JPS5823495Y2 - プロジエクシヨン溶接における被溶接物吸引用電極 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プロジェクション溶接をする際、被溶接物を
吸引保持するための電極に関する。

２つの部材をプロジェクション溶接するには、一方の被
溶接物を下部電極上に載置し、該一方の被溶接物へ当接
される突起部を備えた他方の被溶接物を、上部電極に吸
引保持させることが多い。

ところが、このように被溶接物を吸引保持するための従
来の電極にあっては、平板状とされたその吸着面に単に
吸引口が開口されただけなので、吸引される被溶接物の
突起部が、例えば全周に渡って同一高さとされた環状に
形成されていると、該突起部側が電極の吸着面に当接し
た状態でも該電極に吸引保持されてし１い、溶接不能に
なるという事態が生じ易かった。

このような事態を避けるため、電極に、吸引保持した被
溶接物の裏表を識別するための装置を別途装着するよう
にしたものもあるが、構造が複雑で高価になるばかりで
なく、電極は消耗品であるという点から、このような手
段は事実上採用し得なかった。

本考案は以上のような問題点を解消するもので、環状突
起部側の面が吸着面に対向したときは、被溶接物を吸引
できないようにした電極を提供することを目的とする。

以下に本考案を図示実施例につき説明する。

第１図、第２図において、吸引用電極Ａはその下面１に
凹所２を有し、該凹所２の底面は、吸着面２ａとされる
関係上平担面とされている。

この吸着面２ａには、電極Ａ内に形成された吸引路３の
＝端が吸引口３ａとして開口され、該吸引路３の他端は
ホース接続口３ｂとして電極Ａの側面に開口され、ここ
に真空ポンプから伸びる吸引ホース（共に図示路）が接
続されるようになっている。

また、電極Ａの下面１には、凹所２の周回り方向に一定
間隔をあけて、それぞれ該凹所２内と連通しかつ吸着面
２ａに達する複数個の逃げ溝４が形成されている。

実施例において第３図に示すように、被溶接物５の一端
面５ａすなわち溶接面側に形成された突起部６が環状と
されている場合、電極Ａの吸着面２ａに被溶接物５の他
端面５ｂ側より近づけると、吸引口３ａより空気が吸引
されているので、該被溶接物５は、第４図のと釦すその
他端面５ｂが吸引口３ａを閉塞するようにして吸着面２
ａに着座し、電極Ａに吸引保持されることとなる。

また、被溶接物５は、その他端面５ｂ側が電極Ａの凹所
２内に収納され、その吸引保持をより一層確実なものと
される。

い１１被溶接物５の向きが第３図上下逆とされ、突起部
６を有する一端面５ａ側より電極Ａの吸着面２ａに近づ
けると、第５図から明らかなように、吸引口３ａは、吸
着面２ａと被溶接物５との間すなわち環状突起部６内に
形成される空間７を介して大気と連なる逃げ溝４に連通
され、電極Ａは被溶接物５を吸引保持することが不可能
となる。

このように、本考案による電極Ａは、他の識別装置を別
途設けることなく、被溶接物５を溶接可能な状態でのみ
吸引保持することができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電極の一実施例を示す断面図、第
２図は第１図の底面図、第３図は被溶接物の一例を示す
断面図、第４図は溶接可能な正常位置で被溶接物を吸引
している状態を示す断面図、第５図は溶接不可能な異常
位置で被溶接物を吸弓している状態を示す断面図、であ
る。 Ａ・・・・・・電極、２ａ・・・・・・吸着面、３ａ・
・・・・・吸引口、４・・・・・・逃げ溝（逃げ部）、
５・・・・・・被溶接物、６・・・・・・環状突起部、
７・・・・・・空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸着面に吸引口を開口させ、被溶接物を前記吸着面に吸
   引保持させるようにした、プロジェクション溶接におけ
   る被溶接物吸引用電極において、前記電極に、被溶接物
   の環状突起部を前記吸着面に当接させたとき、該突起部
   内に形成された空間を介して前記吸引口と大気とを連通
   させる逃げ部を形成したことを特徴とするプロジェクシ
   ョン溶接における被溶接物吸引用電極。