JPS5838251B2 - 断面円形の金属管の曲げ加工に於ける管端部の逆扁平防止方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は断面円形の金属管（以下、「円管」という）の
曲げ加工に於て、曲げ始めての管端が短かい場合該端部
に生じる逆扁平を防止する方法に関するものである。

ここで逆扁平とは、円管断面が曲げ平面に垂直な軸を短
径とする楕円形状になることをいい、扁平とは、前記逆
扁平とは９０度位相が異なる楕円形状をいう。

円管の曲げ加工に於て、曲げ始めの管端直線部が短かい
と、曲げ部分に於ける残留応力が起因して、管端部に、
曲げ部分に生じろ扁平とは９０度位相の変った所謂逆扁
平が生じ、使用上甚だ不都合なことが多い。

即ち、近時盛んに行われるようになった液体や気体のパ
イプラインによる輸送に於ては、円管を多数接続してパ
イプラインを構或するのであるが、円管の端面が真円状
でないとパイプラインの形或時、円管の接合作業に手数
を要するばかりでなく、満足すべき接合を得られないか
らである。

従って、円管の曲げ加工に際し、加工後上記のように管
端部に逆扁平の生じるのを防止することが望１れる。

本発明は上記のような観点から、円管をその端部が逆扁
平にならないように曲げ加工することを目的としてなさ
れたもので、その構或は、断面円形の金属管をその管端
部に短かい直管部を残し誘導加熱等で狭幅に加熱し乍ら
その加熱部に曲げ力を作用させて曲げ加工するに際し、
加工前の管端部を、その断面が曲げ平面に垂直な軸を長
径とする楕円形状に弾性変形させてクランプした状態で
上記曲げ加工を行い、加工後前記クランプを解放するこ
とを特徴とするものである。

次に本発明方法の実施の一例を図に拠り説明する。

１は曲げ始めの管端直線部２が短かい曲げ加工すべき円
管、３は該円管１の前記管端直線部２に該部の端面が垂
直軸（曲げ平面に垂直な軸。

以下同じ）を長径とする楕円形状になるように緊締した
クランプで、クランプ３は円管１の端面から稍離れた部
分を緊締するライナー３ａと端面近くを緊締するライナ
ー３ｂを有し、ライナー３ｂはライナー３ａより水平寸
法が短かく垂直寸法が長く形或されていて、緊締時円管
１管端直線部２がその端面に近くなる程扁平が大きくな
るようになっている。

４は加熱用誘導子であるが、この誘導子に代え環状のガ
スバーナを用いてもよい。

而して、第１図々示のように、曲げ加工を施すべき円管
１の管端直線部２をクランプ３によりその弾性限界内で
端面が垂直軸を長径とする楕円形状になるように緊締す
ると、円管１は管端直線部２から中央部測に向うにつれ
て徐々に真円になるように弾性変形されるから、誘導子
４の付近では円管１の断面が真円乃至は逆扁平気味にな
る。

従って、この状態で円管１を加熱誘導子４により加熱し
乍ら該管１に曲げ加工を施すと、逆扁平気味になった円
管１の曲げられる部分が扁平になるのが抑止されつつ曲
げ加工を受けると共に、この曲げ加工を施した後、クラ
ンプ３を取外せば、管端直線部２は弾性により復元し、
その端面ば真円状となる。

＊※ 木発明
の発明者は、材質が×−６５、直径４０７．５ｍｍ、厚
さ１２．７ｍｍの円管１を、曲げ半径２０３０ｍｍ、曲
げ角度９０度、管端直線部２ ６００闘で、第３図々示
の装置により曲げ加工するに際し、クランプ３により管
端直線部２を緊締してその端面を垂直軸径４１３．１＋
ｘｉ、水平軸径４ ０ ２．３ｍｍとして、曲げ加工し
乍ら曲げ角度１５度毎に端面の径を測定し、曲げ加工を
終えたところで、クランプ３を取外して、前記端面を測
定したところ、別表の通りで、該端面は殆んど真円状で
あった。

戦第３図は本発明方法を適用した曲げ加工を実施する装
置を平面から見た状態で表わしたもので５は加熱用誘導
子４より円管１送出測に冷却水を噴射するように設けた
冷却装置、６，７は円管１を加熱用誘導子４に向け案内
する案内ロール、８はアーム、９はアーム８の取附軸で
、クランプ３はアーム８に固定してあり、円管１の曲げ
加工に際しては、後方から押圧され乍ら加熱用誘導子４
により加熱された円管１をアーム８により取付軸９を中
心とする円軌跡上を曲げ方向に案内するようになってい
る。

而して、本発明方法を実施するための装置は、上記３乃
至９の各構或部材を、水平面（地表面）に対し略垂直な
面内に於て、前記第３図のように配設して成るいわゆる
竪形曲げ装置であってもよいこと勿論である。

１た、上記実施例に於では、クランプ３にライナー３ａ
３ｂを設けたが、これらライナーを設けないでクラ
ンブのクランプ面側の形状を変えたり、或は第４図に示
すように前後のライナーを一体化した形態のライナー３
Ｃを設けるようにしてもよい○ 本発明は上述の通りであって、円管特に曲げ始めの管端
が短かい円管を曲げ加工するに際し、該円管の端部を、
その断面が曲げ平面に垂直な軸を長径とする楕円形状に
なるようその弾性限界内で変形させてクランプし、この
状態の１１曲げ加工を施した後、前記クランプを解放す
るようにしたから、簡単な操作で管端直線部の短かい円
管をその端部に逆扁平を生じさせることなく曲げ加工を
施すことができ、従って、パイプラインを構或する円管
などの曲げ加工に際し極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図は曲げ加工すべき円管の管端直線部をクランプし
た状態の平面断面図、第２図は前記円管の管端面の正面
図、第３図は曲げ加工を行なっている状態の→りの平面
図、第４図はクランプに設けるライナーの別例を表わす
平面断面図である。 １・・・・・・円管、２・・・・・・管端直線部、３・
・・・・・クランプ、４・・・・・・加熱用誘導子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 断面円形の金属管をその管端部に短かい直管部を残
   し誘導加熱等で狭幅に加熱し乍もその加熱部に曲げ力を
   作用させて曲げ加工するに際し、加工前の管端部を、そ
   の断面が曲げ平面に垂直な軸を長径とする楕円形状に弾
   性変形させてクランプした状態で上記曲げ加工を行い、
   加工後前記クランプを解放することを特徴とする断面円
   形の金属管の曲げ加工に於ける管端部の逆扁平防止方法
   。