JPS5836059B2 - オクガイムトソウシヨウノタメノ ヒヨウメンコウタイシヨクセイコウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、表面にＦｅ −Ｃｒ ，Ｆｅ−Ｍｏ ｓ Ｆ
ｅ−Ｃｒ−Ｍｏ ，Ｆｅ −Ｃｒ −Ｓ ｉ ，等耐食
性のすぐれた合金層を形或ぞしめてその耐食性を著しく
向上させた耐候性のすぐれた表面高耐食性鋼に関するも
のである。

耐候性鋼としては現在Ｃｕ鋼、Ｃｒ−Ｃｕ−Ｐ鋼、Ｃｒ
−Ｃｕ−Ｖ鋼等の低合金鋼が実用化されている。

これら耐候性鋼を屋外曙露すれば、初期にはいわゆる浮
錆が発生して錆が流出するが、ほぼ１年後には緻密で防
錆効果の高い安定錆が形或されて美しイ外観を呈すると
同時に腐食の進行が遅くなるとされている。

ところが耐候性鋼を無塗装で使用する場合、安定錆形或
までの初期段階に於ける浮錆の発生が問題となることが
多い。

それに対しては安定錆形或までの期間防錆作用を示して
浮錆の発生を抑える処理法が開発され、実用に供されて
いる。

しかしながら、そのような処理法は処理時間が長いこと
や２回処理を施す必要があることから、自動化やライン
化が困難で作業性が悪いものが多い。

また、表面に形成される有機または無機皮膜は、溶接時
の熱によって分解ガスを発生し、特に隅肉溶接における
ブローホールの原因となるため溶接前に被溶接部の皮膜
をはく離し溶接後に補修を施すか、もしくは建造物の組
立て、加工、溶接終了後に防錆処理を施すかいずれかの
方法が採られてかり、そのため作業能率が悪くコスト高
となっている。

従って溶接時のブローホールの原因とはならず、しかも
安定錆形或までの期間防錆効果を示すような処理を施し
屋外無塗装使用に適した耐候性鋼？供給が強く要望され
ている。

本発明者匂１上記実情に鑑み種々の実験を行なった結果
、耐候性のすぐれた０． ２ ５ ％〜０．６０％のＣ
ｕを含有する圧延鋼材表面にＣｒＭｏを単独あるいぱＣ
ｒとＭｏ，ＣｒとＳｉ複合で含有する耐食性のすぐれた
表面層を形或ぜしめた鋼材は１年間の屋外曝露を続けて
も浮錆が発生しないため無塗装使用に最適で、しかも溶
接時のブローホールが発生しないことを見い出した。

即ち本発明は、耐候性圧延鋼材表面の片面壕たは両面に
、Ｃｒ ，Ｍｏ， Ｃ ｒ ＋Ｍｏ ， Ｃｒ ＋ Ｓ
ｉの群から選ばれた下記の範囲の合金或分を含有する
表面層を平均厚さ１０μ〜４００μに形或ぜしめたこと
を特徴とする屋外無塗装使用のための表面高耐食性鋼 Ｃｒ単独の場合：５％〜３０％ Ｍｏ単独の場合二０．３％〜１０％ Ｃｒ＋Ｍｏの場合：Ｃｒ３％〜２５％，Ｍ ｏ ０．１
％〜７係 Ｃｒ＋Ｓｉの場合二Ｃｒ ３％〜２５％，Ｓｉｌ％〜５
多 を提供するものである。

なお、本発明にいう圧延鋼材とは、Ｃｕを０，２５％〜
０６６０％含有する含銅鋼たとえばＪＩＳ Ｇ３１２５
（ １９７３）の規定やＪＩＳ Ｇ３１１４（１９７
３）の規定に準じた化学組或を有する耐候性鋼などを指
す。

・本発明鋼の製造方法としては、０．２５％〜０．６０
％のＣｕを含有する鋼材のスラブ表面にＣｒ ，Ｍｏ
，Ｓｉ ，必要に応じてＦｅの粉末を種々のバインダー
を用いて付着せしめるか、またはガス溶射、プラズマ溶
射などの溶射法によって溶射した後、酸化防止の目的で
スケール抑制剤の塗布やアルミナ溶射などを施して加熱
炉で加熱し、スラブ表面にＣｒ，ＭＯ，Ｓｉ 、必要に
応じてＦｅを拡散ｑ−ｙて耐食性のすぐれた表面層を形
或ぞしめ、しかる後に熱間圧延を施す方法などが考えら
れる。

本発明鋼の表面層組成は大気腐食に対する耐食性を考慮
して、１年間の屋外曝露によって浮錆が発生しないため
のＣｒ，Ｓｉの単独あるいは複合含有による限界濃度に
より決定した。

Ｃｒは耐食性を向上主恥元素であるが、単独に含有する
表面層の場合、５％未満の濃度では耐食性が充分でない
ので下限を５％とした。

上限についてぱ製造コストを考慮して３０多とした。

Ｍｏも耐食性を向上させる元素であるが、単独に含有す
る表面層の場合、０．３％未満の濃度では耐食性が充分
でないので下限を０． ３ ％とした。

上限については経済性を考慮して１０％とした。

Ｃｒ ｈよびＭｏを複合で含有する表面層の場合はＭｏ
の共存によってＣｒ濃度の耐食限は単独含有の場合に比
較して低下するが、充分な耐食性を得るためにＣｒ濃度
の下限を３％とした。

Ｃｒを含有する表面層にＭｏを０．１％未満共存させて
も耐食性はほとんど向上しないので、Ｍｏ濃度の下限は
０． １％に定めた。

上限については経済性を考慮してＣｒについては２５％
，Ｍｏについては７多とした。

ＣｒおよびＳｉを複合で含有する表面層の場合ハＳｉの
共存によってＣｒ濃度の耐食限は単独含有＋７１合に比
較して低下するが、充分な耐食性を得るためにＣｒ濃度
の下限を３係とした。

Ｃｒを含有する表面層にＳｉを１多未満共存させても耐
食性はほとんど向上しないのでＳｉ濃度の下限は１多と
した。

上限については経済性を考慮してＣｒ濃度２５％、Ｓｉ
濃度５係に定めた。

表面層平均厚さの下限を１０μとしたのは、スラブ表面
に拡散処理によって表面層を形或ぜしめた後熱間圧延を
施す製造方法では、１０μ未満の厚さの表面層は熱間圧
延によって著しく破壊される場合が多いためである。

筐た、４００μより厚い合金属を形或ぞしめることは、
工業化に際して問題が多く、しかも４００μより厚い表
面層ぼ鋼のガス切断性を悪化させることが多く、使用上
の困難をともなうので表面層厚さの上限を４００μに定
めた。

本発明鋼の最も使用される板厚ハ１，６〜２５Ｍ！Ｉｌ
程度である。

以上述べたごとく本発明鋼は、０．２５％〜０． ６
０％のＣｕを含有する圧延鋼材の表面にＣｒｔＭｏ，Ｓ
ｉ を孝独あるいは複合で含有する耐食性のすぐれた
表面層を形或ぜしめて、屋外曝露の初期から１年以上に
わたって浮錆Ｑ発生を防ぎ、しかも溶接時にブローホー
ルが形或されない安価で耐候性、溶接性のすぐれた表面
高耐食性鋼であるが、以下実施例により更に具体的に本
発明を説明する。

演施例〕 スラブ表面に拡散処理によって耐食性のすぐれた表面層
を形或ぞしめた後、熱間圧延を施して各種組或の表面層
を有する表面高耐食性鋼を製造して表１に示した。

表面層に於けるＣｒ，Ｍｏ，Ｓｉ濃度は表面から内部へ
向かって低下しているので、表面層組或としては表面濃
度を示し、本発明でいう表面層厚さとは耐食限界濃度以
上のＣｒ筐たぱＭｏ ，１たは、Ｃｒ，Ｍｏまたｎ Ｃ
ｒ ，Ｓ １を含有する表面層厚さの平均値である。

表面濃度はスラブ表面に粉末で塗布するか、あるいは溶
射ぜしめるＦｅ，Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉの混合割合を変えて
コントロールした。

製造した鋼について、１年間の屋外曝露試験を実施し、
浮錆発生の有無によって無塗装使用の可否を判定して表
１に示した。

屋外曝露試験は、田園地区、工場地区、海浜地区など各
所で実施し、耐候性を総合判断した。

表中１ ２ ６ １１ １２ ２０ ２１
ぱ比較鋼、３〜５，７〜１０．１３〜１９，２２〜２８
ぱ本発明鋼である。

Ｆｅ−Ｃｒ系表面層を有する鋼について、Ｃｒ濃度が本
発明の特許請求の範囲外である鋼１、鋼２、Ｆｅ−Ｍｏ
系表面層を有する鋼についてＭｏ濃度が特許請求の範囲
外である鋼６ ，Ｆｅ−Ｃｒ−Ｍｏ系表面層を有する鋼
についてＣｒ濃度が特許請求の範囲外で゜ある鋼１１，
Ｍｏ濃度が特許請求の範囲外である鋼１２，Ｆｅ−Ｃｒ
−Ｓｉ系表面層を有する鋼についてＣｒ濃度が特許請求
の範囲外である鋼２０，Ｓｉ濃度が特許請求の範囲外で
ある鋼２１ぱ１年未満の屋外曝露試験によって表面に浮
錆が発生し、無塗装での屋外使用に適さない。

これに対して本発明鋼は１年間の屋外暴露試験によって
も浮錆が発生ぜず無塗装で屋外使用するに好適である。

しかも通常のガス切断によって溶接に適した開先加工が
可能であり、溶接試験に於いてもブローホールは全く発
生しなかった。

以上詳述したごとぐ本発明は０．２５％〜０．６０多の
Ｃｕを含有する鋼材表面にＣｒｔＭｏ，Ｓｉを単独ある
いは複合で含有する耐食性のすぐれた表面層を形或ぜし
めた屋外無塗装使用のための安価で耐候性、溶接性のす
ぐれた表面高耐食性鋼を提供するものであり、その実用
的効果は極めて犬なるものがある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ０．２５％〜０．６０％のＣｕを含有する圧延鋼
   材表面の片面または両面に、Ｃ ｒ ，Ｍｏ ｔ Ｃ
   ｒ＋Ｍｏ ｓＣｒ＋ＳｉＯ群から選ばれた下記の範囲の
   合金或分を含有する表面層を平均厚さｌＯμ〜４００μ
   に形或ぜしめたことを特徴とする屋外無塗装使用のため
   の表面高耐食性鋼。 Ｃｒ単独の場合＝５％〜３０多 Ｍｏ単独の場合：０．３％〜ｌＯ係 Ｃｒ＋Ｍｏの場合：Ｃｒ３％〜２５％， Ｍｏ０． １
   φ〜７多 Ｃｒ＋Ｓｉの場合：Ｃｒ ３％ 〜２５％ ，Ｓｉｌ係
   〜５多。