６が当接して、夫々の対応間隔が匣鉢ａの寸法よ
り僅かに大きくなるように規制されている。

したがって、前記数枚の匣鉢ａは前後及び左右の押圧部
材によって締付けられているのではなく、各抑圧部材に
よって構成される方形の枠内にわずかな間隙を残して遊
嵌された状態にある。

このようにして、積み重ね位置Ｂに搬入された数枚の匣
鉢ａが上下方向に真直に整列されると、第１シリンダ３
３のピストンロッドの伸出によって昇降板３８が、第３
図に二点鎖線で示すように、左右の挟持板６３．６４の
下縁部まで上昇し、前記数枚の匣鉢ａは、前後及び左右
の押圧部材を案内にして挟持板６３．６４間に持ち上げ
られる。

すると、まず、搬送経路Ａの右方の挾持板６３が、つい
で左方の挟持板６４が進出して前記匣鉢ａを挟着保持す
る。

しかるに、右方の挟持板６３を押圧する第５シノンダ６
１は左方のシリンダ６２より大径で押圧力が強く、シか
も、この挾持板６３はスリーブ６６とダブルナツト６７
の当接によって進出位置が規制されているため、匣鉢ａ
は常に右方の挟持板６３を基準として一定位置に挟着保
持される。

したがって、右側の挟持板６３の進出位置を右側の側面
押圧部材５３の進出位置に一致するように、ダブルナツ
ト６７の締付は位置を調節しておけば、持ち上げられた
匣鉢ａは左右方向にほとんど移動せずに挟着板６３．６
４によって挟着保持される。

次に、昇降板３８は匣鉢ａを上方に残してチェーンコン
ベア対の下方まで下降し、この間に、後面押圧部材４９
ｂ及び左右の側面押圧部材５３．５３が搬送経路Ａか
ら退避するとともに、チェーンコンベア対２５．２５が
再び走行して搬入コンベア７１から新たに搬入された数
枚の匣鉢ａを積み重ね位置に運び、前記と同様に、前面
及び両側面の押圧部材が進出してこの匣鉢を上下方向に
整列させ、昇降板３８の上昇によって、第３図に点線で
示すように、チェーンコンベア対１４．１４上にある匣
鉢ａを、同図に一点鎖線で示すように、前工程において
挟持板対６３ 、６４間に挟着保持された匣鉢ａの下面
に当接するまで持ち上げる。

そして、挟持板対６３ 、６４を後退させると、この挟
持板対によって保持されていた数枚の匣鉢ａが今回持ち
上げられた匣鉢ａの上に積み上げられ、次に、昇降板３
８が、第３図に二点鎖線で示すように、挟着板対６３
、６４の下縁部まで再上昇し、挟持板対６３ 、６４が
再進出すると、この挟持板６３．６４の間に、今回持ち
上げられた匣鉢ａと前回持ち上げられた匣鉢ａが挟着保
持され、昇降板３８はチェーンコンベア対２５．２５の
下方へ下降する。

上記操作の繰り返しによって、数枚−組の匣鉢ａが、積
み重ね位置Ｂにおいて、下方から順次に積み重ねられ、
一本の匣鉢柱ａ′が構成゛される。

そして、第３図に示すように、最後の一組の匣鉢ａが持
ち上げられ、匣鉢柱ａ′の上端が、ポール６８の上端に
取付けられた充電検知子６９と同一高さになると、この
検知子が作動し、昇降板３８の下降によって匣鉢柱ａ′
がチェーンコンベア対２５．２５上に戻され、前面押圧
部材４９ ａの退避に続くチェーンコンベア対の走行に
よって前方へ搬送され、搬出コンベア７２によって図示
しない台車の方向へ搬出される。

上記の作動はフレーム１に取付けられた図示しないリミ
ットスイッチ、光電検知子等により匣鉢ａを検知し、必
要に応じてタイマを用いて制御するようにしである。

以上の説明によって明らかにしたように、本考案の自動
積み重ね装置は、匣鉢を積み重ね位置へ間欠的に搬入し
、積み重ねられた匣鉢を前記積み重ね位置から間欠的に
搬出する左右一対のチェーンコンベアを設け、前記積み
重ね位置に、該チェーンコンベア対の直下位置と該チェ
ーンコンベア対から上方へ一定距離を隔てた位置の間を
昇降する昇降板を設け、該昇降板の上方位置の左右両側
に対応間隔を拡狭する一対の挟持板を対設し、前記積み
重ね位置に搬入された少数の匣鉢を前記昇降板の上昇に
よって上方位置へ持ち上げて前記挟持板対で挟着保持す
ることにより、匣鉢を順次に積み重ね、積み重ねた匣鉢
を前記昇降板の下降によって前記チェーンコンベア対土
に戻して搬出する構成とするとともに、前記チェーンコ
ンベア対の前記積み重ね位置の前後及び左右に、匣鉢の
搬送経路から退避可能で、前記積み重ね位置に匣鉢が搬
入されたときに、前記搬送経路に進入して前後及び左右
から匣鉢を押圧することにより上下方向に真直に整列さ
せる押圧部材を設けたから、積み重ねられた匣鉢柱を真
直に整列させることができて、匣鉢柱の倒壊が防止され
、安全性が著しく向上するとともに、作業者による監視
及び修正が不要となり、完全な無人化を達成し得る効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は平面図、
第２図は第１図Ｘ−Ｘ線断面図、第３図は第１図Ｘ−Ｘ
線断面図である。 ２５．２５ ：チェーンコンベア、３８：昇降板、４９
ａ：前面押圧部材、４９ｂ：後面押圧部材、５３：側面
押圧部材、６３，６４ ：挾持板、Ａ：搬送経路、Ｂ：
積み重ね位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 匣鉢を積み重ね位置へ間欠的に搬入し、積み重ねられた
   匣鉢を前記積み重ね位置から間欠的に搬出する左右一対
   のチェーンコンベアを設け、前記積み重ね位置に、該チ
   ェーンコンベア対の直下位置と該チェーンコンベア対か
   ら上方へ一定距離を隔てた位置の間を昇降する昇降板を
   設け、該昇降板の上方位置の左右両側に対応間隔を拡狭
   する一対の挟持板を対設し、前記積み重ね位置に搬入さ
   れた少数の匣鉢を前記昇降板の上昇によって上方位置へ
   持ち上げて前記挟持板対で挟着保持することにより、匣
   鉢を順次に積み重ね、積み重ねた匣鉢を前記昇降板の下
   降によって前記チェーンコンベア対土に戻して搬出する
   構成とするとともに、前記チェーンコンベア対の前記積
   み重ね位置の前後及び左右に、匣鉢の搬送経路から退壁
   可能で、前記積み重ね位置に匣鉢が搬入されたときに、
   前記搬送経路内に進出して前後及び左右から匣鉢を押圧
   することにより上下方向に真直に整列させる押圧部材を
   設けたことを特徴とする匣鉢の自動積み重ね装置。