JPS5824723Y2 - 形状測定機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は形状測定機の触針に所定の力以上の過負荷が
加わった場合の触針等の破損を防止する機構を備えた形
状測定機に関するものである。

周知のように形状測定機によって被測定物（以下ワーク
という）の形状を測定する場合には触針を被測定面に常
に接触させながら平行に一定速度で移動させ、触針が上
下に変位したときの変位量を電気信号に変換拡大するこ
とによって行なう。

この場合ワーク表面に急な凸部に触針が当ったり、ある
いは何らかの外部からの力が触針に加えられることによ
ってその触針を破損してしまうというような事故が起っ
ていた。

本考案はこれ等の事故を防止することを目的として提案
されたものである。

また、本考案は例えば第１図に示すような凹凸の急なワ
ーク１の形状を測定する場合の操作性を向上させること
を目的として提案されたものである。

従来装置によってワーク１のような形状を測定するには
作業者が注意深く触針２の動きを監視しながら行なわな
ければならなかった。

すなわち触針２の破損を防止するためにイ点からＬ□方
向（引き方向）に触針２を移動させ触針２がＢ面に突き
当る寸前でその移動を停止させてＡ面の測定を行ない、
次いで口点からＬ２方向（押し方向）に触針２を移動さ
せ、触針２がＡ面に突き当る寸前でその移動を停止させ
てＢ面の測定を行なうのであるが、この場合触針２の停
止は全て作業者がその動きを注意深く監視することによ
って行なっていた。

従って作業操作上極めて不便であるばかりでなく作業者
の不注意によって触針２を破損してしまうことがあった
。

更にまた小さいワークの場合においては上記のような作
業は不可能であるし、形状によってはワーク自体をセッ
トしなおして測定するということが行なわれていたため
に、Ａ面に対するＢ面の相対的形状を測定するような場
合において高精度の結果を得ることが出来なかった。

本考案は以上のような従来装置の欠点を解決して、触針
２に所定の力以上の過負荷が生じた場合に触針２の移動
を自動的に停止させることによってその破損を防止する
と共に凹凸の急なワークを測定する場合の操作性をも向
上させたものである。

以下第２図に従って本考案を説明する。

図において３は例えばモータのような電気的駆動機構（
図示せず）によって図の左右方向に移動可能な本体であ
って、この本体３にはアームホルダ４が平行ばね５，６
によって平行に取付けられている。

アームホルダ４には先端に触針２を有するアーム７が支
点８を中心に円弧運動可能に取付けられている。

アーム７の中間位置には差動変圧器のコア９が垂直に取
付けられ、アームホルダ４に設けられた差動変圧器のコ
イル部１０と係合して触針２の変位を検出することがで
きるようになっている。

なお触針２の先端と支点８とは図示の如く同一平面上で
あることが円弧誤差を極力少なくする上で望ましい。

一方前記本体３の右端下部には垂直に逆り字形部材１１
が設けられており、この逆り字形部材１１と平行かつ一
定間隔を保って中間体１２が板ばね１３によって保持さ
れている。

従って中間体１２の上部は支点１４を中心として左右動
可能に支持されている。

前記中間体１２の上部左側と前記本体３の突出部１５の
右側との間にはそれぞれ絶縁物１６．１７を介して電気
接点１８．１９が構成され、また中間体１２の下部左側
と前記アームホルダ４の右側との間にはそれぞれ絶縁物
２０．２１を介して電気接点２２．２３が構成され、各
々の接点は直列に結ばれて電気回路を形成している。

また、２４は触針２にＦ１方向の力が加わった時の調整
用の圧縮ばねで、調整ねじ２５によってその強さを調整
することができる。

この圧縮ばね２４は前記中間体１２と前記逆り字形部材
１１との間に挿入され、かつ上の電気接点１８．１９と
同一直線上に位置している。

従って中間体１２は常に左側に押圧され電気接点１８．
１９および２２．２３は常時は接触している。

また２６は触針２にＦ２方向の力が加わった時の調整用
の圧縮ばねで調整ねじ２７によってその強さを調整する
ことができる。

この圧縮ばね２６は前記アームホルダ４の左先端と前記
本体３の先端突出部２８との間に挿入され、かつ下の電
気接点２２ 、２３と同一直線上に位置している。

このような構造において、先ず引き方向に触針２が摺動
しＦ２方向の力が加わった場合の触針の破損防止の作用
を説明する。

図示しない電気的駆動機構を作動させて本体３を一定速
度で右方向に移動させることによってワーク表面の形状
を測定する。

そして、通常の場合はアームホルダ４は圧縮ばね２６の
力にバランスして電気接点２２ 、２３を接触した状態
で測定を続けるが、触針２がワーク表面の急な凸部に突
き当るとか第１図のＢ面に当るとか、あるいは何らかの
外部からの力によってその移動が制限されるとかして圧
縮ばね２６のばね力より大きな過負荷が生ずると、アー
ムホルダ４は圧縮ばね２６に抗して本体３に平行に左へ
移動する。

そうすると電気接点２２．２３が離れ電気回路が切れる
ので直ちに電気的駆動機構が停止されて触針２の移動が
停止されるのでその破損を防止することができる。

次に押し方向に触針２を摺動させＦｌの力が加わった場
合に上記同様の過負荷が生ずると、アームホルダ４は圧
縮ばね２４に抗して本体３に平行に右へ移動して中間体
１２を右方向へ押す。

そうすると中間体１２は支点１４を中心にして右に回転
し、電気接点１８．１９が離れ電気回路が切れるので直
ちに電気的駆動機構が停止され触針２の移動が停止され
るのでその破損を防止することができる。

以上詳述したように、本考案によれば形状測定機によっ
てワーク表面の形状を測定する場合に、引き方向、押し
方向のそれぞれに所定の力以上の過負荷を生ずると直ち
に電気接点が働いて触針の動きを停止させる機構とした
ために、従来頻発していた触針の破損事故を防止する上
で極めて顕著な効果があると共に、従来その測定が煩雑
であった急な凹凸を有するワークの形状を測定する場合
の操作性を向上させることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は形状測定順序を示す説明図、第２図は本考案の
一実施例説明図である。 １・・・・・・ワーク、２・・・・・・触針、４・・・
・・・アームホルダ、７・・・・・・アーム、９，１０
・・・・・・検出部、２４，２６・・・・・・圧縮ばね
、１８，１９，２２．２３・・・・・・電気接点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気的駆動機構により移動可能な本体とこれに平行ばね
   をもって吊り下げられ触針アームの支点を有するアーム
   ホルダとの間に本体に対して回動可能に中間体を設け、
   中間体と本体との間および中間体とアームホルダとの間
   にそれぞれ電気接点を設け、上記電気接点が常時圧接さ
   れるように中間体およびアームホルダを付勢し、アーム
   ホルダの支点に移動方向に過大な力が働いたときに上記
   電気接点のうちいずれか一方が切れて上記電気的駆動機
   構の電気回路を遮断するようにしたことを特徴とする形
   状測定機。