JPS5837928Y2 - 静水圧プレス成形工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は静水圧プレス成形工具に関するものであり、更
に詳しく述べるならば、円筒状成形物品、とりわけ長尺
円筒状成形物品の静水圧プレス成形工具に関するもので
ある。

長尺円筒状成形物品を、その密度がその軸方向に関して
均一になるように成形するには一般に静水圧プレス工具
が用いられている。

従来の静水圧プレスによる成形工程は、例えば第１図に
示されているような静水圧プレス工具を用いる場合、プ
レス工具の中央に、底床部材６によって保持されたマン
ドレル４とそれをとっかこむように、外部支持筒７内に
配置されたフレキシブル筒状体１との間に、成形用粉末
を充填するための成形空間３が形成されている。

この成形空間３に粉末を充填し、その上部を上蓋部材５
で密閉し、外部支持筒７内に形成された給排水通路８を
通して、フレキシブル筒状体１を静水加圧する。

このとき、フレキシブル筒状体１の上下端部は、上蓋部
材５および底床部材６と接触しているため、この部分の
フレキシビリティ−は低下している。

このため上記成形方法によって得られる筒状成形物は、
第２図に示されているように、その上下端に形成された
パリ９を有するものである。

このパリは切削等によって除去されなければならない。

本考案の目的は、上記のようなパリの形成のない静水圧
プレス成形工具を提供することにある。

上記目的を達成する本考案の静水圧プレス工具は、給排
水通路を有する外部支持筒と、その中央に配置されたマ
ンドレルと、前記支持筒内に挿入され、前記マンドレル
のまわりに成形空間を形成し、かつ前記支持筒内面との
間に、前記給排水通路に連続する静水圧空間を形成する
フレキシブル筒状体と、前記成形空間の上端面を規定す
る上蓋部材と、前記成形空間の下端面を規定する底床部
材とを有する静水圧プレス成形工具であって、前記フレ
キシブル筒状体の内周面の前記上蓋部材および底床部材
に接する上下端周縁部の各々から、前記上蓋部材の下面
および前記底床部材の上面の各々に沿って、前記成形空
間中に突出している環状突起体が設けられていることを
特徴とするものである。

本考案の静水圧プレス成形工具を第１図を参照して説明
する。

外部支持筒７には、水を装置内に供給し、また排出する
ための給排水通路８が形成されており、この通路８は加
圧給水源（図示されていない）および排出路（図示され
ていない）に連結されている。

外部支持筒７は底床部材６上に固定されており、底床部
材６の中央部には、マンドレル４が直立保持されている
。

マンドレル４と外部支持管７との間にフレキシブル筒状
体１が配置されている。

フレキシブル筒状体１の外周面と、外部支持筒７の内周
面との間には、静水圧空間１０が形成され、この空間１
０は給排水通路８に連通している。

フレキシブル筒状体は、ゴム状弾性体、例えば天然又は
合成ゴム、およびポリウレタンなどから作られる。

フレキシブル筒状体１の内周面とマンドレルの外周面と
の間には成形用粉体を充填するための成形空間３が形成
されている。

この成形空間３の上端は上蓋部材５によって密閉されて
いる。

フレキシブル筒状体１の内周面には、それが、」二蓋部
材５および底床部材６に接する上下端周縁部の各々から
、上蓋部材５の下面および底床部材６の上面の各々に沿
って、成形空間３中に突出している上下２個の環状突起
体２が設けられている。

環状突起体２の形状寸法は、それがない場合に発生する
パリの形状・寸法に対応するように設定すればよいが、
一般には、第１図および第３図に示されているような、
直角三角形の断面形状を有するものが好ましい。

第３図において、環状突起体２の突出長さＡの大きさに
は、格別の限定はないが、製品肉厚の２０〜４０％であ
ることが好ましく、約３０％であることが更に好ましい
。

また、環状突起体２の突起角Ｂの大きさにも格別の限定
はないが３５〜８０°であることが好ましく、約４０〜
７５°であることが更に好ましい。

第１図および第３図に示された環状突起体２の三角断面
形状において、下辺１１は直線により示されているが、
所要に応じて、下辺１１の形状は、環状突起体２の内部
に向って凹の曲線、又は外側に向って凸の曲線であって
もよい。

次に本考案の効果を実施例および比較例によって説明す
る。

実施例および比較例 第１図に示したような構造を有する静水圧プレス工具の
成形空間に下記組成の粉末を充填した。

０ １％ Ｃｕ ２％ Ｎｉ １％ Ｆｅ 残部 この充填物を４１０ ＭＰａの静水圧でプレスし、外径
９７ｍｍ、内径ｇ□ｍｍ、高さ１７８ｍｍの円筒体を製
作した。

このとき、フレキシブル筒状体は、長さＡ ＝ １ ｍ
ｍ、角度Ｂ＝６０°（第３図参照）の上下環状突起体
を有するものであった。

比較のために、上記実施例と同一の操作を、環状突起体
を有していないフレキシブル筒状体を用いて繰り返えし
た。

得られた筒状体の上下端に形成されるパリの突出長さを
測定した。

その結果を第１表に示す。

第１表から明らかなように、本考案成形工具により製造
された筒状体はその上下端部に形成されるパリが極めて
小さく、従ってその切削仕上工程が極めて容易である。

尚、本考案成形工具は、第１図に例示した円筒体のみな
らず、その他の多角形又は楕円筒状体、又はつばを有す
る筒状体にも応用することか゛できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の静水圧プレス成形工具の一実施態様の
断面正面説明図であり、第２図は従来或形工具によって
得られた製品の一部分の断面説明図であり、第３図は本
考案の成形工具のフレキシブル筒状体の一部分の断面説
明図である。 １・・・・・・フレキシブル筒状体、２・・・・・・環
状突起体、３・・・・・・成形空間、４・・・・・・マ
ンドレル、５・・・・・・上蓋部材、６・・・・・・底
床部材、７・・・・・・外部支持筒、８・・・・・・給
排水通路、９・・・・・・パリ、１０・・・・・・静水
圧空間、１１・・・・・・三角断面形状の下辺、Ａ・・
・・・・突出長さ、Ｂ・・・・・・突出角。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給排水通路８を有する外部支持筒７と、その中央に配置
   されたマンドレル４と、前記支持筒内に挿入され、前記
   マンドレルのまわりに成形空間３を形成し、かつ前記支
   持筒内面との間に、前記給排水通路に連続する静水圧空
   間１０を形成するフレキシブル筒状体１と、前記成形空
   間の上端面を規定する上蓋部材５と、前記成形空間の下
   端面を規定する底床部材６とを有する静水圧プレス成形
   工具において、前記フレキシブル筒状体の内周面の、前
   記上蓋部材および底床部材の接する上下端周縁部の各々
   から、前記上蓋部材の下面および底床部材の上面の各々
   に沿って、前記成形空間中に突出している環状突起体２
   が設けられていることを特徴とする、静水圧プレス成形
   工具。