JPS5831916B2 - 自動培養装置におけるシヤ−レの蓋開閉装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動培養装置に用いられる生体組織及び細胞
培養用シャーレの蓋を開閉するための装置に関するもの
である。

生体組織及び細胞の培養技術は、医学、生物学、薬学、
農学等あらゆる学術分野における不可欠な基礎実験技術
である。

従来、かかる生体組織及び細胞の培養は、経験を積んだ
熟練者によって行われていたが、人為的操作のため一定
の条件の下で培養を行い得ず培養された生体組織及び細
胞が熟練者の経験或は技能によって影響を受けること、
又生体組織及び細胞の増殖状態を顕微鏡でチェックする
ため一定ガス雰囲気に保たれた培養箱より生体組織及び
細胞をしばしば外気中に取り出す必要がありその際外気
によって生体組織及び細胞の培養状態が微妙に変化し或
は外気中の有機物もしくは無気物によって汚染されるこ
と等から、近年生体組織及び細胞培養の統一化、標準化
を目的とした自動培養装置が開発されるに至った。

かかる生体組織及び細胞の自動培養装置においては、生
体組織及び細胞は、培養液にて希釈された後シャーレ内
に分注され、シャーレの蓋を閉じた状態で一定ガス雰囲
気の培養箱内で静置培養されるが、かかる生体組織及び
細胞の分注、廃棄、観察時等には前記培養箱内でシャー
レの蓋を開き且つ前記各作業の終了時には再び蓋を閉じ
てやる必要がある。

本発明は、生体組織及び細胞を入れるシャーレの蓋を一
定のガス雰囲気に保たれた培養箱内において確実に開閉
し得るようにした生体組織及び細胞の自動培養装置にお
けるシャーレの蓋開閉装置を提供しようとするものであ
る。

以下図示した実施例に基づき本発明の詳細な説明する。

第１図は、本発明によるシャーレの蓋開閉装置を備えた
生体組織及び細胞の自動培養装置１０を示したものであ
るが、図において、１２は一定のガス雰囲気に保たれた
円筒状の培養箱であり、周壁部１２ａ、底壁部１２ｂ及
びカバ一部１２ｃより成っている。

１４は、培養箱１２内の上部において周壁部１２ａに同
心に固定された環状支持板、１６は、この環状支持板１
４に同心的に且つ回動可能に嵌合支持された環状の操作
台であり、１６ａはその円形中心孔である。

前記操作台１６は、図示しないモータ、ギヤ等により支
持板１４に対して回動せしめられるように構成されてい
る。

１８は、前記培養箱１２内の中央部においてその周壁部
１２ａに同心に固定された環状の観察台であって前記操
作台１６０つ中心孔１６ａと同径の中心孔１８ａを備え
ている。

２０は、培養箱１２内の下部においてその周壁部１２ａ
に同心に固定された環状の静置台であって、前記中心孔
１６ａ及び１８ａと同径の中ノ已孔２０ａを備えている
。

第２図に示したように、前記静置台２０には、その周縁
部近傍より中心孔２０ａへ連通する複数本の貫通溝２０
ｂが放射状に形成されている。

同様に、前記操作台１６及び観察台１８にも、前記貫通
溝２０ｂと同構成の貫通溝１６ｂ及び１８ｂが形成され
ている。

２２は、前記各中心孔１６ａ。１８ａ、及び２０ａの中
心を通って前記カバ一部１２ｃ及び底壁部１２ｂにより
垂直に支持されたガイド棒、２４は、このガイド棒２２
に沿って上下動し得ると共にこのガイド棒２２に対して
回動し得るシャーレ搬送装置、２６は、このシャーレ搬
送装置２４に固定された円板状のシャーレ支持板である
。

シャーレ支持板２６は、前記各中心孔１６ａ、１８ａ、
及び２０ａの直径よりも僅かに小さな直径を有しシャー
レ搬送装置２４に水平に固定されているため、シャーレ
搬送装置２４がガイド棒２２に沿って上下動した場合前
記各中心孔をくぐり抜けることができる。

特に第２図から明らかなように、前記シャーレ支持板２
６には、複数本の貫通溝２６ｂが前記各貫通溝１６ｂ、
１８ｂ及び２０ｂに整合し得るように放射状に形成され
ている。

２８は、前記シャーレ搬送装置２４により垂直動及び水
平動し得るようこのシャーレ搬送装置に設けられたシャ
ーレ搬送アームであって、垂直動により前記放射状貫通
溝１６ｂ 、 １８ｂ 。

２０ｂ、及び２６ｂをくぐり抜は得るようその巾はこれ
ら各貫通溝の巾よりも小くなるように選定されている。

第１図は、前記シャーレ搬送アーム２８がシャーレ搬送
装置２４に対して下限位置で且つ右限位置にある場合を
示しているが、これはシャーレ搬送装置２４の動作によ
り鎖線図示の上限位置及び左限位置へと垂直動或は水平
動し得る。

３０は、培養すべき生体組織及び細胞を入れたシャーレ
本体３０ａとシャーレ蓋３０ｂとを備えたシャーレであ
って、培養中は静置台２０の各放射状貫通溝２０ｂをま
たぐように（第２図参照つこの静置台２０上に載置され
る。

第１図では、図面の簡略化のためシャーレ３０は１個の
み示されている。

上述したシャーレ搬送装置、シャーレ搬送アーム等の具
体的な構造については、特に詳述しないが、かかる機構
としては、例えば本件出願人が既に提案した特願昭５１
−２２４８１号に詳細に示されている培養容器の搬送装
置等をそのまま利用することができる。

３２は、操作台１６の各放射状貫通溝１６ｂを挾むよう
に設けられた本発明によるシャーレの蓋開閉装置である
が、第１図にはこれも図面の簡略化のため一組しか示さ
れていない。

前記蓋開閉装置３２は、第３図及び第４図に示したよう
に、対のシャーレ蓋受は台３４と一対のシー・１・−レ
本体受は台３６とからなり、一方のシャーレ蓋受は台３
４とシャーレ本体受は台３６とが前記放射状貫通溝１６
ｂの一側近傍に沿って、又他方のシャーレ蓋受は台３４
とシャーレ本体受は台３６とが前記貫通溝１６ｂの他側
近傍に沿って夫々重合配置されている。

各シャーレ蓋受は台３４は、水平に延びる取り付は部３
４ａと、この取付は部より垂直に延びる脚部３４ｂと、
この脚部３４ｂより前記取り付は部３４ａと逆向きに水
平方向に延びる蓋受は部３４ｃとから構成されている。

蓋受は部３４ｃの両側部には、シャーレ蓋３０ｂの外径
よりは小であるがシャーレ本体３０ａの外径よりは犬な
る直径の円の一部を構成する円弧状切り欠き部３４ｄ及
び３４ｅが形成されていて、各シャーレ蓋受は台３４が
一つの放射状貫通溝１６ｂを挾んで定位置に配置された
際、互いに対向する切り欠き部３４ｄ及び３４ｅが前記
貫通溝１６ｂをまたぐ共通の円の一部を構成する。

又、前記各シャーレ本体受は台３６は、円弧状切り欠き
部３４ｄ及び３４ｅが形成されていない点を除けばシャ
ーレ蓋受は台３４と殆んど同じような構造を有している
が、その取り付は部３６ａは、シャーレ蓋受は台３４の
取り付は部３４ａにこれを重合して操作台１６の定位置
に固定した際その本体受は部３６ｃがシャーレ蓋受は台
３４の蓋受は部３４ｃの先端部より略々半分程度突き出
すように前記取り付は部３４ａよりも十分長く選定され
ている。

更に、脚部３６ｂは、シャーレ蓋及び本体受は台３４及
び３６を上述のように重合固定して前記本体受は部３６
ｃ上にシャーレ本体３０ｂを載置した際第４図に示した
ようにシャーレ本体３０ｂの上端面位置と蓋受は部３４
ＣＵ）下面位置との間に十分な間隔Ｓが存在し得るよう
に前記脚部３４ｂよりも十分短かく選定されている。

これら一対のンヤーレ蓋受は台３４と一対のシャーレ本
体受は台３６とは、図示のように前者の取り付は部３４
ａを後者の取り付は部３６ａに載せ前者の蓋受は部３４
ｃの一部が後者の本体受は部３６ｃの一部を覆うように
貫通溝１６ｂの両側に沿って操作台１６に固定される。

本発明によるシャーレの蓋開閉装置の蓋開閉動作は次の
ように行われる。

ここでは、例えば、静置台２０に載せたシャーレ３０内
で静置培養して増殖させた生体組織及び細胞を分注する
場合についてシャーレ蓋開閉動作を説明することにする
。

先ず、シャーレ搬送装置２４を垂直方向に移動させ、シ
ャーレ支持板２６の上面が静置台２０の上面と一致した
ところで前記シャーレ搬送装置２４を停止させる。

ここで、もしシャーレ支持板２６の貫通溝２６ｂが静止
台２０の貫通溝２０ｂに整合していなければシャーレ搬
送装置２４によりシャーレ支持板２６を回動させ第２図
に示したように両者が整合するようにする。

続いてシャーレ搬送装置２４により第１図において右限
位置にあるシャーレ搬送アーム２８を鎖線図示の左限位
置まで移動させれば、前記搬送アーム２８は静置台２０
の貫通溝２０ｂの下方に位置せしめられる。

次に、シャーレ搬送装置２４によりシャーレ搬送アーム
２Ｂをその上限位置へ移動させれば、搬送アーム２８は
、整合した貫通溝２０ｂ及び２６ｂを通って上昇しシャ
ーレ３０を静止台２０より持ち上げる。

即ち、前記搬送アーム２８は、その上面上にシャーレ３
０を載せた状態で上限位置に達する。

続いてシャーレ搬送装置２４によりシャーレ搬送アーム
２８を右限位置に移動させ、更に下限位置に復帰させれ
ばシャーレ３０はシャーレ支持板２６上に載置されるこ
とになる。

前記シャーレ搬送アーム２８を回転させ他のシャーレ３
０の置かれている貫通溝２０ｂの下に位置せしめた後上
述の動作を繰返すことにより静置台２０上の所望のシャ
ーレ３０をシャーレ支持板２６上に移すことができる。

続いて、シャーレ搬送装置２４をガイド棒２２に沿って
上昇させ前記シャーレ支持板２６の上面が蓋開閉装置３
２のシャーレ蓋受は台３４の上面と一致したところでシ
ャーレ搬送装置２４を停止させ、シャーレ搬送アーム２
８をその上限位置へと移動させる。

かくして、シャーレ支持板２６上の一つのシャーレ３０
はシャーレ搬送アーム２８上に移され、その下面が前記
シャーレ蓋受は台３４の上面より僅かに高い位置に保持
される。

そこでその状態のまＳ前記搬送アーム２８を第１図及び
第３図において左方へ移動させ、搬送アーム２８が、丁
度前記円弧状切り欠き部３４ｄ及び３４ｅで形成し得る
共通円と同心になったところで今度は搬送アーム２８を
下降せしめる。

前記円弧状切り欠き部３４ｄ及び３４ｅで形成する共通
円の直径は、既述のようにシャーレ本体３０ａの外径よ
りも犬で且つシャーレ蓋３０ｂの外径よりも小であるた
め、前記搬送アーム２８の下降によりシャーレ蓋３０ｂ
はシャーレ蓋受は台３４の蓋受は部３４ｃ上に残され、
シャーレ本体３０ａだけが前記搬送アーム２８と共に更
に下降する。

かかる搬送アーム２８の下降により、その上面即ちシャ
ーレ本体３０ａの下面がシャーレ本体受は台３６の本体
受は部３６ｃの上面より僅かに高い位置まで達した時前
記搬送アーム２８を第３図に示したその左限位置へ移動
せしめ、左限位置へ達したならば再びこれを下降せしめ
る。

かくして、シャーレ本体３０ａはシャーレ蓋３０ｂを取
り除かれた状態で即ち開蓋状態でシャーレ本体受は台３
６の本体受は部３６ｃ上に載置されることになる。

上述のように前記搬送アーム２８の回動、垂直動、水平
動を組み合わせることにより静置台２０よりシャーレ支
持板２６上に移されたシャーレ３０は全てそのシャーレ
本体３０ａが開蓋状態で操作台１６のシャーレ本体受は
台３６上に載置される。

そこで図示しないモータ及びギヤ手段等により操作台１
６を回転させ、開蓋状態θつ各シャーレ本体３０ａを図
示しない分注装置の近傍へ順次送り分注装置によって分
注作業を行わせる。

分注装置による分注作業の終了後は、前記シャーレ搬送
装置２４の垂直動及びシャーレ搬送装置２４によるシャ
ーレ搬送アーム２８の回動、垂直動、及び水平動を上述
の手段と逆に行わせれば操作台１６上のシャーレ本体３
０ａはシャーレ蓋３０ｂにより閉蓋状態とされた後再び
静置台２０上に復帰される。

以上述べたように、本発明によるシャーレの蓋開閉装置
によれば、シャーレの蓋の開閉を常に一定の雰囲気に保
たれた培養箱内において確実に行い得るので、シャーレ
内の生体組織及び細胞に対する各種の作業を外気中で行
う必要がなく、外気により生体組織及び細胞が直接影響
を受けたり外気中の有機物或は無機物により前記細胞等
が汚染されたりするおそれもない。

更に、本発明によるシャーレの蓋開閉装置は、その構造
が極めて簡単であるため、製造上非常に有利であるばか
りでなく故障も少なく耐久性に富むという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるシャーレの蓋開閉装置の一実施
例を備えた自動培養装置の模式的な縦断面図、第２図は
、第１図におけるシャーレ搬送装置と静置台に載せられ
たシャーレとの関係を示す部分断面図、第３図は、第１
図に模式的６（示した本発明によるシャーレの蓋開閉装
置の実施例を詳細に示した平面図、第４図は、第３図に
示した実施例の動作を説明するための側面図である。 １０・・・・・山動培養装置、１２・・・・・・培養箱
、１６・・・・・・環状操作台、１６ｂパ・・・・貫通
溝、２０・・・・・・静置台、２０１）・・・・・・貫
通溝、２４・・・・・・シャーレ搬送装置、２６・・・
・・・シャー；／支持板、２６ａ・・・・・・貫通溝、
２８・・・・・・シャーレ搬送アーム、３０・・・・・
・シャーレ、３０ａ・・・・・・シャーレ本体、３０ｂ
・・・・・・シャーレ蓋、３２・・・・・・シャーレの
蓋開閉装置、３４・・・・・・シャーレ蓋受は台、３６
・・・・・・シャーレ本体受は台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自動培養装置の培養箱内に、着脱自在の蓋付容器を
   搬送する第一の手段と、該第−の手段により着脱自在の
   蓋付容器を搬送する工程中に該容器から蓋を移動させ保
   持する第二の手段とを設けたことを特徴とする自動培養
   装置における蓋開閉装置。