JPS5837229Y2 - 穀稈縦搬送装置の変位装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 こノ考案は、コンバインにおいて刈取殻稈を脱穀部方向
に縦搬送する殻稈縦搬送装置の搬送終端部を、縦搬送す
べき殻稈の長短に合わせて機体横断方向に変位させるた
めの変位装置に関するものである。

すなわち、コンバインにおいて脱穀部での殻稈扱ぎ深さ
を一定とするためには、脱穀部に対する機体横断方向で
の殻稈供給姿勢、つまり該脱穀部一側のフィードチェー
ンに対する機体横断方向での殻稈受渡し位置を、殻稈の
長短に応じ調節して、フィードチェーンより脱穀部へ挿
入される殻稈穂先側長さを略一定としてやる必要があり
、このための一つの手段として、刈取殻稈の縦搬送装置
をその搬送始端側で、該装置が機体横断方向に沿い回動
変位可能であるように支持し、このように支持された殻
稈縦搬送装置の搬送終端側を機体横断方向に沿い変位さ
せて該縦搬送装置からフィードチェーンへの殻稈受渡し
位置を、該殻稈の長短に応じ変更調節するといった手段
が採られるが、この考案は、このような手段を採る場合
において、殻稈縦搬送装置の円滑な変位を達成するのは
もとより、変位装置における変位手段の支持が安定した
新規な変位装置を提供しようとするものである。

図示の実施例について、この考案に係る殻稈縦搬送装置
の変位装置の構成を説明すると、第１゜２図に示すよう
に、左右１対のクローラ１により機体の走行を行なわせ
ながら、機体前方の分草体２により圃場に植立する殻稈
を分草し、機体前方に斜め後上方向きに傾斜させて設け
られた殻稈引起装置３により植立殻稈の引起しを行なわ
せると共に、機体前端下部の刈刃４により植立殻稈をそ
の株元部で刈取り、刈取殻稈の株元部を位置Ａで合流さ
せる１対の搬送帯５ａ ？ ｓｂを備えた下部搬送装置
５にて機体−側位置に集め、この刈取殻稈を株元部縦振
送用の殻稈縦搬送装置６と穂先搬送装置７とにより脱穀
部８に供給し、脱穀部８の一側に配されたフィードチェ
ーン９により刈取殻稈をその株元部で後方に搬送しなが
ら脱穀を行ない、脱穀部８を出るワラを既刈地方向に片
寄せるワラ搬送装置１０にてカッター装置１１に供給す
るように構成され、機体前部の他側に乗用座席１２ａを
備えた操縦部１２を配すると共に、その後方に籾受部１
３を配してなるコンバインにおいて、この考案は、次の
ように実施されている。

すなわち、前記した殻稈縦搬送装置６は、第１゜３図に
示すように、後上方向き且つ領外方向きに傾斜せる支持
フレーム１５の下端部と上端部にそれぞれ回転自在に配
して設けた１対のスプロケットホイール１６．１７と、
該両スプロケットホイール１６，１７間に懸は回された
突起１８ａ付きの搬送チェーン１８と、上記支持フレー
ム１５に支持させてこの搬送チェーン１８の上方向き走
行径路に沿わせて設けられた挾扼稈１９とを備えたもの
に構成されており、支持フレーム１５は、前記操縦部１
２反対側の機体前部−側に配設されたバッテリーケース
兼用の支持台１４に、該支持台１４前面に突設せる支軸
２０と支持フレーム１５より後方向きに突設せる支軸２
１とにクランク２３をその両端で支持させて設けること
で、該クランク２３まわりで機体横断方向に沿い回動変
位自在に支持されており、また支持フレーム１５の上端
部にはチェーンケース２４を固定支持させてあって、前
記スプロケットホイール１７は、このチェーンケース２
４に軸１７ａ支されており、（第７図参照）、さらに機
体上のミッションケース２５から伝動される、機体横断
方向に沿う伝動ケース２６端のギヤケース２７とこのチ
ェーンケース２４とを第１，３図に示すように一体的に
連結して、該ケース２５．２６．２７及び２４内の伝動
機構を介してスプロケットホイール１７を回転駆動し前
記搬送チェーン１８の駆動を行なうようにされており、
上記した伝動ケース２６と、後述するように伸縮可能に
構成されている該伝動ケース２６を伸縮させることで前
記搬送装置６の搬送終端部を機体横断方向に沿い変位さ
せるための油圧シリンダ２８と、上記伝動ケース２６を
その伸縮時に後述するように伸縮自在且つ相対回動不能
にガイドするガイド手段２９との、互に並列的に設けら
れた三者２６．２８．２９は、支持台１４の上面に固定
具３０により固定立設された板状の支持枠３１に支持せ
しめてあり、以上よりして、前記のように搬送始端側で
ある下端側で機体横断方向に沿い回動変位自在に支持さ
れた殻稈縦搬送装置６の搬送終端側を、油圧シリンダ２
８により伝動ケース２６、ギヤケース２７及びチェーン
ケース２４ごと機体横断方向に沿い回動変位せしめ得る
構造とされているのであるが、搬送終端部を変位させる
ための上記油圧シリンダ２８は、この考案に従って、次
のように支持されているのである。

すなわち、前記した支持枠３１に固定具３４にて固定支
持させた板状の支枠３２には、第４，５図に示すように
、筒体２９ａと摺動杆２９ｂとから構成された前記ガイ
ド手段２９における上記筒体２９ａを一体的に固定して
あり、この筒体２９ａと前記伝動ケース２６の支承筒３
９を連結枠体６０を介して一体的に連結すると共に、上
記摺動杆２９ｂと前記ギヤケース２７間をギヤケース２
７上のブラケット４２及びピン４４を介して一体的に連
結して、伝動ケース２６をその伸縮時に伸縮自在且つ回
動不能に支持してガイドする構造とされている。

そして、上記した連結枠体６０は、第５図に明瞭に示す
ように、筒体２９ａと支承筒３９間を直接的に連結する
３個のリング状枠部６０ａと該枠部６０ａ間を連結する
補強枠部６０ｂとを備えたものに構成されていて、リン
グ状枠部６０ａを貫通させて前記油圧シリンダ２８を中
央のリング状枠部６０ａには嵌合状態として、配置する
と共に基端のリング状枠部６０ａに互に対向させて設け
た１対の綿筒６１に螺合せる昶しト４５の小径先端部４
５ａを、第６図に示すように、油圧シリンダ２８周壁面
の孔４６中に臨ませることにより、油圧シリンダ２８を
回動不能に拘束し、以上よりしてガイド手段２９より延
出させた伝動ケース２６支持用の連結枠体６０に油圧シ
リンダ２８を回動不能に支持させた構造としているので
あり、第４図に示すように、油圧シリンダ２８のピスト
ンロッド２８ａにピン４０にて枢支させた螺杵４１は、
取付は位置変更調節用の１対のナツト４３を介して前記
ブラケット４２に連結されている。

次に伝動ケース２６の構成を第４図について説明してお
くと、この伝動ケース２６は、機体上のミッションケー
ス２５の出力軸２５ａに自在接手３５を介して連動連結
されたスプライン軸３６と、このスプライン軸３６を嵌
合せるスプライン筒３７であって前記ギヤケース２７の
入力軸２７ａに溶着Ｗ固定されたスプライン筒３７と、
このスプライン筒３７上に配した摺動筒３８であって前
記支承筒３９に摺動自在に支承されると共にギヤケース
２７に固定された摺動筒３８とを備えたものに構成され
ており、以上よりして油圧シリンダ２８を動作させその
ピストンロッド２８ａを進退させるときは、螺杵４１と
ブラケット４２を介しチェーンケース２７並びにスプラ
イン筒３７と摺動筒３８とが伝動ケース２６長さ方向に
沿い変位せしめられ、また該変位に伴ないチェーンケー
ス２４と縦搬送装置６上端部が一体的に左右に変位せし
められるものである。

なお、図示の場合には、同様に第４図に示すように、ス
プライン軸３６とスプライン筒３７間及びスプライン筒
３７と摺動筒３８間に潤滑用グリースを補給するための
グリースニップル６５が伝動ケース２６ないしその摺動
筒３８の先端部に装着されており、前記入力軸２７ａに
グリース通路６６を貫穿しである。

なお第３図において、５０は前記挾扼杆１９を、摺動ロ
ッド５１を介して支持する枠体であって前記支持フレー
ム１５より搬送チェーン１８を迂回させて延出せる支持
アーム５２に固定支持させたもの、５３は摺動ロッド５
１を介し挾扼杆１９を搬送チェーン１８方向に移動附勢
する板バネ、５４は挾扼杆１９に引続いて搬送チェーン
１８の搬送終端部に沿わせた補助挾扼杆である。

以上の説明から明らかなように、この考案の殻稈縦搬送
装置の変位装置は、搬送装置６へ伝動する伝動ケース２
６を伸縮可能に構成し、この伝動ケース２６と、該伝動
ケース２６を伸縮させることで搬送装置６の搬送終端部
を機体横断方向に沿い変位させるための油圧シリンダ２
８と、上記伝動ケース２６をその伸縮時に伸縮自在且つ
相対回動不能にガイドするガイド手段２９とを、互に並
列させて設けである、殻稈縦搬送装置の変位装置であり
、前記ガイド手段２９より延出させて設けた、前記伝動
ケース２６支持用の連結枠体６０に、前記油圧シリンダ
２８を回動不能に支持させたことを特徴としてなる構成
のもので、次のような長所を備えている。

すなわち、この考案の変位装置は、油圧シリンダ２８に
て伸縮せしめられて搬送装置６の姿勢を変更する伝動ケ
ース２６のための上記のようなガイド手段２９を設けて
、伸縮する伝動ケース２６を該ガイド手段２９により積
極的にガイドさせていることから、殻稈の長短に合せて
搬送装置６終端部を機体横断方向に沿い変位調節して搬
送装置６の姿勢変更を行なうときに、伝動ケースにこじ
れが生じてスムーズな伸縮が得られなくなるといった不
具合がなく、上記の姿勢変更を極く円滑に行なわせるも
のとなっており、また特に、上記したガイド手段２９よ
り延出させて設けた、伝動ケース２６支持用の連結枠体
６０に、変位用の油圧シリンダ２８を支持させているこ
とから、該油圧シリンダ２８のための支持構造体を別設
する場合と比較して油圧シリンダ２８の支持構造が簡単
化されると共に組立ても容易となり、さらに実施例に示
したように上記連結枠体６０に油圧シリンダ２８を抱込
ませる構造とすることができて、このようにすることで
油圧シリンダ支持強度の向上と該シリンダの芯出し調節
の容易化とが達成されるといった効果を奏している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を装備したコンバインの側
面図、第２図は同コンバインの一部切欠き平面図、第３
図は同コンバインの縦搬送装置の一部縦断側面図、第４
図は同実施例の一部縦断正面図、第５図は同実施例要部
の部材の斜視図、第６図は第４図のＶｌ−ＶＩ線矢視図
で一部を切欠くと共に一部を横断面で示したもの、第７
図は第６図の■−■線に沿う断面図である。 ６・・・・・・殻稈縦搬送装置、２４・・・・・・チェ
ーンケース、２６・・・・・・伝動ケース、２７・・・
・・・ギヤケース、２８・・・・・・油圧シリンダ、２
８ａ・・・・・・ピストンロッド、２９・・・・・・ガ
イド手段、２９ａ・・・・・・筒体、２９ｂ・・・・・
・摺動杆、３６・・・・・・スプライン軸、３７・・・
・・・スプライン筒、３８・・・・・・摺動筒、３９・
・・・・・支承筒、４１・・・・・・螺杵、４２・・・
・・・ブラケット、４５・・・・・・ボルト、４６・・
・・・・孔、６０・・・・・・連結枠体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送装置６へ伝動する伝動ケース２６を伸縮可能に構威
   し、この伝動ケース２６と、該伝動ケース２６を伸縮さ
   せることで搬送装置６の搬送終端部を機体横断方向に沿
   い変位させるための油圧シリンダ２８と、上記伝動ケー
   ス２６をその伸縮時に伸縮自在且つ相対回動不能にガイ
   ドするガイド手段２９とを、互に並列させて設けである
   、殻稈縦搬送装置の変位装置であり、前記ガイド手段２
   ９より延出させて設けた、前記伝動ケース２６支持用の
   連結枠体６０に、前記油圧シリンダ２８を回動不能に支
   持させたことを特徴としてなる変位装置。