JPS5829159Y2 - コ−クス炉における装炭口シ−リング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コークス炉における装炭口シーリング装置
に関する。

コークス炉の装炭口からのガス漏れを防止するため、従
来から種々の工夫がなされているが、装入蓋の周囲にモ
ルタルを注入してシールする方法が最も確実な方法とし
て多く採用されている。

コークス炉装炭口の装入蓋蓋取り装置には、装炭用シュ
ート下部とフードが移動フレームによって炉上面に平行
して水平方向に移動するにつれて、装入蓋蓋取り装置が
装炭口上方にくる水平スライド方式と、装炭用シュート
下部とフードが炉上面に対して垂直方向に上下動し、こ
の上下動により生ずるすきまに装入蓋蓋取り装置のマグ
ネット装置部分のみを挿入させるＳモーション形式があ
る。

従来のモルタル水和液注入ノズルは、装入蓋蓋取り装置
のマグネット装置部分に付設され、マグネット装置と共
に進退するので装入蓋脱着時装炭口から吹き出す火炎に
さらされる。

しかも、Ｓモーション形式の場合は、炉上面とフード間
の狭いすきまにマグネット装置を挿入する必要があり、
蓋取り時のシール切りに十分な力を与えるためマグネッ
ト装置を揺動自在とするための機構が設けられている関
係上、マグネット装置及びその周辺にモルタル水和液注
入ノズル装置を取付ける余地は全くない。

この考案は、かかる注入ノズル装置の取付は困難なＳモ
ーション形式の装入蓋蓋取り装置を有する場合に適合し
たシーリング装置を提案するものである。

すなわちこの考案は、装炭車下部に一方が駆動装置によ
り回動する２本の回転軸を平行に設け、下部が装炭口側
に屈曲した一対の屈曲腕杆の上端を駆動装置により回動
する回転軸に固着し、同形の一対の屈曲腕杆の上端を他
方の回転軸に軸支し、装炭口側に環状注入ノズルを突設
した基板を上記２対の屈曲腕杆下端に軸支し、上記回転
軸を支点とするリンク機構により環状注入ノズルがフー
ドと装炭口とのすきまに進退自在のモルタル水和液注入
ノズル装置を、Ｓモーション形式の装入蓋蓋取り装置に
相対向して設け、モルタル送液管先端を装炭口上に進入
時の環状注入ノズルの注入用傾斜溝に臨むよう配設した
ことを要旨とする。

以下、この考案の詳細を実施の一例を示す図面に基づい
て説明する。

装炭車１の底面に吊支し、装炭用シュート２の下端に付
設したフード３とコークス炉４の装炭口５とのすきま６
に蓋吸着用マグネット装置７を進退自在に設けた蓋取り
装置８に相対向して、上記すきま６に環状注入ノズル９
を進退自在に設けたモルタル水和液注入ノズル装置１０
を装炭車１の底面に吊支する。

そして装炭車１上に設置したモルタル水和液槽１１より
の送液管１２の先端が上記すきま６に進入した環状注入
ノズル９の注入用傾斜溝１３の上方に位置するよう配設
する。

上記モルタル水和液注入ノズル装置１０は、第２図、第
３図に示すとおり、吊杆１４により装炭車１の底面に固
着された機枠１５の側枠間に平行して２本の回転軸１６
．１７を配設し、回転軸１６には下部が装炭口側に屈曲
した一対の屈曲腕杆１８の上端を固着し、他方の回転軸
１７には上記と同形の一対の屈曲腕杆１９の上端を嵌合
軸支する。

そして、屈曲腕杆１８，１９の下端に環状注入ノズル９
を装炭口５側に水平に突設した基板２０を支軸２１．２
２によって軸支する。

一方、回転軸１６の中央部に固着した下向きのレバー２
３の下端に、シリンダ２４のピストンロッド２５に連結
した連接杆２６を枢着し、シリンダ２４を操作してピス
トンロッド２５を前進させれば、回転軸１６が第２図で
反時計回り方向に回転し、屈曲腕杆１８，１９は、回転
軸１６．１７を支点として回動し、環状注入ノズル９が
前進下降してフード３と装炭口５とのすきまに進入し、
また、ピストンロッド２５を後退させれば、回転軸１６
が第２図で時計回り方向に回転し、屈曲腕杆１８，１９
は回転軸１６．１７を支点として回動し、環状注入、ノ
ズル９が後退上昇するように構成する。

さらに、回転軸１６の両端部に固着した上向きのレバー
２７．２７と機枠後方の側枠間に設けた支軸２８で軸支
した上向きのレバー２９．２９との間に連杆３０．３０
を枢着し、この連杆３０．３０に相対設したリミットス
イッチ３１．３１の作動レバー３２．３２を連杆３０．
３０に突設した突片３３によりシリンダ２４のピストン
ロッド２５前進端位置で操作できるように構成する。

このリミットスイッチ３１．３１は、駆動機構の確実な
停止、モルタル水和液供給指令などを行なわせるための
ものである。

また、上記環状注入ノズル９は、環状溝３４より形成さ
れたノズル部の内周壁に多数のノズル孔３５が配設され
、環状溝３４の一部を注入用傾斜溝１３に連接してなり
、環状注入ノズル９の前進端位置、すなわち、フード３
と装炭口５とのすきま６に進入した際、注入用傾斜溝１
３の上方にモルタル水和液槽１１よりの送液管１２の先
端が位置するよう配設し、モルタル水和液が送液管１２
を介して、前進端位置の注入用傾斜溝１３内に流下する
ように構成する。

上記の如く構成したから、装炭が完了して蓋取り装置８
を駆動し、マグネット装置７を前進せしめてすきま６に
進入させ、吸着した装入蓋を装炭口５に装着してマグネ
ット装置７が後退した後、シリンダ２４を作動してピス
トンロッド２５を突出させると、回転軸１６が第２図で
時計回り方向に回転するから、屈曲腕杆１８，１９は、
回転軸１６．１７を中心として第２図鎖線位置から実線
で示した位置に回動し、環状注入ノズル９は、フード３
と装炭口５とのすきま６に進入する。

このとき、モルタル水和液槽１１から所定量のモルタル
水和液を送液管１２を介して注入用傾斜溝１３に流下せ
しめる。

するとモルタル水和液は、分岐部３６で左右に均一に分
岐して環状溝３４に流入し、ノズル孔３５から流出して
装炭口５に装着した装入蓋の周縁部すきまを充填する。

しかるのち、シリンダ２４を上記とは逆に作動してピス
トンロッド２５を後退させると、レバー２３を介して回
転軸１６は、時計回り方向に回転するから、屈曲腕杆１
８，１９は回転軸１６．１７を中心として第２図実線位
置から鎖線で示した位置に回動し、環状注入ノズル９は
、コークス炉４の装炭口５から離れた高い位置に保持さ
れる。

したがって、装入蓋装脱着時に装炭口５から吹き出す高
温炎に環状注入ノズル９がさらされることがなく、熱影
響が緩和される。

この考案は、上記のごとくモルタル永和液注入ノズル装
置を装入蓋蓋取り装置に取付けることなく、Ｓモーショ
ン形式の装入蓋蓋取り装置に相対向して進退自在に設け
たから、モルタル水和液を装入蓋の周縁全体に均一に流
入せしめることができ、装炭口蓋の密封をより完全にで
きると共に、装入蓋脱着時に装炭口から吹き出す高温炎
にモルモル永和液注入ノズル装置がさらされることもな
い なお、上記実施例においては、モルモル永和液注入ノズ
ル装置の駆動機構としてシリンダを用い回転軸の一方を
回動せしめ、屈曲腕杆を回転軸を中心に回動進退せしめ
たが、屈曲腕杆にシリンダのピストンロッド先端を枢着
し、直接屈曲腕杆を回転軸を中心に回動進退せしめるこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施の一例を示すもので、第１図は全
体概略説明図、第２図はモルモル永和液注入ノズル装置
の側面図、第３図は第２図の平面図である。 図中、１・・・・・・装炭車、３・・・・・・フード、
５・・・・・・装炭口、６・・・・・・すきま、８・・
・・・・蓋取り装置、９・・・・・・環状注入ノズル、
１０・・・・・・モルモル永和液注入ノズル装置、１３
・・・・・・注入用傾斜溝、１４・・・・・・吊杆、１
５・・・・・・機枠、１６゜１７・・・・・・回転軸、
１８．１９・・・・・・屈曲腕杆、２０・・・・・・基
板、３４・・・・・・環状溝、３５・・・・・・ノズル
孔、３６・・・・・・分岐部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装炭車下部に一方が駆動装置により回動する２本の回転
   軸を平行に設け、下部が装炭口側に屈曲した一対の屈曲
   腕杆の上端を駆動装置により回動する回転軸に固着し、
   同形の一対の屈曲腕杆の上端を他方の回転軸に軸支し、
   装炭口側に環状注入ノズルを水平に突設した基板を前記
   ２対の屈曲腕杆下端に軸支し、前記回転軸を支点とする
   リンク機構により環状注入ノズルがフートと装炭口との
   すきまに進退自在のモルタル水和液注入ノズル装置を、
   Ｓモーション形式の装入蓋蓋取り装置に相対向して設け
   、モルタル送液管先端を装炭口上に進入時の環状注入ノ
   ズルの注入用傾斜溝に臨むよう配設してなるコークス炉
   における装炭口シーリング装置。