JPS5828064Y2 - 凍結防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、凍結防止装置、特に水道配管、湯沸器の熱交
換器等の水回路中に挿入して流路内の凍結を防止する凍
結防止装置に関する。

従来、冬期における水回路の凍結防止策として、湯沸器
等に於いては、熱交換器を含む水回路の元栓の下流側近
傍に水抜き栓を設けて、不使用時あるいは就寝時にこの
水抜き栓を開放し、前記元栓の下流側を空にする方法を
採用している。

また、水道配管等の場合には、蛇口を少し開放させて少
量流出させ、配管内に水の流動を生じさせる方法が採ら
れている。

ところが、冬期に於いて、凍結温度にまで外気温が低下
することの少ない地域（非寒冷地）では、水抜き忘れも
多く、水回路内の凍結により湯沸器の熱交換器を含む水
回路、あるいは、水道配管が損傷を受ける。

特に、湯沸器内の水回路中に挿入した水圧応動弁等はか
かる事態に於ける抵抗力がなく、容易に損傷する。

本考案は、外気温が水の凍結直前の温度に降下した時に
自動的に水回路を一部開放して水回路内水に流れを与え
又は水回路内を空にすることを目的とする。

本考案の構成は、本体内に側部の取水口から空室を経て
下方の吐出口に致る流路を形威し、前記吐出口を弁口と
すると共に、空室の上部に貫通孔を設けて該貫通口と前
記弁口とを同軸上に位置させ、前記貫通孔内に摺動弁を
設けると共に、前記弁口の外部に弁体を対接させ、これ
ら摺動弁及び弁体を共通の弁軸に設け、該弁軸の上方突
出部に作動温度を適宜に設定したソフトフェライトを取
付け、更にその上部同軸上に永久磁石を遊嵌してソフト
フェライトを吸着保持せしめ、該永久磁石と本体間にバ
ネを介装して該弁軸を弁体の下方向に付勢し、外気温が
設定温度以上でソフトフェライトと永久磁石との吸着力
がバネの下向き付勢力よりも大きく且該バネの下向き付
勢力よりもバネの上向き付勢力を大きくしたことである
。

本考案は上記構成によって、手動による水抜き操作が不
用となり完全な水抜きが行なえる。

即ち外気温が高い間は、ソフトフェライトはその上部に
配設された永久磁石に吸着状態にあるので、弁体は弁口
を閉塞しているが、外気温が降下して水の凍結直前の温
度即ち０℃付付近速達ると、ソフトフェライトはその物
性上透磁率が変化し吸着力が低下する。

ソフトフェライトの吸着力が低下すると、弁本体は開弁
方向に適宜付勢時て付勢されているから、弁本体の開弁
方向の付勢力が磁石とソフトフェライトの吸着力に勝っ
て弁体は開弁する。

弁体が開弁すると弁口より湯沸器内の残留冷水が放水さ
れ、水抜きが自動的に行なえるのである。

又、本考案は上記構成であるから、次の特有の効果を有
する。

（１）永久磁石、ソフトフェライトは水回路の外部に置
かれているから、これらを水回路内に収容する場合にく
らべて錆にくい。

（２）弁口を閉塞する弁体と摺動弁とが同軸に設けられ
ているため、弁体に作用する開弁圧力とほぼ同じ圧力の
反対圧力が該摺動弁に作用するため、前記開弁圧力が相
殺されて水圧による開弁力は小さい。

従って、弁体を閉状態に保持する力、すなわち、永久磁
石によってソフトフェライトを吸着する力は小さくなり
、永久磁石、ソフトフェライトを小型化できる。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

図に於いて、１は本体で、空室３１の上部には貫通孔８
１を、下部には弁口４を対接し、更に該空室３１の側部
には取水路３２を設けである。

更にこの本体１は、水道配管、湯沸器の熱交換器等の流
水路２に取着し得るように入口側端部にフランジ３を設
けたものであり、弁口４と流水路２とが連通し得る構造
となっている。

該弁口４には弁軸５が貫通しその下端に設けた弁体６が
弁口４開目端の弁座７に当接し得るものであるか、弁口
４上方にはそれとほぼ同径の貫通孔８１が同軸上に設け
られ、弁軸５の中程に形成した摺動弁９がＯリング１０
とともに内嵌し該孔部内で水密摺動可能となっている。

次に、弁軸５の上部には設定温度以下で透磁率が激減す
るソフトフェライト１１が取付けられるとともに、軸５
のさらにその上方にばばね１２により上方に付勢された
永久磁石１３が続いて遊嵌している。

この永久磁石はヨーク１４及び支持板１５で包被され、
この包被部材の張出部１６ ａ 、１６ ｂが本体１上
部に外嵌するキャップ１７のつば１８以下に内嵌して一
定範囲昇降可能となっている。

また、弁軸５下部にはばね１９が外嵌して本体１の段部
２０と弁軸５の下端近傍に周設した鍔５１との間に装着
され該弁軸を常時開弁方向に付勢させている。

以上に詳記した構造の装置の場合、通常状態では、弁軸
５に固定したソフトフェライト１１が永久磁石１３に吸
着されているため、弁軸５及び弁体６はばね１９に抗し
てばね１２により上方に持ち上げられ、弁体６が弁口４
を閉塞している。

従って、流水路２の内水は流出しない。

ここで、永久磁石１３の吸着力、ばね１２の付勢力、ば
ね１９の付勢力の三者は適宜に設定して、弁体６の閉弁
力を十分に採っであることは言うまでもない。

次に外気温が降下して氷の凍結温度（０℃付近の温度）
に達すると、ソフトフェライト１１の透磁率が急激に変
化して永久磁石１３との吸着力は極端に低下し、永久磁
石１３はばね１２によりソフトフェライト１１から離反
させられることとなる。

ところが、弁軸５にばばね１９による降下刃が付与され
ているため、それによって弁体６が開弁し流水路２内の
水が弁口４を経て流出することとなる。

この場合、すでに述べたようにソフトフェライト１１の
作動温度は流水路２内の水が凍結完了までの適宜温度（
例えば０℃）に設定していることは言うまでもない。

従って、前記の水の流出によって流水路２内の水が流動
するため、それ以上の外気温度の降下があっても流水路
２内の凍結は防止される。

流水路２が例えば風呂等の熱交換器の場合には前記開弁
動作により熱交換器内が空状態となり、この場合ももち
ろん熱交換器内の凍結が未然に防止される。

次に、外気温が上昇して再使用即ち弁体６を閉弁させて
通常状態に復帰させるには、弁軸５上端のつまみ２０を
引き上げるとともに、支持板１５に連設したつまみ２１
を押しさげるとよく、これによってソフトフェライト１
１が永久磁石１３に吸着して第１図の状態が復元する。

尚、第２図に示す如く、永久磁石１３を第２図に示す如
くに包被し、ヨーク１４の先端部２２ ａ 、２２ｂを
残して全体的に合成樹脂コーティングを施し、コーティ
ング層２３により永久磁石１３等を包むようにし、加え
てソフトフェライト１１にも同様なコーティング層２４
を設ければ前述の防錆効果ひいては作動タイミングの安
定化を向上させることが可能となる。

また、第１図実施例の場合には、永久磁石１３．ソフト
フェライト１１収容部に透孔２５，２５を設けて外気と
これら素子との接触を良好ならしめたため、流水路２内
の水の凍結時期とソフトフェライト１１の作動時期を大
幅に近づけることが可能となり正確な制御を実現するこ
とができる。

さらに、永久磁石１３を付勢するばね１２の付勢力によ
り弁体６を閉弁させる構造であるから、ソフトフェライ
ト１１の取付位置等に寸法的余裕を持たせることができ
る効果があり、永久磁石１３の吸着力、ばね１２の付勢
力、ばね１９の付勢力、のそれぞれを適宜に設定するこ
とにより弁体６の開弁力あるいは閉弁力をそれぞれ別個
に適宜に設定し得ることとなる。

これらのことは作動の信頼性向上に大きく貢献するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の断面図、第２図は他の実施例の
要部断面図であり、図中１・・・・・・本体、４・・・
・・・弁口、５・・・・・・弁軸、６・・・・・・弁体
、９・・・・・・摺動弁、１１・・・・・・ソフトフェ
ライト、１２・・・・・・バネ、１３・・・・・・永久
磁石、１９・・・・・・バネ、３１・・・・・・空室、
３２・・・・・・取水路、８１・・・・・・貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体１内に側部の取水口３２から空室３１を経て下方の
   吐出口に致る流路を形成し、前記吐出口を弁口４とする
   と共に、空室３１の上部に貫通孔８１を設けて該貫通口
   ８１と前記弁口４とを同軸上に位置させ、前記貫通孔８
   １内に摺動弁９を設けると共に、前記弁口４の外部に弁
   体６を対接させ、これら摺動弁９及び弁体６を共通の弁
   軸５に設け、該弁軸の上方突出部に作動温度を適宜に設
   定したソフトフェライト１１を取付け、更にその上部同
   軸上に永久磁石１３を遊嵌してソフトフェライト１１を
   吸着保持せしめ、該永久磁石１３と本体１間にバネ１９
   を介装して該弁軸５を弁体６の下方向に付勢し、外気温
   が設定温度以上でソフトフェライト１１と永久磁石１３
   との吸着力がバネ９の下向き付勢力よりも大きく且該バ
   ネ１９の下向き付勢力よりもバネ１２の上向き付勢力を
   大きく設定した凍結防止装置