JPS5829831Y2 - 冷蔵庫の内外圧力均衡化装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、冷蔵庫とくに業務用大型冷蔵庫の内外圧力
均衡化装置に関する。

この明細書において、冷蔵庫とは冷凍庫も含むものとす
る。

エバポレータの除霜のために、ヒータにより加熱すると
庫内温度が上昇し、それに伴なって庫内の圧力が庫外の
それよりも高くなる。

その結果、扉が開くことがある。

逆に、冷却により庫内温度が低下して庫内の圧力が庫外
のそれよりも低くなると、扉が開きにくくなることがあ
る。

また、このような冷蔵庫内外の圧力差は庫壁の歪みをひ
き起こすことがあった。

そこで、冷蔵庫内外の圧力を均衡化するために、庫壁に
、庫内外に生じた圧力差により自動的に作動する内外圧
力均衡化装置が設けられている。

ところが、このような内外圧力均衡化装置は凍結してそ
の機能が低下したり、あるいは庫内外の断熱が充分でな
く冷蔵庫の冷却能率が低下せしめられることがあった。

そこで、上記内外圧力均衡化装置の凍結を防止するため
に電熱ヒータが用いられているが、従来の装置はその構
造が複雑なものになるうらみがあった。

また、この電熱ヒータは常に通電されているので、霜取
り等のために冷蔵庫内の冷却を停止したさいに、冷蔵庫
内が過熱されて内容物に悪影響を及ぼすことがあった。

この考案は、上記の問題点を一挙に解消しうる、冷蔵庫
の内外圧力均衡化装置を提供することを目的とする。

以下、この考案を、図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

なお、この実施例において、前後とは、第１図を基準と
し、第１図の右側（庫外側）を前、左側（庫内側）を後
というものとする。

業務用大型冷蔵庫の庫壁１の適当な個所に貫通孔２があ
けられている。

この庫壁１は内外アルミニウム板３，４の間に発泡合成
樹脂よりなる断熱材５が充填されたものである。

庫壁１に冷蔵庫の内外圧力均衡化装置６が取付けられて
いる。

内外圧力均衡化装置６は、貫通孔２に密にはめ込まれた
冷蔵庫内外の連通管７と、連通管７内にその長手方向に
そって配された放熱板８と、この放熱板８に、その長手
方向に所定間隔をおいて取付けられた複数の薄板状常閉
弁９と、放熱板８に取付けられた電熱ヒータ１０とから
なる。

連通管７は、その両端部が冷蔵庫の内側（第１図左側）
および外側（第１図右側）に若干突出した状態で貫通孔
２にはめ込まれ、その外周にはめられた環状体１１を庫
壁１の内外アルミニウム板３，４にねし止めすることに
より固定されている。

また、連通管７の後端部は斜めに切断されており、その
尖端部は上側にある。

これは、この実施例では、冷却機が上方にあるがらであ
る。

放熱板８は、連通管７の前端部にはめ込まれた円筒状ガ
ラリ１２によって、連通管７の直径上に垂直に取付けら
れている。

ガラリ１２の前端には周縁が折返されたフランジ１３が
一体的に形成されており、このフランジ１３が連通管７
の前端と係合している。

また、ガラリ１２内の前半部には５枚の傾斜板１４が互
いに平行に設けられている。

一番上の傾斜板１４には電熱ヒータ１０のリード線を通
すための孔１５があけられている。

さらに、ガラリ１２の後半部には相対向する一対の切込
み１６が形成されている。

そして、放熱板８は、切込み１６にさし込まれることに
より、固定されている。

常閉弁９は、シリコンゴム等の耐熱耐寒性を有する弾性
体からなる半円形のものであり、放熱板８の両面に前後
に所定間隔をおいて２つずつ取付けられている。

すなわち、横断面り字形の弁取付部材１７が放熱板８に
ねし止めされ、弁９の基端部がこの弁取付部材１７と板
状の弁押え部材１８とにより挟着されてねし止めされて
固定されている。

常閉弁９の半径は連通管７の内径の半径と等しく、常時
は、連通管７は常閉弁９により閉塞されている。

電熱ヒータ１０は放熱板８における後側の常閉弁９より
も前側の部分に、アルミニウム箔テープ等で取付けられ
ており、そのリード線はガラリ１２の一番上の傾斜板１
４にあけられた孔１５を通して外部に導かれている。

電熱ヒータ１０には常に通電されている。

連通管７は硬質塩化ビニル等よりなり、放熱板８はアル
ミニウム合金等よりなる。

冷蔵庫内外の圧力均衡を破って庫内圧が増大したとする
と、常閉弁９は第２図に鎖線Ａで示すように、前方にた
わんで冷蔵庫内外は連通状態となり、庫内の空気が庫外
に逃げだして庫内外の圧力は均衡化する。

その後、常閉弁９は自身の弾性力によりもとの状態に戻
り、連通管７は閉塞される。

逆に庫内圧が減少したとすると、常閉弁９は第２図に斜
線Ｂで示すように後方にたわんで冷蔵庫内外は連通状態
となり、空気が庫内に流れ込んで庫内外の圧力は均衡化
する。

このさい、はこり等は傾斜板１４にさえぎられて冷蔵庫
内に入り込むことはない。

また、空気は傾斜板１４に一度当ってがら流れ込むとと
もに、２つの弁９を通過していくので、庫外の暖かい空
気が急激に庫内に流れ込んで冷蔵庫内の冷却能率を低下
せしめるということはない。

その後、常閉弁９は自身の弾性力によってもとの状態に
戻る。

上記２つの場合において、電熱ヒータ１０には常に通電
されているので、連通管７に水滴が凍結したり、常閉弁
９が凍結したりすることはない。

上記実施例においては連通管７の後端部は斜めに切断さ
れ、その尖端部が上方にくるように配されているが、こ
れは冷却機（図示略）が上方にあるためであり、これに
よって冷風が常閉弁９に直接あたるのを防止しうる。

さらに、冷却機が他の場所にある゛ときには、冷却機が
ある方に尖端部がくるように連通管７をまわして適当な
位置に固定すれば、冷風が弁９に直接あたるのを防止し
うる。

しがしながら、必ずしも連通管７の後端部を斜めに切断
する必要はない。

また、上記実施例においては、常閉弁９は放熱板８の両
面に２つずつ設けられているが、これに限らず３つ以上
設けてもよい。

以上のように、この考案による冷蔵庫の内外圧力均衡化
装置は、冷蔵庫の庫壁１を貫通して取付けられた冷蔵庫
内外の連通管７と、連通管７内にその長手方向にそって
配された放熱板８と、耐熱耐寒性を有する弾性体がらな
りがっ放熱板８に取付けられた薄板状常閉弁９と、放熱
板８に取付けられた電熱ヒータ１０とがらなり、常閉弁
９が連通管７の長手方向に所定間隔をおいて複数枚配置
され、電熱ヒータ１０が最も庫内側に位置する常閉弁９
よりも庫外側に位置せしめられているものであるから、
非常に簡単な構造である。

また、常閉弁９が耐熱耐寒性を有する弾性体からなるこ
とおよび電熱ヒータ１０が取付けられた放熱板８により
、この装置は決して凍結することなく、確実に冷蔵庫の
内外圧力を均衡化しうる。

また、隣り合う常閉弁９どうじの間が空気断熱層となる
ために、従来のものに比べて冷蔵庫内外の断熱効果が高
くなり、冷蔵庫の冷却能率を低下せしめることはない。

しかも、庫内圧が減少した場合には、庫外の空気は複数
の弁９間の空気断熱層を経て庫内に流れ込むが、これら
の空気断熱層内の温度は庫外側がら庫内側に向って漸次
低くなっているので、庫外の暖かい空気は各空気断熱層
で徐々に冷されながら庫内に流れ込む。

したがって、庫外の暖がい空気が急激に庫内に流れ込ん
で冷蔵庫内の冷却能率を低下せしめることはない。

さらに、霜取り等のために冷却を停止したさいにも、電
熱ヒータ１０により発生した熱は、放熱板８を介して常
閉弁９どうじの間の空気断熱層および庫外にも発散され
るので、庫内が過熱されることはなく、内容物に悪影響
を与えることはない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は縦断面図、第
２図は第１図のＩＩ −ＩＩ線にそう断面図、第３図は
第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線にそう断面図である。 １・・・・・・庫壁、７・・・・・・連通管、８・・・
・・・放熱板、９・・・・・・常閉弁、１０・・・・・
・電熱ヒータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷蔵庫の庫壁１を貫通して取付けられた冷蔵庫内外の連
   通管７と、連通管７内にその長手方向にそって配された
   放熱板８と、耐熱耐寒性を有する弾性体からなりかつ放
   熱板８に取付けられた薄板状常閉弁９と、放熱板８に取
   付けられた電熱ヒータ１０とからなり、常閉弁９が連通
   管７の長手方向に所定間隔をおいて複数枚配置され、電
   熱ヒータ１０が最も内側に位置する常閉弁９よりも庫外
   側に位置せしめられている冷蔵庫の内外圧力均衡化装置
   。