JPS6220527Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、下部フレームに対して作業機を搭載
した上部フレームが旋回駆動するようにした掘削
機、クレーン等の上部旋回式建設機械の旋回体固
定ブレーキ装置に関するもので、その目的とする
ところは、コンパクトな構成でブレーキ性能がよ
く、しかも駐車時の静的ブレーキおよび旋回作業
時の動的ブレーキの両用ブレーキとして用いるこ
とができ、さらにブレーキデイスクの早期摩耗を
防止でき耐久性の優れた旋回体固定ブレーキ装置
を提供しようとするものである。

以下その構成を図面に示した実施例に基づいて
説明する。

図中１は下部フレーム、２は上部フレームで、
下部フレーム１には走行装置が、また上部フレー
ム２には作業機等が搭載されている。そしてこの
上部フレーム２は下部フレーム１に対して旋回軸
受３を介して旋回可能に搭載されている。４は旋
回モータ、５は減速機であり、これらは上部フレ
ーム２に取付けられている。旋回モータ４の出力
軸６は縦形に配置され、この出力軸６に縦形にし
た多板式の旋回体固定ブレーキ７が設けてある。

この旋回体固定ブレーキ（以下これを単にブレ
ーキと呼ぶ）７は上下方向に交互に位置され、か
つ出力軸６に回転方向に係合した複数枚のデイス
ク８と、上部フレーム２に固着されたケース側に
回転方向に係合した複数枚のプレート９と、これ
らの上方に位置するピストン１０と、ピストン１
０を押圧するばね１１とからなつており、ばね１
１の押圧力にてブレーキ作動となりシリンダの圧
力室１２に圧油を供給してピストン１０をばね１
１に抗して上動したときにブレーキ解除となるよ
うになつている。

第２図は上記ブレーキの具体的な構成を示す一
実施例である。シリンダの圧力室１２は切換弁１
３を介してポンプ１４に接続してある。またポン
プ１４はブレーキ７の潤滑回路１５にリリーフ弁
１６を介して接続してある。

ケース側に回転方向に係合するプレート９は、
軸方向に設け、かつ両端をケース側に係合し、さ
らに上記プレート９を貫通するピン１７にてケー
ス側に係合してある。そしてこのピン１７には上
記プレート９の間に位置して第４図に示すような
ばね座金１８が介装してあり、各プレート９が常
に離間する方向にばね付勢している。

デイスク８の両面にはライニング材１９が固着
してあるが、この両ライニング材１９には第５図
に示すように多数本の螺線状の油溝２０が設けて
ある。

第６図は切換弁１３に代えてブレーキコントロ
ール弁２１を用いた例を示すもので、このブレー
キコントロール弁２１はレバーストロークと二次
油圧が比例して制御され得るものであればどのよ
うな弁でもよい。

上記構成において、切換弁１３を切換操作する
ことによりシリンダの圧力室１２への油圧力が継
続されてブレーキ７が作動あるいは解除される。
ブレーキ７の解除時においては、各プレート９は
ばね座金１８により離間方向にばね付勢され、こ
のプレート９とデイスク８との接触力は小さくな
つている。

一方上記切換弁１３の代りにブレーキコントロ
ール弁２１を用いた場合、このブレーキコントロ
ール弁２１のレバーストロークによりブレーキ力
が制御される。すなわち、レバーストロークがゼ
ロの場合、二次油圧はリリーフ弁のセツト圧とな
つており、この油圧はばね１１に打ち勝つてピス
トン１０を上方へ押し上げブレーキ解除状態とな
る。次にレバーをストロークすると二次油圧はこ
のレバーのストロークに比例して減少し、ストロ
ークエンドで圧力はゼロとなつてブレーキ作動状
態となる。そしてこのレバーのストローク中間に
おいて動的ブレーキ作用がなされる。このとき発
生する熱は強制潤滑油にて冷却される。

本考案は以上のようになり、下部フレーム１に
上部フレーム２を旋回可能に搭載し、かつ上部フ
レーム２側に取付けた旋回モータ４の出力軸６に
て減速機を介して下部フレーム１に対して上部フ
レーム２を旋回駆動するようようにした上部旋回
式建設機械において、上記旋回モータ４の出力軸
６と、この出力軸６を囲繞し、かつ上記旋回モー
タ４と共に上部フレーム２側に固着されたケース
との間に、出力軸６に軸方向に移動自在に嵌合
し、かつ回転方向に係合する複数枚のデイスク８
と、この各デイスク８の間に位置し、かつ上記ケ
ース側に上記出力軸と平行に固着したピン１７に
軸方向に移動自在に係合した複数枚のプレート９
と、上記ケースに設けたシリンダに嵌合し、かつ
ばね１１にて押動することにより上記デイスク８
とプレート９とを軸方向に押圧してブレーキ作動
をなすピストン１０と、このピストン１０をばね
１１に抗してブレーキ解除方向に移動させるため
の圧力を発生させる圧力室１２とよりなる旋回体
固定ブレーキを設け、またこの旋回体固定ブレー
キ７の上記ピン１７に、各プレート９の間に位置
し、かつ各プレート９を互いに離間する方向に付
勢するばね座金１８を嵌挿し、さらに上記圧力室
１２に、切換弁１３あるいはブレーキコントロー
ル弁２１等の操作弁を介してポンプ１４に接続し
て上部旋回式建設機械の旋回体固定ブレーキ装置
を構成したから、コンパクトな構成でブレーキ性
能がよく、しかも駐車時の静的ブレーキおよび旋
回作業時の動的ブレーキの両用ブレーキとして用
いることができ、さらにブレーキデイスクの早期
摩耗を防止でき耐久性の優れた旋回体固定ブレー
キ装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
概略的な構成説明図、第２図は具体的な実施例を
示す断面図、第３図は要部の断面図、第４図はば
ね座金を示す斜視図、第５図はデイスクの平面
図、第６図は他例を示す回路図である。 １は下部フレーム、２は上部フレーム、４は旋
回モータ、５は減速機、６は出力軸、８はデイス
ク、９はプレート、１０はピストン、１１はば
ね、１２は圧力室、１３は切換弁、１４はポン
プ、１７はピン、１８はばね座金、２１はブレー
キコントロール弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部フレーム１に上部フレーム２を旋回可能に
   搭載し、かつ上部フレーム２側に取付けた旋回モ
   ータ４の出力軸６にて減速機を介して下部フレー
   ム１に対して上部フレーム２を旋回駆動するよう
   にした上部旋回式建設機械において、上記旋回モ
   ータ４の出力軸６と、この出力軸６を囲繞し、か
   つ上記旋回モータ４と共に上部フレーム２側に固
   着されたケースとの間に、出力軸６に軸方向に移
   動自在に嵌合し、かつ回転方向に係合する複数枚
   のデイスク８と、この各デイスク８の間に位置
   し、かつ上記ケース側に上記出力軸と平行に固着
   したピン１７に軸方向に移動自在に係合した複数
   枚のプレート９と、上記ケースに設けたシリンダ
   に嵌合し、かつばね１１にて押動することにより
   上記デイスク８とプレート９とを軸方向に押圧し
   てブレーキ作動をなすピストン１０と、このピス
   トン１０をばね１１に抗してブレーキ解除方向に
   移動させるための圧力を発生させる圧力室１２と
   よりなる旋回体固定ブレーキを設け、またこの旋
   回体固定ブレーキ７の上記ピン１７に、各プレー
   ト９の間に位置し、かつ各プレート９を互いに離
   間する方向に付勢するばね座金１８を嵌挿し、さ
   らに上記圧力室１２に、切換弁１３あるいはブレ
   ーキコントロール弁２１等の操作弁を介してポン
   プ１４に接続したことを特徴とする上部旋回式建
   設機械の旋回体固定ブレーキ装置。