JPS5823072B2

JPS5823072B2 - 農業用合成樹脂フイルム

Info

Publication number: JPS5823072B2
Application number: JP54031067A
Authority: JP
Inventors: 英雄梅沢; 保上島; 道也瀬戸
Original assignee: Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Current assignee: Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date: 1979-03-19
Filing date: 1979-03-19
Publication date: 1983-05-12
Also published as: JPS55124485A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、新規な農業用合成樹脂フィルムに関し、更に
詳しくは、３８０ｎｍ以下の波長の光を実質的に完全に
遮蔽し、３８０〜４９０ｎｍの波長の光の平均全光線透
過率が６０％以下であり、かつ、４９０ｎｍ以上の波長
の光の光線透過率が７０％以上であることを特徴とする
葉タバコの「白ぼけ葉」および「急乾葉」の発生防止に
効果がある農業用合成樹脂フィルムに関する。

従来より、葉タバコを生産する際、葉タバコを乾燥させ
るため農業用合成樹脂フィルム、例えば、梨地エンボス
化した農業用塩化ビニールフィルムで、被覆したビニー
ルハウス内で日光により乾燥させる方法がとられている
。

しかしながら、ビニールハウス内で葉タバコを乾燥させ
ると、日照が強い場合は「白ぼけ葉」や「急乾葉」とい
う不良葉が発生する。

そのため、さらに遮光幕を併用して全通過光量を落すと
いう手段をとっているが、この方法では「急乾葉」の発
生防止には効果があるものの「白ぼげ葉」の発生防止に
は効果がない。

本発明者等は、鋭意研究を進めた結果「白はげ葉」の発
生は、紫外線（３８０ｎｍ以下）を実質的に完全に遮蔽
し、かつ、３８０〜４９０ｎｍの波長の光の平均全光線
透過率を６０％以下にすることにより、完全に防止でき
ることを見出し本発明を完成した。

すなわち、本発明は、３８０ｎｍ以下の波長の光を実質
的に完全に遮蔽し、３８０〜４９０ｎｍの波長の光の平
均全光線透過率が６０％以下であり、かつ、４９０ｎｍ
、以上の波長の光の光線透過率が７０％以上であること
を特徴とする農業用合成樹脂フィルムである。

かかる光線選択性を付与した農業用合成樹脂フィルムに
より被覆したビニールハウス内で、葉タバコを乾燥させ
ることにより「白ぼげ葉」の発生を極めて効果的に防止
することができる。

ここで［３８０ｎｍ以下の波長の光を実質的に完全に遮
蔽する］とは、該波長の光を１００％完全に遮蔽する場
合のみならず、該波長の光を２％までの通過を許容する
意味で使用する。

このような光線選択性を有する農業用合成樹脂フィルム
は公知の紫外線吸収剤および一般に黄色を呈する染料、
顔料の１種又は２種以上を本発明の趣旨に合致するよう
に添加量を適宜決定し、樹脂に添加混合し、通常の成形
法でフィルムにすることにより得られる。

このような紫外線吸収剤はベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系、シアノアクリレート系等の任意のものが
使用可能であるが、殊に好適に使用できるものは下記の
一般式で表わされるベンゾトリアゾール誘導体であり、これら
を樹脂１００重量部に対して０．１〜３．０重量部の範
囲で適当量添加すればよい。

（Ｒ１は炭素数３〜５個の分銀状のアルキル基を表わし
、へは炭素原子１〜８個の直鎖状、又は分枝鎖のアルキ
ル基を表わす。

）これらを樹脂１００重量部に対して０．１〜３，０重
量部の範囲で適当量添加すればよいが、１．５重量部程
度が好適に使用可能である。

また、一般に黄色を呈する染料、顔料の例としては、例
えばＰＶ・ファスト・イエローＨＲ（ヘキスト社製、商
標）クロモフタル・イエロー（チバ・ガイギー社製、商標）ミツイ・ＰＳ・イエローＧ（三井東圧化学製、商標）等が使用可能であるが、これらを樹脂１００重量部に対
して０．０２２重量部上適当量添加すればよい。

本発明に使用する農業用合成樹脂フィルムとはポリ塩化
ビニル、ポリエチレン、エチレン−酢ビ共重合体、ポリ
エチレンテレフタレート、アクリル樹脂等の熱可塑性合
成樹脂原料より成形されたフイルベ及びシートを言い、
耐候性の良い肉厚５０〜５０００μのものが望ましい。

本発明の農業用合成樹脂フィルムは、また必要に応じて
通常の各種樹脂添加物、例えば可塑剤、熱安定剤、充填
剤等を含むことができる。

マタ、ビニールハウスにて葉タバコの乾燥作業を行なう
際、作業をし易くするため、ベタツキを少なくする目的
でフィルム表面を粗面にしてもよい。

そして、上記配合剤を有するフィルムで被覆したビニー
ルハウス内で葉タバコを乾燥させると「白ぼけ葉」の発
生を完全に防止するだけでなく、「急乾葉」の発生も抑
えることができるという意外な効果をも発揮する。

次に本発明を実施例により説明する。

なお、フィルムの光線透過率は、島津製作所（株）製分
光光度計ＵＶ２００によって測定した。

また、特にことわらない限り実施例及び比較例中の部は
重量部を表わす。

実施例１ポリ塩化ビニル（注１）１００部（
ｐ１３００）ＤＯＰ（ジオクチルフタレート）５０部＼エポキシ可塑剤３部ステア
リン酸バリウム０．５部ステアリ
ン酸亜鉛０．５部紫外線吸収
剤（注２）１．５部黄色顔料（
注３）０．０４部炭酸カルシウ
ム５部（注１）平均重合
度を示す。

（注２）チバ・ガイギー社製「チヌビン３２７」（注３）ヘキスト社製「ＰＶ・ファスト・イエローＨ
ＲＪ上記、配合組成を有するコンパウンドを常法により混練
し、ロール加工により厚さＱ、１５ＴＩｔ１ｒＬの粗面
フィルムとした。

実施例２実施例１において、黄色顔料の添加量を０．０２部とす
る以外は実施例１と同様にして、厚さ０、１５ｍｍの
粗面フィルムを得た。

実施例１および実施例２のフィルムの光線透過率をそれ
ぞれ第１図のＥ−１，Ｅ−２として示すが、両者共３８
０ｎｍ以下の波長の光は実質的に完全に遮蔽されており
、また３８０〜４９０ｎ７７Ｌの波長の光の平均全光線
透過率は、それぞれ４５．０％、６０．０％であった。

更に、４９０ｎｍ以上の波長の光の光線透過率はそれぞ
れ、７０％以上及び８１％以上であった。

比較例１市販の農業用梨地塩化ビニールフィルム（厚さ０、１５
ｍ）比較例２実施例１において、炭酸カルシウムを全く添加しないこ
と及び黄色顔料の添加量を０．０１部としたこと以外は
実施例１と同様にして、厚さ０．１５ｒｔｔｍの粗面フ
ィルムを得た。

比較例１、′および比較例２のフィルムの光線透過率を
それぞれ第１図のＲ−１、Ｒ−２として示す。

前者は２９０ｎ７Ｗ以下の波長の光を実質的に遮蔽し、
また３８０〜４９０ｎｍの波長の光の平均全光線透過率
は９２，０％であり、後者は３８０ｎｍ以下の波長の光
を実質的に完全に遮蔽しているが、３８０〜４９０ｎｍ
の波長の光の平均全光線透過率は６９．５％であった。

更に、４９０ｎｍ以上の波長の光の光線透過率はいずれ
もほぼ９０％であった。

試験例上記実施例１．２および比較例１．２のフィルムならび
に比較例１のフィルムに遮光幕を被覆したものをビニー
ルハウス５棟にそれぞれ展張し、葉タバコの乾燥を行っ
た。

試験に使用した葉タバコの品種は「バーレー」および「
白遠州」の２種であり、乾燥期間は３０日とし、また乾
燥方法は「幹干し」によった。

不良葉の発生状況は下記の通りであり、本発明が葉タバ
コを乾燥させる際発生する「白ぼけ葉」の防止に極めて
有効である上、「急乾葉」の発生防止にも効果があるこ
とは明らかである。

（結果）「白ぼけ葉」「急乾葉」の発生割合の発生割合実施例１（Ｅ−１）０％１０％実施例
２（Ｅ−２）２％１０％比較例１（Ｒ
−１）５２％５６％比較例２（Ｒ−２）
１１％１２％比較例１に遮光幕を２０
％１１％被覆した場合

【図面の簡単な説明】

第１図はフィルムの光線透過率と波長との関係を示した
グラフである。図中でＥ−１，Ｅ−２はそれぞれ実施例１および実施例
２で用いたフィルムを示しＲ−１，Ｒ，−２はそれぞれ
比較例１および比較例２で用いたフィルムを示ス。

Claims

【特許請求の範囲】

１３８０ｎｍ以下の波長の光を実質的に完全に遮蔽し
、３８０〜４９０ｎｍの波長の光に平均全光線透過率が
６０％以下であり、かつ、４９０ｎｍ以上の波長の光の
光線透過率が７０％以上であることを特徴とする農業用
合成樹脂フィルム。