JPS5836480Y2 - クランクプレスのクラッチブレ−キ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クランクプレスの作動・停止を確実に行うこ
とができると共に停止時にあっては確実にクランク軸を
制動停止することができ、安全に且高速度でプレス作業
し得るクランクプレスのクラッチブレーキ装置に関する
。

従来、この種のクランクプレスは無負荷で回転している
はずみ車の蓄積運動エネルギを有効に利用して、該エネ
ルギをクランク軸に伝えて、該エネルギの一部を使用し
て加工を行うものであるから、はずみ車とクランク軸と
の間には必然的に、はずみ車の連続回転を許容するクラ
ッチ機構が装備されている。

このクランクプレスのクラッチ機構としては、回転くさ
び型クラッチが採用されている。

回転くさび型クラッチとは、クランク軸にはずみ車を遊
転状態に嵌挿しておき、クラッチ軸の外周面１個所にク
ランク軸の外周面とはずみ車の内周面との接触位置を略
、中心とする半月状の凹溝を形成し、一方はずみ車の内
周面数個所にノコギリ歯状の係止溝を形威し、前記半月
状の凹溝に略半月状の回転くさびを回転自在に嵌挿し、
この回転くさびを足踏ペダルで回転させて、回転くさび
を回転させ、凹溝内に没入していた回転くさびをノコギ
リ歯状の係止溝に係合係止させてはずみ車よりクランク
軸へと動力の伝達をする如くしたものである。

この機構の場合回転くさびには動力の断続切換時に衝撃
力が繰り返して多数回掛かるためその寿命は短く、この
ことはスライドを不測に下降させることであってきわめ
て危険なことである。

また、クランクプレスにはクランク軸が１回転して」１
記クラッチ機構が外れた後、慣性で廻り過ぎないように
ブレーキ機構も装備されている。

その位置ははずみ車と反対端にあり、即ち、クラッチ機
構と分離して取付けられている。

このことはクランクプレスの機構を複雑化し、それだけ
保守保全の面でも問題が残り、しこうして安全面でも問
題があった。

本考案はこのような従来の問題を解消して簡素な構造で
確実にクラッチブレーキ動作し得るクランクプレスのク
ラッチブレーキ装置を提供しようとするものである。

以下この発明の一実施例を添付図面を参照して説明する
。

フレーム１の左右枠板１ａ、ｌｂの上部間にクランク軸
２を横架し、フレーム１の左右枠板１ａ。

１ｂの中央部間にスライド（図示省略）を上下スライド
自在に設け、該スライドとクランク軸２とを連接棒３で
連結してクランク機構を構成し、前記クランク軸２のは
ずみ車４を介して回転させ、該回転を前記クランク機構
によって往復運動に運動変換して前記スライドを上下ス
ライド往復運動させ、該スライドの往復運動によりプレ
ス加工を行うクランクプレスにおいて、上記フレーム１
左右枠板１ａ、ｌｂの後部間に伝動切換軸５を、両端部
を該各左右枠板１ａ、ｌｂより突出させて左右の軸受部
６ａ、６ｂにより回転自在且軸方向に若干移動自在に横
架し、該伝動切換軸５の一方の突出端部に、該突出端部
側の前記軸受部６ａの外側面より所定間隔を置いて径大
なりラッチ円盤７を形成し、該クラッチ円盤°７と該一
方の軸受部６ａとの間に位置させて該クラッチ円盤７と
略同外径の上記はずみ車４を、前記伝動切換軸５の一方
の突出部に、該伝動切換軸５に対して遊転する状態で且
軸方向には移動しない状態で嵌装し、該はずみ車４と前
記クラッチ円盤７の対向面各々にクラッチ部材８ ａ
、８ ｂを形成し、前記クラッチ円盤７の該クラッチ部
材８ａと反対側の盤面対向位置に、分離間隙Ｒを置いて
ブレーキ盤９を、上記フレーム１に対して固定状態で対
設し、該ブレーキ盤９と前記クラッチ円盤７の対向面各
々にブレーキ部材１０ ａ 、１０ ｂを形成し、前記
フレーム１の上部に駆動モータ１１を装設し、該駆動モ
ータ１１と前記はずみ車４とに駆動ベルト１２を懸環し
、前記伝動切換軸５の前記軸受部６ａ、６ｂ間中央部に
作動筒１３を、該伝動切換軸５に対して該伝動切換軸５
の回転及び軸方向の移動を邪魔しない自由状態に嵌装し
、該作動筒１３の両側面を、各々該伝動切換軸５に固定
した一対の挟装カラー１４１．１４ ｂにより、各対向
面間にスラストベアリング１５ ａ 、１５ｂを介在し
て挟装し、該作動筒１３に作動リンク１６の上端部を上
連結ピン１７により枢着し、該作動リンク１６の中程に
前記フレーム１より枢着ピン１８によって枢着突設した
支点リンク１９の先端部を支点ピン２０により枢着連結
し、且該作動リンク１６の下端部に該フレーム１に取付
けた単動式の動力伝達用空圧シリンダ２１のロッド部２
１ ａを下連結ピン２２により枢着連結し、更には該作
動リンク１６の下部寄りにバネ用ロッド２３の一方端部
をリンクピン２４により枢着連結し、該バネ用ロッド２
３の他端部を上記フレーム１より外方に突出させて該突
出端部にバネ用座盤２５を形威し、該バネ用座盤２５と
フレーム１との間に動力切断用バネ２６を介在し、更に
前記伝動切換軸５の他方の突出部に歯幅の長い小平歯車
状の駆動歯車２７を固定し、該駆動歯車２７に上記クラ
ンク軸２に固定したクランク歯車２８を噛合して構成し
たことを特徴とするものである。

更に詳しく説明する。

本実施例は、枠板１ａの外側面にテ゛イスタンスロッド
２９を３本突設し、このテ゛イスタンスロッド２９の先
端部にブレーキ盤９を貫挿し、ブレーキ盤９を両ナツＩ
・３０で挟着して、フレーム１に対して固定状態でブレ
ーキ盤９を前記クラッチ円盤７に対設している。

また、支点リンク１９は枠板１ａの内側面に突設した突
片３１により前記枢着ピン１８により突設されている。

また、挟装カラー１４ａ、１４ｂは割り形状のものとな
っており、ボルト３２を割線めすることにより伝動切換
軸５に固定するようにしている。

符号３３はエアー供給用パイプである。

本実施例は上記構成であるから、運転開始状態では第２
図のようにクラッチ円盤７ははずみ車４より離れた状態
にあり、この状態でクランクプレスの運転を開始すると
、駆動モータ１１が回転し、駆動ベルＩ・１２を介して
はずみ車４は伝動切換軸５上を連続過回転することにな
り、このときはずみ車４には運動エネルギが遂時蓄積さ
れることになる。

そして、ワークをスライドの下方の載置板上にセットし
、のち動力伝達用空圧シリンダ２１を作動させ、第２図
の状態から第１図の状態へと動力切断用バネ２６に抗し
て該ロッド部２１を突出させると、支点リンク１９の支
点ピン２０を中心にして作動リンク１６は揺動し、よっ
て作動筒１３は第２図から第１図へと図中右方へ移動し
、この作動筒１３は伝動切換軸５に固定された一対の挟
装カラー１４ａ、１４ｂにより両側面を挟装しているの
で、伝動切換軸５も図中右方へ移動して第１図の状態に
位置する。

この作動によって、はずみ車４より離反していたクラッ
チ円盤７は動力伝達用空圧シリンダ２１の出力と各リン
クの担化によって、はずみ車４に摩擦圧接され、しこう
してはずみ車４の回転はクラッチ円盤７を介して伝動切
換軸５を回転させることになり、この伝動切換軸５の回
転は駆動歯車２７を介してクランク歯車２８を回転させ
、このクランク歯車２８によってクランク軸２が回転し
、該クランク機構によって図示しないスライドは下降し
、ワークをプレス加工し、のちスライドは上昇し、１プ
レス加工を終了することになり、そして、動力伝達用空
圧シリンダ２１への空気供給を停止すれば動力切断用バ
ネ２６によって上記作動リンク１６は第１図の状態から
第２図の状態へと揺動し、よってクラッチ円盤７は第１
図の状態から第２図の状態へと図中左方へ移動し、この
ときクラッチ円盤７ははずみ車４よ−り離反して、はず
み車４０回転はクラッチ円盤７へ伝わらなくなり、同時
にクラッチ円盤７は動力切断用バネ２６のバネ圧と各リ
ンクの担化による圧接力で、ブレーキ盤９に圧接され、
伝動切換軸５．駆動歯車２７．クランク歯車２８．クラ
ンク軸２．スライドの慣性力によって回転しようとする
伝動切換軸５の慣性回転を瞬時に停止させることになる
。

このように動力伝達用空気シリンダ２１の作動によって
図示しないスライドのプレス昇降運動が任意に行い得る
ことになる。

本考案は上述の如くなるから、動力伝達用空圧シリンダ
２１の作動によって作動リンク１６を揺動させ、そして
作動筒１３．挟装カラー１４ ａ 、１４ ｂを介して
伝動切換軸５を軸方向に往復移動させ、よって、クラッ
チ円盤７をはずみ車４に圧接させてはずみ車４の動力を
伝動切換軸５へと動力伝動し、クランク軸２を回転させ
てプレス挙動を行わせたり、クラッチ円盤７をはずみ車
４より離して該動力伝達を切断すると共にクラッチ円盤
７をブレーキ盤９に圧接して、慣性により回転しようと
する伝動切換軸５の回転を瞬時に制動停止することにな
り、従って極めて容易にクランクプレスの作動・停止を
行い得ることになり、それだけ作業能率が向上すること
になり、また特にクラッチ円盤７とはずみ車４との圧接
力は動力伝達用空圧シリンダ２１によって行うようにし
、クラッチ円盤７とブレーキ盤９との圧接力は動力切断
用バネ２６によって得るようにしているから、プレス作
業中に不測の停電があったとしても瞬時にしてクラッチ
円盤７ははずみ車４より離反し、そしてブレーキ盤９に
圧接されて、伝動切換軸５は回転を停止することになり
、このことは重要なことで不測の停電があったとしても
何等の処置をしなくとも自動的に伝動切換軸５は瞬時に
制動停止し、プレス作動を停止することになり、よって
安全にプレス作業し得ることになる。

また、伝動切換軸５に作動筒１３を、該伝動切換軸５に
対して該伝動切換軸５の回転及び軸方向の移動を邪魔し
ない自由状態に嵌装し、この作動筒１３の両面側を伝動
切換軸５に固定した一対の挟装カラー１４ ａ 、１４
ｂにより挟装し、且挟装カラー１４ ａ 、１４ ｂ
と作動筒１３との間にスラストベアリング１５ａ、１５
ｂを介在しているから、伝動切換軸５の回転を邪魔しな
い状態で、伝動切換軸５を軸方向に往復移動させること
ができ、而かもクラッチ円盤７とはずみ車４との圧接力
、及びクラッチ円盤７とブレーキ盤９との圧接力はスラ
ストベアリング１５ ａ 、１５ ｂが確実に受は止め
、而かも伝動切換軸５と一緒に回転する前記挟装カラー
１４ ａ 、１４ ｂの回転を円滑にすることができ、
それだけ伝動切換軸５の往復移動が円滑に行われること
になり、より一層安全に且能率良くプレス作業し得るこ
とになる。

また、伝動切換軸５の他方の突出部に歯幅の長い小平歯
車状の駆動歯車２７を固定し、この駆動歯車２７にクラ
ンク軸２に固定したクランク歯車２８を噛合させて、伝
動切換軸５の回転をクランク軸２に伝動するようにして
いるがら、前述の作動によって伝動切換軸５が軸方向に
往復移動しても、駆動歯車２７は歯幅の長い小平歯車状
のものであるので伝動切換軸５の軸方向往復移動を許容
し、確実に円滑にクランク歯車２８へ動力を伝達するこ
とができる。

また、作動筒１３の往復移動は作動リンク１６・支点リ
ンク１９及び上連結ピン１７・枢着ピン１８・支点ピン
２０・下連結ピン２２によるリンク機構を介して動力伝
達用空圧シリンダ２１により行われるから、リンク機構
固有の特長によって円滑に運動損失少なく作動筒１３を
往復移動させることができる。

また、はずみ車４とクラッチ円盤７との対向面各々には
クラッチ部材８ ａ 、８ ｂが介在され、ブレーキ盤
９とクラッチ円盤７との対向面各々にはブレーキ部材１
０ ａ 、１０ ｂが介在されているので、前述の動力
伝達作用及びブレーキ作用が確実に行われる。

また、はずみ車４からクラッチ円盤７を離反させ、そし
てクラッチ円盤７をブレーキ盤９に圧接させる動力切断
用バネ２６はフレーム１の外部に付設されているから、
該バネ交換及びバネ圧調節が容易となりそれだけ容易に
最適なバネにし得ることになる。

以上、本考案によればクランクプレスの作動・停止を確
実に行うことができると共に停止時にあっては確実にク
ランク軸を制動停止することができ、安全に且高速度で
プレス作業し得る等の秀れた実用上の効果を奏するクラ
ンクプレスのクラッチブレーキ装置を提供することとな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものにして、第１図はク
ランクプレスの作動時の要部の後面図、第２図はその停
止時の要部の後面図、第３図は要部の縦断面図である。 Ｒ・・・・・・分離間隙、１・・・・・・フレーム、ｌ
ａ、ｌｂ・・・・・・左右枠板、２・・・・・・クラン
ク軸、３・・・・・・連接棒、４・・・・・・はずみ車
、５・・・・・・伝動切換軸、６ａ、６ｂ・・・・・・
軸受部、７・・・・・・クラッチ円盤、８ ａ 、８
ｂ・・・・・・クラッチ部材、９・・・・・・ブレーキ
盤、１０ ａ 、１０ ｂ・・・・・・ブレーキ部材、
１１・・・・・・駆動モータ、１２・・・・・・駆動ベ
ルト、１３・・・・・・作動筒、１４ ａ 、１４ ｂ
・・・・・・挟装カラー、１５ ａ 、１５ ｂ・・・
・・・スラストベアリング、１６・・・・・・作動リン
ク、１７・・・・・・上連結ピン、１８・・・・・・枢
着ピン、１９・・・・・・支点リンク、２０・・・・・
・支点ピン、２１・・・・・・動力伝達用空圧シリンダ
、２１ ａ・・・・・・ロッド部、２２・・・・・・下
連結ピン、２３・・・・・・バネ用ロッド、２４・・・
・・・リンクピン、２５・・・・・・バネ用座盤、２６
・・・・・・動力切断用バネ、２７・・・・・・駆動歯
車、２８・・・・・・クランク歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームの左右枠板の上部間にクランク軸を横架し、フ
   レームの左右枠板の中央部間にスライドを上下スライド
   自在に設け、該スライドとクランク軸とを連接棒で連結
   してクランク機構を構成し、前記クランク軸をはずみ車
   を介して回転させ、該回転を前記クランク機構によって
   往復運動に運動変換して前記スライドを上下スライド往
   復運動させ、該スライドの往復運動によりプレス加工を
   行うクランクプレスにおいて、上記フレームの左右枠板
   の後部間に伝動切換軸を、両端部を該各左右枠板より突
   出させて左右の軸受部により回転自在且軸方向に若干移
   動自在に横架し、該伝動切換軸の一方の突出端部に、該
   突出端部側の前記軸受部の外側面より所定間隔を置いて
   径大なりラッチ円盤を形成し、該クラッチ円盤と該一方
   の軸受部との間に位置させて該クラッチ円盤と略同外径
   の上記はずみ車を、前記伝動切換軸の一方の突出部に、
   該伝動切換軸に対して遊転する状態で且軸方向には移動
   しない状態で嵌装し、該はずみ車と前記クラッチ円盤の
   対向面各々にクラッチ部材を形威し、前記クラッチ円盤
   の該クラッチ部材と反対側の盤面対向位置に、分離間隙
   を置いてブレーキ盤を、上記フレームに対して固定状態
   で対設し、該ブレーキ盤と前記クラッチ円盤の対向面各
   々にブレーキ部材を形威し、前記フレームの上部に駆動
   モータを装設し、該駆動モータと前記はずみ車とに駆動
   ベルトを懸環し、前記伝動切換軸の前記軸受部間中央部
   に作動筒を、該伝動切換軸に対して該伝動切換軸の回転
   及び軸方向の移動を邪魔しない自由状態に嵌装し、該作
   動筒の両側面を、各々該伝動切換軸に固定した一対の挟
   装カラーにより、各対向面間にスライドベアリングを介
   在して挟装し、該作動筒に作動リンクの上端部を上連結
   ピンにより枢着し、該作動リンクの中程に前記フレーム
   より枢着ピンによって枢着突設した支点リンクの先端部
   を支点ピンにより枢着連結し、且該作動ノンタの下端部
   に該フレームに取付けた単動式の動力伝達用空気圧シリ
   ンダのロッド部を下連結ピンにより枢着連結し、更に該
   作動リンクの下部寄りにバネ用ロッドの一方端部をリン
   クピンにより枢着連結し、該バネ用ロッドの他端部を上
   記フレームより外方に突出させて該突出端部にバネ用座
   盤を形威し、該バネ用座盤とフレームとの間に動力切断
   用バネを介在し、更に前記伝動切換軸の他方の突出部に
   歯幅の長い小平歯車状の駆動歯車を固定し、該駆動歯車
   に上記クランク軸に固定したクランク歯車を噛合して構
   成したことを特徴とするクランクプレスのクラッチブレ
   ーキ装置。