JPS5834443B2 - 殺虫剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は０−８−ジメチルＮ−アセチルホスホロアミド
チオエート（以下アセフェートという）と０・０−ジエ
チルＳ−エチルチオエチルホスホロチオロチオネート（
以下エチルチオメトンという）を有効成分として含有す
ることを特徴とする殺虫剤組成物に関する。

従来、有機燐系殺虫剤は我国では果樹、疏菜の主要害虫
であるヨトウムシ、アブラムシ、クワフナカイガラムシ
類の防除等に特効薬として重要な殺虫剤であり多量に使
用されている。

しかしながら、使用される化合物によっては必ずしもそ
の効果が十分ではなく、作物の生育上好ましくない結果
が現われており、これらの主要害虫に対して有効な防除
薬剤の開発が急務となってきた。

本発明者等は従来の有機燐系殺虫剤では効果の十分でな
いヨトウムシ、アブラムシ、クワフナカイガラムシ類に
対しても高い防除効果を奏し得る薬剤を開発するため種
々研究した。

その結果、アセフェートとエチルチオメトンとを含有す
る殺虫剤組成物がそれぞれ単独の有効成分化合物では効
果の十分でないヨトウムシ、アブラムシ、クワフナカイ
ガラムシ類に対して極めて高い防除効果を発揮すること
を見い出した。

本発明に係る殺虫剤組成物の防除効果は各有効成分を単
独で施用した場合の相加効果からは予想もできない程の
大きな相乗効果を発揮し、しかも有用植物には何ら薬害
を与えることがなく、単独成分を施用した場合には見ら
れない異種の防除効果を発揮する。

本発明に係る殺虫剤組成物はアセフェートとエチルチオ
メトンとを混合してなるものであるが、アセフェートに
エチルチオメトンを少量添加するだけでアセフェートの
殺虫効果を相乗的に増加させることができる。

またエチルチオメトンにアセフェートを少量添加するだ
けでエチルチオメトンの殺虫効果を相乗的に増加させる
ことができる。

更に本発明の殺虫剤組成物はウンカ、ヨコバイ類、ニカ
メイチュウなどの水稲害虫やアオムシ、コナガ、ハスモ
ンヨトウ等の疏菜害虫、ならびにコカクモンハマキ、ハ
モグリ力、ダニ類などの果樹害虫に対しても単独成分を
施用した場合をはるかに上まわる高い防除効果を発揮す
る。

本発明に係る殺虫剤組成物は公知の処方にて粉剤、乳剤
、粒剤、水和剤、微粒剤などの適宜の形態に調剤するこ
とができる。

担体としては農園芸用薬剤に常用されるものなら固体ま
たは液体のいずれでも使用でき、特定のものに限定され
るものではない。

例えば固体担体としてはタルク、クレー、カオリン、シ
リカ、げいそう土、ベントナイトなどが使用でき、液体
担体としてはキジロール、メチルナフタレン、シクロヘ
キサノンなどの溶剤が使用できるが、勿論これらに限定
されるものではない。

また農園芸用薬剤に使用される補助剤、例えば乳化剤、
湿潤剤、展着剤、分散剤などを添加して効果の確実向上
も期待できる。

次に本発明に係る殺虫剤組成物の実施例を若干挙げるが
、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

なお以下の実施例中部は重量部を示す。

実施例 １ エチルチオ７１７２０部、アセフェート４０部、ナフタ
レンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物３部、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ５部およびクレー３２部を均
一に混合粉砕して水和剤を得た。

実施例 ２ エチルチオ７１７２部、アセフェート１部、ホワイトカ
ーボン１部、タルク２０部およびクレー７６部を均一に
混合粉砕して粉剤を得た。

実施例 ３ エチルチオ７１７１部、アセフェート１部、ＰＶＡ
１部およびクレー９７部を均一に混合粉砕して加水しな
がら転動造粒し、乾燥篩別して６５〜２５０メツシユの
微粒剤を得た。

実施例 ４ エチルチオ７１７１部、アセフェート４部、ドデシルベ
ンセンスルホン酸ソーダ１．５部、ヘントナイ）１０部
およびクレー８３．５部を均一に混合した後、加水練合
し押出し造粒機にて造粒した後乾燥、整粒および篩別し
て粒剤を得た。

次に本発明に係る殺虫剤組成物の有用性を試験例により
具体的に説明する。

試験例 １ モモアカアブラムシに対する除際効果試験草丈１５〜１
８Ｃ７７１，葉数１２枚前後のカンラン植ホット（径１
４ＣｒＩＬ）に実施例に準じて調製した粒剤を所定量ず
つポットの土壌表面に散布し、その１０日後に葉を切り
取りプラシャーレに入れ、そこへモモアカアブラムシを
２０匹ずつ放し２４時間後の仰転虫率を調べた。

−区５連制で試験し平均仰転虫率（％）を算出した。

その結果は第１表のとおりである。

ダイアジノンは化学名チオリン酸０・０−ジメチル０−
２−イソプロピル−４−メチル−６−ピリミジニルを含
有する市販の殺虫剤である。

第１表のデータに基づいて下記のカーペンタ−（Ｃａｒ
ｐｅｎｔｅｒ ｅｔ ａｌ ）の式〔ジャーナル オプ
アグリカルチエラル アンド フードケミストリー 第
６巻第１号（１９６１））によりＬＣ９゜（９０％致死
薬剤濃度）期待値を求め実測値との対比から、有効成分
を混合することによる殺虫効果の共力度を算出した。

この場合、共力度が１は相加的効果を示し、■より小さ
い場合は拮抗的効果を示し、１より犬ぎい場合は相乗的
効果を示す。

そして、共力度が２以上の場合は相乗的効果が顕※著で
あることを示す。

その結果は第１ １表のとおりである。

試験例 ２ ツマグロヨコバイ防除効果試験 直径が２ｃｒｎで長さが６ｃＩｎの犬ぎさのガラス製管
瓶に実施例に準じて調製した粒剤を所定量入れ、これに
２．５葉期の稲苗（品種：クサブエ）を２本浸根し、２
４時間放置した。

その後金網ゲージによって稲苗を覆い、その中へ累代飼
育中のツマグロヨコバイ（愛媛県松前町中川原より採集
したもの）の成虫を２０匹放ち、２４時間後に仰転虫率
（％）を調べた。

試験は３区制で行ない、平均仰転虫率を算出した。

また、次の基準でイネに対する薬害を調査した。

その結果は第２表のとおりである。

薬害の調査基準 ５：激甚 ４：甚 ３：多 ２：少 １：極少 ０：無 ※ 表中比較薬剤Ａは化学名ジエチル２−イソプロピル
−４−メチル−６−ピリミジニルホスホロチオネートを
含有する市販のダイアジノン５％粒剤を比較薬剤Ｂは化
学名０−クメニルメチルカーバメートを含有する市販の
ＭＩＩＰＣ４％粒剤である。

前記と同様な方法により、第２表のデータに基づいて、
ツマグロヨコバイに対するＬＣ９ｏ値と共力係数を求め
た。

その結果は第２−１表のとおりである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １０・Ｓ−ジメチルＮ−アセチルホスホロアミドチオエ
   ートと０−Ｏ−ジエチルＳ−エチルチオエチルホスホロ
   チオロチオネートとを有効成分として含有することを特
   徴とする殺虫剤組成物。