JPS58238B2 - 音叉型圧電振動子を用いた電気音響変換器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は音叉型圧電振動子を用いた電気音響変換器、例
えば、マイクロホン、イヤホン、スピーカに関する。

例えばマイクロホンについての従来の一般的な基本構造
としては、古くからカーボン型と称する電気抵抗を用い
たもの、マグネチック型と云われコイル内での振動板の
動きからの起電力を利用するもの、又は、ダイナミック
型と呼ばれ磁力線内でコイルの振動からの起電力を用い
るもの、或いは、クリスタル型と呼ばれロッシェル塩等
の圧電効果を用いるものがあり、更に近年に至り、コン
デンサ型と云われ電気容量の変化を用いるもの等がある
。

しかるに、本発明に係る音叉型圧電振動子、例えば音叉
型水晶振動子を用いたものは未だ実用化されていないの
が現状である。

その理由は、水晶の素材そのものが従来は天然水晶に依
存し、宝石の類に入る程高価であり、更に電気的に利用
出来る部分が限定されていることと、加えて、材料原価
が上述した他の原理のものに及ぶべくもなく高価であっ
たことにあり、さらに、水晶片を可聴周波数領域で使用
することは比較的大きな平面積を必要とするので小型の
マイクロホンの実現が困難であったことにある。

しかし、最近は人工水晶の製造技術が飛躍的に進歩し、
同時に、電子時計用圧電素子の伸長に伴って極めて小型
化された音叉型水晶振動子が実現するに至った。

本発明の目的は、最近電子時計用として大量生産されて
いる音叉型圧電振動子を活用して超小型、高感度で特性
が安定した電気音響変換器を提供することにある。

以下、本発明の実施例を、音叉型水晶振動子を用いた超
小型マイクロホンについて説明する。

第１図は本発明実砲例の正面図、第２図はその■−■断
面図、第３図は上記実施例に用いられている音叉型振動
子４の側面図である。

円筒形取付基台１の両端面に円形振動板２，３の周辺部
がそれぞれ接着等により固着されて太鼓型を形成してい
る。

また、音叉型振動子４の振動の腹部となるフォーク形振
動部の先端部７，８が振動板２，３の中央部に位置する
ように、その音叉型振動子４の振動の節部に設けられた
支持部が取付基台１の内側面に固定され、振動子４の振
動部の先端部７，８と振動板２，３の中央部９，１０と
が、それぞれ支柱５，６を介して接着等により連結しで
ある。

音叉型振動子４は、第３図に示すように、フォーク形振
動部とその振動部の折り曲り部分から連続形成された支
持部から成り、振動部の両側面に蒸着処理等により導電
層を被覆して電極１５．１６を形成したものである。

この振動子４の電極１５．１６のうち支持部まで伸びて
いる部分１３，１４にリード線１１．１２が接続されて
外部に導出されている。

この装置を例えばマイクロホンとして使用するときは、
音波により振動板２，３が振動し、その振動が支柱７，
８を通して音叉型振動子４の腹部を振動させ、電極１５
．１６に音波に応じた電気信号が発生する。

このとき、振動板２，３の振幅は中央部が最大であって
その振動方向は第２図において上下方向であり、音叉型
振動子４の振幅は腹となる先端部が最大であってその振
動方向は同じく第２図において上下方向であるから、最
も効率の高い電気音響変換器が得られる。

この装置をイヤホン又はスピーカとして使用するときは
、マイクロホンの場合の逆の作用により電極間に印加さ
れる電圧波形に応じて振動板が振動する。

本発明によれば、振動子４の腹に支柱を介して振動板が
一体に結合されているので、装置全体の共振周波数が振
動子自体の共振周波数よりもはるかに低いものとなり、
従って、振動子自体の共振周波数が可聴周波数領域より
も高い場合であっても、振動板及び支柱の構造を適当に
設計することにより可聴周波数領域における特性の優れ
たものを得ることができる。

このことは、近年目覚ましい普及を遂げつつある電子時
計に用いるための音叉型水晶振動子をそのまま使用して
可聴周波数帯域用マイクロホン又はイヤホンを超小型か
つ安価に製作することを可能にした。

また、本発明によれば、筒形取付基台の両端面に振動板
を張設して太鼓型に構成されているので、変換効率が非
常に高く、指向性を持たないなどの優れた利点を有し、
両振動板の共振周波数の選択により帯域幅の広いもの狭
いものなど所望の周波数特性のものを容易に得ることが
できる。

実施例の一例を示せば、全長６ｍｍ、幅０．５ｍｍ、厚
さ１．５ｍｍの電子時計用音叉型水晶振動子を用い、外
径１２ｍｍ、厚さ３ｍｍの円形の超小型マイクロホンを
得た。

次にその特性を測定した結果、感度−５２ｄＢ（１ＫＨ
ｚ）、指向性なし、周波数特性は２個の振動体２，３の
共振周波数により変化し、第４図に例示するように種々
のものを得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の正面図、第２図はその■−■断
面図、第３図は上記実施例の振動子４を示す側面図、第
４図は上記実施例の周波数−感度特性を例示する図であ
る。 １…取付基台、２，３…振動板、４…音叉型振動子、５
，６…支柱、１１．１２…リード線、１５．１６…電極
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒形取付基台の内側面に音叉型圧電振動子の支持部
   が固定され、上記筒形取付基台の両端面に第１及び第２
   の振動板が張設され、上記音叉型圧電振動子の振動部の
   両端部と上記第１及び第２の振動板の中央部とが支柱に
   よりそれぞれ連結され、上記音叉型圧電振動子に設けら
   れた電極にリード線が接続されている音叉型圧電振動子
   を用いた電気音響変換器。 ２ 上記音叉型圧電振動子が電子時計用音叉型圧電振動
   子であることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   音叉型圧電振動子を用いた電気音響変換器。 ３ 上記音叉型圧電振動子が音叉型水晶振動子であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項記載の
   音叉型圧電振動子を用いた電気音響変換器。