JPS5837456Y2 - ガス吸着用エレメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は活性炭素繊維シートを使用したガス吸着用エ
レメントに関するものである。

気流中に含まれている各種の有機溶剤の回収、有毒ガス
及び悪臭物質の除去等のために使用されるガス吸着用エ
レメントの吸着材としては、活性炭粒子に代って、近年
、活性炭素繊維シートが用いられるようになってきた。

従来の活性炭素繊維シートを使用したガス吸着、用エレ
メントは、中心孔のある有孔フランジと、無孔フランジ
との間に、金網若しくは多孔板から形成した上記中心孔
とほぼ同じ直径を有する円筒状の巻芯を固着し、上記巻
芯の外周面に活性炭素繊維からなる編織物、フェルト、
不織布等のシートを上記フランジの外径とほぼ同じにな
るように複数層に巻付け、その外周面から巻芯に向って
前記有機溶剤等の吸着成分を含む気流を通過させるもの
であるから、巻芯が金網製のものはねじれによって変形
し易く、また巻芯が多孔板製のものは活性炭素繊維シー
トが多孔板の孔に面しない部分すなわちデッドスペース
が多くて吸着性能が低下する欠点があった。

また活性炭素繊維シートの吸着能力が飽和したのち加熱
蒸気などによって吸着成分を脱着させる場合、脱着時間
が長く、多量の熱量を必要とするなどの欠点があった。

この考案は、前記の巻芯を複数本の直線棒で形或するこ
とによってねじれ変形を起し難く、かつデッドスペース
が少なくなり、かつ吸着成分の脱着を経済的、効果的に
できるようにしたものである。

以下にこの考案の実施例を第１，２図によって説明する
。

有孔フランジ１の中心に穿設された中心孔に短管２の下
半部を嵌入溶着し、また無孔フランジ３の上面中央に上
記短管２と等しい外径を有するキャップ状の支持具４の
下端を溶着し、上記短管２の下半部外周と支持具４の外
周との間に等間隔で平行に配列した多数本の直線棒５，
５・・・・・・の上下端をそれぞれ固着連結して筒状か
ご形の巻芯を形成する。

そして、上記直線棒５，５・・・・・・からなる巻芯の
外周に活性炭素繊維からなるフェルト６をうず巻状に巻
付け、更にその外周に金網７を被着する。

上記有孔フランジ１の外径は、下部の無孔フランジ３の
外径より大きくシ、この有孔フランジ１の周縁がボルト
８によってガス吸着装置内の仕切壁９の上面に取付けら
れる。

短管２の管壁に直交して加熱気流吹込用のノズル１０を
固着し、該ノズル１０の一端は短管２の内側に開口する
。

また短管２の上部に形成したつば２ａにＯリング２ｂを
設けるとともに、短管２の上方に上下動可能な蓋１１を
設け、鉄蓋１１は上記Ｏリング２ｂを介してつば２ａに
圧接され短管２の開口を密閉可能としたものである。

上記のように構成されたガス吸着用エレメントにおいて
、有機溶剤を含む空気は、上記金網７の外周面からフェ
ルト６を通過し、その際、上記の空気中に含まれている
吸着成分がフェルト６に吸着され、清浄になった空気は
上部の短管２から仕切壁９の上方へ流出される。

フェルト６により吸着が進んでフェルト６の吸着能力が
飽和すると、短管２の−Ｌ方に設けた蓋１１を鎖線に示
すように下方に移動し短管２のつば２ａに圧接させて短
管２の開口を密閉し、しかるのち弁（図示されていない
）を開いて上記ノズル１０から加熱気流を巻芯内に噴出
させてフェルト６に吸着されている吸着成分を脱着させ
るのである。

上記の実施例において、直線棒５，５・・・・・・は、
耐熱耐蝕性の金属材料又は合成樹脂（例えばフッ素系樹
脂）からなり、丸棒、中空丸棒、角棒等任意の断面形状
のものが使用できる。

なお、直線棒５の本数は、断面多角形の筒状かご形の巻
芯が形成され、かつ適当な強度が保たれるように選ばれ
ることは当然である。

また、多数本の直線棒５，５・・・・・・からなる巻芯
の内周若しくは外周に任意個数の補強リングを固着する
か、又は互いに隣り合う直線棒５，５を任意の間隔のつ
なぎ棒で連結して巻芯を補強することができる。

更にフェルト６の外面にＣ字形のスプリング線で嵌め、
又は耐熱耐蝕性繊維糸を巻付けること等によってフェル
ト６の巻付端の弛み防止をしたときは金網７を省略する
ことができる。

ただし、金網７を被着した場合の方が、活性炭素繊維シ
ート層を全面的に均一な圧力で締付けることができるの
で上記シート層がたるむ恐れがなく、かつ運搬作業や吸
着装置への取付は作業中にシート層表面が損傷されない
ので、その取扱いが容易となるなどの利点がある。

更にまた、実施例の短管２には、外ねじを設け、課外ね
しに対応して有孔フランジ１には内ねじ付きの突出筒部
を形成して、短管２の下部を有孔フランジ１にねじ込ん
で固定することかで゛きる。

以上に説明したようにこの考案は、中心に孔が穿設され
た有孔フランジと、無孔フランジとを、上記中心孔とほ
は゛同じ直径の筒状かご形に配列された多数本の直線棒
で連結固定し、該多数本の直線棒で形成された巻芯の外
周に活性炭素繊維シートを層状に巻付け、上記有孔フラ
ンジに外方に突出した短管を取付け、該短管に加熱気流
吹込用のノズルを短管に直交するよう固着して該ノズル
の一端を短管の内側に開口させ、かつ上記短管の上部に
形成したつばにＯリングを介して圧接させるようにした
上下動可能な蓋を取付けたものであるから、直線棒の本
数を適当に選ぶことにより巻かれた形状の活性炭素繊維
シートと直線棒との接触面積が少なくなって活性炭素繊
維シートの作用面積が比較的広くなるので、吸脱着時の
通気抵抗が少なく、かつ吸着能力が向上し、また上下の
フランジに多数本の直線棒が固着されて巻芯を形成する
のでねじに対しても変形し難く、かつ軽量になって取扱
いが容易になる。

また、活性炭素繊維シート層に吸着飽和された吸着成分
を脱着する際に、短管の開口を閉じたのちノズルから加
熱気流を噴出させるものであるから、短管の開口から冷
たい空気が混入することがないので、活性炭素繊維シー
ト層の温度上昇が速く、その結果脱着時間が短縮され、
かつ熱エネルギーが大幅に節約されて実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の垂直切断正面図、第２図は
第１図のＩＩ−ＩＩ線切断平面図である。 １：有孔フランジ、２：短管、２ａ：つば、２ｂ ：０
リング、３：無孔フランジ、４：キャップ状の支持具、
５：直線棒、６：活性炭素繊維シート、７：金網、１０
：ノズル、１１：蓋。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）中心に孔が穿設された有孔フランジと、無孔フラ
   ンジとを、上記中心孔とほぼ同じ直径の筒状かご形に配
   列された多数本の直線棒で連結固定し、該多数本の直線
   棒で形成された巻芯の外周に活性炭素繊維シートを層状
   に巻付け、上記有孔フランジに外方に突出した短管を取
   付け、該短管に加熱気流吹込用のノズルを短管に直交す
   るよう固着して該ノズルの一端を短管の内側に開口させ
   、かつ上記短管の上部に形成したつばにＯリングを介し
   て圧接させるようにした上下動可能な蓋を設けたことを
   特徴とするガス吸着用エレヘント。
2. （２）有孔フランジに固着された短管に直線棒の一端が
   、無孔フランジに固着されたキャップ状の支持具に直線
   棒の他端がそれぞれ固定されている実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のガス吸着用エレメント。
3. （３）層状に巻付けられた活性炭素繊維シート層の外周
   に金網を被着した実用新案登録請求の範囲第１項または
   第２項記載のガス吸着用エレメント。
4. （４）短管の下部が有孔フランジの中心孔に嵌入溶着し
   て取付けた実用新案登録請求の範囲第１項ないし第３項
   のいずれかに記載のガス吸着用エレメント。
5. （５）短管に外ねじを設け、該ねじに対応して有孔フラ
   ンジに内ねし付きの突出筒部を形成して短管を有孔フラ
   ンジにねじ込んで取付けた実用新案登録請求の範囲第１
   項ないし第３項のいずれかに記載のガス吸着用エレメン
   ト。