JPS5827007B2 - 圧延機のロ−ルベンデイング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、圧延機のハウジング窓部に備えられているプ
ロジェクトブロック内に内蔵される圧延機のロールベン
ディング装置に関する。

近年、圧延製品の厚み精度に対する要求は厳しく、中間
ロールまたは補強ロールを軸方向にかつ上下互いに反対
方向に移動させたり、作業ロールを曲げさせるロールベ
ンディング装置等を採用し、圧延製品の形状制御を行な
うようにされている。

このようなロールベンディング装置を備える圧延機にお
いては、作業ロールのロールネックを圧延材料と反対側
に曲げて上下の作業ロール軸間距離を離間させるインク
リーズベンダーと、作業ロールのロールネックる圧延材
料側に曲げて上下の作業ロール軸間距離を接近させるデ
クリーズベンダーとを併用する必要がある。

また、ロール交換作業の迅速化、保守の容易化の面から
、最近の圧延機においては、各種操作シリンダーを圧延
機のハウジング窓部に備えられるプロジェクトブロック
内に収納するようにされている。

ところが、インクリーズベンダーおよびデクリーズベン
ダーの両者をプロジェクトブロック内に収納し、両者に
必要なストロークを与えることは、スペース的に非常に
困難である。

そこで、従来のロールベンディング装置に備える圧延機
においては、インクリーズベンダーのみをプロジェクト
ブロック内に収納し、デクリーズベンダー用のシリンダ
ーを上下の補強ロールチョック内に設けるようにされて
いる。

すなわち、第１図はこのような従来の圧延機のロールベ
ンディング装置を示す訣明図である。

ハウジング１の窓部両側にはプロジェクトブロック２が
備えられ、プロジェクトブロック２には上下の作業ロー
ルチョック３，４が案内されるようになっており、上下
の作業ロールチョック３，４にはそれぞれ上下の作業ロ
ール５，６が支持されている。

なお、プロジェクトブロック２の下端側にはレール突起
部７が備えられ、下作業ロールチョック４の下端側方に
は組替用車輪８が設けられている。

さらに、プロジェクトブロック２の上下には上下の補強
ロールチョック９，１０がハウジング１に支持され、各
補強ロールチョック９，１０にはそれぞれ上下の補強ロ
ール１１．１２が支持されている。

なお、プロジェクトブロック２と上補強ロールチョック
９との間には補強ロールバランスシリンダー１３が介在
されている。

また、プロジェクトブロック２の内部には、上作業ロー
ルチョック３との間に上インクリーズベンダー１４が内
蔵され、下作業ロールチョック４との間には下インクリ
ーズベンダー１５が内蔵されている。

さらに、上補強ロールチョック９には上デクリーズベン
ダー１６が内蔵され、上ダミーブロック１７を介して上
作業ロールチョック３に当接されている。

下補強ロールチョック１０には下デクリーズベンダー１
８が内蔵され、下デクリーズベンダー１８は下ダミーブ
ロック１９を介して下作業ロールチョック４に当接され
ている。

このような従来の圧延機のロールベンディング装置にお
いては、プロジェクトブロック２の内部にそれぞれ別体
の上インクリーズベンダー１４および下インクリーズベ
ンダー１５が上下方向に内蔵されており、従ってこのプ
ロジェクトブロック２の内部には上下のディフリーズベ
ンダー内蔵用のスペースがなく、上下のデクリーズベン
ダー１６．１８を上下の補強ロールチョック９，１０の
内部に内蔵せざるを得ない。

そこで、このような圧延機のロールベンディング装置に
おいては、上下の補強ロール１１．１２の交換に際して
上下のデクリーズベンダー１６゜１８に接続されている
油圧供給配管を着脱する必要があり、作業能率が低下す
る。

また、予備の補強ロールチョックにデクリーズベンダー
を設けることになり設備内容が複雑になる。

さらに、補強ロールチョックの軸受寸法の制限により、
デクリーズベンダーを形成するシリンダーの必要ストロ
ークを大きくすることができず、また、その必要ストロ
ークは作業ロール径の変化量のみならず補強ロール径の
変化量まで含めたストロークが必要となり、各ロール径
の変化に応じて前記ダミーブロック１７，１９を調整し
なければならないという問題点がある。

本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであっ
て、プロジェクトブロック内に内蔵されるインクリーズ
ベンダーのスペースヲ小すくシ、デクリーズベンダーを
もプロジェクトブロック内に収納することができる圧延
機のロールベンディング装置を提供することを目的とす
る。

本発明は、圧延機のハウジング前窓部に備えられるプロ
ジェクトブロック内に、上下作業ロール軸間距離を離間
させるインクリーズベンダーが収容される圧延機のロー
ルベンディング装置において、前記インクリーズベンダ
ーは、プロジェクトブロックに対して相対移動するイン
クリーズシリンダーおよびインクリーズピストンからな
るようにしたものである。

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第２図は本発明に係る圧延機のロールベンディング装置
の一実施例を示す説明図である。

ハウジング１の窓部にはプロジェクトブロック２０が備
えられている。

プロジェクトブロック２０の上端側および下端側にはそ
れぞれ上デクリーズベンダー２１および下デクリーズベ
ンダー２２が内蔵され、プロジェクトブロック２０の中
間部にはインクリーズベンダー２３が内蔵されている。

上下の作業ロールチョック３０，３１は、両側のプロジ
ェクトブロック２０に案内されると共に、両側に突出し
ている羽根部３２を上デクリーズベンダー２１または下
デクリーズベンダー２２と、インクリーズベンダー２３
とによって挾持され、上下の作業ロール５，６のロール
ネックにデクリーズペンディング力もしくはインクリー
ズペンディング力を作用させるようになっている。

第３図ないし第５図は、インクリーズベンダー２３を詳
細に示す説明図である。

インクリーズベンダー２３は、インクリーズシリンダー
２４とインクリーズピストン２５とを有している。

インクリーズシリンダー２４は、プロジェクトブロック
２０の上下方向中間部の内方への突起部の中央に設けら
れている枝孔内部に上下方向摺動可能に挿入され、外部
から圧油供給管２６が接続され、内部のインクリーズピ
ストン２５を移動させるようになっている。

また、インクリーズシリンダー２４のフランジ部２７は
、ばね２８を介してプロジェクトブロック２０に支持さ
れ、プロジェクトブロック２０に設けられている陥凹部
２０Ａに収容されるようになっている。

また、上下の作業ロールチョック３０，３１とプロジェ
クトブロック２０との間にはライナー２９が介在され、
インクリーズシリンダー２４がプロジェクトブロック２
０の側面から抜は出ることがないようにされている。

次に上記実施例の作用について説明する。

上下の作業ロール５，６にデクリーズペンディング力を
作用させる場合には、プロジェクトブロック２０に内蔵
されている上下のデクリーズベンダー２１．２２に圧油
を供給することにより、上下のデクリーズピストン２１
Ａ、２２Ａを作用させて、羽根部３２を介して上下の作
業ロールチョック３０．３１に圧延材料側に向かう荷重
を作用させる。

また、上下の作業ロール５，６にインクリーズペンディ
ング力を作用させる場合には、プロジェクトブロック２
０に収容されているインクリーズベンダー２３のインリ
ーズシリンダー２４に圧油を供給して、第４図に示され
るように、インクリーズシリンダー２４およびインクリ
ーズピストン２５の両者をプロジェクトブロック２０に
対して相対移動させる。

この相対移動によって、インクリーズシリンダー２４の
端部は羽根部３２を介して下作業ロールチョック３１に
インクリーズペンディング力を与え、インクリーズピス
トン２５の端部は羽根部３２を介して上作業ロールチョ
ック３０にインクリーズペンディング力を与える。

ここで、インクリーズシリンダー２４に対するインクリ
ーズピストン２５のストロークＳにおけるインクリーズ
シリンダー２４の端部からインクリーズピストン２５の
端部までの距離Ｈは、作業ロール５，６の径によって定
まる。

すなわち、プロジェクトブロック２０のインクリーズベ
ンター２３を支持している部分の厚みＷは一定であり、
プロジェクトブロック２０の上面からのインクリーズピ
ストン２５の突び出し量Ｌ１は作業ロール５゜６のプロ
ジェクトブロック２０に対する相対位置によって定めら
れる。

従って、ＨおよびＬｌが定まることにより、プロジェク
トブロック２０の下面からのインクリーズシリンダー２
４の突び出し量Ｌ２が定まり、インクリーズシリンダー
２４のこの相対移動量かばね２８に吸収される。

さらに、ロール組替作業等においては、インクリーズベ
ンダー２３のインクリーズシリンダー２４およびインク
リーズピストン２５は、第５図に示されるように、プロ
ジェクトブロック２０の厚みＷ内に収納される。

すなわち、インクリーズシリンダー２４はそのフランジ
部２７をばね２８によって付勢されて第４図に示される
状態からプロジェクトブロック２０の内部に引き込まれ
、インクリーズピストン２５はインクリーズシリンダー
２４の内部に収容される。

すなわち、ばね２８はこのような状態で釣合うような取
付寸法に設定されている。

上記実施例によれば、単一のインクリーズベンダー２３
をプロジェクトブロック２０の上下方向中間部に内蔵す
ることができ、従って、上下のデクリーズベンダー２１
．２２を補強ロールチョック９，１０に内蔵することな
くプロジェクトブロック２０の上下の端部に内蔵するこ
とが可能となる。

また、ロール組替作業時には、インクリーズシリンダー
２４およびインクリーズピストン２５の全体をプロジェ
クトブロック２０の内部に収容するようになっており、
組替作業の操作性が良好になる。

以上のように、本発明によれば、インクリーズベンダー
のプロジェクトブロック内に占めるスペースが小さくな
り、デクリーズベンダーをもプロジェクトブロック内に
収容でき、構造が部属で保守点検作業を容易に行なうこ
とができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例に係る圧延機のロールベンディング装置
を示す断面図、第２図は本発明に係る圧延期のロールベ
ンディング装置の一実施例を示す断面図、第３図は同イ
ンクリーズベンダーを示す断面図、第４図は第３図のＩ
Ｖ−ＩＶ線に沿う断面図、第５図は第４図の異なる作動
状態を示す断面図である。 ２０・・・・・・プロジェクトブロック、２１・・・・
・・上デクリーズベンダー、２２・・・・・・下デクリ
ーズベンダ、２３・・・・・・インクリーズベンダー、
２４・・・・・・インクリーズシリンダー、２５・・・
・・・インクリーズピストン、２８・・・・・・ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧延機のハウジング窓部に備えられるプロジェクト
   ブロック内に、上下作業ロール軸間距離を離間させるイ
   ンクリーズベンダーが収容される圧延機のロールベンデ
   ィング装置において、前記インクリーズベンダーは、プ
   ロジェクトブロックに対して相対移動するインクリーズ
   シリンダーおよびインクリーズピストンからなることを
   特徴とする圧延機のロールベンディング装置。 ２ 前記インクリーズシリンダーは、ばねを介してプロ
   ジェクトブロックに相対移動可能に支持されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の圧延機のロー
   ルベンディング装置。