JPS5832902Y2 - ポリウレタン樹脂混合装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ポリウレタン樹脂の各成分を混合室内に注
入し、該混合室内において混合、攪拌する混合装置の改
良に関する。

従来、ポリウレタン樹脂の成形においては、化学的に反
応する各樹脂成分を各々の注入口より混合室内に噴出し
、あるいは衝突による向流混合により、あるいは該混合
室内で回動する攪拌器により、両成分を混合して、成形
型へ吐出する装置が知られている。

この装置においては、ポリウレタン樹脂混合液の成形型
への吐出を間欠的に行なうために、各樹脂成分の送入導
管と前記注入口の間にロータリ弁を設けて、各樹脂成分
の混合室内への注入と各成分タンクへの循環送入とを切
替制御することが行なわれている。

そして、各樹脂成分の流量を安定させ、その攪拌効率を
高めるために、混合室内の注入口には噴射ノズルが取り
付けられるのが通常である。

しかしながら、このように混合室内の注入口に噴射ノズ
ルが取り付けられた混合装置にあっては、まず第１に混
合停止時である各樹脂成分の循環送入時においては、噴
射ノズルによって高められていた該樹脂成分の流体圧力
が著るしく低下するので、混合再開時における初期流速
を調整する必要が生じ、そのために循環回路中に絞り弁
とかノズルを付加して該圧力を一定に保持しなければな
らなかった。

第２に、混合室の注入口に噴射ノズルを取り付けた場合
、混合時にポリウレタン樹脂の反応性原料が該ノズルに
付着するために非常につまりやすいという欠点があった
。

もちろん、混合停止時には溶剤その他の方法で、混合室
内を洗浄するのであるが、注入口の噴射ノズル部分は口
径が小さいので十分洗浄できないのである。

この考案は、このような点に鑑みて考案されたものであ
って、従来混合室の注入口に取り付けられていた噴射ノ
ズルを、ロータリ弁の流出口に一体に取り付けたことに
その特徴を有する。

以下添付の図面に従ってこの考案の詳細を説明する。

第１図は、この考案の一実施例を示す混合装置であって
、混合室１０内の各注入口１１．１２より注入された樹
脂成分Ａ、Ｂは攪拌器３０によって攪拌、混合され、吐
出口４０より成形型へ送入される。

各樹脂成分Ａ、Ｈの送入導管１７．１８は、それぞれの
ロータリ弁１３．１４の切替によって、混合室１０の注
入口１１．１２又は各成分タンク（図示せず。

）への戻り導管１９．２０へ接続できるように構成され
ている。

ロータリ弁１３．１４の混合時における注入口１１．１
２と接続する流出口１３ａ、１４ａには、噴射ノズル２
１．２２が一体に取り付けられている。

第２図は、混合時における樹脂成分Ａ側のロータリ弁１
３近辺の断面図である。

すなわち、混合時においては、ロータリ弁１３が送入導
管１７と注入口１１とを接続する位置に移動し、該ロー
タリ弁１３の注入口側の流出口１３ａに取り付けられた
噴射ノズル２１を通じて樹脂成分Ａが混合室１０内に注
入される。

なお、この場合において、噴射ノズル２１と注入口１１
間の間隔を短かくすることが、噴射効率を高める上で好
ましい。

反対側の樹脂成分Ｂも上述と全く同様に構成されている
。

第３図は、混合停止時においてロータリ弁１３が切換え
られ、送入導管１７と戻り導管１９とが接続されて、樹
脂成分Ａが該成分タンクに循環する場合を示すものであ
る。

この場合において噴射ノズル２１が取り付けられたロー
タリ弁１３の流出口１３ａは、戻り導管１９側（又とき
には送入導管１１側）に位置することになり、該ノズル
２１を通過する樹脂成分Ａは噴射しながら循環経路を流
れることとなる。

もう一方の樹脂成分Ｂにおいても全く同様である。

なお、第１図では混合室１０に攪拌器３０を内蔵するも
のを示したが、この考案はこの攪拌器を有しない、樹脂
成分の衝突により向流混合する、いわゆる高圧式混合装
置においても実施しうるものである。

このようにこの考案にあっては、ロータリ弁自体に噴射
ノズルを取り付けたので、混合時においも混合停止中の
循環時においても各樹脂成分の流体圧力は常に一定とな
る。

第４図は、従来の注入口に噴射ノズルを取り付けたもの
であるが、この従来のものにおいては循環時の圧力低下
がはなはだしい。

この考案は、上述したように、ロータリ弁自体に噴射ノ
ズルを一体に装着したので、樹脂成分の循環送入時にお
いても該成分の流体圧力は常に一定に保持される。

従って、混合再開時においても、ロータリ弁の切換えの
みによって所望の初期流速が直ちに得られ、従来のよう
な循環回路中に絞り弁やノズル等の特別な装置を配設す
る要が全くなくなる。

また、混合室の注入口には、噴射ノズルが取り付けられ
ていないため、ポリウレタン樹脂の反応性原料が付着し
ても洗浄が極めて容易となり、混合工程の作業能率は一
段と向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す混合装置の断面図
、第２図および第３図は、ロータリ弁の作動状態を示す
断面図、第４図は、従来の混合装置におけるロータリ弁
の断面図である。 １０・・・・・・混合室、１１．１２・・・・・・注入
口、１３゜１４・・・・・・ロータリ弁、１７．１８・
・・・・・送入導管、１９．２０・・・・・・戻り導管
、２１．２２・・・・・・噴射ノズル、３０・・・・・
・攪拌器、４０・・・・・・吐出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各樹脂成分の混合室内への注入および各成分タンクへの
   循環送入をロータリ弁の切換によって制御する混合装置
   において、該ロークリ弁の流出口に噴射ノズルを一体に
   設けたことを特徴とするポリウレタン樹脂混合装置。