JPS583445B2 - 圧延機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は圧下ロールを交換するための構造を改良した圧
延機に関する。

一般に、圧延機は、圧下ロールを交換する際、圧下ロー
ルを作業位置より下降させて下方に設置された案内レー
ル上に載置し、この案内レールに沿って圧下ロールをス
タンドハウジングから引き出すようになっている。

ところで、従来、圧下ロールを作業位置より下降させる
方法としては、圧下ロールを圧下するための油圧圧下装
置、すなわちプッシュアップシリンダーを操作する方法
、或いは、プッシュアップシリンダーと圧下ロールの軸
受箱間にネジジャッキを組み込み、このネジジャッキを
操作する方法等がある。

しかしながら、前者の方法によれは、プッシュアップシ
リンダーの作動ストロークが大きくなる結果加圧油量が
多くなり、またはその多くがラムタイプであるため、プ
ッシュアップシリンダの下降速度が遅く、さらに油圧圧
下制御系の制御性能も悪くなる不具合がある。

また、後者の方法によれば、大型のネジジャッキを必要
とするので、その組込作業が大変のみならず設備的にも
コストアップになる。

本発明は、設備的にも比較的安価に実施でき、しかも圧
下ロールを迅速に下降させ得る新規な構造の圧延機の提
供を目的としている。

本発明に係る圧延機は、左右各スタンドハウジングに組
み込んだ油圧圧下装置すなわち下ロールを上方に左下す
る装置と圧下ロールの両端夫々に設けた各軸受箱との間
に圧下伝達用ブロック又は間隙調整用ブロックを介在せ
しめるとともに、該各間隙調整用ブロックを各スタンド
ハウジングに昇降可に装着した案内軸に沿って圧下ロー
ルバレル方向に移動せしめて各油圧圧下装置と各軸受箱
間に対して抜き差しするブロック駆動手段を設け、さら
に各間隙調整用ブロックを移動させる際各軸受箱を支持
する軸受箱支持用の油圧装置を設けてなり、圧延機の作
業中は、油圧圧下装置の圧下力が各間隙調整用ブロック
を介して軸受箱および圧下ロールに加えられ、一方圧下
ロールの交換時には、軸受箱支持用油圧装置で軸受箱を
支えながら各間隙調整用ブロックを各軸受箱と油圧圧下
装置の間から抜き出し、次いで軸受箱支持用油圧装置の
油圧を解放して各軸受箱を案内レール上に載置するよう
にしたものである。

この圧延機によれば、軸受箱支持用油圧装置は圧下ロー
ルの圧下を目的とするものではないから．油圧圧下装置
の如き大圧下油量の大型のものは必要でなく、比較的小
型の油圧装置でよい。

したがって、この小型の軸受箱支持用油圧装置の油圧を
解放すれば、圧下ロール並びに軸受箱がこれらの自重に
より迅速に下降する利点がある。

このように軸受箱支持用油圧装置を設けることにより、
油圧圧下装置は、圧下ロール交換のための軸受箱下降ス
トロークが不用となるので、その分だけ小型化でき、そ
の結果油圧圧下制御精度も向上する。

さらに、この圧延機における、間隙調整用ブロック、ブ
ロック駆動手段および軸受箱支持用油圧装置の組み込み
は比較的容易かつ安価に改造できるものである。

以下に、図示の実施例について本発明を具体的に説明す
る。

第１，２図において、１ａ，１ｂは夫々ウインドｌ’ａ
， １’ ｂを有する左右１対のスタンドハウジング
、２ａ，２ｂは上記スタンドハウジング１ ａ ＋１ｂ
のウインド１’ａ，ｉ’ｂ内に設置されたプッシュアツ
シュアツブシリンダ、３ａ，３ｂは圧下ロール（図示せ
ず）の両端夫々に設けられ、上記プッシュアップシリン
ダ２ａ ，２ｂの上方に位置する軸受箱である。

上記各プッシュアップシリンダ２ａ，２ｂと各軸受箱３
ａ，３ｂの間には圧下伝達用ブロックすなわち間隙調整
用ブロック４ａ ，４ｂを介在せしめている。

尚、各軸受箱３ａ，３ｂの下面には上記各間隙調整用ブ
ロック４ａ，４ｂに当接する、底面が球面の当板８ａ
，８ｂを固設しているこの間隙調整用ブロック４ａ，４
ｂは、夫々大略直方体で、互いに平行に配置されるとと
もに、その内部に１対の案内軸５ａ，５ｂを貫通させ各
間隙調整用ブロック４ａ，４ｂが案内軸５ａ，５ｂに沿
って軸心方向に摺動可能になっている。

上記各案内軸５ａ，５ｂの端部は、受台６ａ，６ｂ上に
固定した軸受７，７・・・に支承されている上記受台６
ａ，６ｂには、ブラケット９，９・・・を介して油圧シ
リンダ１０ａ，１０ｂを設け、該各油圧シリンダ１０ａ
，１０ｂのロツドの先端を各間隙調整用ブロック４ａ，
４ｂの外側面に連結し、該各油圧シリンダ１０ａ，１０
ｂの操作により、各間隙調整用ブロック４ａ，４ｂを案
内軸５ａ，５ｂに沿ってその軸心方向に移動させるよう
にしている。

また受台６ａ，６ｂは、各間隙調整用ブロック４ａ，４
ｂを各軸受箱３ａ，３ｂとプッシュアップシリンダー２
ａ，２ｂ間より抜き出した際に上下動可能で、その両端
に下方に伸びる軸１５ａ，１５ｂを備え、該軸１ ５
ａ 、 １ ５ ｂをスタンド１ ａ，１ｂに固定した
案内筒１６ａ，１６ｂにより案内するようにしている。

一方上記各受台６ａ，６ｂの下方各スタンド１ａ，１ｂ
には、該各受台６ａ，６ｂ並びに各軸受箱３ａ，３ｂを
支持するための油圧シリンダー１１ａ，１ｌｂを固定し
ている。

該各油圧シリンダー１１ａ，１ｌｂのロッドの上端には
受台１２ａ，１２ｂを夫々固定しており、また該各受台
１２ａ，１２ｂには、各軸受箱３ａ，３ｂを押し上げる
ための１対の押し上げ軸１３ａ ，１３ｂを備えている
。

この押し上げ軸１３ａ，１３ｂは、受台１２ａ，１２ｂ
の上方に位置する受台６ａ，６ｂに固定した案内筒１４
ａ，１４ｂを上下方向に貫通して、その上端が、油圧シ
リンダー１１ａ，１ｌｂのロッド上昇時に軸受箱３ａ，
３ｂに接しこれを上方に押し上げるようになっている。

尚、図中１ ７ａ ， １ ７ｂに軸受箱３ａ，３ｂの
両側下方かつスタンドＩａ，Ｉｂ上に固定した圧下ロー
ルの案内レールである。

さて、圧下ロールを交換する際は、次の要領で行う。

先ず、油圧シリンダ１１ａ，１ｌｂを同時に操作して、
そのロッドを上昇せしめ、押し上げ軸１３ａ，１３ｂの
上端で軸受箱３ａ，３ｂを押し上げて間隙調整用ブロッ
ク４ａ，４ｂから若干隔離する。

この際、受台１２ａ，１２ｂの上面も受台５ａ，５ｂの
下面に当接して、該受ａ６ａ， ６ｂを案内軸５ａ ，
５ｂおよび間隙調整用ブ田ンク４ａ，４ｂとともに持ち
上げる。

したがって、間隙調整用ブロック４ａ，４ｂは、プッシ
ュアップシリンダー２ａ，２ｂ並びに軸受箱３ａ，３ｂ
の当板８ａ ，８ｂの何れとも非接触となる。

次いで、油圧シリンダ１０ａ ，１０ｂを作動せしめて
間隙調整用ブロック４ａ，４ｂを案内軸５ａ，５ｂに沿
って夫々内側に摺動せしめ、第１図中一点鎖線で示す如
く、軸受箱３ａ，３ｂとプッシュアップシリンダー２ａ
，２ｂ間より抜き出す。

次いで、油圧シリンダー１１ａ，１ｌｂの油圧を解放す
る。

そうすれば、軸受箱３ａ，３ｂは、案内軸５ａ，５ｂお
よび受台６ａ，５ｂを介して受台１ ２ ａ 、 １
２ ｂによって支承されながら、これらの自重により急
速に下降し、軸受箱３ａ，３ｂが案内レール１ ７ ａ
，１ ７ ｂ上に載置される，後は、この案内レール
１７ａ，１７ｂに沿って圧下ロールを引き出せばよい。

新しい圧下ロールを圧延機に設置する場合は、上記した
圧下ロールの引き出しと逆の操作をすればよい。

一般に、圧下ロールは摩耗により径寸法が減小するので
、圧延材のパスライン下方の圧下ロールはその減少量に
応じて上昇させねばならない。

こればプッシュアップシリンダ２ａ，２ｂで行ってもよ
いのは勿論であるが、間隙調整用ブロック４ａ，４ｂを
積層構造とし、圧下ロールの摩耗量に応じて一層ずつ増
加させるようにしてもよい。

こうすれば、圧下ロールの摩耗によるパスライン調整を
プッシュアップシリンダーで行う必要がないので、ブツ
ミュアツブシリンダーのストロークは圧延に必要な板厚
減少量分だけに減少させることができ、したがってプッ
シュアップシリンダーの小型化を図れる利点がある。

尚、上記実施例では間隙調整用ブロック駆動手段を油圧
シリンダー１０ａ ， １ ０ｂで構成しているが、こ
れに代えて、例えばネジ送り機構を用いでもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例に係る圧延機の要部を示す中
央縦断面図、第２図は第１図図示の圧延機の右側面図で
ある。 １ａ，１ｂ・・・スタンド、２ａ，２ｂ・・・プッシュ
アップシリンダ、３ａ，３ｂ・・・軸受箱、４ａ，４ｂ
・・・間隙調整用ブロック、１０ａ，１０ｂ・・・油圧
シリンダ，１１ａ，１ｌｂ・・・油圧シリンダ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右各スタンドハウジングに組み込んだ下ロール上
   方圧下用油圧圧下装置と圧下ロールの両端夫々に設けた
   各軸受箱との間に圧下伝達用ブロックを介在せしめると
   ともに、該各圧下伝達用フ七ツクを各スタンドハウジン
   グに昇降可に装着した案内軸に沿って圧下ロールバレル
   方向に移動せしめて各油圧圧下装置と各軸受箱間に対し
   て抜き差しするブロック２駆動手段を設け、さらに各圧
   下伝達用ブロックを移動させる際各軸受箱を支持する油
   圧装置を設けてなることを特徴とする圧延機。