JPS5833290B2 - 酸素底吹き転炉 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は酸素底吹き転炉に関するもので、炉底部に埋
設した同心の２重管精錬羽口を所って、該炉底より精錬
用酸素ガスとともに炭化水素系冷却ガスを同時噴気して
銑鉄の酸化脱炭精錬を行なう炉に係るものである。

一般に、上吹きのＬＤ転炉の場合、吹錬の目的に応じて
昇降ランスを上下させたり、送酸量を増減させる操業が
可能である。

これに対し底吹き転炉の場合にあっては、かような制御
ができず、例えば炉底羽口からのガス噴射に際しては、
溶鋼静圧および吹き抜は現象による臨界ガス流量がある
ため、送酸量の自由な調節が著しく制約されている。

また、酸素との反応性を有する粉状の添加剤を炉底精錬
羽口を通して噴出させると、羽口管内で酸化して成分調
整等の所期の目的が達成できなくなるばかりでなく、酸
化反応熱により羽目を損傷するといった欠点があった。

この発明の目的は、上述の従来技術の欠点を克服するこ
とにあり、炉体の底部あるいは側壁部分に精錬羽口とは
別に１ヶ以上複数個の補助羽口を設けることにより、成
分調整など自由な操業コントロールができる酸素底吹き
転炉を提案する。

以下にその構成の詳細を図面にもとづき説明する。

この発明に係る転炉は、鋼製の外皮内に耐火物をライニ
ングしたものである。

その炉体の底部には酸化性ガスを流して酸化脱炭精錬を
行なわせるための多数の精錬羽口１を具えている。

この精錬羽口１は、同心の２重管で、通常その内管１ａ
からは精錬用酸素ガスを噴射して酸化精錬を行なわせ、
また外管１ｂからは羽目保護のための炭化水素系冷却ガ
スを通過させ、その冷却ガスの熱分解に際して生ずる吸
熱反応を利用して該精錬羽口１を冷却する。

さらに、前記精錬羽口１とは別に炉底や炉壁には、１つ
以上複数個の補助羽口２が設けである。

この補助羽口２は、吹錬に際して炉内に溶湯を受入れた
状態では湯面下にあって、溶湯中に浸漬されている。

したがって、常態ではこの補助羽口２の場合、溶鋼の侵
入を坊げる最小量のＡ ｒ ５ Ｎ ２などの不活性ガ
スが流される。

かかる補助羽口２の使用は、例えば精錬羽口１の内管１
ａに酸素または窒素ガスとＣａＯを流す一方、外管１ｂ
にはＣ３Ｈ８ガスを流し、また該補助羽口２からは不活
性ガス、副原料を流すことにより、■ステンレス吹錬に
際してのＡｒ−０２比率の調整、■溶鋼中Ｓｉ、Ｍｎ、
Ｃｒの成分調整、をする際に有効である。

すなわち、前記補助羽口２から不活性ガスを搬送ガスと
してＦｅ−８ｉ 、 Ｆｅ−Ｍｎ等を噴射する。

これはＣａＯなどと異なり、精錬羽口１から吹込むと、
羽口管内で酸化し、溶鋼中での歩留が悪くなるばかりで
なく、酸化反応熱により羽口損傷の危険性があるためで
ある。

したがって、本発明の底吹き転炉は、易酸化性側原料粉
を鋼浴中に直接吹込むのに、精錬羽口とは別に還元性ガ
スあるいは不活性なガス供給源につながる補助羽目を通
して噴射できるように、かかる構成からなる補助羽目を
炉底〜炉壁に設けたのである。

要するに、本発明転炉は易酸化性副原料を吹込むのに便
利に供されるものである。

さらに、■吹錬終点Ｃ濃度の調整や、■終点鋼浴温度調
整のための加炭材、Ｍｅｌｔ、Ｓｉの吹込み、あるいは
、■脱燐を促進するための粉末状鉱石の吹込みにも同様
の意味で利用される。

また、■脱硫を促進する場合にも、不活性ガスを搬送ガ
スとして、ＣａＣ２の酸化を抑えるべく補助羽口２から
ＣａＣ２＋ＣａＦ２等の脱Ｓ剤を吹込むことによって行
なう。

図面の第５図中のプロットは、補助羽口１本当り、２０
０〜３０ＯＮｌ−Ｎ２／癲、時間：８分間、処理量６０
ｔでの本発明の実施例であり、従来のインペラー法イあ
るいはＡＴＨ−８ＫＷ法によるもの口と比較して示す。

この図から解るようにこの発明に係る転炉の方が脱硫効
率が優れている。

このことから、補助羽口２を有する酸素底吹き転炉にお
いては、溶銑脱硫時、精錬用羽口の内外管よりＮ２ガス
を吹込み、また、補助羽目からはＮ２ガスとともに脱硫
剤を吹込む。

そして、排滓後の酸化精錬時には、内管より０２ 、Ｃ
ａＯを、また外管からはＣ３Ｈ８等の冷却ガスを吹込む
一方、補助別口からはＮ２を吹込むことにより、溶銑脱
硫と酸化精錬を同一の炉で行なうことが可能であり、省
力化およびコスト的に多大のメリットが得られている。

図面の第６図は、出鋼に当り倒炉した際湯面と炉口を結
ぶラインの延長上に、炉口を指向する向きの補助羽口２
を設け、排滓に当ってこの補助羽口２から不活性ガスを
湯面に向けて吹きつけ、湯面上のスラグをこのガスで押
し流すことにより排滓を促進させる実施例である。

なお、この場合の補助羽口２は排滓側の反対側に複数個
設置するとよい。

以上説明したようにこの発明に係る転炉によれば、脱燐
・脱硫に優れているとともに、Ｓｉ、ＭｎｙＣｒ等の成
分調整、吹錬終点Ｃ濃度の調整、終点鋼浴温度の調整な
どを、容易に行なうことができ、またそれらを達成する
ための操業のコントロールも極めて容易である。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図は補助羽目を炉底にとりつけた場合の炉底
部の平面図、第２図は補助羽口を炉壁にとりつけた場合
の縦断面図、第３図は本発明実施態様の１つを示す断面
図、第４図は脱硫率に及ぼす従来例との比較を示す図、
第５図は排滓用補助羽目の例を示す断面図である。 １・・・・・・精錬羽口、１ａ・・・・・・精錬羽口の
内管、１ｂ・・・・・・精錬羽口の外管、２・・・・・
・補助羽目。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外管には冷却用炭化水素系ガスを、また内管には精
   錬用酸素ガスを流す同心の２重管精錬羽目を炉底部に有
   する酸素底吹き転炉において、吹精時に湯面下に位置す
   る炉壁あるいは炉底部に、搬送に使う還元性ガスあるい
   は不活性なガスの供給源に連通させた易酸化性側原料粉
   吹込み用補助羽口を設けたことを特徴とする酸素底吹き
   転炉。