JPS582623Y2 - 固体インクロ−ラ機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転している固体インクローラを部分的に選択
加熱することによりインクを溶融させて記録紙に付着さ
せる方式の記録装置に用いられる固体インクローラ機構
に関する。

第１図は従来のこの種の記録装置の原理的な構成を示す
断面図であり、１は固体インクローラで、回転シャフト
２の周囲に固体インク層３を形成したものである。

４は前記固体インクローラ１を覆う様に配置された予熱
体で、固体インクローラ１を規定の温度に保つ様に制御
されている。

５は平板状の表面矯正器で、前記固体インク層３の全長
にわたってナイフェツジ状の先端部６を接触させ、圧力
をかけて表面矯正をしている。

同、前記予熱体４は表面矯正器５をも覆う様に配置され
ており、該表面矯正器５にも予熱を与えて表面矯正を行
い易くしている。

７は加熱体、８はその加熱部で、両者はいわゆるサーマ
ルヘッドを構成している。

９は記録紙で、前記固体インクローラ１と加熱体７との
間に規定の圧力で挾まれて配置されている。

矢印１０は前記固体インクローラ１の回転方向を示し、
また矢印１１は前記記録紙９の送り方向を示している。

この記録装置の記録方法は、固体インクローラ１を予熱
体４によって固体インク層３の溶融温度より少し低い温
度となる様に予熱しておき、それに加えて加熱体７の加
熱部８を記録紙９の裏面から発熱させ、その熱で固体イ
ンク層３の表面のインクを溶融させて記録紙９の表面に
付着させる方法である。

１回のインク付着によって固体インク層３の表面には、
部分的に約７μ程度の凹部が生ずるため、次の付着に備
えて表面矯正が必要であり、そのため表面矯正器５の先
端部６によって加圧矯正を行っている。

しかしこの様な方法では、固体インク層３と加熱体７の
加熱部８とが記録紙９を挾んで全長にわたって接触させ
る必要があり、隙間が存在すると加熱部８の熱が固体イ
ンク層３に十分伝わらないため、インクが溶融せず、そ
の結果記録ぬけが生ずることになる。

実際の装置に釦いてもこの隙間の原因は固体インクロー
ラとサーマルヘッドの平面度、同心度が得られないこと
にあり、固体インクローラは切削加工、熱による矯正等
である程度の同心度は得られるが、サーマルヘッドは基
体であるセラミック自身のそり、うねり等が完全にとり
きれず、そのために、上述した構成に釦いて固体インク
ローラの固体インク層と加熱体の加熱部とをＡ４判横方
向程度の長さにわたって記録紙を介して接触させること
は不可能に近いことである。

本考案は軸方向の長さを短かくした固体インクローラを
複数個千鳥状に分割配置してシャフトに固定し、該シャ
フトにより千鳥状に配置した固体インクローラを揺動し
て記録を行えるようにしたことを特徴とし、その目的は
、個々の固体インクローラと加熱部との接触長を小さく
してサーマルヘッドのそり、うねり等による隙間を取除
き、良好な記録を行うことのできる固体インクローラ機
構を得ることにある。

第２図は本考案の一実施例を示す斜視図であり、その構
成を説明すると、軸１２と該軸１２の周囲に形成された
固体インク層１３とより成り、かつ該固体インク層１３
の軸方向の長さを加熱体７の加熱部８の長手方向の長さ
よりも短かいものとした固体インクローラ１４ａ、ｉ４
ｂ、１４ｃ。

１４ａを、前記軸１２の両端を回転自在に支持する一対
のブラケツ）１５ａ、１５ｂを介してシャフト１６に順
次千鳥状に配置固定してその一端から他端までの長さ１
を前記加熱部８の長さと同程度にし、かつ前記ブラケッ
ト１５ａ、１５ｂの外側面にはバネ１７ａ、１７ｂを取
付けて該バネ１７ａ、１７ｂにより前記軸１２を一定の
方向に押圧したものである。

第３図及び第４図は上述した固体インクローラ機構を使
用して構成した記録装置の原理的な動作説明図であり、
図面中１８ａ及び１８ｂはストッパである。

第３図に示すように、固体インクローラ１４ａ及び１４
ｃと加熱体７とで記録紙９を挾むと共にある圧力下で接
触させ、加熱部８の前記固体インクローラ１４ａ及び１
４ｃと対応する部分を選択的に加熱することにより固体
インクローラ１４ａ及び１４ｃの固体インク層１３０表
面を溶融して記録紙９に付着させる。

次にシャフト１６を矢印１９の方向に回転させると、第
４図に示す様に固体インクローラ１４ｂ及び１４ｄが加
熱部８の真上に位置する所でストッパ１８ａにより回転
は停止する。

この状態で上記と同様の方法で加熱部８を選択的に加熱
することにより固体インクローラ１４ｂ及び１４ａの固
体インク層１３の表面を溶融して記録紙９に付着させる
。

以上の印字動作で記録紙９上に１行分のドツト印字が終
了する。

次にシャフト１６を矢印２０の方向に回転させると、前
記固体インクローラ１４ａ及び１４ｃが加熱部８の真上
に位置した状態、すなわちもとの第３図の状態でストッ
パ１８ｂにより回転は停止され、次の印字に備えて待機
する。

ここで記録紙９を１ピツチだけ矢印２１の方向に移動さ
せて上述した方法で印字記録を行う。

この様にして順次記録を繰区し行うことにより記録紙９
上に文字、図形等を印字記録するものである。

尚、本実施例でＵ４ｓ１の固体インクローラを用いて説
明しているがこの数に限定されるものではない。

また、千鳥状に配置した固体インクローラの固体インク
層の長さはそれぞれの端部が互いにオーバラップする程
度に設定するとよい。

以上説明した様に本考案は、加熱体の加熱部の幅よりも
軸方向の長さが短い固体インク層を有する固体インクロ
ーラをシャフトに複数個千鳥状に配置して各々の固体イ
ンクローラを記録紙を介して加熱部に接触させる構成と
しているので、その接触長を小さくすることができ、そ
の結果サーマルヘッドのそり、うねり等による隙間をほ
とんどなくすことができるので良好なインクの付着が得
られ、高品質の記録を行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の記録装置の原理的な構成を示す断面図、
第２図は本考案の一実施例を示す斜視図、第３図及び第
４図は本考案を使用した記録装置の原理的な動作説明図
である。 １２・・・・・・軸、１３・・・・・・固体インク層、
１４ａ。 １４ ｂ 、１４ ｃ ｔ １４ ｄ・・・・・・固体
インクローラ、１５ａ、１５ｂ・・・・・・ブラケット
、１６・・・・・・シャフト、 １７ａ。 １７ｂ・・・・・・バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固体インク層のインクをサーマルヘッドにより加熱溶融
   させ、溶融したインクを記録紙に付着させて記録を行う
   記録装置に用いる固体インクローラ機構であって、軸と
   該軸の周囲に円柱形を成すように均一な厚さに形成され
   た固体インク層とより成る複数の固体インクローラを各
   々ブラケットの→端に回転自在に支持し、これらの固体
   インクローラが軸方向に向けて千鳥状に２列の配列とな
   るように各ブラケットの他端を往復回転可能な１本のシ
   ャフトに固定すると共に、各ブラケットには固体インク
   ローラの軸を前記シャフトと反対側の方向に押圧するバ
   ネを取付け、前記シャフトの往復回転運動により２列の
   固体インク臼−ラが記録紙を介して交互にサーマルヘッ
   ドの加熱部に接触するようにしたことを特徴とする固体
   インクローラ機構。