JPS5832211B2 - 転炉出鋼口の簡易補修法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、転炉出鋼口の簡易補修法に関するものである
。

転炉の出鋼口は、出鋼のたびにスラグ及び溶鋼と触れる
ので、溶損され、次第に拡大されて行く。

この出鋼口は、出鋼口の溶損がパーマ材に達するまでに
新しく孔巻をしなければならないが、この出鋼口の孔巻
作業は、通常１２０分以上を必要とするものであって、
転炉の稼動率を著しく低下させる要因ともなっている。

従って、この孔巻作業は、転炉の定修中こ行なうのが一
般的ではあるが、例えば、転炉の定修中ま、１週間に１
回の間隔で設けられているのに対し転炉の出鋼は、約４
０分間隔で連続出鋼されるものであって、定修日を待た
ずに孔巻を必要とすることが多く発生し、このために、
転炉の稼動率を著しく低下させている。

また、溶損により拡大した出鋼口からの出鋼は、ノロ切
が悪く、多量のスラグが受鋼トリベに流出し、このため
に、トリベ添加されるＦＭｎ 、 Ｓ ｉＭｎ及びＭＡ
ｌ等の歩留が悪く、成品の成分調整は不安定となる。

更に、Ｐの含有が制約される高炭素特殊鋼は、トリベ中
においてスラグからの復Ｐが起こり、品質の低下をきた
し、不合格品となることも多く発生する。

上記のように、各種の幣害を伴う転炉の出鋼口の拡大に
対する対策として、従来から次ぎのような補修を行なっ
ている。

すなわち、添付図面の第１図に示すように、炉裏デツキ
１において、出鋼口２内に炉外からその敷３に、マグネ
シア、ドロマイト等の補修材料４をヘラを用いて塗付す
るという補修を行なっている（なお、図中、５はパーマ
材を示すものである）。

しかしながら、出鋼口２の溶損の状態は、第１図に示す
ように、出鋼口２の炉内側における溶損（図中、Ｘ印に
よって示した部分）が特に著しいにもかかわらず上記の
ような方法によっては、炉外から補修を行なうので、炉
内部の溶損部分（Ｘ間部分）を十分に補修することはで
きない。

また、上記のような方法においては、出鋼口２の側部か
ら上部へかけての補修は、補修材料４の付着が十分では
ないので、困難を極めることなどの理由によって、必ず
しも十分な補修を行なうことはできなかった。

本発明は、従来の補修法における上記のような欠点を解
消した転炉出鋼口の簡易補修法を得ることをその目的と
するもので、このために、本発明においては、出鋼口に
マグネシア、ドロマイト等の補修材料を充てんしたのち
に、出鋼口を炉外から開孔機を用いて開口することを特
徴とするものである。

以下、本発明方法をその実施の要領を示す添附図面の第
２及び３図に基づいて詳細に説明する。

第２図に示すように、出鋼後の転炉炉体１０を、４裏デ
ツキ１に炉口１１が向くように傾動させる。

この状態において、出鋼口２に炉外からタールボタ１２
を５０〜２００ｍｍ程度の厚さに詰め、続いて、炉口１
１から吹付はガン１３を用いて、加水しながらマグネシ
アクリンカ−１又は、ドロマイトクリンカ−等の補修材
料１４を出鋼口２に吹付け、出鋼口２を閉塞する。

次いで、傾動した炉体１０を起こし、第３図に示すよう
に、出鋼口２を４裏デツキ１に設けた開孔機１５の先端
位置に合わせ、開孔機１５のカッター１６の軸と出鋼口
２の中心軸とを合わせたのち、開孔機１５を運転して炉
内に向かって開口する。

なお、この場合、開口は、出鋼口２を閉塞した補修材料
１４が、出鋼口２の壁と触れる部分が出鋼口２の壁に既
に強固に焼着しているが、それよりも内部は、わずかに
固化する程度である状態の時が、開口に対する条件とし
ては、好適なものであって、この時には、わずかな力に
よって容易に開口することができる。

この条件は一般に、上記のような作業を順次実施する際
に自然に達成され、従って、本発明による補修は、４〜
７分程度の短時間で完了することができる。

また、本発明法の施工は１回の補修によって、５５回以
上の出鋼回数に耐えることができるものである。

以上のように、本発明方法を実施することによって、次
ぎのような効果を得ることができる。

すなわち、 （イ）従来のような不規則な孔巻作業を無くシ、定期修
理日まで出鋼口の寿命を自在に延長させることができる
こと （ロ）出鋼口を短時間内に且つ容易に補修することがで
きるので、カッター径を変えることによって出鋼口の径
を自在に変えることも可能であり、これによって、スラ
グの流出量を調整することができ、従って、合金の歩留
の向上、特殊鋼における復Ｐの防止にも有利となること （ハ）出鋼口を完全に補修することができ、従来の補修
法に比べて孔巻期間を実績によると、２．５倍以上にも
延長することができること 等である。

【図面の簡単な説明】

第１図は転炉の従来の出鋼口の補修要領を示す拡大断面
図、第２図は本発明方法による出鋼口の補修要領を示す
一部切断全体図、第３図は第２図の拡大断面図である。 １・・・・・・４裏デツキ、２・・・・・・出鋼口、３
・・・・・・出鋼口の敷、４・・・・・・補修材料、５
・・・・・・パーマ材、１゜・・・・・・炉体、１１・
・・・・・炉口、１２・・・・・・タールボタ、１３・
・・・・・吹付はガン、１４・・・・・・補修材料、１
５・・・・・・開孔機、１６・・・・・・カッター。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶損した転炉出鋼口に補修材料を充てんした後、固
   化状態にある補修材料を炉外から開口することによって
   出鋼口を形成するようにしたことを特徴とする転炉出鋼
   口の簡易補修法。 ２ 補修材料としてマグネシア、ドロマイト等を使用す
   るようにした特許請求の範囲第１項記載の補修法。 ３ 補修材料を出鋼口に吹付はガンを用いて充てんし、
   また、開孔機を用いて開口するようにした特許請求の範
   囲第１又は第２項記載の補修法。