JPS5835442B2 - 熱間静水圧プレス用カプセルの製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱間静水圧プレス法に使用するカプセルの製造
法に関するものである。

熱間静水圧プレス法（以下ＨＩＰ法という）は種々の材
料の処理例えば超合金粉末の焼結２部材の拡散接合等に
好適な方法として近時注目されている方法であり、金属
の焼結等の場合従来法に比較し低温での焼結が可能なこ
と、真密度に等しいか又は真密度にほとんど近い密度の
成形体が得られること、焼結体の組織が方向性のない均
質なものであること、更に機械的性質が勝れた製品が得
られること等種々の利点を有している。

しかしながらこのＨＩＰ法は被処理粉末をカプセル内に
密封入して処理する関係上、カプセルの構成、カプセル
内の脱気、並びにカプセルの封入等において問題があり
、この点に関し例えば被処理体を排気管付カプセルに充
填した後、排気孔以外を密封し、排気孔からカプセル内
の空気及びガスを真空脱気し、その後排気管を圧縮して
密封するとか、容器と蓋とを第３物質を介在させて融着
させて密封を図る等の方法が提案されている。

ところが、これ等方法を含め、はとんどの場合、カプセ
ルは金属又はガラスにより予め、製作したものが使用さ
れるのが通常であり、他のカプセルの製造並びに利用に
関しては余り考慮は払われていなかった。

しかし、カプセルはＨＩＰ処理における重要な要素であ
り、その製作の容易さ及びコストの低減はＨＩＰ処理の
効率並びに経済性の面から早急に解決が望まれる一つの
課題であった。

本発明者等は、上記の如き現状に鑑み、その解決を図る
べく、鋭意研究を重ね石膏或は砂等にガラスを混入した
材料を用いてカプセルを作製すること等について一つの
方法を見出したが、更に複雑な形状に容易に適応可能な
カプセルの作製について探究を続けた結果本発明を発明
するに至った。

即ち本発明は溶剤により溶解する材料の特異性と、紙又
はパルプ繊維材料の経済性に着目し、それ等各材料の組
合せにより、複雑な形状の成形体に対しても容易に適用
でき、しかもその製作費が安価であるカプセルを製造す
る方法を提供するもので、溶剤により溶解する材料を用
いて予め、成形体の形状を備えたモデルを作製し、その
モデル外面に紙繊維又はパルプ繊維を含む粘土状、スラ
リー状物質でコーティングを施した後、乾燥固化し、そ
の後、前記モデルのみを溶去することを特徴とするもの
である。

以下、更にその発明の具体的実施の態様について順を追
って説明すると、先づ本発明の第１の工程は溶剤により
溶解する材料を用いて成形しようとする成形体の形態に
応じたモデルを作製することである。

こ工に使用される材料は例えば発泡スチロール樹脂２見
泡ポリエチレン樹脂２発泡ポリプロピレン樹脂２発泡Ａ
ＢＳ樹脂等の発泡樹脂の外ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂が挙げられるが、加工性並びにコスト面から
発泡スチロール樹脂２尭泡ポリエチレン樹脂５発泡ポリ
プロピレン樹脂が最も好適である。

そしてこれ等各樹脂から成形体形状のモデルを得るに当
っては、打抜き加工等の公知の手法によって容易に行な
われる。

第１図はかよるモデルの一例を示している。図中１は該
モデルである。

勿論この形状は図示形状に限らず成形体に応じて適宜そ
の形状が決められる。

次に本発明は第２工程として前記モデル１の外面に対し
、紙或はパルプ繊維のスラリー状又は粘土状物質でコー
ティング２を施こす。

第２図はかかる態様を示している。

こ工に紙又はパルプ繊維は通常の紙又はパルプ用繊維で
リンター、木材繊維の外レーヨンパルプ、合成繊維混入
パルプ等の総てを包含し、更に一旦紙又はパルプとなし
た後の故紙等をも含むものである。

そしてこれ等繊維は粘土状又は希釈懸濁せしめてスラリ
ー状とされた後前記モデル１の外面に塗布、吹付は等の
手段によりコーティングされる。

この場合コーティング層２の肉厚は処理しようとする原
料粉末の種類。

成形体の形状等に応じて適切な厚さが選ばれる。

叙上の如くしてモデル外面に繊維状物質をコーティング
した後、次に乾燥、固化によりコーティング層２の形態
を確保し、その後において内部に含まれるモデル１のみ
を溶剤により溶去し、カプセルを作製する。

こ工で使用する溶剤はモデル１の材料に応じて、これに
適合した溶剤であり、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン、トリクレン、四塩化炭素、ヘンシルアルコール等
公知の各溶剤が使用される。

特に好適な発泡スチロールモデルに対してはベンゼン、
トルエン、キシレン等により容易に溶去スることができ
る。

勿論これ等溶剤はカプセルを溶解しないものでなげれば
ならないことは云うまでもない。

第３図はか（して得られたカプセルを用いてＨＩＰ処理
を行なう場合の態様を図示したものであり、ガラス容器
５内において前記カプセル３に被処理粉末４を充填して
収納し更にカプセル３とガラス容器５との間に金属塩、
砂の如き耐火粉末６を充填した後、ガラス蓋７を用いて
蓋止した状態を示している。

そしてこの状態において被処理粉末４は高温高圧炉中に
定置され所定の温度と圧力条件下においてＨＩＰ処理を
受け、成形体に成形される。

この場合、前記耐火粉末６が２次圧媒となりカプセル３
は燃焼し離型性を良好ならしめることができる。

なお図中６はガラス中子である。また前記状態に充填さ
れた被処理粉末４は耐火粉末の外、適宜の金型或はサポ
ート材と併用することも可能である。

本発明方法は以上のようにＨＩＰ処理に使用するカプセ
ル材において溶剤により溶解する材料と紙又はパルプ繊
維等を組合わして製造する方法であるから、その材料の
型加工性が容易であり、しかもコストが廉価で、カプセ
ル製作に要する手間及び経費が著しく低減されると共に
、モデルの加工の容易さにより複雑な形状の異型カプセ
ルをも簡易にかつ寸法精度よく製作し得て異型成形体の
製造における生産効率の合理化に寄与する顕著な効果を
有している。

しかも製造されるカプセルは繊維状物質であり、従って
ＨＩＰ処理処理盤いて燃焼して離型効果を向上させるの
みならず、資源再利用をも可能ならしめ、ＨＩＰ処理の
利用の拡大を図り高密度焼結体の成形に寄与する等、本
発明方法は頗る有用性に富む方法である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法におけるモデルの一例を示す斜視図
、第２図は前記モデルにコーティングを施した状態を示
す図、第３図は本発明方法により製造したカプセルを用
いてＨＩＰ処理を行なう場合の被処理粉末の充填状態を
示す断面図である。 １・・・モデル、２・・・コーチインク層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶剤により溶解する材料を用いて熱間静水圧プレス
   処理により成形しようとする成形体の形状を備えたモデ
   ル１を作製し、該成形体形状のモデル外面に紙繊維或は
   パルプ繊維を含む粘土状又はスラリー状物質でコーティ
   ングを施した後、乾燥固化を行ない、次いで前記モデル
   を溶解するがコーテイング材を溶解しない溶剤によりモ
   デルを溶去することを特徴とする熱間静水圧プレス用カ
   プセルの製造法。 ２ モデル材料が発泡スチロール樹脂である特許請求の
   範囲第１項記載の熱間静水圧プレス用カプセルの製造法
   。 ３ モデル材料が発泡オレフィン系樹脂である特許請求
   の範囲第１項記載の熱間静水圧プレス用カプセルの製造
   法。