JPS5829803Y2 - 空調用吹出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、空調用吹出装置に係り、特に、空調用熱交
換器において供給される冷風または温風をダクトを介し
て室内に導びく空調用吹出装置に関する。

第１図は、従来の空調設備における冷房時における熱交
換状況を示すべく、横軸に乾球温度Ｔをとり、縦軸に給
体温度Ｗをとり、相対温度１００％なる特性線をＬとし
て示した空気線図である。

室内空気１と外気２とを取入れた熱交換器入口空気３は
、熱交換により、室内空気の露点４より高温側にある熱
交換気出口空気５とされ、ダクト流通時の損失によって
昇温されたダクト端末空気６として室内に吹出すように
なっている。

ところで、空調される室内の負荷熱量は、空調設備の風
量と、吹出空気温度と室内空気温度との差としての吹出
温度差と、の積に比例するという関係があり、吹出温度
差は吹出口における結露を防止するために室内温度と室
内空気の露点との差より小さい値に設定する必要がある
ことから、空調される室内の負荷を充分賄うためには風
量を多く供給しなければならない。

しかしながら、このような空調設備において、供給する
風量を多くする場合には、天井内の高さに制限があるビ
ル等の空調配管において、ダクトサイズが大きくなって
施工性が悪くなるとともに、冷風または温風の送風動力
も大きくなるという問題点がある。

この考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであ
って、空調用熱交換器から吹出側端末までのダクトサイ
ズを小さく設定することができるとともに、送風器の運
転動力を小さくすることができる空調用吹出装置を提供
することを目的とする。

上記目的を遠戚するために、この考案に係る空調用吹出
装置は、空調用熱交換器に連結されている主ダクトの吹
出側に絞り部を形成し、この絞り部に室内空気を導入す
る吸込ダクトを接続するとともに、この絞り部の出口側
に混合チャンバを接続し、混合チャンバの出口側に室内
に開口する吹出口を設けるようにし、空調用熱交換器か
ら送風される冷風または温風と、空調される室内温度と
の差より大きな温度差の空気を小風量主ダクトによって
吹出側に送風し、混合チャンバ内で室内空気を混合した
後、室内へ吹出すようにしたものである。

以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。

第２図は、この考案に係る空調用吹出装置の−実施例を
示す説明図である。

空調用熱交換器から冷風または温風を送風する主ダクト
１１の吹出側に絞り部１２が形成されている。

この絞り部１２の中間部には吸込用ダクト１３の一端側
が取り付けられている。

吸込用ダクト１３の下端側は、被空調室１４の天井１５
に備えられている吸込口１６と接続されている。

また、絞り部１２の出口側には大きな容積の混合チャン
バ１７が接続され、混合チャンバ１７の出口側には被空
調室１４に開口する吹出口１８が設けられている。

次に、上記実施例を冷房時に使用する状態を第３図に示
される空気線図を参照して説明する。

室内空気２１と外気２２とを取り入れた熱交換器入口空
気２３は、空調用熱交換器において熱交換され、室内空
気の露点２４より低温状態の冷風としての熱交換器出口
空気２５とされる。

この熱交換器出口空気２５は、その温度を主ダクト１１
における流通損失によってダクト端末空気２６で示され
る状態まで若干昇温されるが、ダクト端末空気２６の温
度はなお室内空気の露点２４より低温状態を維持してい
る。

このダクト端末空気２６が到達する主ダクト１１の絞り
部には、他の部分より流速が速くなるとともに負圧状態
となっていることから、室内空気２１が吸込ダクト１３
を介して吸い込まれ、絞り部１２の出口側に備えられて
いる混合チャンバ１７においてこの室内空気２１とダク
ト端末空気２６とは混合されて、室内空気の露点２４よ
り高温状態の混合空気２７となって、吹出口１８より結
露を生ずることなく必要な温度状態で被空調室１４に吹
出される。

なお、上記実施例に係る空調用吹出装置が暖房時に使用
される場合には、被空調室１４において要求されている
暖房温度よりも高温状態の熱交換器出口空気を主ダクト
１１および絞り部１２を介して混合チャンバ１７に導く
とともに、吸込ダクト１３および絞り部１２を介して混
合チャンバ１７に導いた室内空気と混合し、熱交換器出
口空気よりも低温状態ではあるが所望の暖房温度とされ
る混合空気を被空調室１４に吹出すようにすることがで
きる。

すなわち、上記実施例によれば、空調用熱交換器に連結
されている主ダクトの吹出側に絞り部を形威し、この紋
り部に室内空気を導入する吹込ダクトを接続するととも
に、この絞り部の出口側に混合チャンバを接続し、混合
チャンバの出口側に室内に開口する吹出口を設け、この
混合チャンバ内において、冷気が吸込ダクトより吸込れ
た室内空気と完全に混合し、吹出口より吹出される空気
の温度と室内空気の温度差を小さくすることができる。

したがって、室内空気に対する温度差の大きな熱交換器
出口空気を主ダクト１１に送風することができるため、
施工性の良好となる小さなダクトサイズの主ダクト１１
により、少ない風量の冷風または温風を供給することに
よって、所定の室内負荷熱量を賄うことができる。

また、風量が少なくなることから送風動力が小さくなる
。

また、吹出空気の温度を室内からの吸込空気の混合によ
って任意に調節可能となり、同一室内で特に室内露点温
度が高い室内出入口部附近においても、吹出口に結露を
生ずることのない吹出空気温度状態を得ることができる
。

さらに、混合チャンバ１７の内部に消音材を貼り付けた
消音チャンバとすれば、冷風または温風の送風吹出時に
生ずる騒音を消音することが可能となる。

また、室内空気と冷気とを混合させるために室内空気を
負圧を利用して取入れているため特別な送風機を設ける
ことがなく、天井裏のスペースをとることがない。

さらにまた、吸込ダクト１３を主ダクトの絞り部１２に
開口しているため、充分吸込むことができ、吸出口１８
よりある程度距離をもって設けられているので冷暖房効
果を充分得ることができる。

また、混合チャンバ１７を設けているため吸込ダクト１
３から吸込まれた室内空気と冷気または暖気を完全に混
合する。

ことができ、層流となって室内に吹出されることがない
。

以上のように、この考案に係る空調用吹出装置は、空調
用熱交換器に連結されている主ダクトの吹出側に絞り部
を形成し、この絞り部に室内空気を導入する吹込ダクト
を接続するとともに、この絞り部の出口側に混合チャン
バを接続し、混合チャンバの出口側に室内に開口する吹
出口を設けるようにしたので、ダクトサイズが小さくな
るとともに、送風器の運動動力も小さくすることができ
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例に係る空調システムの冷房状況を示す空
気線図、第２図はこの考案に係る空調用吹出装置の一実
施例を示す配管図、第３図は同冷房状況を示す空気線図
である。 １１・・・・・・主ダクト、１２・・・・・・絞り部、
１３・・・・・・吸込ダクト、１４・・・・・・被空調
室、１７・・・・・・混合チャンバ、１８・・・・・・
吹出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空調用熱交換器に連結されている主ダクトの吹出側に絞
   り部を形成し、この絞り部に室内空気を導入する吸込ダ
   クトを接続するとともに、この絞り部の出口側に混合チ
   ャンバを接続し、混合チャンバの出口側に室内に開口す
   る吹出口を設けたことを特徴とする空調用吹出装置。