JPS5828107B2 - 4 フツカエチレンジユシカンザイリヨウ ノ オシダシセイケイホウホウ オヨビ ソノソウチ - Google Patents

4 フツカエチレンジユシカンザイリヨウ ノ オシダシセイケイホウホウ オヨビ ソノソウチ

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JPS5828107B2
JPS5828107B2 JP50149718A JP14971875A JPS5828107B2 JP S5828107 B2 JPS5828107 B2 JP S5828107B2 JP 50149718 A JP50149718 A JP 50149718A JP 14971875 A JP14971875 A JP 14971875A JP S5828107 B2 JPS5828107 B2 JP S5828107B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は四弗化エチレン樹脂の押出成形法に関するもの
であり、更に品質の優れたチューブ、パイプ等の管状体
の製造を可能にする押出装置に関するものである。
4弗化エチレン樹脂によるチューブ、パイプ、被覆電線
等の押出成形は現在型としてペースト押出法により行わ
れでいる。
周知の如く4弗化エチレン樹脂は極めて優れた耐熱性、
耐蝕性、電気特性を兼ね備えているが、反面、加工が困
難で特に一般プラスチックスの如く加熱により軟化又は
流動状態で押出、圧延等を行う事が出来ない。
これを解決するために考え出されたのが前述のペースト
押出法である。
この方法は未焼結の4弗化エチレン樹脂粉末に室温附近
での流動性を与えるために液状の潤滑剤、例えばナフサ
、ホワイトオイル、ドルオール等を混和配合し、これを
押出機への供給を便ならしめるために予備圧縮成形を行
い、これをラム式押出機のシリンダー中に入れ、ラムに
より加圧押出しを行うものである。
液状潤滑剤の助けにより流動性を示すとは言え、それは
加熱された一般の熱可塑性樹脂と比較するなら極く限ら
れたものであり、従って一般に用いられるようなスクリ
ュ一式の押出機は使用する事が出来ず、ラム式押出機に
ても押出しに要する圧力は可成り高く、ダイによる引落
し率も精々2000が限度である。
流動性が極く限られたものであるため、グイ及びマンド
レルの設計も簡単な形状に限られる。
このようにして押出されたチューブはまた未焼結状態で
あり液状潤滑剤を含んでいるが押出方向には可成りの強
度を持っている。
これは未焼結の4弗化エチレン樹脂は押出工程でダイを
通過する際受ける剪断力により押出方向に繊維状化され
るためである。
この繊維化は肉眼でも認める事が出来るものであり、他
の樹脂には見られない程顕蓄で、4弗化エチレン樹脂特
有のものである。
一方押出方向に直角の方向には繊維化されておらず、従
ってこの方向には未焼結のチューブはほとんど強度をも
っていない。
この未焼・詰のチューブは次工程で液体潤骨剤が乾燥さ
れ、さらに約330°C以上に力ロ熱、焼結され充分な
機械的強度を持った気密な4弗化エチレン樹脂チユーブ
となる。
本発明の方法もペースト押出法の改良にかかわるもので
あり、予備圧縮成形物をラム式押出機のシリンダー中か
らチューブ、パイプ等の最終形状に変形させる際に、そ
の最終形状に変形させる金属壁、即ちダイ、マンドレル
等の少なくとモーラ以上好ましくは両方を逆方行に回転
させながら押出すことを特徴とするものであり、従来の
押出方向の剪断力による繊維状化のみならず、押出と直
角方向にも積極的に剪断力を与えて二軸方向に繊維状化
した成形物を得ることを特徴としている。
従って、本発明の目的は従来のペースト押出法によるチ
ューブやパイプよりも高い強さと高い伸び率を有する成
形品の製造を可能にすることであり、もう一つの目的は
縦方向のみならず横方向にもこの様な性質を有する製品
の製造である。
このため押出成形品を押出径より拡大することが容易と
なる。
4弗化エチレン樹脂、特に乳化重合物を凝結して得られ
た樹脂、例えば米国デュポン社のテフロン/I66は未
焼結の状態で、グイオリフィスからの押出、ロールによ
る圧延、高速攪拌等により剪断力を受けると粉末は繊維
状化し押出し、ロール圧延等の機械方向に配列される特
性がある。
この繊維状化は肉眼でも認められるもので、4弗化エチ
レン樹脂特有のものであり他のプラスチックスには見ら
れない。
この繊維状化は潤滑剤を含む場合更に顕著であり容易に
起る。
この繊維状化は樹脂の強度と極めて密接な関係がある。
%に未焼結状態での強度はこれに全く依存している即ち
繊維状化されてない樹脂ではその引張り強度は測定出来
ない程低いが、繊維状化を受けたものは2 K?/mm
t以上の強度を出し得る。
また延びについても成る程度以上に繊維化されていない
と殆んど伸びずに切断してしまうが、適度に繊維化され
ている場合は300%以上の伸びを示す。
また屈曲に対しても繊維状化されてないものは殆んど屈
曲に耐えず割れてしまうが繊維状化されたものは柔軟で
あり強靭で屈曲によく耐える。
この様な効果は勿論、繊維の配列方向について言える事
であり、他の方向には認められない。
更に繊維状化の効果は焼結された樹脂に於いても認めら
れる。
即ち乳化重合により得られた4弗化エチレン樹脂は未焼
結樹脂を圧縮成形しただけで焼結するなら大きな亀裂が
焼結時発生する。
この欠点も樹脂を押出、圧延等により予め繊維状化する
事により除去出来る。
また未焼結時繊維状化されていた樹脂は、焼結された後
もその効果は認められる。
即ち繊維化方向には引張り強度が優れていると共にこの
方向には優れた耐屈曲性を示す。
ペースト押出法にて得られた焼結パイプについて説明す
るなら、このパイプを長さ方向に持って屈曲を繰り返す
なら長さ方向に平行な割れを生じ易い。
また脈動する内圧をパイプに加えるとパイプは径方向に
膨張収縮を繰り返すが、これによっても長さ方向に割れ
を生じ易く、これがペースト押出法によるパイプの欠陥
となっているが、これは押出しにより長さ方向には繊維
状化されるが、これと直角方向には繊維状化されていな
いためである。
引張り屈曲以外にも樹脂の焼結、未焼結の状態を問わず
繊維状化が大きく影響するものに耐引裂強度がある。
即ち一方向にのみ繊維が配列されている場合は、配列方
向と直角に裂は目が走るように引裂くと可成りの抵抗を
示すが配列方向と平行に裂は目が走る場合は容易に引裂
かれる。
以上に述べた如く4弗化エチレン樹脂に於いては未焼結
状態にて繊維状化しこれを配列する事は極めて重要な意
味を持っており、他の一般のプラスチックでは見られな
いものである。
前にも述べた様に従来のペースト押出法によるパイプ、
電線被覆は押出成形される前に予め繊維状化される事が
ないので、押出成形された未焼結パイプ等は押出方向即
ち長さ方向にのみ繊維化し配列されており、これと直角
方向には殆んど繊維が走っていないので、長さ方向に引
張る時は相当の強度を有するが、これと直角に引張ると
僅かな力で切断してしまい、伸びも殆んど示さない。
また未焼結の状態では僅かな、しかも1回の屈曲で長さ
方向に割れを生じてしまう。
この傾向は径が大きくなり、肉薄になる場合に特に著し
い。
従ってこの様な押出成形品は焼結が終るまで極めて注意
深く取扱わねばならず、径が約10Mを超えるような場
合では押出、乾燥、焼結等の装置を直線的に配置する必
要がある。
また、この押出成形品は未焼結の状態で押出径よりも大
きな又は小さな径に変形させる事は不可能である。
即ち径を拡大するように変形するなら極く僅かな変形で
も長さ方向に割れを生ずるが径を縮小させるような場合
でも可能な範囲は極めて僅かである。
前にも述べた如くこのパイプ等は焼結された後も繰返し
屈曲や繰返しの内圧変化即ちそれによる径の変動により
、長さ方向に割れが生じ易い欠陥がある。
また長さ方向の強度、伸びに比し横方向のそれは小さい
ので内圧を加えて使用される場合はそれだけ設計上不利
となる。
また加熱軟化した状態にて内圧を加え更に大きな中空成
形品とする場合にも拡大作業中に割れる傾向がある。
本発明の方法は以上に述べた如き従来の押出法によるパ
イプ等の持つ諸欠陥を除き未焼結状態での強度を高め、
押出以後に発生する欠陥を防止すると共に、未焼結での
加工性を改善し径の拡大又は縮小等のカロ工を可能なら
しめ、焼結成形品の耐屈曲性、径方向の強度等を改善す
るものである。
本発明の方法は未焼結の4弗化エチレン樹脂粉末に液状
潤滑剤を混和配合したのち予備圧縮成形を行ってラム式
押出機シリンダーに入れ、回転が可能な様に駆動部と連
結されたマンドレルと同じく回転駆動部と連結したダイ
スまたはダイランドの間隙を押出されてチューブやパイ
プの形状を与えているものである。
本発明の理解を助けるために次に図面を参照しながら詳
述する。
第1図はチューブの外径を規制するためのダイを示して
いる。
これらが鋼のような材料の単−塊から作られていても良
く、その時には全体をダイと呼称している。
一方別個の部品を作って全体を押出単位に組みたてても
良い。
この時には狭義のダイ1とダイインサート11の組みあ
わせを広義のダイと言う。
更に組立て単位を細分化してダイインサートの足の部分
を切離すことも可能でありこの切断部分をダイランド2
1と呼ぶことにする。
通常ダイランドの定義は金属塊に削孔された上部ティパ
ー状表面が最終形状の寸法になった所からその足の先端
までの距離を表わしでいるが、本発明では便宜的に21
の部分をダイランドと称する。
第2図に例示した装置は狭義のダイ1とダイインサート
11を組み合わせた押出単位がマンドレル2、ラム4、
シリンダー5とともに押出金型を形成している。
ラム4とシリンダー5の内部に装填された予備圧縮成形
物6はラム4の降下によってチューブ3に変化してくる
この時マンドレル2を回転させるか、又はダイインサー
ト11を回転させるか更により好ましくはマンドレル2
とダイインサート11を逆方向に回転させながら予備圧
縮成形物6をチューブ3に押出すことによりチューブ3
が押出方向のみの繊維状化のみならず、押出と直角方向
にも回転金属壁との剪断力によって二軸方向に繊維状化
した成形物となる。
押出と直角方向の繊維状化の程度はシリンダー5の断面
積、ラム4の降下速度、加工温度、マンドレル2の形状
、ダイ1やタイインサート11の開孔角度、ダイランド
21の長さ等に依存するため簡単な数値では表現できな
いが、ダイインサート11やマンドレル2の回転数とと
もに増大してくる。
回転による剪断力は回転している金属壁即ちダイインサ
ート11やマンドレル2と予備圧縮成形物6との接触表
面で発生するが、最終形状に変形を受けた所またはそれ
以後の部分から生ずる剪断力がチューブ3の押出直角方
向の繊維状化に有効なのであって、最終形状への変形以
前に発生した剪断力による繊維状化の程度はチューブ3
の押出直角方向への繊維状化には効果が少ない。
逆に繊維状化の進みすぎたものが予備圧縮成形物6の中
に混合されている時、ダイインサート11やマンドレル
2の金属壁から発生する剪断力によって生ずる繊維状化
の割合と違って来るためにチューブ3の肉厚方向に繊維
状化の進んだ層とあまり進んでいない層が混在すること
となり、この層界面ではほとんど強度をもっていない。
このことはチュブ3の長さ方向において強度特性が安定
しないことを意味する。
結局予備圧縮成形物6が押出方向でその断面積を次第に
減少していき最終形状のチューブ3が形成されるまでは
押出方向の繊維状化が優先して進行し、次いでダイイン
サート11やマンドレル2の回転剪断力によってもはや
押出方向の断面積変化のないチューブ3の押出直角方向
の繊維状化を生起させていることになる。
最終形状を規定する金属壁のうちマンドレル2のみを回
転させた時にはチューブ3の内表面における繊維方向が
押出方向とある角度をもつようになり、この角度は回転
数の増加と押出速度の低下につれて大きくなる。
一方ダイインサート11のみを回転させた時にはチュー
ブ3の外表面における繊維方向が押出方向と一定の角度
を示すことになる。
同じ回転数で比較するならばマンドレル2を回すよりも
グイインサート11を回転させる方がチューブ3との金
属壁接触面積の大きいたけ効果も大きくなってくる。
グイインサート11をたとへば右回転、マンドレル2を
たとへば左回転というように同時に逆方向に回転させる
とチューブ3の外表面と内表面における繊維方向がそれ
ぞれ押出方向とある角度を示し、両表面における繊維方
向は更に大きい角度となる。
第3図にはこの繊維方向を模式的に表わしたものであり
、実線13はチューブ3の外表面における繊維方向を、
点線23はチューブ3の内表面における繊維方向を意味
する押出方向での断面積がもはや変化しなくなった最終
形状を決める金属壁の回転力即ち回転剪断力が押出直角
方向の繊維状を促進するのであるから、第4図にはダイ
ランド21を回転させる装置を例示している。
タイランド21の長さが長い程押出直角方向での繊維状
化に効果が大きくなるが、短かくなる時にはその回転数
を増加させることによって類似の効果を出すことが可能
である。
押出直角方向の繊維状化を促進するにはダイ1の開孔径
よりもグイランド21の開孔径を約2〜10係程小さく
することが好ましい。
チューブ3の内径を決める金属壁即ちコアピン12をマ
ンドレル2とは別に作成し、マンドレル2の回転力をコ
アピン12の回転力に伝達することも可能であり、チュ
ーブ3の内径を変える時には好適である。
本方法で用いられる液状潤滑剤としては従来のペースト
押出法で使用され得る全てのものが使用出来、その配合
量も同様の範囲に於いて選択する事が出来る。
即ちナフサ、ホワイトオイル等の炭化水素油、ドルオー
ル等の芳香族炭化水素、ケトン、アルコール、エステル
等広範囲のものが使用され、通常樹脂100部に対して
10〜30部が配合される。
勿論、着色、補強、その他の目的で無機充填剤、金属粉
、金属酸化物、カーボン、ガラス繊維等積々のものを配
合する事も出来る。
未焼結の四弗化エチレン樹脂粉末と液状潤滑剤の混和配
合したものを予備圧縮成形するのは従来のペースト押出
法と全く同一に行なえる。
次にダイ又はマンドレルを回転させた時の効果について
詳述する。
チューブ、パイプ又は電線への押出を行なう時、偏向、
偏芯で苦労することが多いが押出の最初からマンドレル
又はワイヤーガイドチューブを回転させると押出物の偏
肉、偏芯を完全になくなることが出来る。
回転しているマンドレルはラムによる静水圧負荷のもと
て偏向、偏芯を最小にする位置が最も安定な位置と一致
するためである。
押出に要する静水圧はラムへの負荷圧力として監視でき
るがグイとマンドレルの一方または両方が回転し始める
と押出負荷圧力が低下していき、回転数の増大につれて
、回転数零の場合の70係圧力にも達する。
これは予備圧縮成形品から最終形状にまで四弗化エチレ
ン樹脂粉末と液状潤滑剤のペースト状混合物を変形させ
るのに約30%程度の負荷圧力が回転している金属壁か
ら与えられること、及び押出方向の一軸に繊維状化配向
をさせるとペースト状混合物が流れ性を低下するのに対
し押出と直角方向への二軸に繊維状化させることにより
高い流れ性が得られることに起因する。
この様に最終の押出方向に対してほぼ直角に配列された
未焼結樹脂の繊維状態は押出成形されたパイプ等の横方
向の強度及び伸ひを著しく改良する。
即ち、従来の押出法による成形品は前述の如く樹脂の繊
維化が押出方向のみに見られるだけであるので横方向の
強度は通常0.01 KP/nmf程度で殆んど測定す
ることが困難な程であり、伸びもまた10%以下で僅か
な変形で容易に割れが生じてしまう。
これに対し本発明の方法で得られた成形品は繊維化が縦
横両方向に行われており、強度も押出し時の引落し率に
より種々変化はするが02Kp/−以上の値を確保する
ことは決して困難ではない。
特に伸びは著しい改善を示し300係以上に達する事も
可能となる。
従って、従来の押出し成形品では未焼結状態での取扱い
は細心の注意を要し、例えば径が10嗣を越える薄肉パ
イプでは屈曲が生じないように、また径方向に圧力が加
えられパイプの壁に縦に走る割れが入らないようにしな
ければならないが、本発明の方法によるパイプ等は未焼
結状態でも屈曲に耐え、焼結前に可成りの変形が加えら
れても縦割れ等を生じない。
この事は製造工程中に発生する欠陥を防止し、未焼結状
態である程度の屈曲を可能にし押出機から焼結炉までを
必ずしも直線的に配置する必要もなくなり、電線被覆の
場合のように焼目か滑車によって方向を転換し乾燥、焼
結を行う場合には滑車通過時の屈曲による欠陥発生を防
ぐ事も出来る。
電線被覆の場合コアピンの代りにワイヤーガイドチュー
ブを回転させる効果は以下の説明により更に明らかとな
る。
従来のペースト押出により絶縁被覆を行った電線のスパ
ーク破壊部分を顕微鏡で調べると絶縁層の芯線密着側に
微小クラックやボイドが存在することが多い、非常に多
くの要因が複雑に交錯してクランクやボイドを作ってい
るがその中の最大の要因は焼結という四弗化エチレン樹
脂の融解にともなう相転移前後の樹脂の体積変化におい
て生ずる内部応力が絶縁被覆層の持つ引裂、引張応力に
比肩するか否かによる。
換言すると焼結前後の樹脂収縮率は未焼結状態での繊維
状化配向の割合に比例する。
このことは通常のペースト押出をした電線被覆の芯線を
抜きとり焼結すると電線の長さ方向には30係以上の収
縮が生することも多いが径方向には5係以下、時には反
対に膨張することが多い。
長さ方向の収縮を防止する様に焼結すると径方向には7
〜10%の収縮が生ずるが、その収縮率は比較的小さい
一方本発明の様にワイヤーガイドチューブをダイランド
の中まで慣通したパイプ押出被覆を行なってワイヤーガ
イドチューブを回転させた電線被覆から芯線を抜きとり
焼結すると長さ方向には15係以下の収縮にかつ径方向
には15%以上の収縮率にすることも可能である。
長さ方向の収縮を防止した状態で焼結すると径方向は3
0%以上の収縮率にすることも可能であり、この収縮中
に径方向で微小クラックを生ずることもない。
これらの傾向は未焼結状態での繊維状化配向が長さ方向
と径方向にどの程度まで進んでいるかに帰因するもので
あり繊維状化配向の程度が大きい程収縮率が大きく、か
つその方向の引張強度が増大する。
長さ方向への収縮を芯線などにより強制的に固定すると
径方向の引裂応力が発生することとなり径方向での繊維
状化配向か弱い時には微小クランクを誘発する。
従来のペースト押出法による電線被覆では芯線の移動速
度と絶縁被覆層の移動速度が完全にあるいはほとんど等
速の条件で押出されるため絶縁被覆層の外側は金属壁ダ
イとの剪断力によって充分に繊維状化するが、絶縁被覆
層の内側は単に芯線と静水圧での圧縮は受けるが、剪断
力がほとんど発生しないために繊維状化の進行が少なく
なる。
パイプ押出方式の電線被覆を行なう時には絶縁被覆層の
最終厚みがダイとワイヤーガイドチューブによって規制
されており、ワイヤーガイドチューブを回転させること
により絶縁被覆層の内側にも積極的に剪断力を発生させ
て繊維状化配向を強くすることを特徴としており、ダイ
をワイヤーガイドチューブと逆方向に回転させた時には
更に効果が大きくなる。
このため芯線密着側の絶縁層のスパーク破壊する欠陥部
分が減少し、かつ芯線と絶縁層の密着性も向上するので
耐コロナ生も改善するなど性能の安定した長尺の被覆電
線が得られる。
本発明の押出法による未焼結チューブやパイプの肉厚方
向における均一性は従来同じ目的の改良法によるチュー
ブと明確に比較することが出来る。
特公昭39−12479ではダイおよびコアピンのティ
パー状金属壁に溝および山の滑らかな曲面を形成して外
表面と内表面の繊維方向が少なくとも15°の角度をな
すような工程を経たのち最終形状の金属壁を通ることが
知られている。
また特公昭41−13625では予備圧縮成形物を押出
と直角方向にあらかじめ繊維状化したのち押出す方法が
知られている。
これらの方法は押出最終形状になる以前での押出直角方
向繊維状化を行なうものであって、最終形状への加工工
程でこれらの繊維状化がかなりの程度減少していってし
まう。
一方最終形状になる以前にあまりに繊維状化が進行して
しまうと最終形状での肉厚方向で均質な光質がなされず
に機械的強度の大きい所と小さい所が混在することとな
る。
この特性は更に延伸してみると顕著になる。これらのチ
ューブを未焼結状態で100%に延伸しようとするほと
んど延伸できないで切断するか又はタケノコの皮状の模
様が表面に浮びあがる。
四弗化エチレン樹脂層の密着性の悪るいことは他の一般
プラスチックに類をみない程に顕著でありこの模様がそ
の肉厚方向における密着性の悪い部分に相当する。
更に切断直前まで延伸するとタケノコの皮をはがしてい
く様に密着不良部分が広がって多くの引裂片がチューブ
表面に生成する。
力木発明の押出法による未焼結チューブを延伸しても切
断直前までその表面状態に変化なく、チューブ等の管状
体肉厚方向における四弗化エチレン樹脂の相互密着性が
非常に均一であることを証明している。
押出されたパイプ等は従来の方法と同様、乾燥又は抽出
により潤滑剤を除去された後、融点以上に加熱され焼結
される。
本発明の押出法により得られた焼結パイプ等は従来の方
法によるものに比し、優れた耐屈曲性、強度、特に横方
向の強度を有している。
これは未焼結時の繊維の配列が焼結後の強度にも影響す
るためである。
本発明によるパイプ等は優れた横強度により高い耐圧性
を持ち変化する内圧による径の繰返しの伸縮ないし繰返
し屈曲によく耐える。
即ち、従来の押出し法によるパイプ状成形品では、縦強
度は3〜4に2/−の値を示すが、横方向ではこれに比
して低く2〜3Kli’/mmtであり、縦横の強度差
は可成りあるが本発明の方法によれば横方向の強度を縦
方向のそれに近づけることが可能となり、バランスのと
れた成形品を得ることが出来る。
屈曲に対してもこれは成形品のサイズと押出し比率によ
り大きく変化するので一つの数字で表現は難しいが従来
品と比すると3〜6倍の耐久性を示し、特に一旦割れが
入ってからの割れの進行程度には大きな差があり従来品
は容易に拡がるのに対し改良品は切れ目の端で伸ひを示
し事実上割れの拡大は防止される。
またパイプを更に加熱状態で内圧を加え膨張せしめ更に
径を拡大したり、ベローズに成形する場合、横伸びが大
きく、300%以上にもすることが可能であり小さな傷
が発生した場合でもその成長が起りにくく、径の拡大範
囲を広げ加工を容易にする効果もある。
次に本発明のもう一つの特徴についで述べる。
前に述べた如く、本発明の方法により押出されたパイプ
等は未焼結状態に於いても優れた横方向の強度を有しで
いる。
この事はこれまでに述べた利点以外に未焼結状態で更に
加工する事を可能にするものである。
ここに言う加工は主に径の拡大又は縮小等を意味しでい
る。
従来の押出法で得られた中空成形品は未焼結状態で径が
変化する様な加工を更に行う事は注意深く行っても尚可
成り困難なものであり、加工時押出方向に割れ、裂は等
の傷を発生し易い。
本発明の押出成形にで得られた中空品は未焼結状態で損
傷なしに更に種々のカロエを行う事が出来る。
これらの加工は潤滑剤を含んだ状態で行うのが容易であ
り、加工範囲も広いが、潤滑剤を乾燥等により除去した
後でも加工する事が出来る。
これらの場合、室温で困難であれば加熱した状態で行う
のがよいが、通常特に潤滑剤を含んだ状態では室温で充
分の加工性を持っている。
例を挙げて加工の内容を説明すると径を拡大する方法と
しでは、押出品の内径より大きな外径を有する弾丸型を
中空部に通過させる方法、棒又はロールを中空部に通し
てこのロールと平板又は他のロール間で押出成形物を圧
延するように拡大する方法、押出成形品を中空部がなく
なるように平らに押しつぶした後、これを2本のロール
間を通すか又はプレスしで拡大する方法、複数本の棒を
中空部に入れで拡大するように引張る方法、内部にエヤ
ーバックを入れで膨張させる方法等、種々の方法がある
また径を縮小させるには長さ方向に伸張したり、ダイを
通過させる等の方法がある。
この様な2次加工をうけたものは、必要があれば乾燥し
た後、327℃以上に加熱する事によって焼結される。
この様な押出成形後の未焼結状態での成形により従来得
られなかった種々の成形品が得られる。
例えば径を拡大するような成゛形によって、押出成形品
の径より遥かに大きな径を持ち、薄肉のパイプを得る事
が出来る。
これまでの方法では大口径パイプを得るにはそれに応じ
た大きさの径を持つ押出機が必要であり、押出可能のパ
イプ径は押出機シリンダーの径以下であり、また一般の
プラスチックと異り、その流動性も僅かなため押出パイ
プの肉厚は径に応じで太きくしなければ偏向、彎曲、割
れを生じて作業は困難であり、通常径100駅のパイプ
では肉厚は2m程度必要となる。
これに対しで本発明の押出法ではパイプの中空部を形成
するためのマンドレルを片寄らす事なく偏肉、彎曲を防
いでいるため押出成形たけでも従来より薄肉の成形品を
得る事が出来るが更にこれを前述の方法により径を拡大
することにより押出機シリンダー径よりも大きな径を持
ち薄肉のパイプを得る事が出来る。
例えば外径50M、肉厚27/gIlのパイプを押出し
、これを径250mに拡大すると肉厚は約0.4Mとな
る。
本発明の方法によって得られる径に比して肉薄のパイプ
は高価な4弗化エチレン樹脂パイプでは経済的意味は太
きい。
また径の大きな薄肉パイプはこれを金属ロール等に被覆
密着させることにより耐蝕性、非粘着性被覆としで極め
て有用なものとなる。
押出成形後例えば長さ方向に延伸するなら押出径よりも
小さな径を持つ押出成形品が得られるが延伸の程度を変
える事により種々の径を持つパイプ等が1個のダイから
得られる事になる。
また押出成形のみでは圧出が難しい非常に細いものでも
押出し後延伸によって細くする事が出来る。
押出成形品を一旦焼結した後、径の拡大や延伸を行う場
合と未焼結状態での拡大、延伸とはいくつかの点で異っ
ている。
一旦焼結されたものを延伸拡大等により変形させるため
には加熱する事が必要であり、もし室温附近で行うなら
それに必要な力は著しく大きくなる。
軟化点の高い4弗化エチレン樹脂では200°C以上に
加熱する事が望ましいが、この様な高温では装置、作業
性共に問題が多い。
これに対し本発明の方法では加熱により加工が容易とな
る場合もあるが、殆んど室温附近にて行う事が出来る。
また焼結されたものを変形した場合、変形後再び加熱さ
せると変形前の形状に殆んど戻ってしまう。
融点である327℃以上に於いて変形させた場合でも同
様であり、この点他のプラスチックと大きく異る。
本発明の如く未焼結で変形させた場合は焼結に伴って起
る収縮により与えた変形度の幾分かは元の状態に戻ろう
とするがその程度は一旦焼結後変形させた場合に比して
小さく、従って有効な、永久変形を可能にする。
また変形度についても焼結後の変形に比し未焼結、特に
潤滑剤を含んだ状態での変形度は大きい。
例えば径を拡大するのに焼結されたものでは精々3〜4
倍の限度であるが、潤滑剤を含んだ未焼結状態では圧延
等により10倍以上にも拡大する事が出来る。
また焼結後に拡大変形したものでもその収縮率は拡大率
以上に収縮し従来の収縮チューブやパイプよりも密着性
の秀れた、かつ皮膜強度の大きい製品が得られる。
以上に述べた如く、本発明の方法は従来の押出成形法に
よって得られるパイプ等の欠点である未焼結時及び焼結
時の径方向の強度不足を改善し優れた耐屈曲性、耐圧性
を有する押出成形品を与えると共に、押出成形後更に未
焼結状態での延伸、拡大等の加工を可能にし、これまで
得られなかった種々の成形品を与えるものである。
以下には本発明を実施例によって更に説明するが本発明
が実施例に限定されるものではない。
実施例 ′ 市販の四弗化エチレン樹脂ファインパウダー〔テフロン
6J三井フロロケミカル社製〕3Kgとホワイトオイル
〔スモイルP−55村松石油社製〕0、84 Kyとを
常法により均一に混合し、成形圧力30KP/crAで
外径88wl1.、内径21M(7)円筒状予備圧縮成
形品を作った。
これをシリンダー内径907Ig11マンドレル外径2
Q77m、ダイの傾斜角600、開孔径8藺とダイラン
ド12011g1のインサートダイ、コアピン外径6M
のペースト押出成形機に入れる。
まずマンドレルとコアピンを40rpHlで回転させな
がら油圧により静水圧を負荷していき150KP/cm
tに達すると偏向のないチューブが1m/mの速度で押
出されてくる。
次いで290±30 K!i’/cntの押出圧力で定
常状態に達する。
マンドレルの回転を停止すると押出圧力は350±10
に?/cmtに上昇した。
次にダイインサートをマンドレルとは逆方向に3011
)Iで回転させると押出圧力は295±25 K5’/
cniに低下して安定する。
インサートダイスの回転を継続しつつマンドレルを4Q
rplDで回転させると押出圧力は300±20KP
/cnlfに変化した。
この様にして押出されたチューブをトリクロロエチレン
に浸漬して抽出し未焼成チューブの引張強度と破裂強度
を測定した。
ここでの破裂強度は導通管に連続した未焼成チューブが
内圧の増加によって破裂する圧力によって求めている。
次いで長さ方向の収縮が生じない様に保持しながら36
0℃10分間熱処理して焼成し、内径、引張強度を求め
た。
これらの測定値を第−表にまとめた。
焼結後のチューブを切開いて反対方向に折り曲げると白
い繊維が浮んで来るが、押出最初のもの及び回転してな
いものではほとんど平行な繊維しかみられないのに対し
、マンドレル回転のものでは内表面層に押出方向とは約
10’の角度をもった繊維が、またダイインサート回転
のものでは外表面層に約8°の角度で、両方回転したも
のではその繊維角度が内表面層で約15°の傾斜をもっ
た網状になっていた。
これらのチューブを押出方向に傷を入れた上で2片を上
下に引張って耐引裂強度を調べるとダイ、マンドレルを
停止したものが最も裂は易すく、次いで一方のみの回転
したものが裂けるが両方回転では非常に裂は難くなって
いた。
【図面の簡単な説明】
第1図はチューブ外径を規制する組立てダイの縦断正面
図、第2図は本発明を実施するラム式押出装置の縦断正
面図、第3図は押出されたチューブの繊維方向を示す斜
視図、第4図は本発明の押出装置の幾分変形した型の一
部欠截縦断正面図である。 1はダイ、11はダイインサート、12はコアピン、2
1はダイランド、2はマンドレル、3はチューブ、4は
ラム、5はシリンダー、6は予備圧縮成形物、13.2
3は繊維方向である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 未焼結状態の四弗化エチレン樹脂チューブの直径の
    拡大、縮少、さらに長さ方向での延伸等の加工が行なえ
    る該チューブの製造方法であって、未焼結の四弗化エチ
    レン樹脂粉末と液状潤滑剤の混合物をラム式押出機を用
    いてチューブに変形させる際にその最終形状に変形させ
    る溝のない金属壁のうち少なくとも一つを回転させたこ
    とを特徴とする未焼結四弗化エチレン樹脂チューブの製
    造方法。 2、特許請求の範囲第1項の未焼結四弗化エチレン樹脂
    チューブを製造する装置においで最終形状を規定する溝
    のないグイ部材または溝のない芯軸部材の少なくともい
    ずれか一方を回転駆動部と連結したことを特徴としたラ
    ム式押出装置。
JP50149718A 1975-12-15 1975-12-15 4 フツカエチレンジユシカンザイリヨウ ノ オシダシセイケイホウホウ オヨビ ソノソウチ Expired JPS5828107B2 (ja)

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