JPS5834489Y2 - 比例式温度制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば温度制御用の回転電機を負荷として備
えた比例式温度制御装置に関するものである。

上記のような回転電機を備えた比例式温度制御装置は、
電源投入時または停電から復帰する際、起動のための大
電流が流れるのでこれを何等かの手段でやわらげる必要
がある。

しかしながら、従来これを行なうための手段は構成がい
たずらに複雑になるばかりでな（確実性に欠ける欠点が
あった。

この考案は上記の欠点を除去し、温度制御用ブリッジ回
路の電源に特殊な電圧特性をもたせるとともにブリッジ
回路の出力とそれぞれ異なる設定値とを比較する複数の
比較器を設は各比較器の出力に応じて負荷を制御するこ
とにより、複数の負荷が同時に作動することなく比較的
簡単な構成により容易かつ確実に電源投入時あるいは停
電から復帰する際のショックをやわらげることのできる
比例式温度制御装置を提供することを目的とする。

以下図面を参照してこの考案の一実施態様を説明する。

第１図は複数個の負荷例えば回転電機を備えこれらを順
次段階的に起動する例を示すものである。

第１図において、１は固定抵抗Ｒ１，Ｒ２測温抵抗ＲＴ
、温度設定用可変抵抗Ｒｖよりなるブリッジ回路であり
、測定温度ＲＴは温度の被制御部に設けられ、ブリッジ
回路１の電源端子にブリッジ用電源２を接続し、かつこ
の回路１の出力端を増幅器３に接続する。

ブリッジ用電源２は後述するような構成並びに電圧特性
を備えたものである。

増幅器３の出力端を分岐し複数個の比較器４ａ。

４ｂ、４ｃ・・・を介してそれぞれ継電器５ ａ ｔ
５ ｂ ｔ５ｃ・・・に接続する。

これらの継電器５ａｔ５ｂｔ５ｃ・・・は図には省略さ
れているが複数個の負荷例えば冷凍機の圧縮用電動機を
制御するためのものである。

比較器４ ａ 、４ ｂ 、４ ｃ・・・はまた基準電
圧設定器６により複数段のそれぞれ異なる値に設定され
ている。

次に第２図によりブリッジ用電源２の一例について説明
すれば、Ｔ１．Ｔ２は入力端子であり、冷凍機駆動用の
交流電源を整流して得た直流出力Ｖｏが供給される。

端子Ｔｌ ＋ Ｔ２間に定電流回路ＣＣを介したコンデ
ンサＣおよび抵抗Ｒ３をそれぞれ接続し、抵抗Ｒ３はま
た図示の極性のダイオードＤを介してコンデンサＣに並
列接続する。

コンデンサＣのプラス側端子をトランジスタＴＲのベー
スに接続し、このトランジスタＴＲのエミッタを抵抗Ｒ
４を介して端子Ｔ１へ コレクタを端子Ｔ２へそれぞれ
接続する。

トランジスタＴＲのエミッタ、コレクタ間に図示の極性
のツェナーダイオードＺＤを接続し、その両端をそれぞ
れ端子Ｔ３ ｔ Ｔ４に導（。

このブリッジ用電源２において交流電源を投入すると、
コンデンサＣは定電流回路ＣＣを通じて定電流ｌにより
充電される。

コンデンサＣの端子電圧Ｅに応じてトランジスタＴＲが
作動し、端子電圧ＥとツェナーダイオードＺＤの両端の
電圧ｅとはＥｖｅの関係となりコンデンサＣの充電が進
行するとともに電圧ｅがゆるやかに上昇する。

この電圧ｅがツェナダイオードＺＤのツェナー電圧に達
するとこれに電流が流れトランジスタＴＲはカットオフ
となり、安定な定電圧をブリッジ回路１に供給する。

一方、交流電源が断たれた場合には直流電圧ｖｏは電源
の時定数ですみやかに降下し、コンデンサＣはこの電圧
Ｖ。

が端子電圧Ｅよりも低くなるとダイオードＤを通じて放
電電流Ｉ２を流し急速に端子電圧Ｅが低下する。

このようにブリッジ用電源２の出力電圧ｅは交流電源投
入時にはゆるやかな傾斜をたどって定電圧に達し、交流
電源遮断時には急速に低下するものである。

第３図は出力電圧ｅの変化を示す波形図である。

この温度制御装置は、いまブリッジ用電源２が定電圧に
達した状態においては、測温抵抗ＲＴの変化に応じてブ
リッジ回路１が出力を生じ、複数個の比較器４ ａ ｔ
４ ｂ 、４ ｃ・・・に供給される。

これらの比較器４ａｔ４ｂｔ４ｃ・・・は基準電圧設定
器６により複数段の設定値すなわちそれぞれ異なる基準
電圧が設定されているので、被制御部の温度に対応して
これらのうち複数個たとえば４ａと４ｂが出力を出し継
電器５ａ 、ｓｂが付勢されて２台の冷凍機が運転され
る。

さらに温度の変化があれば適宜台数の増減が行なわれる
。

このような状況下において交流電源が投入されると、ブ
リッジ用電源２の出力電圧ｅは第３図に示すように与え
られた時定数によりゆるやかに上昇するので、ブリッジ
回路１の出力は比較器４ａｔ４ｂを作動させる値に達す
るのに時間がかかり、しかもこれらの比較器４ ａ ｔ
４ ｂは異なる値に設定されているので時間を異にし
て出力を出す。

したがって２台の冷凍機はいわゆる順次起動が行なわれ
る。

比較器４ａ ｔ ４ｂ 、４ｃ・・・に基づく継電器５
ａ ｔ ｓｂ ｔ ５ｃ・・・の動作特性を第４図に示
す。

この状態で停電があると、ブリッジ用電源２の出力電圧
ｅは第３図に示すように急速に低下するので、仮に停電
が短時間で回復して電源の再投入が行なわれたような場
合にも前述したと同様に時間的遅れをもって順次起動が
行なわれる。

したがってこの温度制御装置は複数の負荷が同時に作動
することなく電源人時あるいは停電から復帰する際のシ
ョックをやわらげることができる。

しかもこの考案はブリッジ用電源の電圧特性そのものに
依存するものであるから、温度変化に対する検出信号に
は悪影響を与えることなく正確な温度制御を行ない得る
特長がある。

なおこの考案は上記実施例に限定されるものではな（要
旨を変更しない範囲において種々変形して実施すること
ができる。

負荷としては冷凍機のみでなく回転電機を備えた他の装
置に広く適用が可能である。

さらにブリッジ用電源も第３図に示すような特性の出力
電圧を得られるものであれば他の構成のものを用いて差
し支えない。

以上述べたようにこの考案によれば、温度制御用ブリッ
ジ回路の電源に特殊な電圧特性をもたせるとともにブリ
ッジ回路の出力とそれぞれ異なる設定値とを比較する複
数の比較器を設は各比較器の出力に応じて負荷を制御す
ることにより、複数の負荷が同時に作動することなく比
較的簡単な構成により容易かつ確実に電源投入時あるい
は停電から復帰する際のショックをやわらげることので
きる比例式温度制御装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施態様の概略的な構成図、第２
図はこの考案において用いるブリッジ用電源の一例の構
成図、第３図は同電源の出力電圧の波形図、第４図は複
数の継電器の順次作動を説明するための特性図である。 １・・・ブリッジ回路、２・・・ブリッジ用電源、３・
・・増幅器、４ａ、４ｂ、４ｃ・・・比較器、５ａ）５
ｂｔ５ｃ・・・継電器、６・・・基準電圧設定器、Ｒ１
，Ｒ２・・・固定抵抗、ＲＴ・・・測温抵抗、Ｒｖ・・
・温度設定用可変抵抗、ＴＩ 、Ｔ２・・・入力端子、
ＣＣ・・・定電流回路、Ｃ・・・コンデンサ、Ｒ３，Ｒ
４・・・抵抗、Ｄ・・・ダイオード、ＴＲ・・・トラン
ジスタ、ＺＤ・・・ツエナ−ダイオード、 Ｔ３ Ｔ４・・・出力端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブリッジ用電源と、測温抵抗体を含みこの電源が供給さ
   れるブリッジ回路と、それぞれ異なる設定値を有し前記
   ブリッジ回路の出力とこれらの設定値とを比較する複数
   個の比較器と、これらの比較器の出力端側にそれぞれ設
   けられ各比較器の出力により制御される複数個の温度制
   御用の負荷とを備え、前記ブリッジ用電源は交流電源投
   入時には所定の時定数で次第に増加した後定格電圧に達
   し前記交流電源遮断時には速やかに降下する電圧特性を
   有することを特徴とする比例式温度制御装置。