JPS5833005Y2 - パツシブベルト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌等におけるパッシブベルト装置に係り、特
にドアーの開放により巻取装置からベルトを引き出す際
に生じる巻取シャフトの回動を利用し、乗員拘束用ベル
トをドアー内側において下方の拘束位置から上方の解放
位置へ移動させるようにしたパッシブベルト装置に関す
るものである。

従来より提案されているパッシブベルト装置は電動機構
を利用してベルトを拘束位置から解放位置に移動させる
ものや、ドア舷の開放動作に伴って作動する機械式のも
のが多く、これらは特にその構造が複雑であるため故障
を生じ易い欠点を有し、また製造に要する費用も多大と
なると共に、耐久性の面から見ても充分でない懸念を有
していた。

本考案はかへる従来のパッシブベルト装置の実情に着目
し、その欠点を解消すべく考案されたものであって、ド
アー開放時において該ドアーの開放動作に伴なうドアー
開放側下部に設けた巻取装置の巻取シャフトの回転力を
渦巻きバネを介して駆動用プーリーに伝え、更に該プー
リーとドアー内側上部に軸着したプーリーとの間に張設
したワイヤ一部材によりベルトガイド部材を上下動させ
該ガイド部材に挿通した前記巻取装置から引き出される
乗員拘束用ベルトの引き出し部をドアー内側において下
方の乗員拘束位置から上方の解放位置まで引き上げ、乗
員の乗降を容易ならしめるようにした構成を特徴とする
ものである。

以下更に本考案の具体的内容を添付図面に示す実施例に
もとづいて詳細に説明する。

第１図は本考案装置を適用したパッシブベルト装置の一
態様を図示したものであり、図において１は自動車の車
体、２はドアー、３はドアー２の開放側中間位置に止着
した緊急ロック式リトラクタ−であって、該リトラクタ
−３内には乗員の肩部を拘束するショルダーベルト４が
巻き込み付勢され収納されており、該ベルト４の引き出
し部はドア−２開放側上端部に止着したスルーアンカー
５に挿通された後、折返されて座席シート６上を斜め下
方に下降し、車床中央部に取着したバックルストーク１
に対し係脱可能に設けたトング８に縫着固定されている
。

また９は本考案の要部をなすベルト引き上げ機構で、そ
の詳細は第２図および第３図に図示する如くドア−２開
放側下部に設けた巻取装置１０と、該巻取装置１０の作
動に伴って乗員の腰部を拘束するランプベルト１１をド
アー２内側において拘束位置から解放位置まで引き上げ
るベルト昇降機構１２からなるものである。

即ち巻取装置１０はそのフレーム中央部に貫挿され、ス
プリング１３力により常時巻込付勢された回動可能な巻
取シャフト１４を備えており、更にその下部には該巻取
シャフト１４の回転を係止するパウル１５とドアーの開
閉に対応して出没し該パウル１５を傾動させるビン１６
とを備えている。

また一方前記巻取シャフト１４はそのベルト巻取部の両
側にラチェットギア１１が固着されており、ドアー２を
閉鎖した際、前記ビン１６が車体１側に設げた当接具１
８と当接Ｌパウル１５を傾動させて該ラチェットギア１
１に係合して巻取シャフト１４の回転を停止させる如く
構成もている。

更にベルト昇降部材１２は上記巻取装置１０に一体的に
設けられており、巻取装置１０の巻取シャフト１４の一
端に前記ラップベルト１１０巻き方向と反対の巻きを有
する渦巻きバネ１９の内端を止着し、更に該渦巻きバネ
１９の外端を巻取シャフト１４と同軸的に回動可能に設
けた駆動用プーリー２０に止着し、前記巻取シャフト１
４と、該駆動用プーリー２０が渦巻きバネ１９を介して
連結され同時的に回転するよう構成している。

一方、図中２１はドアー２の上部前方位置に軸着した従
動プーリーであって、該従動プーリー２１と前記駆動用
プーリー２０との間にはワイヤ一部材２２が張設され、
該ワイヤ一部材２２の中間部；にはベルトガイド部材２
３が止着されて該部材２３には巻取装置１０に巻取収納
されたラップベルト１１の引き出し部が挿通され前記シ
ョルダーベルト４と同様にシート６上を横切って延び車
輌中央側のバックル７に係脱するトング８に縫着されて
１いる。

２４は前記ベルトガイド部材２３の移動の上限を設定す
るストッパーを示している。

なお前記ワイヤ一部材２２は通常両プーリー２０．２１
間に亘り成る程度の張力を有して張設されるが、駆動用
プーリー２０とのスリップを防止し、係着度合を更に良
くするためには該プーリー２０に対し複数回の巻き着け
を行っておくことが好ましい。

本考案は上記の如き構成から成るものであり、次にその
使用態様について説明すると、先ずドアー２を閉鎖し、
乗員が着座する状態においては、ショルダーベルト４お
よびランプベルト１１は夫夫リトラクタ−３および巻取
装置１０内に格納され乗員の拘束を行う。

なおラップベルト１１が巻取装置１０内に格納される時
、該巻取装置１０における巻取シャフト１４は第２図に
おいて時計方向に回転しこれに伴って駆動プーリー２０
も同方向に回転するためベルトガイド部材２３が下降し
て巻取装置１０に接近しラップベルト１１を拘束位置に
下降させ好適な乗員拘束状態を得ることが出来る。

次にドアー２を第１図の如く、開放し乗員が降車しよう
とする時は、ショルダーベルト４およびランプベルト１
１は夫々リトラクタ−３および巻取装置１０から引き出
される。

このようにラップベルト１１が巻取装置１０から引き出
される時第２図において巻取シャフト１４は反時計方向
に回転し、またこれに伴って駆動用プーリー２０も同方
向に回転するためベルトガイド部材２３は上昇してラッ
プベルト１１を拘束位置から上方の解放位置まで移動さ
せ乗員の降車を容易ならしめる。

なおドアー２の半開状態までガイド部材２３の上昇が行
われ、該ガイド部材２３がストッパー２４にに当接した
後は駆動プーリー２０が回転を停止してもラップペット
１１の引出しが続行し、巻取シャフト１４のみが回転を
続けるためその後ドアー２を全開する間はプーリー２０
とシャフト１４との間に介在させた渦巻きバネ１９が巻
き締められることになる。

なお、ドアー２の開閉に対応してビン１６の作用によっ
てパウル１５がラチェットギア１７と係合するときはベ
ルト１１の引き出しが阻止されるか、緊急ロック式に切
り替えられることは公知の通りである。

本考案は叙上の如くドアーに止着した巻取装置の巻取シ
ャフトの巻戻りの回転によりドアー半開放時ベルトを拘
束位置から解放位置まで全部移動させた後は、ドアーの
全開放に伴なって巻取シャフトが、渦巻きバネを巻締め
ながらベルトのみを引出させて、ドアー開放運動を吸収
させるようにしたもので、従来の如き複雑な構成を必要
と巳ないものであるから故障も全くなく装置コストも低
廉であるにもかへわらず乗員の車輌への乗降を極めて円
滑にする利点を有し、しかも車輌の大巾な設計変更を要
せずして取付けが可能であるなど種種のすぐれた効果を
有するパッシブベルト装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案パッシブベルト装置の一例を示すドアー
開放時の外観斜視図、第２図及び第３図は本考案の要部
をなすベルト引き上げ機構の側面図ならびに正面図であ
る。 １・・・・・・車体、２・・・・・・ドアー ３・・・
・・・リトラクタ−５４・・・・・・ショルダーベルト
、５・・・・・・スルーアンカー、６・・・・・・座席
シート、１０・・・・・・ランプベルト巻取装置、１１
°・・・・・ラップベルト、１４・・・・・・ベルト巻
取シャフト、１５・・・・・・バウル、１６・・・・・
・ビン、１７・・・・・・ラチェットギア、１９・・・
・・・渦巻きバネ、２０・・・・・・駆動プーリー ２
１・・・・・・従動プーリー、２２・・・・・・ワイヤ
一部材、２３・・・・・・ベルトガイド部材、２４・・
・・・・ストッパー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 車体１中央側において係脱可能なるラップベルト１
   １が、シート６上に延びその先端がドアー２内側の開放
   側下部に止着したランプベルト巻取装置１０に引出し可
   能に巻着されるベルト装置において、前記巻取装置１０
   のベルト巻取シャフト１４に、該シャフト１４と同軸的
   にベルト巻着方向とは反対の方向に巻かれた渦巻きバネ
   １９を介して止着される駆動プーリー２０と、一方、ド
   ア−２内側上部のベルト解放位置に止着した従動プーリ
   ー２１と、前記、両プーリー２０．２１間に亘って張設
   されるワイヤ一部材２２の中間部に設けた前記ラップベ
   ルト１１挿通のベルトガイド部材２３と、該ガイド部材
   ２３の上昇上限を規制するストッパー２４とを有するベ
   ルト昇降機構１２よりなり、ドアー２の半開時に、前記
   、巻取装置１０からのベルト１１引き出しに伴う巻取シ
   ャツ４１４０回転で渦巻バネ１９を介して駆動プーリー
   ２０を回転せしめ、ベルトガイド部材２３をストツバ−
   ２４に当接する位置まで上昇させてベルト１１を全解放
   せしめるとともにドアー２半開から全開までは、昇降機
   構１２の渦巻きバネ１９が巻締められてドアー開放運動
   を吸収することを特徴とするパッシブベルト装置。 ２ 車体１中央側の係脱可能なるトング８Ｖｃ一端を止
   着してドア−２開放側上部に設けたスルーアンカー５内
   を挿通しドアー開放側中間に取着したりトラクター３に
   他端を引き出し可能に巻着収容せしめたショルダーベル
   ト４を有してい実用新案登録請求の範囲第１項記載のパ
   ッシブベルト装置。 ３ ランプベルト巻取装置１０がラチェットギヤ１７を
   巻取シャフト１４に有しており、該ラチェットギヤ１７
   にドアー２の開閉によって出没するビン１６により傾動
   するパウル１５が保合離反するように設けられている実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のパッシブベルト装置
   。