JPS6032588Y2 - 振動検出器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は物体や機械装置等の異常振動を検出する為に共
振形振動検出器に関し、その目的とするところは、Ｑ値
が低くて応答時間が早く、共振周波数の調整が容易で、
寄生振動による誤動作の危険性が少く、かつＱ値や共振
周波数や出力電圧のばらつき及び温度変化の少い振動検
出器を提供することにある。

従来の振動検出器の１例を第１図に示す。

１は金属より戊る円形の振動板で外周部より支持子２が
取り出され金属ベース４に固定されている。

振動板１の中央部には圧電磁器板３が貼合され、その表
面電極はリード線５で端子６と接続されている。

圧電磁器板３の裏面電極は振動板１、金属ベース４を介
して端子７と導通している。

なお８はベース４と端子６を絶縁する絶縁物である。

かかる振動検出器は、ベース４に取り付けられ振動板１
を収納するケース（図示せず）を機械装置等に固定し、
該機械装置等の異常振動を検出するものである。

機械装置等が異常振動を起す場合は通常夫々の装置に固
有の振動周波数で振動するので、振動検出器の振動板１
の共振周波数をあらかじめ被検出振動周波数に一致させ
ておけば、機械装置等が異常振動を起した場合、振動板
１が励振されて共振し、圧電磁器板３より大出力電圧が
得られる。

即、機械装置等の異常振動を電気信号として検出出来る
。

しかし第１図の如き円形の振動板１を使用した振動検出
器は共振周波数のばらつきを簡単に調整出来ないという
欠点があった。

振動板１の外周を削って調整した場合には全周を均一に
同心円状に削ることが困難な為場所により直径が異って
しまい、この為に共振周波数の極く近傍の周波数にスプ
リアス振動が発生したり、共振周波数での出力、電圧が
極端に低下する不都合があった。

このような欠点を除去する為に細長い振動片の一端を固
定し他端を削って振端片の長さを調節して共振周波数を
調節する。

いわゆる片持梁形の振動検出器が考案されているが、こ
の場合には円形振動板の場合と較べてＱ値が著るしく高
くなり、振動が印加された場合の振動片の立上り応答時
間が遅くなるという欠点があった。

一方、第１図の如く円形振動板１の外周より細い支持子
２を取り出してベース４に固定した場合、支持子２のス
ティフネスが小さい為支持子２の共振による大きなスプ
リアス振動が発生する不都合があった。

この不都合を除去する為に外周全体を固定した場合には
固定状態のばらつきによりＱ値や共振周波数や出力電圧
が大きくばらつき、又これらの温度特性が悪くなるとい
う不都合が生じる。

本考案はかかる不都合を除去し、応答時間が早く、共振
周波数の調整が容易で、かつ特性のばらつきが少さく、
周囲温度の変化にも安定した特性を示す振動検出器を提
供するものである。

以下、本考案の一実施例を第２図に基づいて説明する。

９は正方形の振動板で金属で構成され、その各辺の中央
部より支持子１０が振動板と一体に設けられており、該
支持子１０はその途中１１で９０度ねじられた後、金属
ベース１３に設けた突起１４に溶接固定されている。

振動板９の中央部には圧電磁器板１２が貼合されており
その表面電極はリード線５で端子６と連絡されている。

又裏面電極は振動板９、支持子１０、ベース１３を介し
て端子７と電気的に導通している。

又振動板９の隅１５は共振周波数の調整の為切除されて
いる。

次に各構成要素と効果の関係を示す。

本考案実施例の振動検出器に於ては、振動板９は正方形
の形状で構成される。

この振動板９は従来例の円板状の場合同様Ｑ値が低く、
外部から機械的振動が印加された場合の立上り応答速度
が早いという特徴を有する。

次に正方形の振動板の隅を切除した場合に効果を述べる
。

第３図に示す如く正方形振動板９の振動モードは四隅が
上下に歪む振動であり、その共振周波数は対角線の長さ
と変えることにより調節出来る。

即ち一隅を若干切除することにより共振周波数を若干高
くすることが出来る。

共振周波数を更に高くする為には隣接する隅を若干切除
し、更に高くする為には第３、第４の隅を順次切除すれ
ば良い。

このようにして２つの対角線の長さかほど一致し、かつ
２つの対角線の交侭から四隅までの長さがほぼ一致して
大きく異ならない値を持つ条件の下に四隅を必要に応じ
て順次切除することにより、容易に共振周波数を所望の
値に調整できる。

この場合には共振周波数の近傍に大きなスプリアス振動
が現れることがなく、共振周波数での出力電圧が大幅に
低下することもない。

以下の如く本考案の振動検出器によれば、従来例と異り
、振動板の四隅を順次切除するだけで容易に共振周波数
を調整出来、かつ出力電圧の低下やスプリアス振動の発
生が少いものである。

また従来の振動検出器に於ては、支持子は平板か平板を
一方向に折り曲げた形状であった為支持子の厚み方向の
ステイフネスが非常に小さく、従って支持子の厚み方向
に励振された際には振動板が並進運動を起こし、支持子
が共振するスプリアス振動が発生した。

これに対し本考案の振動検出器では、支持子が少くとも
９０度ねじられている為、どの方向に対しても支持子の
ステイフネスは大きく、従って上述のスプリアス振動は
殆んど生じない。

更に、支持子が４個所だけの為、従来の如き円形の振動
板の全外周を固定した場合よりも支持子の固定状態のば
らつきによる共振周波数やＱ値及び出力電圧のばらつき
は極めて小さい。

更に、支持子の幅を一層細くして振動板への取付部幅を
狭くし、かつねじり角度を増すことによりステイフネス
の値を大きく保ったままこれらのばらつきを更に少くす
ることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す斜視図、第２図および第３図は本
考案の一実施例を示し、第２図は斜視図、第３図は要部
の斜視図である。 ９・・・・・・振動板、１０・・・・・・支持子、１２
・・・・・・圧電磁器板、１３・・・・・・ベース、１
４・・・・・・突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 正方形の金属振動板の中央に圧電磁器板を貼合せ、
   上記金属振動板の各辺の中央部をベースに固定したこと
   を特徴とする振動検出器。 ２ 金属振動板の各辺の中央部に支持子を該金属振動板
   と一体に設け、該各支持子を少くとも９０度ねじった後
   ベースに固定したことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の振動検出器。 ３ 金属振動板の四隅のうち、少くとも一隅を切除した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項または
   第２項記載の振動検出器。