JPS5823886B2 - 金属中のガス分析装置における抽出炉自動清掃装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、金属中のガス（窒素、酸素、水素等）を分析
する装置の主要な部分の一つである抽出炉に関し、詳し
くは上部電極と昇降駆動される下部電極との間にるつぼ
を圧締し、該るつぼに直接通電してジュール熱により該
るつぼを加熱するようにした所謂直接加熱方式の抽出炉
における清掃作業の省力化技術に関する。

抽出炉内は、溶融金属の突沸や、るつぼの昇華等によっ
て汚れるだめ、分析終了時に毎回炉内を清掃する必要が
ある。

従来、この清掃作業は、全て手作業によって行なわれて
いただめ、非能率であり、殊に、製鉄所における炉前分
析等では１日当り１００〜２００回の清掃が行なわれ分
析担当者の大きな負担になっている。

しかも、炉内の清掃状態に個人差ができ、例えば、電極
面の清掃状態に程度差があると、るつぼの電極への接触
抵抗が変化して抽出効率が変わる等、次の分析値にも影
響を及ぼすことがある。

まだ、清掃時に出るすす状のダストは、装置周辺を汚す
だけでなく、作業環境汚染にもつながり、マスクの着用
を強いられることが多い。

本発明は、これらの従来欠点を一掃し得る簡単な構造の
抽出炉自動清掃装置を提供するものである。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は自動清掃装置を備えた抽出炉全体の概要を示し
、１は抽出炉本体Ａに固定された上部電極、２はエアー
シリンダー３によって昇降駆動される下部電極である。

上部電極１には、黒鉛るつぼａの開口縁に接触する電極
面Ｓｌが、寸だ下部電極２には前記るつぼａの底に接触
する電極面Ｓ２がそれぞれ形成されていて、これら両電
極１，２の電極面Ｓｌ、８２間でるつぼａを圧締し、該
るつぼａに直接通電してジュール熱を発生させ、るつぼ
ａに収納した試料金属を溶融し、発生したガスを不活性
のキャリヤガスにのせて分析計へと送り出すようになっ
ている。

第１図乃至第３図に示すように、抽出炉本体Ａの側部に
は、ベース４が取り付けられており、該ベース４には、
前記両電極１，２に対して遠近移動自在なブラケット５
が２本の水平なガイドバー６ａ 、６ｂを介して取り付
けられ、該ブラケット５と前記ベース４との間に介装し
たエアーシリンダ７によって、移動駆動されるように構
成されている。

前記ブラケット５には、清掃ユニット８が前記ブラケッ
ト５に架設した２本のガイドバー９ａ。

９ｂに沿って昇降自在で、かつ、自重と前記ガイドバー
９ａ 、９ｂに套嵌した圧縮スプリング１０の力によっ
て下降付勢された状態に取り付けられている。

清掃ユニット３のギヤブロック１１には、第１図乃至第
６図に示すように、上下両端に回転ブラシ１２．１３を
着脱交換可能な状態に固定し、中間部にウオームホイー
ル１４を固定したシャフト１５と、水平方向のウオーム
シャフト１６とが軸架され、図外のフレキシブルシャフ
トをウオームシャフト１６の一端に接続して、該シャフ
ト１６を回転駆動することにより、回転ブラシ１２．１
３が適当な速度で回転するように構成されている。

前記ギヤブロック１１には、上面に開口する吸気路１７
と下面から突出する複数の吸気ノズル１８とが、真空掃
除機（市販のものを使用している）に対する第一接続口
１９と連通しだ状態に設けられており、これら１７，１
８．１９によってダスト吸引手段の一例を構成しである
。

また、ギヤブロック１１の前面下部には、るつぼａの外
面形状に対応する凹入面をもったるつぼホルダー２０が
付設され、該ホルダー２０には前記凹入面に開口する吸
気路２１が、前記真空掃除機に対する第二接続口２２と
連通した状態に穿設され、これら２０゜２１．２２によ
って使用済るつぼ除去手段２３の一例を構成しである。

尚、図中、ＬＳＩ は、ギヤブロック１１に固着したス
ライドブロック２４で蹴られることにより、清掃ユニッ
ト８が下限位置捷で下降したことを検知するリミットス
イッチ、ＬＳ２は使用済るつぼａで蹴られることにより
、使用済るつぼａが炉外に取り出されたことを検知する
リミットスイッチであり、前者のリミットスイッチＬＳ
Ｉが蹴られることによって、前記エアシリンダー７の収
縮動作が許容され、後者のリミットスイッチＬＳ２が蹴
られることによって前記エアシリンダー３の伸長作動が
許容されるような制御回路が組まれている。

次に、上記構成の作用について説明する。

第７図イに示す如く、分析が終了し、下部電極２が下降
した状態で、前記エアシリンダー７を伸長作動すると、
ブラケット５が前進し、第７図口に示す如く、清掃ユニ
ット８が上下両電極１，２間に進入する。

この進入に伴い、下部電極２上にある使用済るつぼａは
前記るつぼホルダー２０に吸着され、炉外へと取り出さ
れる。

そして、第７図ハに示すように、清掃ユニット８が所定
位置まで進入した時点で、るつぼホルダー２０への吸気
作用が停止し、使用済るつぼａが所定位置に放出される
。

この状態で、エアシリンダー３が伸長作動し、下部電極
２が上昇すると、清掃ユニット８のギヤブロック１１が
下部電極２で押し上げられ、第７□図二に示す如く、上
下両電極１，２で挟持される。

この状態においては、上方の回転ブラシ１２が上部電極
１内周面及び電極面Ｓ１に圧接し、下方の回転ブラシ１
３が下部電極２の電極面Ｓ２に圧接するので、ブラシ１
２．１３を回転させることによりこれら各部位への不着
物が清掃され、発生したダストと共に、前記吸気路１７
、吸気ノズル１８を経て図外の真空掃除機さと吸引され
る。

清掃が終了した後、エアシリンダー３を収縮作動して下
部電極２を下降すると、清掃ユニット８；が前記付勢力
によって下降し、下限位置に復帰した時点で、エアシリ
ンダー７が収縮作動し、第７図ホに示す如く、清掃ユニ
ット８を退出させるのである。

尚、上記の実施例では、使用済るつぼ除去手段・２３が
真空掃除機の吸引力を利用して、使用済るつぼａを吸着
するようになっているが、この除去手段２３としては、
例えば、使用済るつぼａを圧搾空気で吹き落とす構成と
してもよく、あるいは単に、清掃ユニット８の進入に伴
って突き落とす；構成であってもよい。

本発明は、上述の構成よりなり、使用済るつぼの除去、
上下両電極の清掃を自動的に行なえ、分析担当者の負担
を軽減でき、かつ、清掃状態に個人差が生じることもな
り、シかも、ダストも同時：に吸引するだめ、外部への
ダストの飛散による作業環境の悪化を防止できる。

殊に、本発明では、清掃ユニットをブラケットに対して
昇降自在で、かつ、下降付勢された状態に設けただめ、
下部電極の昇降動作によって、清；掃ユニットを回転ブ
ラシが両電極に圧接する位置と離間する位置とにわたっ
て上下に移動させることができ、下部電極の昇降、駆動
源が清掃ユニット上下移動の駆動源として兼用されるだ
め、構造が簡単であり、低コストで実施可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は全体正面図、
第２図は要部の一部切欠正面図、第３図は要部の側面図
、第４図は要部の縦断正面図、第５図は要部の横断平面
図、第６図は要部の縦断側面図、第７図イ、口、ハ、二
、ホは作用図である。 １・・・・・・上部電極、２・・・・・・下部電極、ａ
・・・・・・るつぼ、５・・・・・・ブラケット、８・
・・・・・清掃ユニット、１２゜１３・・・・・・回転
ブラシ、１７，１８．１９・・・・・・ダスト吸引手段
（吸気路、吸気ノズル、第一接続口）、２３・・・・・
・使用済るつぼ除去手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上部電極と昇降駆動される下部電極との間にるつぼ
   を圧締し、該るつぼに直接通電して詠るつぼを加熱する
   抽出炉において、前記両電極の側方に、両電極に対して
   遠近移動可能なブラケットを設け、該ブラケットには清
   掃ユニットを該ブラケットに対して昇降自在で、かつ、
   下降付勢された状態に設けて下部電極の昇降動作により
   昇降するように構成し、該清掃ユニットには、使用済る
   つぼ除去手段と、前記両電極内部を清掃する回転ブラシ
   と、ダスト吸引手段とを装備してなる金属中のガス分析
   装置における抽出炉自動清掃装置。