JPS5824562Y2 - 鋼板製車輪 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はホイールのリムとディスクの接合部に形成され
る凹陥部に対し１、低温溶融金属の充填材を以てこれを
閉塞して成る鋼板製車輪に関する。

一般にホイールはアルミホイールを除いて予め成形され
たリム内に同じく成形されたディスクを嵌入して後両者
を周方向位置において等間隔毎にスポット溶接して接合
していた。

従来かかる方法にて成形されたホイールに対しては一般
に発錆防止及び美的観点から塗装を施していたわけであ
るが、この塗装作業は必ずしも容易な作業とはいえなか
った。

その理由は上記方法にて成形される鋼板製ホイールにあ
っては、リムとディスクの接合部に必然的に凹陥部が形
成されるため、この凹陥部に塗装するためには、十分奥
深く塗装する必要があるとともに、この凹陥部をムラな
く塗装することは至難の業であるという点にある。

さらにホイールは実際の使用過程において、晴雨暖寒或
いは使用場所が必ずしも一定ではなく可酷な使用が余儀
なくされるため、この凹陥部内に塵埃或いは汚泥水が侵
入付着し、これが塗料剥離や発錆の大きな原因となり、
ホイールの強度においてはあまり大きな影響はないもの
の外観を著しく損ねる等多くの問題を有していた。

本考案はかかる現状に鑑み案出されたものであって、そ
の目的とするところは、鋼板製ホイールのリムとディス
クの接合によって形成される凹陥部を低温溶融金属の充
填材にて閉塞せしめることにより前記欠点を解消し、且
つ恰もリムとディスクとが一体車輪の如き外観を呈しめ
る鋼板製車輪を提供せんとするものである。

以下図示の一実施例に基づき本考案の具体的内容を具体
的に説明すると、 １は鋼板製ホイールのリム、２は鋼板を絞り加工したデ
ィスクを示し、このリム１とディスク２とは相互に周方
向位置において所定間隔毎にスポット溶接Ｗされている
。

Ｈはリム１とディスク２との接合部に形成された凹陥部
を示し、該凹陥部には低温溶融金属の充填材３が充填さ
れており、これによって上記リム１とディスク２との接
合表面が平滑化されている。

尚、上記の充填材３として用いられるところの低温溶融
金属としては、たとえばハンダや蒼鉛合金或いはこれら
と同等の物質の内から選ばれよう。

而して凹陥部Ｈに沿って低温溶融金属の充填材３を円周
方向均一となるよう充填することにより、該凹陥部Ｈは
充填材３にて完全に閉塞されて外部には充填材３とリム
１及びディスク２とが継目なしの状態となる。

かかる状態において塗装を実施すると、その塗装仕様は
均質等厚になされ、恰も鋼板製ホイールのリムとディス
クとにおいて接合継目のない一体車輪の如き外観を呈し
めることかできる。

さらに上記充填材の充填方法については、たとえばハン
ダ付け、ロウ付け、溶接等適宜の手段を用いることがで
き、そのいずれの場合においても凹陥部を完全に閉塞せ
しめる手段はすべて本考案の技術的範囁に属する。

本考案は上述したように鋼板製ホイールのリムとディス
クの接合にて形成された凹陥部に対し、低温溶融金属の
充填材を充填するようにしたために、金属同志の結合と
なり、その結果両者の相溶性が良好となり、結合強度が
向上してホイール全体の剛性が増大する。

また塗装処理を施すに際し、リムとディスクとの接合部
に形成された凹陥部が充填材によりすべて平滑化された
表面に対して塗装処理が施されるために、塗料が全体に
わたり均一に塗布されるので、恰も接合継目のない一体
車輪の外観を呈する車輪を簡易なる手段にて容易に製造
することができるとともに、上記閉塞部分における塵埃
、泥水の侵入付着による塗料剥離及び発錆が生ずる虞れ
も全くない等種々の有益なる効果を奏し、且つ美的効果
も期待することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す鋼板製ホイールの要部
半裁断面図である。 １・・・・・・リム、２・・・・・・ディスク、３・・
・・・・充填材、Ｗ・・・・・・スポット溶接部、Ｈ・
・・・・・凹陥部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイールにおけるリムとディスクとの接合部に形成され
   る凹陥部を低温溶融金属の充填材にて閉塞して成る鋼板
   製車輪。