JPS5838165Y2 - 合成樹脂ナツト

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【考案の詳細な説明】この考案は、自動車の灯具等を取付ける際に使用する合
成樹脂製ナツトに関する。

一般に、自動車の灯具はナツトで締付けることにより車
体に取付けられるが、このナツトの締付けはソケットレ
ンチ等の工具によって機械的になされるため、灯具の交
換時にナツトを外す場合にも工具が必要となる。

また、自動車の生産ラインにおいては、いわゆるエアー
スパナでナツトが自動的に締付けられ、しかも高いトル
クで締付けられるので、後に素人が工具を以ってしても
容易に外れないことがあり、ましてや工具無しでは全く
外すことはできない。

この考案は、灯具等の取付時には必要なトルクで一定に
締付けることができ、その後灯具の交換時等においては
手指でも外せるようにした合成樹脂ナツトを提供する目
的でなされたものである。

即ち、この考案はめねじ筒の上部に手回し部と機械回し
部とを形成し、機械回し部は必要以上の締付はトルクが
掛かると変形もしくは破壊して、定以上のトルクがナツ
トに加わらないように構成したことを要旨とするもので
ある。

つぎに、この考案を図示の実施例に基づいて具体的に説
明すると、図において１はめねじ部１ａを有するめねじ
筒であり、その上部に手回し部２と機械回し部３とが連
設されている。

手回し部２は比較的大径の皿状に形成され、その周壁に
指掛は用の凹み２ａが並設されている。

前記機械回し部３は、手回し部２における凹部の中央に
手回し部の上縁上り引込んだ状態で位置し、６角形状を
呈しておりその内部は空洞３ａであって周壁にはスリッ
ト孔３ｂが対設されている。

この機械回し部３は工具によって締付はトルクが加えら
れるが、必要以上の締付はトルクが掛からないように強
度が設定されており、即ち一定以上の締付はトルクが掛
かると周壁部が変形もしくは破壊して工具が空転するよ
うになっている。

この場合、締付はトルクはナットワ形状や寸法、固定す
る灯具の重量、手指の力等を考慮して設定されるが、８
〜１５Ｋｐ、ｃｒｒｌ程度が適当であると考えられる。

なお、この締付はトルクに対応させて、前記手回し部２
の四部に肉厚調整代２ｂを設けて実施することがある。

このように構成したナツトは合成樹脂で一体成形され、
例えば第５図に示すように灯具４を車体の取付部５に装
着する際に使用する。

このとき、ナツトは前記機械回し部３に工具が当てられ
、この工具により灯具のボルト６に締付けられるが、機
械回し部は前記のように一定の締付はトルク以上の力が
加わらないようになっているので、工具の種類に拘らず
また工具の締付はトルクの大小に拘らず、常時一定の締
付はトルクによって締着される。

一方、灯具４の交換時又は灯具４のバルブ交換時にナツ
トを外すには、工具を用いることなく前記手回し部２を
手指で回すことにより比較的容易に外すことができ、交
換後の灯具４の取付けも手回し部２を回して行なうこと
ができる。

この場合ナツトの手回し部２は比較的大径に形成されて
いるので、力を加えやすくナツトの脱着作業を確実に行
なうことができる。

以上説明したように、この考案によるナツトは必要かつ
十分な一定の締付はトルクにより締付けることができ、
締付は後においては工具を必要とすることなく手指で外
すことができるので、灯具又は灯具のバルブの交換を容
易にすることができユーザーにとってきわめて便利であ
る。

また、定の締付はトルク以上の力が加わると機械回し部
が変形もしくは破壊するように構成したので、工具の締
付はトルクを一定の値に設定しなくても常に一定の締付
はトルクを以って締付けることができ、生産時における
作業にとっても好都合である。

さらに、機械回し部は、手回し部の上縁より引込んだ位
置に設けられているので、機械回し部が変形又は破壊さ
れたとしても、手回し作業時に邪魔にならない利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の１実施例を示すもので、第１図はナツト
の平面図、第２図は正面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線
断面図、第４図は底面図、そして第５図は使用状態を示
す説明図である。１・・・めねじ筒、２・・・手回し部、３・・・機械回
し部、３ａ・・・空洞、３ｂ・・・スリット孔。

【実用新案登録請求の範囲】